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感想「ラグビー「観戦力」が高まる」

「ラグビー「観戦力」が高まる」 斉藤健仁 東邦出版
ラグビーは、試合数は結構見ているけれども、プレー経験があるわけじゃないし、元々まるっきり素人なんで、本屋で見掛けた本を、少し勉強しようかと買ってみた。
まあ、野球もサッカーも素人だけど、真似事くらいやったことはあるし、そんなに意識してなくても、普通のメディアから入って来る情報量が桁違いに多いから、何となく分かってる気になってるけど(あくまでも「気」だけど)、ラグビーに関しては分かってない所は本当に分かってないんで。

かなり勉強になった。説明が具体的なので、今まで読んだり見たりしたルール解説でよく分からなかった所が、いろいろ、はっきりした。ポジションの説明も、ここまで丁寧に説明してくれてるのを読んだのは初めてじゃないかな。
たとえば、スクラムにボール入れてから出て来るまでの流れなんか、大雑把にしか分かってなかった。ようやく、はっきり分かった。ポジションの右と左で、違いがあるというのは聞きかじってたが、あんまりちゃんと考えたこともなかった。言われてみれば、そういやそうだなと思って、目からウロコな感じ。
次の観戦では、いくらか「観戦力」が高まった目で、試合を見れるような気がする(^^;)
(2014.1.23)

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感想「反戦大将 井上成美」

「反戦大将 井上成美」 生出寿 徳間文庫
普通はまず読まない類の本だけど、年末に古本屋で見かけて、たまたまその日の朝の東京新聞のコラムで、半藤一利がこの人のことを取り上げていたのを思い出して、買ってみた。

大平洋戦争末期に終戦工作に奔走した最後の海軍大将だそうで、それ以前も、この時期の日本にしたら、急進的なくらいの平和主義者だったらしい。こういう人が日本軍の中で、あの時期に、よくまあそういう立場に居てくれたもんだ、という感じ。戦後も「サイレントネイビー」にならずに、日本軍がどういう愚行を犯したかということを語り続けたんだそうだ。
本書の著者自身も海軍に居たことがあり、兵学校では、当時校長だった井上と接していて、戦後も繋がりがあったということだから、ある程度、バイアスはかかってるかもしれないが、井上さんというのは相当立派な人だったようだ。理性的な判断を下すことが出来て、決めたことを貫く意志の強さや勇気も持ち合わせていた。あの時期の日本では、それは本当に大変だったに違いない。
もっとも、終戦工作といっても、一人で出来たことじゃなく、協力した人たちもいたし、そもそもそういう立場に彼を置いた周囲があってのことでもあるから、個人だけを持ち上げるのは筋違いだろう。割とめんどくさい所や変な所もある人だったというエピソードを所々に挟んでるのも、個人を妙に神格化しないための、本書の著者なりのバランス取りかもしれない。

それにしても、日本の今の問題は、こういうちゃんと筋を通した物の考え方をする人が、国の中枢にあんまり居ないように見えることだ。大平洋戦争の時だってそうだったんだから、所詮、そういう国なのかも、と思えなくもないが、筋の通った国にするために、やれる限りの努力はしたいわな。戦争ということについていえば、自分の勝手な感情だけで、軽々しく戦争を口にするような奴らを少しでも追い払って、いくらかでもこの国をマシな方向に持っていく側でいたい。それが「英霊」に報いるってことでもあるんじゃないのか、と思ったりもする。
(2014.1.21)

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「ヌイグルマーZ」

中川翔子主演の映画。
原作は大槻ケンヂの小説だそうだけど、どこまで内容が沿っているのかはわからん。なにせ、主演に他の人間は考えられないような話の中身(^^;。原作を相当いじってると思われる。もっとも、著者もこの映画製作に参加しているので、承知の上のはず。

宇宙から来た生命体が寄生したぬいぐるみと中川翔子が一体化すると、スーパーヒーロー(ヒロインではない(^^;)ヌイグルマーに変身。そして、ゾンビ軍団と戦うという話。大槻ケンヂと中川翔子のカラーが出まくってて(監督のカラーでもあるらしいが)、特撮、コスプレ、格闘技、ロック、ホラーというような要素がぐちゃぐちゃに混じり合ってるゲテモノ。チャチな作りでツッコミ所満載だけど、明らかにそれを承知で(狙って)作ってるんだし、笑って見てりゃいい映画だと思う。バカバカしくて面白かった。中川翔子にとっては、全てを出し尽くした集大成みたいな映画なんじゃないのかな。。

