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感想「すぐ忘れる男 決して忘れない女」

「すぐ忘れる男 決して忘れない女」 マリアン・レガト 朝日文庫
性差について書かれた本。女性と男性は行動様式が違ってるし、それには先天的なホルモンの働きが大きく影響しているから、どうしようもないものなので、そういうものだと理解して付き合っていくべき、というのがテーマ。男が忘れっぽいのも、女がおしゃべり好きなのも生まれつき、ってこと。違いが生じる具体例をいろいろ示しつつ、お互いの噛みあわなさに対してどう対処するのが適切かを考察している。
納得する部分はいろいろあって、参考になるとも思った。ただ、相手の特性はそういうものと理解して、自分の行動様式だけで判断しないで接するというのは、性の違いに限らず対人スキルで普通に言われることではあるが。

それと、少し決め付け過ぎじゃないか、と思う部分はある。個人差というのは、かなりあるだろうと思うし。生活様式に関わる部分では、あくまでもアメリカ人(しかも中流以上)の話だな、という気もした。アジア人はヨーロッパ系人種に比べると性差が小さいという話を聞いたことがあるし、女性と男性の境目ってのは、そんなに明確なものではないと考えるのが近年の流れとも思っているから、書かれている内容を、まるっきり鵜呑みには出来ないなと思ったのは確か。
それでも決定的なホルモンの働きなんかは、大半の人では、やっぱり性差ではっきり違ってるんだろう。そういう点に配慮して、病気治療の方法を男女で違えていく必要がある、という主張は、もっともだと思った。
ちなみに、原著がアメリカで刊行されたのは2005年だそうなので、10年経っているから、今では状況が変わっている所もあるんじゃないか、という気はした。

性差とはあんまり関係ないが、生まれた直後の赤ん坊の脳は、いろんな環境に適応できる可能性を持ってるが、生後1年くらいまでに刺激を受けなかった能力については、自然に刈り取られてしまうという話が書かれていて、それは初めて知った。たとえば日本人にRとLの音を識別出来る能力がないのも、そういう理由なんだそうだ。昔から不思議に思ってたことだったんで、そういうことだったのかと思った。要は後になって訓練しても無理ってことだね。ただ、能力が刈り取られた分は、別の残存してる能力を強化する形に振り替えられるという説もあるそうで、だとすれば丸損でもないのかも。
というか、これが本当なら、いよいよ乳児期の学習・環境が重要という話になっちゃうよな。
(2015.11.22)

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