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感想「髑髏の檻」

「髑髏の檻」 ジャック・カーリイ 文春文庫
カースン・ライダーものの最新邦訳。
ライダーがケンタッキーの山奥で休暇を過ごしていると、近所で連続猟奇殺人事件が発生し、誰かの差し金で事件現場に引き寄せられ、そのまま捜査に巻き込まれるという話。

序盤から、グロい描写連発で、悪趣味だよなと思ったが、まあ、これは作風のうち。次第に猟奇的な犯行には意味があり、サイコパスの連続殺人と思われたものにも、悲しい背景が浮かび上がってくる展開も、持ち味全開。近年、この作家の小説を読んだ中では、一番良かったような気もしたけど、旧作を全部、ちゃんと覚えているわけじゃないから、断言はしない。でも、すっきりまとまったプロットで、よい出来だったと思う。
なんとなく第1作を思わせる部分が目立った。プロットの構造とか、犯人からの謎のメッセージとか。

それはそうと、この作家は児童虐待という問題について、本当にこだわりがあるんだな、という気がする。本書は二重三重にその題材を扱っていて、そこまで絡めなくてもいいんじゃない?、という所まで絡めてくる所を見ると、ネタというより、やっぱりこれはテーマなんじゃないのかなと思う。プロットを作る上で重宝してるのは確かなんだろうけど、それだけではないような。「イン・ザ・ブラッド」も、人種問題に関して、そういう過剰さのある書き方をしていたと思うし、そこには著者の主張があるように感じられる。

プロット的には、ジェレミーが、もっとエグい形で事件の真相に絡んでるんじゃないかなと思っていたが、案外そうでもなかった。でもジェレミーだから、まだ裏があるのかもしれないし、何作か先で真相が明かされたりして(^^;)
(2015.10.17)

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