居場所のない人間の孤独、というのが、けっこう前面に出ていて、それは確か大槻ケンヂも中川翔子も抱えていたテーマのはずだし、その部分でちょっとシリアスな部分はあるけれど、まあ、それはそれ。というか、そういう要素も抱えてなかったら、ヒーロー特撮物じゃないし。

特撮へのこだわりが感じられる画面だったのも良かったな。

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トップチャレンジ1第2節三菱相模原対ホンダ

2014.1.19(日) 14時 駒沢オリンピック公園陸上競技場

 三菱相模原ダイナボアーズ 19(12−11)28 ホンダヒート
                (7-17)  

三菱相模原1敗、ホンダ1勝で迎えた第2節。
開始早々、ホンダがトライで先制したので、こっちの試合も惨劇か?、と思ったんだけど、早々に三菱相模原がラインアウト→モールの流れでトライを決めて追いついた。10分過ぎにホンダの古屋がハーフウェイ付近、右外からの長いPGを決めて勝ち越すも、30分に三菱相模原が分厚い攻めからトライを決めて逆転。35分過ぎにはホンダの古屋がまた長いPGを決め(前半はホンダが強い追い風だった)、12-11の最少得点差で三菱相模原がリードして折り返し。第一試合とは打って変わった接戦になった。
後半は三菱相模原が追い風だから(前半の展開的にも、厚みが感じられたのは三菱相模原の方だったし)有利かなと思ってたが、開始早々、三菱相模原の守備の乱れを突いてターンオーバーしたホンダが逆転のトライ。しかし、直後に、今度はホンダのミスから三菱相模原がトライを決めて再逆転、接戦の様相は変わらない。
大きく流れが変わったのは20分過ぎ。この時間帯はホンダが優勢で攻め込んでいたのを、三菱相模原が堅守で跳ね返す展開だったんだが、その中で三菱相模原にシンビン。そのペナルティから始まった攻撃でホンダが一気に押し込んでトライを決めて19対25と逆転して、その後、流れはホンダに傾いた。パスがよく回って、相手に付け入る隙を与えない。三菱相模原もよく守ってはいたけれども、なかなか攻勢に転じることが出来ない。前半のうちから、攻撃はSOスティーブン・ドナルドの存在感が大きかったんだけど、この時点では交代してピッチに居なくなっていて、彼抜きでは、攻撃の形を作ることが出来ないように見えた。
それでもまだ6点差だったし、三菱相模原の守備はしぶとくて、試合展開からすると、カウンター一発でまた逆転という可能性は充分ありそうには思えていたが、35分過ぎに古屋のDGが飛び出して点差が9点に広がり、ワントライでは追いつけなくなって、決着が付いた感じ。

ホンダは選手一人一人の連携がしっかり取れていて、特に後半途中からは本当にきれいにパスが回って、見ていて楽しかった。三菱相模原が司令塔あってのチームだなと感じたのとは対照的だった。もちろん、ドナルドのプレー自体は、気が利いていて、見ていて面白かったんだが、チームとして面白かったのはホンダの方だったので、まあ、この結果でいいのかな、という感じではあった。
この結果、来週の花園で、ホンダとサニックスの勝った方がトップリーグへ自動昇格することになる。ただ、負けた方もNTTドコモとの入替戦に進むので、シーズンが終わるわけではない。
三菱相模原は入替戦行きが決定。相手はNTTコムかコカコーラウエストになる。かなり厳しいんじゃないかな。
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トップチャレンジ1第2節サニックス対横河

2014.1.19(日) 12時 駒沢オリンピック公園陸上競技場

 福岡サニックスブルース 113(52−7)7 横河武蔵野アトラスターズ
                (61-0)  

