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感想「物語 ビルマの歴史」

「物語 ビルマの歴史」 根本敬 中公新書
ここんところの、突然のビルマの「民主化」と、手の平を返したような周囲の国の持ち上げっぷりが、どうも腑に落ちなかったので、新刊で出てるのを見かけたこれを読んでみた。

タイトル通り、ビルマの歴史について書かれた本なので、今の状況に至る背景もきっちり書かれている。ただ、なぜ突然こういう事態になったのかというのは、専門家の著者にとっても推測の域を出ないような印象。要するに、軍事独裁政権が急に民主化へ向けて舵を切ったということなんだけれども、その理由はよく分からないらしい。自分たちの地盤は揺るがないという自信を持った上で、対外イメージの改善に乗り出したんじゃないか、というのが著者の推測。
ただまあ、経緯はどうあれ、この先の道が険しいにしても、明るい兆しが生まれたんだから、少なくとも悪いことではないんだろう。
それにしても、特定のカリスマに頼る危うさというのは感じる。昔はアウンサン父で、彼が暗殺されたことが一因で、ビルマは国作りの方向性を見失った。今はアウンサンスーチーが民主化運動の中心人物だが、彼女に代わる人物はいないらしい。

ビルマでは、第二次大戦中に泰緬鉄道建設とかで相当ろくでもないことをしてきた割に、日本が好感を持たれている面があるというのが不思議なんだけど、結果的にビルマの利益になるようなことも確かにやっていたから、結局、どこを見るかというだけのことなのかもしれない。親日反日ってのを、国単位で考えるのは間違っているんだと思う。所詮は個人の感情のレベルなんだし、それはその個人がどこを見ているかで違ってくる。ヨコシマな目的で国レベルでそういうのを煽ったりする所もあるのは確かだけど(日本だってやってる)、全ての国民がそれに乗っかるかどうかは別問題だし。
親日反日とかいう切り口の論評には乗せられないようにしたいもんだと思う。
(2014.4.25)

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