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感想「幻夢 エドガー・ポー最後の5日間」

「幻夢 エドガー・ポー最後の5日間」 スティーブン・マーロウ 徳間文庫
古本屋で見かけて、前からスティーヴン・マーロウを何か読んでみたいと思っていたので、買ってみた。
原著は1995年、邦訳は1998年の刊行。

エドガー・アラン・ポーには死の直前に、何をしてたか分かっていない空白の5日間があるんだそうで、それを題材にした小説。死を目前にしたポーが体験する幻覚?を描いていく。
幻覚の中身は、パラレルワールド的に展開する複数のエピソードが交互に現れるもので、ポーの実際の人生をベースにしたエピソードもあるが、総じて幻想味が強くて現実感は薄い。さらにエピソード同士が相互に時空を超えて干渉し合うので、何が起きているのか、ますます、かなりわからない(^^;)。
どのエピソードもポーの著作をいろんな形で取り込んでいる。俺はそんなに読んでないから、具体的にどういう引用や借用があるのか、あまり分からないが、原典を相当読み込んで消化した上で、ポー的な世界を再構築しているようで、実はかなり趣味的な小説なんでは、という気がしないでもない。かなりポーを読み込んでる読者でないと、面白さは完全には伝わらない気がするし、何が起きてるのか分からないような所も、ポーの愛読者なら楽しめるのかもしれない、とも思った。もっとも、欧米あたりだと、ある程度、本を読む人間にとっては、ポーは基礎教養だったりするのかもしれないが。
雰囲気は割と楽しめたけれど、小説本体まで、うまく自分の手が届かなかった感は残った。

マーロウは、元々は通俗的なハードボイルド小説とかを書いていた作家のはずだけど、最終的に目指していたのはこういう幻想小説だったということなのかな。少なくとも、「二百万ドルの死者」とは、かなり離れた所にあると思う。ただ、世界を転々とする登場人物の行動パターンは、微妙に似てなくもない、かな? 本人がそういう生活をしていたようなので、ある程度はその反映なんだろう。
(2014.10.29)

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