サニックス1勝、横河1敗で迎えた第2節。
開始早々、ラインアウトからのモールであっさりサニックスが先制。元々、今回のトップチャレンジ1では、参加4チーム中、横河が一段低いのは明らかだったし、ある程度予想はしてたけど、力の差は相当ある、という印象。その後もサニックスが一方的に押しまくったが、あまりにも簡単なので、サニックスのプレーが雑になってミスが増え、追加点は12分まで入らなかった(これもラインアウトからモール)。しかも次に得点したのは横河。20分過ぎに、サニックスが力づくで持ち込もうとしてこぼしたボールを拾って、自陣からターンオーバー。一気に裏へ抜け出して、最後はFL李がトライ。17対7。
でも、多分、この得点がサニックスのスイッチを入れちゃったんだと思う。24分に細かいパスの繋ぎからサニックスが得点すると、あとは雪崩。隙が見えなくなった。横河も浮足立ってしまって、いつもならこんなミスはしないんじゃないかというようなプレーがあちこちで起きて、どうにも止まらない。前半で52対7。
後半も流れは変わらなかったが、途中からサニックスがどんどんメンバーを入れ替え始めると、さすがに勢いが落ちて、ある程度、横河が付け込めるようになってきた。20分頃には、サニックスゴール前まで攻め立てる場面もあったんだけど、決めきれない。攻勢をかけたこの時間帯に得点できずに終わると、横河にはもう力が残っていなかった。サニックスにやりたい放題に走りまくられ、113対7までスコアが積み上がった所で試合終了。

とにかく力の差が圧倒的。スピードはともかく、フィジカルというかパワーというかが桁違い。日頃の環境も鍛え方も全然違うんだから、しょうがないとは思うが。メイン中央で見てたが、周囲まで横河の応援団が広がってきていて、声もいろいろ聞こえてきた。横河はサラリーマンチームだからしょうがない、みたいな諦めの言葉が、応援団の間でも言われてはいた。
ただ、それでも横河はトップイースト2位だし、他のトップイーストのチームから見たら強豪のわけで。いつものパフォーマンスが出せれば、もう少し何とかなったんじゃないか、という気はするんだけども、出せてなかったな。フィジカルの差の影響もあってか、怪我での交代が続出したのも、横河には痛かったと思う。この先の試合に響かなければいいけれどね。
サニックスが強かったのは間違いない。ただ、やっぱり、隙を見えなくなってからも、力任せで雑な所は残っていたように見えた。今日の相手にはそれでも問題ないんだけど、それこそトップリーグに昇格した時、それで大丈夫なのかな、という気はする。まあ、大丈夫じゃなかったから、降格したのかもしれないけれど。
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トップリーグ2ndステージ第7節サントリー対ヤマハ

2014.1.18(土) 14時15分 秩父宮

 サントリーサンゴリアス 22(13−0)19 ヤマハ発動機ジュビロ
              (9-19)  

サントリーはほとんど何もかかってないが、ヤマハは勝てばプレーオフ行きの可能性がかなり高くなる試合。ただ、ヤマハが勝ち点4で勝っても、明日の神鋼対東芝で東芝が負けても勝ち点1を拾うとヤマハを上回ってしまい、プレーオフ進出成らずの状況だったようで、それが多分に影響したみたい。

勝ち点5(トライ4つ以上)を取りに来たヤマハは序盤、試合の入りに失敗したサントリーの陣内に攻め込んで、PGは捨ててひたすらトライを取りに行ったけど、サントリーはそう簡単にはトライをくれないわけで…。得点できないまま、試合の流れが変わり、逆にサントリーがPG2つとトライで大きく先行。

しかし後半も、サントリーは立ち上がり低調。ヤマハに攻め込まれ、粘ったものの結局トライを奪われ、しかもシンビンで一人を欠いて、ヤマハがもう1トライ。五郎丸が難しい角度のコンバージョンを両方決めたので、これで逆転。
でも逆転した所で、ヤマハは一息ついちゃった感じで、そうするとサントリーがじわじわ巻き返す。PG2つで再逆転。
ヤマハは30分過ぎに1本のキックパスで大きくゲインした所から反攻。35分にラインアウトからモールを作り、気合いで同点トライを押し込む。ヤマハ応援団は最高潮。でもこのコンバージョンを五郎丸が外してしまう。そんなに簡単なキックじゃなかったけど、今日蹴った3本の中では一番楽な位置だったはず。プレッシャー?
19対19のままホーンが鳴ったが、サントリーは蹴り出さずに勝ちにいく。トライ寸前まで行くが、そこでヤマハがターンオーバー。一気にサントリー陣内まで戻し10mを越えたあたりでギャンブルでキックパス。でも通らない。今度は逆にサントリーがターンオーバー。トライ寸前でヤマハのタックルは間に合ったものの、そこでペナルティ。ゴール前1mくらいからのライアンのPGが決まって、サントリーが辛勝。ヤマハはプレーオフをほぼ逃した。

