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感想「岳飛伝」1

「岳飛伝」1 北方謙三 集英社文庫
「楊令伝」の続篇の文庫化がスタート。「楊令伝」の最終巻から4年空いた。
それくらい空いてしまうと、話の基本構成くらいは覚えていても、たくさん居る登場人物一人一人の背景の記憶なんて、当然飛んでるわけで、何だったっけなあと思いながらの読書。以前の巻を読み返せばいいんだろうけど、今は本が手元になかったりもする。それでも、面白くは読めたが。

まずは、楊令が死んで崩壊しかけていた梁山泊が、再生し始める話という感じ。集団を一人で支えていた巨大な英雄を失った時、その集団はどうすればいいのかを模索していくというのが、話の基本線なのかもしれない。まあ、結論はかなり見えていて、新しい英雄を待つのではなく、一人一人が自分で考えてくんだ、ということになりそうだけど。
もっともタイトルロールは梁山泊と対峙する岳飛だから、むしろ今回は、梁山泊を意識させつつ、岳飛が一翼を担う南宋と、金の闘いがメインになってくるのかも、と思ったりもする。
まあ、17巻続く話だし、そんなに単純な展開じゃないだろうが。正直言って、登場人物がバタバタ死んでいく戦いのパートよりも、主に日常の生活が描かれているこういう部分の方が安心して読める。「水滸伝」の早い時期からの登場人物なんかは、せっかくここまで生き残ったんだから、何とか無事に生涯を終えて欲しいと思うし。もっとも、史進は無理だろうなあ(本人も望まなそうだし。でもそこも裏をかいた結末だったりして?)。

それにしても、このシリーズの重要なテーマで、登場人物みんなが真剣に考え続けているのは、国ってのは何なのか、本当に必要なものなのか、必要だとすればどうあるべきなのか、ということなんだが、そんなことをカケラも考えてなくて、国なんて自分たちのオモチャ、ぐらいの感覚でいるように見える、総理大臣を始めとするこの国の権力を握ってる連中のことを考えるとムカついてくる。
(2016.11.25)

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