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「いちえふ」1

竜田一人 講談社
福島第一原発に作業員として入った漫画家が、自分の体験を漫画化したもの。
全体的には、外で思われてるほど、特殊な現場じゃないんだよ、ということを言いたい感じ。そんなに特殊な状態で、何年も現場が持つわけがないんで、それはそうだろうなとは思うし、普通は、最初は特殊な状況だったとしても、日にちが経つうちに日常化してくるものだし。逆に言えば、日常化が可能な範囲でなんとかなってて、綱渡りな状態じゃないってのは、少し安心出来ることかなとは思う。
もっとも、当然、あくまでも著者が見たことしか描いてないから(この先、もっと中へは入っていくらしいが)、本当にヤバそうな工程の状況とかは分からないけれども。
それと、特殊じゃないにしても、かなり過酷な現場なのは間違いないねえ。真夏の炎天下で防護服を着て交通整理とか。そういう環境で作業してくれてる人には、頭が下がるとしか言いようがない。

ただ、見えてる範囲のことしか描かれてないとは言っても、描かれてる範囲内でも、相当胡散臭い闇があるのはうかがえる。著者の意図として、メディアで偏向した伝え方がされているが、そんなに酷い場所じゃないということを伝えたいということが書かれているにもかかわらず。
それに、ここに書かれているのは最新の状況ではないにしても、特に労働者の待遇に関しては、ずっと言われてる話なのに、今もあんまりいい話は聞かない。どうしてそうなんだろうと思うよ。改善しようという気持ちがないとしか思えない。元々、この国の労働者の扱いなんて、そんなもんだけどな。

避難地域では動物がたくましく生きている、奇形なんて見たことない、というくだりがあるけど、ダメージを受けた動物は、居たとしても、元気に表には出て来れないだろうな、とは思った。
(2014.6.14)

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