今日はモチベーションの関係もあったのかもしれないけど、サントリーはやっぱり本調子ではないと思う。プレーオフはどうなるか。
サントリー優勢の試合だったとはいえ、ヤマハにも、間違いなく勝機はあったはずなんで、惜しかった。プレーオフの3強の一角がついに崩れるかも?と思ったんだけど、そうはならないことが、翌日の神戸製鋼対東芝の結果を待たずにほぼ(わずかな可能性は残っていたらしい)確定しちゃった。
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トップリーグ2ndステージ第7節リコー対クボタ

2014.1.18(土) 12時 秩父宮

 リコーブラックラムズ 28(7−6)13 クボタスピアーズ
              (21-7)  

トップリーグ最終節。
クボタはほとんど何もかかってないが、リコーは負けると入替戦行きの可能性が残る試合。

当然モチベーションはリコーの方が高かったが、いかにもリコーらしい試合運びのまずさで後手を踏む。インゴールでノックオンとか(^^;)。クボタがPG2つで先行。それでも前半35分にリコーがようやくトライを決めて逆転。
それで吹っ切れたのか、後半は立ち上がりからリコーが圧倒。怒涛の3トライで大きくリード。メンバーを入れ替えた終盤、クボタに反撃されたが1トライに抑え込み、リコーが自力で入替戦回避を決めた。

終わってみれば、ヘタレてはいても、追い詰められると結構強いリコーと、おっとりした芸風のクボタが、この状況で戦えば、当然こうなるという試合だったかもしれない。

それにしても、いきなりスコアボードがちっちゃくなっていて、びっくりした(^^;。改修が始まったらしい。
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感想「チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド」

「チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド」 東浩紀・編 ゲンロン
昨年出た本で、チェルノブイリは、事故から約25年が経過した今では、だいぶ放射線量が下がっていることもあり、見学ツアーが行われているそうで、そのツアー体験を中心にチェルノブイリの現状を伝えている。福島第一原発を観光地化しようという提案と連動した企画もの。
なんでそういうことを提案するかと言えば、風化させないためというのが最大の目的で、他にもメリットは考えられるし、その辺については本書のあちこちに書かれている。

本書を見る限り、今のチェルノブイリは、今の日本での対処レベルだったら、少なくとも今では、市内に普通に人が住んでいてもおかしくないように見える。ウクライナでは土地は余ってるが、日本はそうでない、というのが最大のポイントなのかもしれない。
結局、福島第一原発の周辺に、住民がまばらな範囲がもっと広がっていたら、避難の問題はもっと単純だったんじゃないかな。そういうことを考えると、チェルノブイリでこうだったからというのを、福島第一に単純に当てはめるのは無理があるんだろう、とは思う。たとえば避難基準の空間線量とか、その辺の話についても。

ただ、そういうことを冷静に議論する環境がないよな、とも思う。反原発の側に、福島第一の事故への対処について、過剰反応的なものがあるのは確かだと思うが、ここまでの当局側の対応を見て、不信感を持たない方が不思議だし、その結果の過剰反応なのであれば、より問題があるのは情報を受け取る側よりは出す方だ。
しかも秘密保護法とか持ち出して、さらに不信感を高めるようなことをやろうとしているし。

ちなみに過剰反応的なものがあるかなと思っているのは、あくまでも、福島第一の事故で既に放出されてしまった放射能への対応に関する部分。
今も続いてる福島第一からの汚染水漏出とか、事故現場での作業で次々起きる問題とか、原発再稼働とか、これから何かが起きる可能性については、心配し過ぎることなんてないと思ってる。心配しなさ過ぎたから福島第一の事故が起きたんだから。

