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感想「わるいやつら」

「わるいやつら」 宇都宮健児 集英社新書
昨年末の都知事選では次点で、今回も出馬の意向を固めたという弁護士さんの本で、2013年の9月に出たもの。
本書の主なポイントは、悪質な金融業者、多重債務処理の悪用、振込詐欺など、「わるいやつら」の実態や手口を解説する所にあるが、著者は元々サラ金や闇金融の問題と取り組んできた人で、そこから始まって年越し派遣村や反貧困ネットワークにもかかわってきた、その辺のいきさつについても触れられている。
本書を読む限り、元々、貧困の中にいる人たちに同情的だったという下地はあるにしても、正義感に燃えて渦中に飛び込んだというよりは、どちらかというと成り行きで、そういうことに関わるようになって、そのまま深入りして行った感じ。ただ、その分、理想論だけではない、地に足の着いた所があるように感じられる。リアルにサラ金や闇金融と戦ってきた人だし、そうでないとやってこれなかっただろうとも思う。
貧困をなくすには、それを生み出してる政治を変えなくちゃだめだ、という筋道も明確だし、この人が都知事になれば、都政は弱者に対してやさしい方向に、ずいぶん変わるだろうな、という気がする。
問題は、選挙民が、それをどう判断するか。自分が弱者になる可能性を想定できるかどうか、弱者が人に助けを求めることに、何も問題はないということを理解できるのかどうか。少なくとも、前回の選挙では、石原の後継者だった猪瀬が、あんなに大量得票出来たことを考えると、相当数の人たちが理解していなかったと思うんだが、それが、この1年でどれだけ変わっているか。

まあ、いずれにしても、俺は都知事選には選挙権がないんだけども。
(2013.12.30)

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