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感想「THE KILLER TOUCH」

「THE KILLER TOUCH」 エラリー・クイーン SIGNET
未訳のペーパーバックオリジナル。実際に書いたのは、チャールズ・ラニヨンとのこと。

宝石店に入った強盗と銃撃戦になって、足を負傷した一方で、相手(16歳の少年)を撃ち殺したことに自責の念も覚えている、フロリダの警官が主人公。カリブ海の小さな島にある馴染みの宿に静養にやってきたが、そこでギャングの一味と遭遇し、彼らと戦うことになる。

まるっきり冒険アクションもので、全然エラリー・クイーンという感じじゃないが、もう1冊、ラニヨンが代作した「THE LAST SCORE」も、そんな感じの内容だったので、意外ではない。むしろ、こういう路線で2冊書かせたということは、それなりにクイーン(というか、マニー・リー)は、この作家の書く小説を評価していたということなのかな?、と考えてみたりする。たとえば、「孤独の島」に通じるものが、なくもないようにも思えるし。
内容は悪くない。挑発を受けながらも、警官としての自尊心にこだわり続け、タフガイぶりを見せつける主人公は、いかにもヒーロー然としているし、話もダイナミック。主人公が、ハリケーンに襲われた島でサバイバルする場面とか、華々しい場面に事欠かないし、色っぽい場面も多い(硬派な感じの描き方だが)。
途中まで、なかなか話に入り込めなくて、少し苦労したが、中盤以降は面白く読めたと言っていいと思う。

ギャングの一味のボスは、主人公の対極のような、倫理感を欠いた異常な人物として描かれていて、彼との対決が本書のメインテーマになる。
そして、彼の妻として同行している女性が実は別人で、本当の妻はどこかに幽閉されているのでは、という疑惑がほのめかされている所が、本書の中のわずかなミステリ的要素。主人公は、その「本当の妻」の救出に力を注ぐのだけど、どうしてそこまで彼女の救出にこだわるのかが、いまいち腑に落ちなかった。警官としての正義感、という以外ないと思うんだが、ちょっとやり過ぎの感が…。成り行き的には理解できなくもなかったけれども。
(2015.2.12)

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