そういう意味では、福島への支援と反原発は、密接に繋がっているにしても、厳密には分けた方がいいテーマなんじゃないかと思う。それは前から思っているんだけど、反原発運動の現場に行くと、ひとまとめになってることが多いんで、意識しとかないと自分の立ち位置を見失いそうになる。ただ、あんまり細分化してしまうと、運動のパワーが落ちてしまいかねない問題があるだろうけれども。

で、福島第一の観光地化というのは、前者のテーマだ。悪くないアイデアだとは思うけど、現時点であれだけ不安定要因が残っている状況では、そういう話は時期尚早じゃないんだろうか。また地震が来て、不安定な建屋が倒壊したりとか、そういう不安が付きまといそうだ。事故の原因はあくまでも人為的なミスだったし、建っている場所自体の不安は少ないチェルノブイリとはそこが違う。ただ、そういう話題作りでもしないと忘れ去られてしまうというなら、やるしかないだろうけど。俺自身は、忘れるなんて、ありえないと思うんだが。
まあ、その辺は、続篇の「福島第一原発観光地化計画」を読んでみた上で考えた方がいいんだろう。

でもって、改めて、これだけ地面が不安定で、人が密集してる国に原発なんてありえない、とも思うわけで。

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感想「ジャーナリストはなぜ疑り深いか」

「ジャーナリストはなぜ疑り深いか」 ロジャー・サイモン 中公文庫
アメリカの有名コラムニストのコラム集。1970年代半ばから書き始めた人で、本書がアメリカで刊行されたのは1985年。邦訳初版は1988年。
この邦題は煽り過ぎだと思う。原題は単に「Simon Says」で、邦題は冒頭に収録されているコラムのタイトルというだけ。しかも、このコラム自体、多分に洒落でタイトルを付けている。もちろん全体的に、著者のジャーナリストとしてのまっとうな姿勢を感じさせる本ではあるけれど、疑り深く何かを掘り下げていくというスタンスが、特に前面に出ている内容じゃないんでねえ。
70‐80年代のアメリカ(の都会)がどういう所だったかという雰囲気が感じられて、あの頃のアメリカのミステリの背景に見えていた風景だなあと思う。文章も、いかにもアメリカのコラムらしく、しゃれてる。ただ、銃や犯罪の問題が大きく影を落としている。それは今も変わってないようだよな。
巻末には、著者が海外特派員になった時期の、南アフリカとアラビア半島を題材にしたコラムが収録されている。この時期の南アフリカといったらアパルトヘイトの全盛期で、その酷さが書かれていて、とても絶望的な状況に見えるが、今はアパルトヘイトはないし、少なくとも黒人が白人に一方的に抑圧される状況は、もうなくなっている。どんなに暗い状況に見えても、希望はあるということかもしれないと思ったりもする。でも、パレスチナは、今もそれほど良くなっているようには見えないな。
(2014.1.14)

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感想「死者の奢り・飼育」

「死者の奢り・飼育」 大江健三郎 新潮文庫
初めて読んでみた大江健三郎の小説。「死者の奢り」が1957年の最初に発表された短篇で、「飼育」が1958年に芥川賞を取った短篇なんだそうで。割と知られてることかもしらんけど、知らなかった(^^;)。その他4篇を収録した短篇集。

全体的に、太平洋戦争があって、敗戦があって、進駐軍による占領があって、朝鮮戦争があって、水爆実験があって、という時代の流れを強く反映している。ただ、ここで描かれている小説の主人公たちの時代との関わり方は、近年のこの人の市民運動(たとえば、今、かなり中心的な存在の一人になっている反原発運動)に対するスタンスとは違っているように思える。人は変わるということなのかな。
そういう姿勢とも繋がることだが、全体的に強い徒労感や閉塞感を感じるんだけど、これも当時の時代の空気なんだろうか。
もっとも、時代を反映してるといっても、観念的な要素がかなり色濃く感じられるので、リアリティという点ではどうなのかなとは思った。自分では体験してない時代だから、そこは判断がつかない。まあ、著者がリアルな小説を書くという方向を目指してはいないのは確かだと思うけれどね。
やたらと「セクス」にこだわってて、しかも結構アブノーマルな方に振れているのが、いかにも若い作家だなあという感じではあった(^^;)。ちょっと耽美的な所があるのも、それっぽい。そうすると、閉塞感も、若さの表れなのかもしれないと思ったりもする。
独特なものがあるとは感じたけど、そんなに好みではなかった。ただ、もうちょっと近年の作品も一つくらい読んでみないと、どういう作家かという判断はつかないのかな。
(2014.1.10)

