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感想「死の鳥」

「死の鳥」 ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫
昨年刊行された、日本オリジナル編集の、SFを主体とした短篇集。
この作家の邦訳本はこれが2冊目なんだそうで(もう1冊は有名な?「世界の中心で愛を叫んだけもの」)、作家の知名度と出版点数の落差がこれほど落差のある作家も珍しいのでは。もっとも、作品自体は雑誌やアンソロジーにはよく収録されているし、本書収録作のうち、少なくとも半分は読んだことがあった。

暴力的でグロテスクな内容の作品群。もちろん知ってて読んだんだが、そんなに好きな作風とは言えないな、と再確認したというか。それならなんで読んだのか、というと、まあ、怖いもの見たさ的な感覚なのかな。あと、作品の持つ鋭さみたいな所に、格好良さというか、魅力を感じていないわけでもない。ただ、やっぱりちょっと合わないかもしれないと、今回、思った。
それにしても、こういう作品が一部のマニアックなファンだけでなく、広く受け入れられた(SFやミステリのメジャーな賞をたくさん取っている)点が、よくわからなかったが、改めて読んでみて、60-70年代というのは、こういう殊更にタブーに挑戦するような、実験的な作品が求められた時代だったのかな、とは思った。
それと、今回の作品群を見ると、SFというよりは、ファンタジーの作家、という感じ。そこも、自分がSFに求めてる方向性とは、あんまり合っていないかもしれない。

本書の中では、MWA賞を取った「鞭打たれた犬たちのうめき」「ソフト・モンキー」あたりが、自分の読書傾向からしても取っつきは良かった(もっとも、前者については、ミステリ?と思うが。これは既読だった作品で、初読の時からそう思っていた)。他も「プリティ・マギー・マネーアイズ」とか、あんまりファンタジー色が強くない作品の方が好きだなと思えた。
(2017.1.28)

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