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感想「岳飛伝」2

「岳飛伝」2 北方謙三 集英社文庫
小康状態を終えて、話が動き始める、という感じの巻。終盤には梁山泊と金の交戦が始まる。これでまた、おなじみの登場人物がバタバタ消えるのかなと思うと、あんまりいい気分はしないけど、そもそもそういう小説なんだから、それを言う方がおかしいか。王進とか、年齢を重ねたキャラクターが消えていくのは、そんなに応えないけれど、さすがに史進は居なくなったら、さびしくなるだろうなと思う。なんとなく死亡フラグが立っているような気がするので。
ちなみに、現時点では、梁山泊だけでなく、どの勢力にも悪役っぽさがないので、どう転んでも気の毒だな、残念だな、という感じになってしまいそうで、読んでいくのはちょっと辛いかもしれない。

前の巻を読んでいて、絶対的な指導者を失った組織はどういうふうにやっていくのか、みたいな所が「岳飛伝」のテーマかなと思ってたが、それはそれであるけれど、もう一つ、絶対的な敵を失った(倒した)後、組織はどうしたらいいのか、というテーマも含んでいるというのを理解した。というか、それは「楊令伝」の半ば以降で、既に現れていたテーマだったんだろうと思う。忘れてしまっていたのかな。
「楊令伝」での梁山泊は、楊令が一人でそれを背負って舵を取って、他の連中は付いていくだけだったのが、「岳飛伝」では、その楊令が居なくなって、自分たちで考えないといけなくなり、さあどうする?みたいな展開。目標を見失った時の混乱と読み替えれば、こちらの方が、テーマとしては、より普遍的なような気はする。

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