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感想「月の見える窓」

「月の見える窓」 新野剛志 双葉文庫
「八月のマルクス」の作家。初回刊行2003年。
キャバクラのスカウトマンが、自分が面倒を見た女の突然の失踪をきっかけに、謎めいた誘拐事件に関わっていく話。

見掛けた犯罪や困ってる人間に見て見ないふりをする社会の風潮に怒りをぶつける内容。それを軸にして、事件を組み立てているんだけど、ちょっと作りすぎてる感じがする。ドラマチックかもしれないけど、リアリティがうすいかな。言いたいことは分かるんだが。
細かい部分にいろいろアイディアがあって、きちんと書いてる小説という感じはするし、登場人物も悪くないんで、一番肝心な所が引っかかっちゃったのが惜しい。まあ、ある意味、事件が普通ぽくない所も、アイディアではあると思うんだけど。

主人公と義弟の関係の結末の付け方が良かった。こういう所も気が利いている。

そういえば、事件の犯人像は、以前だったらそんなにリアリティないかもと思ったかもしれない。でも、「黒子のバスケ」事件なんかを見た後だと、そうとばかりも言えないか、という気がしてくる。結局、「リアリティ」なんて、その程度のものかも。
(2014.1.7)

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トップリーグ2ndステージ第5節東芝対サントリー

2014.1.5(日) 13時 味の素スタジアム

 東芝ブレイブルーパス 29(16−14)30 サントリーサンゴリアス
              (13-16)  

いきなりサントリーが凡ミスを続けて、東芝がPG2つで先行したけど、その後、東芝の緩いパスをスミスがカットして、そのまま逆転トライ。序盤は双方、ノックオンや判断ミスが目立って、試合勘が鈍ってるかなという感じ。それでもだんだん調子は上がってきたようで、ちゃんとした試合になってきた。サントリーが一時6対14までリードしたが、東芝がトライとPGで逆転して前半終了。
後半も一進一退。サントリーが早々に再逆転してPGで突き放しにかかったが、東芝も追いすがって25分に宇薄のトライで再逆転して29対27。それをサントリーは32分にライアンのPGでまた逆転。
終了間際、中央から僅かに東芝陣内に入った位置でサントリーが反則。東芝は今日、PG、Gとも絶好調で、中央付近(この時はサントリー陣内に僅かに入っていた)からのPGも1本決めていた小川のショットを選択。ロスタイムに入り、決まれば東芝の逆転勝ちというキックは僅かにゴールに届かず、サントリーが逃げ切った。激戦だった。

ただ、きわどい試合には違いなかったけど、サントリーのディフェンスが終始東芝に大きいゲインを許さず、接点で頻繁にボールを奪って、試合の主導権を握り続けていた印象はあった。東芝は結局PG主体の試合運びになって、思うように得点を伸ばせなかった。内容的には順当な勝敗だった気がしないでもない。

東芝については、タッチへのキックが、あまりうまくいかなかったのも、ゲイン出来なかった理由のひとつで、ヒルの不調を感じた。なんせ、PGを他の選手が蹴るんだから。もっとも、その小川が見事に決めまくったけれどね。最後に届かなかったのは、あれはしょうがない。
序盤にマイケル・リーチが故障で外れたのも、東芝には痛かったかも知れない。東芝にとって、この敗戦は、プレーオフを目指す上で、ちょっと重くのしかかりそうな気がする。
サントリーについては、ディフェンスは安定していたけれども、攻撃の華々しさは戻ってないな、という感じ。昨日のパナと見比べると、現時点ではやっぱりパナが上かなと思う。まあ、そういうのは相対的なものなので、実際に戦ってみないと、本当の所はわからないんだけれども。
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トップリーグ2ndステージ第5節NEC対神戸製鋼

