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天皇杯準決勝浦和対柏

2015.12.29(火) 13時5分 味の素スタジアム

 浦和レッズ 0(0−0)0 柏レイソル
        (0−0)
        (0−0)
        (1−0)
          
 得点 117分 浦和・李

今年最初で最後の天皇杯観戦。今年、1回も見てないから、と思って、最後の最後に…(^^;。

浦和がずっと優勢だったけど、攻めきれない試合だった。クロスの質が悪いし、ゴール前でのシュートチャンスでは吹かしてばかり。まあ、柏がディフェンシブで、ゴール前を固めていた影響はあったかもしれない。
柏は、土曜にPK戦までやった影響が残っていたのか、チーム全体の動きが重かった。前半守備的に戦って、後半、ギアを上げてくるのかな、と思っていたが、一向にペースは上がらないまま。選手の交代も延長後半に入るまで1人も行わず。あれだけ浦和が攻め損なってれば、いつもの柏ならカウンターの一撃で仕留めてきそうなもんだったけど、そういう気配もほとんど感じられなかった。

結果として、相当しょっぱい試合だったと思う。まあ、俺はどっちのサポでもない第三者なんで、へっぽこシュートやへなちょこパスを笑ってるだけだったけど、必死なサポにはしんどい試合だっただろうな。

それでも、延長後半10分を回ったところで、左サイドから梅崎が入れたクロスを、李忠成が頭でぴたっと合わせてゴールへ押し込み、浦和が勝った。これはPK戦だな、面倒だなと思っていたから、早く終わってくれて助かった(^^;。
浦和がずっと押してた試合だったから、まあ、順当な結果だったと思う。柏は終盤は、PK戦に賭ける、くらいの気持ちだったのかな。それくらい、精彩のない戦いぶりに見えた。

今年の試合観戦は、たぶんこれで終了。
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トップイースト順位決定戦日本IBM対セコム

2014.12.21(日) 13時 日本IBMグランド 

 日本IBMビッグブルー 30(13−8)20 セコムラガッツ
              (17−12)


セコムが勝てば、リーグ戦の順位をひっくり返して、降格が発生した場合の順番の1番手はIBMに移ったわけだが…。

立ち上がり5分に幸先よく先制したのはセコム。いきなり相手ゴール前に攻め込み、そこから左へ展開して、(多分)WTBの加藤が持ち込んでトライ。ただ、後が続かない。リーグ戦最終節もこのカードで、(試合は見てないが、スコアから判断すると)IBMの完勝だったんだが、やはりIBMが力で上回っている雰囲気があり、優勢な試合を進める中で、セコムのミスを突く形で、PGとトライで20分過ぎまでに10-5と逆転。さらにPGで13-5まで開いたが、ロスタイムにセコムが反撃を見せ、何とかPGで3点返し、13-8で折り返し。
前半最後の得点で勢いづいたか、後半立ち上がりはセコムが攻勢。開始直後にNO8の山下が、ほとんどハーフウェイ付近から、タックルにも持ちこたえながら、ほとんど独力で持ち込んでトライ。ゴールも決まってセコムが逆転。しかしその後、手堅く引離しにかかったPGが失敗し、直後にIBMにトライを決められ再逆転される。前半のトライもそうだったけど、ここも裏へ蹴られて、走りこまれて失点する形。そういえばIBMは、駒沢で秋田とやった時も、とにかく蹴ってくる試合運びだったんだけど、そういう相手の攻め方に対して、セコムはうまくケア出来てなかった印象。もちろん、IBMのキッカーが、うまいこと、いやらしい所に蹴ってきてたのも確か。
それでもセコムは踏ん張って、15分頃には、左サイドでの素早いパス展開から、またNO8の山下が突っ込んでトライを決め、20-20と追いすがり、行ける、という雰囲気になったんだが…。
結局、25分頃、均衡を破ったのはIBMで、ゴール前でパスで左右に振って、セコムのディフェンスに穴が出来た所を突いてトライ。さらに30分頃には30-20に突き放すPG。こういう所をきっちり決めてくるIBM、決められなかったセコムというあたりも、力の差の一部なんだろう。
35分過ぎにはIBMがシンビンで一人少なくなったものの、残り時間が短く、セコムも勢いがなくなっていて、10点差を縮めるような攻撃はできないまま試合終了。

