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感想「殺し屋の息子」

「殺し屋の息子」 トマス・ペリー 福武書店
トマス・ペリーの邦訳で(多分)唯一未読だった長篇。「逃げる殺し屋」の続篇だが、例によって、元の方の内容をさっぱり覚えてない…、と思ったが、そもそも本書自体、10年後に刊行された続篇なんだそうで、覚えてないのはデフォルトかもしれない。そういうわけで?、覚えてなくても問題なく読める作りになっていた。

内容も前作から10年後の設定で書かれている。前作で自分を裏切ったマフィアの人間を殺しまくって逃亡し、10年間、人目を避けて暮らしていた主人公の殺し屋が、自分の顔を知っているチンピラとたまたま出くわして、生き延びるための闘いに戻らざるを得なくなる話。
殺し屋とマフィアの戦いに、外側から10年前に殺し屋を取り逃がしたFBIが、匂いを嗅ぎ付けて関わって来るという構図なんだけど、実は三者とも、他の勢力に何が起きているのか、よく分からないまま動いているので、勘違いの連鎖で、アクシデントが次々発生する。基本的には、生死ギリギリの所での追いつ追われつのスリリングな小説だが、この辺のドタバタした展開が、一味違うコミカルな雰囲気を醸し出している。著者の持ち味がよく出ていて、面白かった。

あまり出番は多くないが、殺し屋が人目を避けている間、一緒に暮らしていたメグがいいキャラだった。こういう口から出まかせ系の人物は好きなんだよな(^^;)。

さらに続篇があってもおかしくないような結末にも見えるんだが、やっぱり2011年に続篇が出ているらしい。

それにしても、昔の犯罪小説では、スーパーな犯罪者(悪党パーカーみたいな)が自由自在に網の目をくぐっていたけれど、ネットワークの発展で随分厳しくなってきていて、小説でもそういうのを無視できなくなってきてるという状況は、なんだか世知辛い感じがする。現実の世界で考えれば、犯罪者が自由に動けなくなってるというのは、悪くないことだろうけど、つまりは犯罪と関係ない普通の人間も、同じように捕捉されるということなんだから。でもって、本当に悪質な、権力を持った犯罪者は、そういうものからは自由になってるに違いないんだろうし。

クライブ・カッスラーの「蛮族王アッティラの秘宝を探せ!」は、トマス・ペリーが共著者らしい。読んでみるか。

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