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感想「アジアの未解読文字」

「アジアの未解読文字」 西田龍雄 大修館書店
今は使われなくなって、読める人間も居なくなってしまった昔のアジアの文字について、解読の研究状況をまとめたもの。この種のテーマだと、中近東とか中南米の文字が扱われることが多い印象があるが、本書は主に漢字圏の文字を扱っている。それは意識してのことらしい。もちろん、著者の研究対象がそこ、ということもあるが。
もっとも、1982年の本なので(古本屋で見つけて買った)、今ではここに書かれている状態からは、相当研究が進んでるんじゃないかと思う。中国の関与が大きく影響する分野だし、80年代以降の中国は激変しているし。
とはいえ、素人が通りすがりに眺めるには、これでも十分な内容。

取り上げられているのは、西夏文字、契丹文字、女真文字など。漢字をベースにして作られた文字なので、一見見分けが付かなかったりする。
日本も漢字から文字を作ったという状況は同じだけれど、万葉仮名からひらがなやカタカナになって、明らかに単純化してるから、そうなる意味はあったんだなと感じ取れる。それに比べて、この辺の文字は、なんだか、わざわざ新しい文字を作る必要がなさそうに思えてしまう。でも、そこはその言語ならではの必要性みたいなものがあったんだろう。ナショナリズム的なものもあったのかもしれないし。

古典的な暗号解読の方法に似たやり方で、文字が解読されていくプロセスが楽しい。異言語や異言語の文字というのが好きで、そういう関係の本を時々読んでるし、本書もその一環だけど、面白く読めた。というか、見れたかな。そんなに丁寧には読んでないから。字面を見ているだけで楽しかった(^^;)。

こうした文字の文化的な背景への考察も興味深かったけれど、その辺は付け足しかな。というか、文字が未解読だと、その文化への理解も限られてくるということだな。
(2016.4.10)

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