セコム的には盛り上がった場面はあったものの、結局ダメだった、という感じの試合。順当といえば順当な内容なんだけど、攻撃の選択とか、それでいいのかな、と思うような場面が所々あって、やりようによっては、もう少し違う結果もありえたのでは、とも思った。選手一人ひとりが、とても頑張ってるのは感じられるだけに…。
ただ、今年のセコムは、(見た範囲では)去年までのように試合の途中で完全に壊れてしまうようなことがなかったし、試合運び自体、時折、意外性のある展開を見せてくれたり、面白い試合をやっていたと思ってる。来年はもっといい試合が出来るんじゃないかという期待感があるんで、何とかイーストDiv1に残留してくれないかな。もはや他力本願だけど、トップイーストへの降格がなければ(もしくは1チーム降格しても、三菱相模原が入替戦で勝って昇格すれば)セーフ。いや、もちろん、元々肩入れしてるチームだから、そういうことがなくても、降格は避けて欲しいと、思っている。
IBMも、それほど余裕があったわけではないと思うんだが、ここもしぶといチームで、入替戦絡みになると、本当に負けない印象があるし、今日もその通りの試合をしたなあ、という感じ。ここも、いろいろ条件が厳しい中で、よく頑張っているチームだと思う。まだ確定ではないけど、ここはたぶんDiv1に残れるんじゃないかな。それはそれで良かったと思うよ。
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スタンドの椅子がだいぶ撤去されていた。以前来た時も、こわれかけていたやつがかなりあったからなあ。
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感想「雪の墓標」

「雪の墓標」 マーガレット・ミラー 論創社
雪が降り積もった寒くて陰鬱な地方都市が舞台。そういう中に内省的で不安定な登場人物たちが次々、ふらふらと現れる所が、とてもミラーっぽい。去年邦訳された「悪意の糸」は、ここまでは特徴的じゃなかった気がするので、さすが全盛期直前の作品、と思った。
男が殺された現場で、女が泥酔状態の意識不明で見つかり、二人とも既婚者で不倫関係。現場の状況からは確実に女が犯人と思われたが、自分が殺したと自首してきた男が現れて、話がややこしくなっていく。
プロットの細かさもひねり方も、とてもミラーらしさを感じさせるもの。ただ、アイディアはいいんだけど、やや存在感の薄い人物が絡んでいる分、クライマックスで、いまいち衝撃力が弱かったように感じた(解説にもそういう趣旨のことが書かれている)。
人物や構図は、比較的シンプルで、むしろ全盛期の後の作品群に近いように思えたが、悲劇性の高い筋立てが素直に語られているあたりが、初期作だなと思う。なにがしかの救いを残して話を終ろうとするやさしさは感じられるけど、登場人物たちにとって本当に救いになっているのか、今一つ信じきれない。
後年の作品は、ストーリーにも人物像にも幅があって、ここまでシンプルじゃないし、悲劇からはみ出した遊びの部分に、登場人物たちの逃げ場があると思えていた気がする。そういう幅の広さがリアリティにもなっていて、感情移入しやすい人物像が形作られていた気がする。
そういうわけで、本書の完成度はもうひとつじゃないかと思うけれども、ミラーの小説を読んだという実感は十分感じられたから、十分満足はできた。

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トップイースト順位決定戦セコム対クリーンファイターズ

2015.12.20(日) 13時 セコムラグビーフィールド 

 セコムラガッツ 29(16−10)27 クリーンファイターズ
          (13−17)

トップイーストの昇降格順位決定戦。勝てば来季div1、負ければ来季div2の可能性が高くなる(決定ではない)試合。ちなみに去年も同じ対戦で、接戦だったが、最後はセコムが上のカテゴリーの経験値で勝ったような感じだった。

