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感想「ぼくらの民主主義なんだぜ」

「ぼくらの民主主義なんだぜ」 高橋源一郎 朝日新書
朝日新聞に月1回で連載されている(いた?)「論壇時評」の、2011年4月から2015年の3月までの分の書籍化とのこと。
初出がそうした形式なので、時事的な題材を扱っていて、おおむね一貫した、民主主義を擁護する、という視点はあるにしても、毎回異なる、さまざまな題材について書かれているから、1回1回の掘り下げはそれほど深くはないし、毎回結論を出すような書き方にもなっていない。こういう形でまとめて読むと、とっちらかってるなと思ったり、現時点で見て、ちょっと状況は違っていると感じる箇所もある。ただ、問題意識の持ち方とか、物の考え方の方向性とかに、自分が共感する部分が非常に多いということは分かった。日本文学ってのをあまり読まないから、名前は知っていても、中身をよく知らない作家だったけれど、そうだったのか、と思った。もちろん、この本を読んだのは、今の日本の状況について、著者があちこちで書いているのを読んで、共感出来そうだなと思ったのが理由だから、意外ではないんだけど。

書かれている内容が多岐に渡っているので、内容をひとまとめにするのは無理だけれど、特に印象に残ったのは、水俣病の発生に対して、国や企業と最初に戦い始めた人たちに触れた、「「壁」にひとりでぶつかってみる」という文章の中にある、記録することが未来に繋がると信じる、というくだり。著者自身が、そういう意識で、これらの文章を書いている、もしくは、そういう意識で書かれた文章を紹介することで、未来へ繋げる一助になろうとしているのかもしれない、と思った。
でもって、そういうことなら、身の丈に合ったレベルであれば、自分にも出来ることなんじゃないのかな、とも思った。そのためには、関心を持ち続けないといけないし、現場を見続けていないといけないだろうなと思う。
(2015.10.11)

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