2014.1.4(土) 14時15分 秩父宮

 NECグリーンロケッツ 17(10−12)33 神戸製鋼
              (7-21)  コベルコスティーラーズ

秩父宮第二試合。

前半はどっちも要所でミスが出て攻めきれない感じ。ただ、神鋼が展開から攻撃を組み立てていく(でも好機でノックオン)という意図がよく見えたのに対して、NECはPGで加点(ショーン・ウェブ不調で1/3しか成功しなかった)、あとは裏へ転がしてバックスが走る(不発)みたいな、消極的で運任せな攻撃が目立った。それでも前半は双方イマイチながら、それはそれで噛み合った試合になってて、割と面白かった。
後半に入ると、神鋼が噛み合い始めたけど、それ以上にNECがおかしくなった。パスはずれるし、ノックオンは多いし、簡単にターンオーバーされる。10分に神鋼がトライで追加点を上げた所で、NECはリザーブだったラトゥとナドロを投入。やっぱ、NECはこの2人がいないと活が入らない、と思ったんだけど、低調な試合運びのまま。24分に神鋼に4つ目のトライを決められた後、ナドロがハーフライン付近でパスカットしてトライまで自分で持っていくビッグプレーを見せたが、それでも流れは変わらない。35分過ぎには自ゴール前のマイボールスクラムでパスミス。インゴールに転がったボールを神鋼に抑えられてトライという駄目押しを食らって、17対33で終了。

NECは時々やらかすヘタレ試合の典型みたいな内容だった。神鋼も最後まで粗さは残ったし、NECの自滅に助けられた面はあると思うんだけど、狙いは明確だったし、面白いラグビーはやってたとも思う。
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トップリーグ2ndステージ第5節キヤノン対パナソニック

2014.1.4(土) 12時 秩父宮

 キヤノンイーグルス 3(3−13)53 パナソニックワイルドナイツ
              (0-40)  

今年のラグビー初観戦。

このカードは1stステージでも見ていて、まさかのキヤノン完勝だった。
今日も、パナソニックが立ち上がりから押しながら、ノックオン連発で攻め切れずにいるうち、キヤノンがPGで先制して、その後のパナの猛攻にも耐えてトライを許さず、PGでの同点に止めたから、あの試合が再現するかと思った。ただ、今日のパナはなかなか噛み合わないにしても力強さはあって、試合勘が鈍ってるだけかな、という雰囲気。主導権をキヤノンに渡してしまうことはなかった。35分過ぎにきっちり縦に繋いで逆転のトライ。前半終了間際にも決定的な形を作って、反則でトライを阻止したキヤノンの選手をシンビンに追い込んだ。これでPGを決め、3対13の折り返し。
後半もパナ優勢で始まり、6分にトライで追加点。8分にはキヤノンに2人目のシンビンで、一時的に15人対13人となり、ここでもパナはきっちりトライを取った。以降はパナが着々と加点するだけ。最終スコアは3対53。年末にサントリーに勝った試合といい、今のパナの強さは本物っぽい。
キヤノンは、前半はしぶといなあと思いながら見てたんだけど、後半は何も出来なかったな。
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全国高校選手権3回戦富山第一対市立浦和

2014.1.3(金) 12時05分 浦和駒場スタジアム

 富山第一 3(3−1)2 市立浦和
       (0−1)

連日の高校サッカー。今日は市立浦和のホーム(^^;、駒場。

立上り、富山第一の方がスキルはあるが空回り気味で、身体能力では上回っているように見えた浦和がやや押し気味だった印象。でも序盤に2回ほどあった決定機を浦和が決め損ねた後の16分、浦和ゴール前で富山のFW渡辺がDF2人に挟まれながら、うまく間を抜いてシュートを打って先制。これで富山がリズムをつかんで、一方的に攻め始めた。25分に中盤からのスルーパスに反応してペナルティに走り込んだ西村?がGKに倒されPK。これを大塚が決めて2-0。25分にも細木?からのスルーパスで抜け出た渡辺が、GKとの1対1をきっちり決めて3-0。さらに富山の攻勢は続き、これは虐殺か?と思ったんだが、なんとか耐えた浦和が、ロスタイムに鍛冶がゴール前で粘った末に、ゴール右上隅に叩き込む気合のゴールで1点を返す。
後半に入ると、めっきり富山の動きが落ちたように見えた。浦和は大会2試合目だったが、富山は3試合目で、その差が疲労で表れたらしい。前半、ルーズボールの競合いで完敗だった浦和がボールを取れるようになって攻勢。57分に小林からのクロスをゴール前で稲辺がボレーで合わせると、綺麗にゴールに吸い込まれて3-2。その後も浦和は攻め続け、鍛冶が中盤からドリブルで5人くらいを抜いてゴール前へ迫る場面もあったりしたんだけど、フィニッシュまでうまく結びつかない。徐々に富山も息を吹き返して、後半の後半は拮抗した展開になり、結局そのまま試合終了。富山が逃げ切った形。