今回はセコムが、開始2分でWTBが左サイドをぶち抜いて、早々に先制。さらにPGで8対0と順調な滑り出し。問題なく勝つかな?と思ったが、今年もクリーンファイターズは粘っこいチームだった。CTBの外国人選手に持ち込まれて8対7。
この後も、一応優位に試合を運んでいるセコムが何度も先手を取るんだけど、その都度、クリーンファイターズに追加点を許して突き放せない展開が続く。
去年もセコムは、パワフルな外国人選手に割と手こずった記憶はあったけど、今年のクリーンファイターズはそれ以外に、蹴って走れるスキルが高い選手が何人も居て(10とか11とか15とか)、セコムのディフェンスがしのぎ切れなかった。
少ない点差ながらもリードを保ち続けていたセコムが、PGでついに逆転されたのは後半30分過ぎ。ここからのセコムの攻め込む気迫は凄かったが、あと一歩で届かない場面が続き、もしかして負ける?と思いかけたが、35分過ぎ、相手陣内22m付近でペナルティを貰い、ショットを選択。多少微妙な距離と角度とも思えたが、きっちり決めて、再逆転。あとはセコムが、ロスタイム含めて残り5分くらいを守り切った。

今年のセコムは、リーグ戦全敗とはいえ、Div1昇格後では、一番いい内容の試合をしていたと思う。今年降格するのは気の毒と思っていたから、よかった。それにしても、毎度毎度、きわどい試合をする>セコム。
クリーンファイターズもいい試合をしてたのは確か。外国人選手のうち、NO8は以前神戸製鋼にいたマパカイトロだったと、後になって知ったけど、道理で強力なわけで。他にもトップリーグのキャリアのある選手を補強してるようで、クリーンファイターズは本気で上を目指しているってことなのかな。
まあ、昇降格に関しては、トップリーグ入替戦の成り行き次第なんで、まだどっちのチームも、この試合の結果で、来季のカテゴリーが確定したわけじゃないから、とりあえずは来週の試合で勝って、少しでも有利な状況にするのが目標だろう。
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「仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」

お付き合いで見に行った映画。「ドライブ」も「ゴースト」も、それほど面白いと思ってなかったので、正直、全く期待してなかったが、ここんとこ見た「仮面ライダー×仮面ライダー」映画の中では、上出来な部類だった。

眼魔絡みの事件が続発して、大天空寺の面々が捜査線上に浮かび、捜査に引きずり込まれた進之介が寺を訪ねて、タケルと知り合いになるが、そこで怪人と遭遇した上に、タケルともども10年前の過去へ吹っ飛ばされる。そこから先はタケルの、10年前に死んだ父との再会・交流が主筋で、タケルの成長物語という感じになったが、しみじみしていて、結構よかった。今回も毎度おなじみな時間ネタを使ってるわけだけど、やり過ぎてなかった。
なんでそんな所にベルトさんがいるわけ?とか、調子良すぎな所はやっぱりあるけど、それも割と抑えられてはいたかな。思いの他、しっかりした話になっていた。
片岡鶴太郎と竹中直人の二人には、割り切ってコーナーを作って、そこで芸比べをやらせていた。賢明な趣向だったと思う。もっとも鶴太郎の演技は、地の部分でも結構良かったと思うけれどね。竹中は嫌いなんだけど(それもあって、ゴーストはいまいち見る気がしない)、こういう使い方で出て来る分には、まあいいや、という感じ。
ロイミュードのトリオは、ほんとに顔を見せただけだったけど、チェイスだけは、短い登場でも、違和感があるくらい目立っていた。剛君との絡みをそんなにやりたかったのかな。この二人の別れのシーンは、映画の中で異様に浮いていた(^^;)。
しかし、これって、完全にドライブの世界とゴーストの世界が地続きという設定だと思うんだが、ディケイドが絡んでいた頃の、パラレルワールドとかそういう設定は、もう捨てたのかな。
(2015.12.22)

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トップイースト1部三菱相模原対釜石

2015.12.5(土) 14時 秩父宮

 三菱相模原ダイナボアーズ 58(34−0)7 釜石シーウェイブス 
               (24−7)  

トップイースト1の最終戦。1位と2位の全勝対決。勝った方がトップチャレンジ1、負けた方がトップチャレンジ2へ進む試合。

激戦になるかと思ったが、立ち上がりから三菱が圧倒。開始早々からトライを連取。特に2つめと3つめは去年釜石に居たパトリスのトライだったから、なんとも…(^^;)
釜石の選手たちは、ひどく身体が重そうに見えて、調整に失敗したんだろうかと思った。12月にしてはかなり暑かったから、そのせいもあったのかもしれない。いっぱいいた釜石の応援団のうち、地元から来た人たちは相当暑がっていたし。
釜石は相手陣内の22mを初めて越えたのが前半ロスタイム。それくらい圧倒的だった。前半34対0で折り返し、この時点で、ほぼ釜石の勝ちはないなという感じ。

