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感想「「日本人の神」入門」

「「日本人の神」入門」 島田裕巳 講談社現代新書
昨年刊行された本。「神道の歴史を読み解く」というのがサブタイトル。日本の「神道」が、どういう風に生まれて続いてきたか、という経緯を解説した本。

わかってるようでわかってない、天照大神とか、八幡神とか、大国主神とか、どういう存在なのかというあたりが、丁寧に説明されていて、なるほどと思ったし、ためになった。もっとも、大国主神に関しては、文献が存在する以前の時点で、既にいろんなものが混交していて、実際にもよくわからない存在、ということらしく、わからなくって当たり前、というところみたい。ただ、いずれにしても、神道というのは、元々非常に政治的なものだな、という印象。

それをさらに明治政府が、国を統治するのに都合のいい道具として、国家神道に改変した。その流れを汲んでいる神道なんて、全然、日本の古来のものじゃないし、伝統でもなんでもないと思う。拝礼の仕方だって、明治以降に制定されたものと聞くと、ありがたみなんて全く感じない。もっとも、神社へ行って拝むということは、元々、基本的にしてないが。まあ、今ある全ての神社が、そういう存在というわけでもないはずだけれど。
流入してくる西洋の思想に対抗するためのバックボーンとして、こうした思想的なものが必要とされた時期があったのは分からないでもないけれど、ある時期以降は、明らかに暴走したし、それは今も続いているように思える。
自然発生的な神への信仰を否定しようとは思わないが(それこそが、日本の伝統的な宗教意識だろうと思うし)、国家神道の延長にある神道に関しては、なんでこんなものをありがたがれるんだろう、としか思わない。

もっとも、本書は明治より前の神についての考察が主体で、こういう話は最後の部分だけなんだけど、読んでいると、どうしてもこの辺りに強く反応してしまう。
(2017.2.9)

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