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感想「民主主義ってなんだ?」

「民主主義ってなんだ?」 高橋源一郎×SEALDs 河出書房新社
去年の9月に出た本。前半はおおむね、SEALDsがどういう経緯で生まれて、今に至ってどんなふうになってるか、というあたりの紹介。後半は「民主主義ってなんだ?」というテーマでの討議みたいな感じ。SEALDsとしての主張とか、その辺がもっと前面に出て来るのかと思っていたが、本当に「民主主義ってなんだ?」というのを考えていく内容だった。

自分では、そういうテーマについて特に勉強したこともないので(高校の世界史と政経止まり)、書かれていることが、いろいろ新鮮だったし、改めて考えさせられたことも多い。
民主主義を疑うことまで含めて、「民主主義ってなんだ?」とやっているのが、真面目だなと思った。どちらかといえば、自分たちの考える理念があって、それを実現可能な手段としては民主主義がベストと考える、という順番になっているような気がする。だから、民主主義を神格化しているわけじゃないし、むしろどうやって民主主義を使っていくかというのを模索しているような印象。誠実なスタンスだと思う。
そうはいっても、運動で使うわかりやすくて求心力のあるキャッチコピーは、ややこしい話はとりあえず置いて、やっぱり「民主主義」になるんだよな、とは思う。目指している理念自体は、昨年のSEALDs主催の行動(や、その他の似たような行動)に集まった人たちの大半に共有されているものだとは思うけれど。自分自身も含めて。
それでも、SEALDsは特定の理念に凝り固まった集団ではないし、いろんな意味でバラバラな個人の緩い集まりだというのも、いいと思う。

なにせ「文学」をあまり読まないので、高橋源一郎は、マスコミでよく見かける作家だな、くらいにしか思っていなかった。この本を読んだりして、70年安保に関わって、警察に拘留されたこともあるというような背景を知ると、だいぶ見る目が変わってきた。今のような立場に居るべくして居る人だったんだな。全然知らなかった。
(2016.2.7)

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