後半、連携がぼろぼろだった釜石は、個人勝負重視に切り替えてきた気配があって、それで前半よりは攻めることが出来ていた気がするけど、大勢は変わらず。三菱が着々とトライを積み上げて58対0まで開いてロスタイム。
ようやく釜石がゴール前に迫り、三菱に反則が続いたこともあって、トライを押し込んだが、これがラストプレーだった。

三菱は、シーズン序盤のヤクルト戦で見た時、強いといっても隙はあるなという感じだったんだけど、この試合は圧倒的だった。去年までに比べて今年の補強は、ニコラス・ライアンとか、日本での実績を重視した地味な印象があったけど、チームバランス的には逆にそれが、トップリーグ昇格に向けては成功するかも、という気がちょっとした。ただ、確か今年は自動昇格枠はなくて、入替戦に勝たないと昇格はないから、この後が厳しい戦いなのは間違いない。
釜石は、とにかくトップチャレンジ2をきっちり抜けること。その後、トップチャレンジ1で三菱相模原と再戦になるわけだけど、それは2を抜けてからの話だね。
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トップイースト2部サントリーフーズ対ブルーシャークス

2015.12.5(土) 11時 三鷹大沢グランド

 サントリーフーズ 13(7−0)20 ブルーシャークス
           (6−20)  

久々に見に行ったトップイーストDiv2。この2チームを見るのも久しぶり。
両チームの今季最終戦。2位と3位の対戦で、フーズは勝てばブルーシャークスを抜いて2位になり、昇降格順位決定戦に参入出来る、ということを、前説で応援団が言ってたが、勝ち点差からすると、加えて、8点差以上で勝つか、4トライ必要という条件もあったと思う。まあ少なくとも勝たないと駄目だったのは確か。
ただ、昇降格順位決定戦てのも、勝てば即昇格、というほど簡単な話じゃないし、そもそも2のチームが1に勝った例は、このシステムが始まって、一度もないんじゃないかな? 引き分けはあったけど、それも上位チームの勝ち相当になるし。

試合の立ち上がりはブルーシャークス優勢だったと思う。スクラムとかを見る限り、パワーではブルーシャークスが上回っていたし、攻勢だった。ただ、フーズのディフェンスがよく食らいついて止めていた。フーズはパスの展開もうまく行っていて、そこが勝機かなと思って見ていた。20分過ぎ、フーズは縦にうまく抜けて大きくゲインした所から、素早くパスを繋いで先制トライ。前半終盤にはブルーシャークスの猛攻で、フーズはゴール前に釘付け状態だったが、耐え抜いて7対0で折り返した。

後半立ち上がりはフーズが攻め込んで、しばらくブルーシャークスのゴール前で試合が進んだが、トライまでは攻めきれず、最終的にPGを選択して10対0にしたものの、ここが変わり目だった気がする。
フーズは序盤から厳しい試合展開だったから、後半はやっぱり動きが落ちていたように見えた。まともに組み合ったディフェンスはそれでも頑張れていたけど、変化を付けて振られると、後手を踏む場面が目立ち始めた。後半15分頃、そういう形で出来た穴を突かれてトライを食らい、点差を詰められた。PGで一旦突き放したものの、トライとPGで30分過ぎに逆転され、35分過ぎには7点差に開くとどめのトライ。

チーム力通りの結果だったかな、とは思う。ブルーシャークスはイースト2では強豪で、昇降格順位決定戦の常連だし。でもフーズも、ひところよりチーム力を上げてきたのかな。あんまり事情は把握してないけど。
フーズの応援のコールは聞き覚えのあるもので、応援団の人たちの年恰好を見ると、ずっとやってるんだろうな、という感じだったから、親しみも感じたけど。

競り合いで面白い試合だったし、ミスが少なくて、内容もよかったと思う。
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感想「クランシー・ロス無頼控」

「クランシー・ロス無頼控」 リチャード・デミング ハヤカワポケミス
有名な短篇集だけど、読んだことがなかった。古本で入手した「マンハント」で個別の短編は読んでいる可能性はあるけれども…。いまさらながら読んでみた。

