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感想「ジャーナリストはなぜ疑り深いか」

「ジャーナリストはなぜ疑り深いか」 ロジャー・サイモン 中公文庫
アメリカの有名コラムニストのコラム集。1970年代半ばから書き始めた人で、本書がアメリカで刊行されたのは1985年。邦訳初版は1988年。
この邦題は煽り過ぎだと思う。原題は単に「Simon Says」で、邦題は冒頭に収録されているコラムのタイトルというだけ。しかも、このコラム自体、多分に洒落でタイトルを付けている。もちろん全体的に、著者のジャーナリストとしてのまっとうな姿勢を感じさせる本ではあるけれど、疑り深く何かを掘り下げていくというスタンスが、特に前面に出ている内容じゃないんでねえ。
70‐80年代のアメリカ(の都会)がどういう所だったかという雰囲気が感じられて、あの頃のアメリカのミステリの背景に見えていた風景だなあと思う。文章も、いかにもアメリカのコラムらしく、しゃれてる。ただ、銃や犯罪の問題が大きく影を落としている。それは今も変わってないようだよな。
巻末には、著者が海外特派員になった時期の、南アフリカとアラビア半島を題材にしたコラムが収録されている。この時期の南アフリカといったらアパルトヘイトの全盛期で、その酷さが書かれていて、とても絶望的な状況に見えるが、今はアパルトヘイトはないし、少なくとも黒人が白人に一方的に抑圧される状況は、もうなくなっている。どんなに暗い状況に見えても、希望はあるということかもしれないと思ったりもする。でも、パレスチナは、今もそれほど良くなっているようには見えないな。
(2014.1.14)

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