« 感想「岳飛伝」1 | トップページ | 感想「死者は語らずとも」 »

感想「猫に知られるなかれ」

「猫に知られるなかれ」 深町秋生 ハルキ文庫
最近、この作家の名前を見かけることが何度かあって、この本が「岳飛伝」を買った時にすぐ近くにあったので、読んでみることにした。

太平洋戦争直後の荒廃した混乱期の日本(主に東京)を舞台にした活劇小説。4篇から成る連作短編集のような体裁。私的な諜報機関が、戦後日本の体制を混乱させようとする勢力(左右問わず)と戦う話。
登場人物も背景も、戦争を強く引きずっていて、非常に重苦しいはずなんだけれど、書きっぷりはあくまでも娯楽小説なので、読んでいていまいち重みがなく、その辺のアンバランスさが、何となく居心地が悪かった。内容がそのまま反映したら、かなり凄惨な小説になるのは確かなので、それがいいかどうかは一考の余地有りかもしれないが。
ただ、登場人物の描き方は割と一面的であまり陰影が感じられないし、諜報機関が戦う話にしては、筋立ても単純過ぎるように思えるので、そもそもそんなに深い所は狙ってない小説のような気もする。
背景となる時代や地理を、かなり丁寧に調べて書いているようだし、活劇の場面は華々しいんだけど、面白さや深みという点では、今一つという印象だった。
(2016.12.5)

|

« 感想「岳飛伝」1 | トップページ | 感想「死者は語らずとも」 »

「小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3787/64679945

この記事へのトラックバック一覧です: 感想「猫に知られるなかれ」:

« 感想「岳飛伝」1 | トップページ | 感想「死者は語らずとも」 »