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感想「Maximum Bob」

「Maximum Bob」 エルモア・レナード Penguin Books
未邦訳の長篇。1991年の刊行で、作品順としては「ゲット・ショーティ」と「ラム・パンチ」の間。

フロリダのパームビーチで保護監察官を務める主人公のキャシー・ベイカーが、警官への暴行で公判待ちになっている若者デイル・クロウの担当になったことをきっかけに、混乱した状況に巻き込まれていく。

その他の主な登場人物は…、
デイルの担当判事のボブ・ギブス。量刑が重いことに定評があり、それで犯罪者の恨みも買っている。「Maximum Bob」のあだ名で知られる。
ギブスの妻リーン。水族館で人魚ショーに出演していた時に、溺れて臨死体験をしたのをきっかけに、100年前にワニに食われて死んだ黒人少女の人格が取り付いて、スピリチュアルな言動をするようになった。ギブスはそれを承知で結婚したが、近頃、持て余し気味。
デイルの伯父エルヴィン。刑務所帰りで、衝動的で暴力的な性格。破綻した人間だが、悪賢い。
ゲイリー・ハモンド。ギブスの家に巨大なアリゲーターが放された事件の捜査で、キャシーと知り合う警官。

キャシーを中心に、彼女に好意を持つギブス、エルヴィン、ハモンドの三人の男の動きが絡み合いながら、話が進んでいく。
個々のエピソードは面白いが、話の進みかたは行き当たりばったり。デイルは途中で居なくなってしまうし、巨大アリゲーター事件は、うやむやな感じのまま、話の半ばで適当に決着する。おおざっぱといえば、その通り。
でもまあ、いつものレナード調ではあると思う。舞台と個性的な登場人物を設定し、あとは多分に成り行き任せ(に見える)というのがレナードのスタイルだと感じていて、あまり予定調和的でない所が、この作家の面白さだと思っている。むしろ、そういう意味では、本書の終り方は、普通の小説のように、いかにも盛り上がった結末になっている所が、ちょっと珍しい気がしたくらい。
また、例によってヒロイン(キャシー)は格好いいが、いかにもレナード的な、癖のある人物であるギブスの存在感が、話の中盤から後半にかけて、少し薄いような気がする。そういう意味では、少しらしさが薄い作品とはいえるのかもしれない。邦訳されてないのも、その辺が理由の一部だったりするのかな。

ただ、自分自身も、レナードの小説を読んだのはかなり久々なので、過去の作品と比べてどう違うのかというあたり、本当の所はどうなのか、何とも言えないかも、とは思った。

レナードを原文で読むのは初めてだった。俗語・隠語的な表現が多そうだから、読むのは難しいかなと思っていたが、そうでもなくて、文章自体はむしろ読みやすかった。当然、意味を掴みきれてない部分は多々あると思うが、自分の英語力では、それは何を読んだって同じだろうなという気はするし(^^;)。

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