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感想「ヨーロッパ・コーリング」

「ヨーロッパ・コーリング」 ブレイディみかこ 岩波書店
同じ著者の「This Is Japan」に先行する本。2016年6月の刊行。2015~2016年の西欧(主に在住するイギリス)の政治状況を、「地べたから」の目線で語ったもの。大半はリアルタイムでブログに書かれた内容がベースだが、補筆はされているとのこと。
帯には、もはや「右対左」ではなく「下対上」の時代だ、と書かれていて、主にそういう内容の本だけど、この構図はアメリカ大統領選の時も言われていたのを思い出す。ちなみに本書はアメリカ大統領選については、時期的にも地理的にもサービスエリア外なので触れていないが、ヨーロッパもアメリカも、そういう構図になってるということだな。
じゃあ、なぜ日本では、こういう構図があまりあらわにならないんだろうと思うが、自分のことを考えると「上」じゃないけど、「下」とも言えないだろうなと思うし、回りを見渡しても、「格差社会」と言いつつ、そういう中間層が、日本にはまだそれなりに存在してるように感じる。それが理由なんだろう。そして、そういう中間層が、自分たちが「下」に滑り落ち始めている現実を受け止められずに、「中流幻想」にしがみついていることが原因で、いろんな酷い状況が起きている、というのが「This Is Japan」で書かれていたことだろうと思う。

本書の内容について言えば、イギリスという国の社会制度には、本や映像から受けた印象で、かなりポジティブなイメージがあるけれど、実態はそうでもないのかな、という感じ。確かに昔は良かったんだろうと思うが、現状では、もはや、日本と同程度か、もっと悪いのかもしれない。個々の制度によって、いろいろなレベルがあるとは思うが。
それから、イギリスの「保守」政党や日本のネトウヨに相当する層がやっていることは、日本とまるっきり同じだなとも思った。今の日本で起きている現象は、世界で起きている現象の一部なんだな、と改めて思う。
それでもまだイギリスは、そういう動きに対抗するメディアなどの勢力が、しっかりしているように見えるから、日本よりはまだマシなような気はするけど、それも本や映像からの知識によるものだし、住んでいる人の実感とは違っているのかもしれない。

どうせ、世界中、どこへ行ってもおかしくなっているのであれば、この日本で、状況を少しでも好転させるために、いくらかでも戦うのが正しいあり方なんだろう、と思ったりする。
(2017.4.30)

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