浦和は体格で上回ってる所をうまく生かし切れなかった感じ。ただ、日頃、そういうサッカーはやってないのかもしれない。予選をテレビで3試合ちょろちょろ見て、昨日の2回戦を生で見た印象でもそうだった。あと、昨日から前線の選手の入替をしていて、それが微妙に影響した気もする。故障者が出たりしたのかな。
基本的には本来のプレースタイルが、割と似てるチーム同士だったんじゃないかと思う。だからスキルで上回ってた分、富山が有利だったのかなと。ちなみに、富山の左SB竹澤が印象に残った。小柄だけど運動量は多いし、長いクロスも正確に蹴っていた。
浦和的には、昨日とは全く逆の展開になってしまった。ゴールは両方、けっこうスーパーだったんだけど。そこも昨日と逆だった(^^;。ただまあ、2日とも、最終的には拮抗した試合になって、面白く見れたからよかった。
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全国高校選手権2回戦初芝橋本対市立浦和

2014.1.2(木) 12時05分 埼玉スタジアム2002

 初芝橋本 2(1−3)3 市立浦和
       (1−0)
        
今年初の現地での観戦試合。
高校サッカー見に行ったのは久しぶり。まあ、おつきあいなんだけども。

開始5分に浦和が初芝のペナルティ内でパスを回してるところで、初芝DFが引っ掛けて倒しちゃってPK。早々に浦和がラッキーな先制。と思ったら、直後に攻勢に出た初芝、シュートのクリアボールを拾ったボランチの渡辺が見事なロングシュートを決めてあっさり同点。
基本的に初芝の方が個人の能力は上。ただし、浦和も、連係、というか、フォローがしっかりしていて、守備はなかなか穴が開かないし、攻撃も個人があまり孤立しない。
同点になった後は、浦和にクロスバーを叩くシュートが1度あったものの、基本的には初芝優勢で進んでいたが、13分に浦和がカウンター気味の攻撃で、右サイドからセンタリングを入れると、初芝のDFがゴールへ叩き込むオウンゴールで浦和がまたリード。23分にはCKからDF石神が頭で合わせて3点目。初芝は最初のPKでディフェンスのリズムが狂ったのを修正出来なくて、浮足立ったまま試合が進んでしまった感じ。攻撃も、けっこう鋭いんだけど、連係にやや難があって、パスがうまく通らない。これもリズムが狂った影響かもしれない。
それでも、後半に入って攻勢を強めた初芝は、決定的な場面を何度か作り、浦和ディフェンスの粘りにしのがれていたが、64分に右サイドの角度のない所から、途中出場のFW柳原が鋭いシュートを逆サイドネットに突き刺して、ついに1点差。でも、ここから初芝がなぜかペースダウンしてしまう。1点差になって、ちょっと安心してしちゃったのか? 浦和が息を吹き返して、相手陣内で試合を進める時間が増え、優位に試合を進めるようになり始めた。追加点は挙げられなかったものの、1点のリードをきっちり守り切って、勝ち抜けた。

初芝は、どう考えても、序盤の守備の乱れが痛かった。ただ、浦和がそこに付け込んで得点出来たのも、その後、リードを守り切れたのも、カバーやフォローの堅実さあってのことかなとも思う。凄いシュートとか(シュートは初芝の2得点の方が、圧倒的に格好良かった(^^;)、凄いセーブとかがあったわけじゃないし、浦和は、割とうやむやで勝ったような印象はあるけれど、勝ちに値する内容の試合はしていたんじゃないかと思う。
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