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感想「史記 武帝紀(七)」

「史記 武帝紀(七)」 北方謙三 ハルキ文庫
最終巻。一応最後の戦いはあるけれど、どちらかといえば、匈奴と戦い続けた武帝の治世が終わり、共存を模索する時代へ入っていく所が描かれる。
そうなると武人は居場所がなくなり…、ってのは「楊令伝」でも描かれていたテーマだけど、本書の李陵の場合、深く絶望して、戦いに辛うじて生きる意味を見出している人間として描かれていたから、状況はどうしようもなく深刻なわけで。小説としてはきれいにまとめて終わっているが、ひどく切ない余韻が残った。

ただ、匈奴にしても、漢にしても、平穏な時代は長くは続かず、また戦乱が始まるのが歴史だし、結局、平和の中では充足出来ない人間てのが、世の中には一定数居るんだろうと思う。
でも、そもそも、そういうメンタリティそのものが、(全てではないとしても)多分に戦争の副作用とも考えられる。匈奴や漢の時代より、人間が進歩してるんなら、可能な限り戦争をしないことを、まず考えるのが当たり前だろうな。安倍晋三とか石原慎太郎みたいな異常な人間でない限り。

序盤はいまいち乗れない、と思っていたけど、李陵と蘇武の存在感が増すにつれて、面白い小説になったと思う。
(2014.4.21)

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