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感想「殷ー中国史最古の王朝」

「殷ー中国史最古の王朝」 落合淳思 中公新書
甲骨文字の解読を基にした、中国の古代王朝・殷についての、最新の研究成果を解説する本。一般的に流布してる殷のイメージはかなり間違っていて、酒池肉林の語源になった紂王も、実はそんな暴君ではなかったらしい。
文字からだけで、3000年も前のことが、そこまでわかるってのは凄いが、甲骨文字が、漢字と繋がっているというだけでなく、象形文字なので字形からもいろいろな意味を読み解けるというのが、だいぶアドバンテージになっている。そうは言っても推測が主体になるから、ほんとかよ、みたいな所もないではないけど、結論だけでなく、それを導いていく考察のプロセスがかなり面白い。
そもそも、なんでこの本を読む気になったかというと、甲骨文字をどう読むかという所に興味を引かれたからで、十分期待通りの内容だった。
殷の真の姿というのも、興味深かったけれども、俗説ほど無茶ではないにしても、血生臭い時代だったなとは思う。もっとも、その後の3000年の間が、これより血生臭くなかったかというと、そうでもないわなと思うし、著者が度々書いている通り、今の価値観で当時の善悪を判断できることでもないしね。3000年も昔じゃあ、少なくともメンタリティに関しては、現代の人間とは別の生き物と言ってもいいくらいかもしれない。
それなのに、あとがきで著者が、殷の歴史には現代に通じるものがある、というようなことを書いて、まとめちゃっているのは、ちょっと余計だった気がする。
(2015.10.24)

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