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感想「神さまがぼやく夜」

「神さまがぼやく夜」 マイクル・Z・リューイン ヴィレッジブックス
今年の初めに出ていたらしい、リューインの新しい翻訳本。全然知らなかったが、8月頃に偶然本屋で見つけて買った。原著刊行は2012年。

非シリーズもので、ミステリではなく、(キリスト教の)神さまを主人公にしたユーモア小説。人間の女性と「ヤリたくなった」神さまが、下界に降りて来て、失敗を繰り返すうちに、自分がそういう衝動を抱えるに至った、本当の理由に気付いていく、というような話。つまりは、自分探しの旅、みたいなものかな。
人間は神さまの姿を模して造られた、というのの裏返しで、この神さまは人間そっくり。彼が抱えるコミュニケーション不全は、人間のおっさんが抱える問題そのものだし、彼の悩みは人間の悩みとおなじ。要は、アル・サムスンやリロイ・パウダー(は、あんまり弱みを表に見せないが)が、自分の悩みについて愚痴るのと同じレベルで、あれこれ考えては悩む姿が描かれている。絶対権力者(?)の割に、案外人がいい所も、リューインのシリーズものの主人公によく似ている。
まあ、いかにもリューインらしい、ひねくれた味付けを効かせつつも、温かみのあるユーモア小説というところ。人間性というものについて考えさせられる面や、一部にシリアスなエピソードはあるものの、基本的にはほとんど冗談みたいな小説だと思った。達者に書かれていて、楽しく読めた。
(2015.10.11)

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