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感想「坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える」

「坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える」 東京新聞編集局・編 東京新聞
東京新聞が紙面刷新に当たって、2013年12月に坂本龍一を招いて記者との意見交換会を行った時の記録とのこと。本が出たのは昨年末。
脱原発を筆頭にした世の中の問題や、それに対して、(東京)新聞はどうあるべきかというようなことが論じられている。俺と同じような感覚を、坂本龍一も東京新聞の編集者も持ってるんだなと思ったけれども、内容そのものはそれほど特別なものではなく、どっちかと言えば、東京新聞はこういう姿勢で新聞を作っていくという、意思表明、宣言みたいなもの、と受け取った。まあ、こういうスタンスで編集が行われている限りは、俺が東京新聞を取るのを止めることはないよ、と思っている。

脱原発について論じているくだりに載っている図版は、原発の問題点がコンパクトにまとめられていて、分かりやすくていい資料だと思う。
原発以外について語っている部分は、やや、とっちらかっている感じ。
ただ、「運動」の取っつきの悪さについて語ってるくだりは、印象が強かった。セクト化や尖鋭化などで、排他的に見えて、間口を狭めてしまっている、というあたり。反原発の「運動」は、その辺は割と自覚して、敷居を下げようと努力しているとは思うけれども、必ずしもうまく行ってるとは言い難い、というのは、日頃見ていて、思っていることなので…。やっぱり、やってる側が「生真面目」過ぎるんだろうか、ということを考えたりする。
でも、考えてみると、それって「運動」だけじゃないかもしれない。「コア」が一見さんを拒絶するっていう、よくある話と根は同じなのかもしれない。
ただ、社会で起きている問題を何とかするための運動が、そういう状態にあるのは、やっぱりまずいんだよな、とも思う。
(2015.2.14)

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コメント

僕は声も上げず行動も起こさない、昔風に言ういわゆるノンポリですが不安や危機感は感じてます。

あれほど大騒ぎになった福島の事故。今の本当の現状を知り得る情報源が実に乏しいんですよね。たぶん何も状況は変わってないはずなのに、一日のニュースで福島の件に触れるニュースはほぼ皆無。

多岐に新聞を読んでるわけでもないし、本当の現状を週に30分、いや10分でもいいからテレビでやってくれないかな〜。。。と思うのです。
聞くところによるとBBCでは頻繁に情報が発信されているのに、当の本国ではわざと隠して忘れさせようとしてるかのように情報が発信されない。これ、背任行為ですよ。
なんだかな〜。。。

投稿: 荒ぶる燕 | 2015.03.30 11:45

テレビは大きいですよね。努力しなくても情報が入ってくるから、それほど関心がなかった人にも入っていく。だから「報道ステーション」が、政府の目の仇にされているわけで…。一部の民放や、NHKでも特集番組なんかでは、他にも頑張っている番組があると思いますが、NHKの定時のニュースほどの影響力はないですし、そこは政府ががっちり抑え込んでいる現状だと思います。

しかも、知ろうとしないと情報が入って来ないだけでなく、知ろうとしても教えないようにするってのが、機密法だと思うわけで、本当に危険な状況だと思ってます。
だから、何かしないといかんのじゃないかと思って、ポツポツ、あちこち行ってみたりしているわけですが、微力だな~、とも思うんですよね…。

投稿: wrightsville | 2015.03.31 11:32

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