1950年代後半に書かれた通俗ハードボイルド。賭博場を経営するタフガイが主人公。地元の顔役の傘下には決して入らず、緊張感のある一匹狼の立場を守り続けている。そんな彼の回りでは次々事件が起きるが、腕っぷしと頭の回転の鋭さで、巧みに解決していく。
ほとんど、ギャングと警官と美女しか出てこない、完全に様式美の世界。たとえば、美女は必ず「燃えるように赤い」ドレスを着てる(^^;)。小説のフォーマットも一定していて、最後に必ず意外なひねりがあるが、それが毎回、見事に決まっている所に、この作家の技量の高さを感じる。デミングは、本当に見事な職人芸を見せてくれる作家だと思う。

こういう小説が本当に好き。ジャンルとしては、一番好きな部類じゃないかと思う。カーター・ブラウンが大好きなのも、そういうことだと思う。
(2015.11.22)

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感想「すぐ忘れる男 決して忘れない女」

「すぐ忘れる男 決して忘れない女」 マリアン・レガト 朝日文庫
性差について書かれた本。女性と男性は行動様式が違ってるし、それには先天的なホルモンの働きが大きく影響しているから、どうしようもないものなので、そういうものだと理解して付き合っていくべき、というのがテーマ。男が忘れっぽいのも、女がおしゃべり好きなのも生まれつき、ってこと。違いが生じる具体例をいろいろ示しつつ、お互いの噛みあわなさに対してどう対処するのが適切かを考察している。
納得する部分はいろいろあって、参考になるとも思った。ただ、相手の特性はそういうものと理解して、自分の行動様式だけで判断しないで接するというのは、性の違いに限らず対人スキルで普通に言われることではあるが。

それと、少し決め付け過ぎじゃないか、と思う部分はある。個人差というのは、かなりあるだろうと思うし。生活様式に関わる部分では、あくまでもアメリカ人(しかも中流以上)の話だな、という気もした。アジア人はヨーロッパ系人種に比べると性差が小さいという話を聞いたことがあるし、女性と男性の境目ってのは、そんなに明確なものではないと考えるのが近年の流れとも思っているから、書かれている内容を、まるっきり鵜呑みには出来ないなと思ったのは確か。
それでも決定的なホルモンの働きなんかは、大半の人では、やっぱり性差ではっきり違ってるんだろう。そういう点に配慮して、病気治療の方法を男女で違えていく必要がある、という主張は、もっともだと思った。
ちなみに、原著がアメリカで刊行されたのは2005年だそうなので、10年経っているから、今では状況が変わっている所もあるんじゃないか、という気はした。

性差とはあんまり関係ないが、生まれた直後の赤ん坊の脳は、いろんな環境に適応できる可能性を持ってるが、生後1年くらいまでに刺激を受けなかった能力については、自然に刈り取られてしまうという話が書かれていて、それは初めて知った。たとえば日本人にRとLの音を識別出来る能力がないのも、そういう理由なんだそうだ。昔から不思議に思ってたことだったんで、そういうことだったのかと思った。要は後になって訓練しても無理ってことだね。ただ、能力が刈り取られた分は、別の残存してる能力を強化する形に振り替えられるという説もあるそうで、だとすれば丸損でもないのかも。
というか、これが本当なら、いよいよ乳児期の学習・環境が重要という話になっちゃうよな。
(2015.11.22)

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感想「汝、コンピューターの夢」

「汝、コンピューターの夢」 ジョン・ヴァーリイ 創元SF文庫
短篇集。書店店頭で見て、作家の名前に何となく懐かしさを感じて衝動的に買ったものの、「へびつかい座ホットライン」の作家と気付いて、この長篇小説は、昔、読んだ時、いまいちピンと来なかったことを思い出したから、少し危ぶみながら読んだ。
結果的には、特に問題はなかった。本書に収録されている短篇は、イメージは豊かだし、普通の小説では難しそうな人間の心理が描かれているので、SFである必然性もあって、らしいSFになっていると思った。どの話もよく出来ていたし。
元々は、サイバーパンクにはまっていた頃に、その流れでちょっと読んだ作家だったけれど、本書の収録短篇を読んで、確かにそういう系統の作家だったんだなと思った。というか、むしろ先駆けなのかな? コンピューターに取り込まれた人格とか、人体改変とか。
ただ、話の構造そのものを見ると、昔風のSFを今風に語り直しただけというような所が割とあって、多分その辺が、今読むとSFらしいSFと思う理由で、昔読んだ時に、いまいち馴染めなかった理由でもあるんじゃないかという気がする。20年以上も経って、自分のSFに対するスタンスも変わっているので。
一番印象が強かったのは水星を舞台にした「逆行の夏」かな。なぜ、そこまでして、水星に住まなきゃいけないんだろう、とは思ったけれど。
(2015.11.15)

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感想「THE MADMAN'S THEORY」

エラリイ・クイーン Pocket Books
ペーパーバックオリジナル。代作者はジャック・ヴァンス。

成功した薬品会社の社長が、友人や部下との5人のパーティでシエラネバダ山脈のトレッキングに出発したが、行程の3日目に狙撃されて死亡し、所轄のコリンズ警視が捜査に携わる。
殺人が起きるまでの行程の途中、一行の後を不審な人物が付いてきており、それが犯人と思われたが、なぜ2日も追いかけて、山の中の不便な場所で、敢えて凶行に及んだのか理由が分からず、狂人の犯行かもしれないという推測も生まれる。
コリンズがトレッキングの同行者や家族から事情を聴いても、犠牲者となった人物は、やり手の事業家ではあるものの、恨みを買うような人柄ではなく、殺される動機が見当たらない。
一方でコリンズは、トレッキングの出発地点となった公園入口の駐車場の記録を調べ、事件当時に出入りした不審な車をピックアップする。その筋から、スティーヴ・リックスという人物が浮かび上がるが、その矢先、彼が殺害されているのが発見される。

「狂人の理論」という刺激的なタイトルだし、事件に含まれる不可解な要素が、ねじれた思考では筋が通って見えてくる、というような方向に話が進むなら面白そうと思ったが、どうということはない結末にたどり着いたので、かなり肩透かしな感じだった。
冒頭で事件の顛末が語られる部分以外は、一貫してコリンズによる捜査活動が描かれていく体裁で、地味な捜査小説と言うのが適当かもしれない。そういう基準で計れば、丹念に描かれてはいるし、そう悪い出来ではないのかも。とはいえ、犯人の計画が、やたらと手が込んでいる割に、あまりにも粗雑で効果が薄く見えるので、内容そのものも、物足りなく見えてしまった。

小説自体は丁寧に書かれていると思った。トレッキングの舞台となる自然の風景描写は美しい。この辺は、代作者のジャック・ヴァンスの力なんじゃないかな。
(2015.11.10)

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感想「殷ー中国史最古の王朝」

「殷ー中国史最古の王朝」 落合淳思 中公新書
甲骨文字の解読を基にした、中国の古代王朝・殷についての、最新の研究成果を解説する本。一般的に流布してる殷のイメージはかなり間違っていて、酒池肉林の語源になった紂王も、実はそんな暴君ではなかったらしい。
文字からだけで、3000年も前のことが、そこまでわかるってのは凄いが、甲骨文字が、漢字と繋がっているというだけでなく、象形文字なので字形からもいろいろな意味を読み解けるというのが、だいぶアドバンテージになっている。そうは言っても推測が主体になるから、ほんとかよ、みたいな所もないではないけど、結論だけでなく、それを導いていく考察のプロセスがかなり面白い。
そもそも、なんでこの本を読む気になったかというと、甲骨文字をどう読むかという所に興味を引かれたからで、十分期待通りの内容だった。
殷の真の姿というのも、興味深かったけれども、俗説ほど無茶ではないにしても、血生臭い時代だったなとは思う。もっとも、その後の3000年の間が、これより血生臭くなかったかというと、そうでもないわなと思うし、著者が度々書いている通り、今の価値観で当時の善悪を判断できることでもないしね。3000年も昔じゃあ、少なくともメンタリティに関しては、現代の人間とは別の生き物と言ってもいいくらいかもしれない。
それなのに、あとがきで著者が、殷の歴史には現代に通じるものがある、というようなことを書いて、まとめちゃっているのは、ちょっと余計だった気がする。
(2015.10.24)

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