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感想「へびつかい座ホットライン」

「へびつかい座ホットライン」 ジョン・ヴァーリィ ハヤカワ文庫
先日、創元から出たヴァーリィの八世界もの短篇集(「汝、コンピューターの夢」「さようなら、ロビンソン・クルーソー」)を読んだ時に、以前読んだ本書も読み直してみたい気になった。本を処分した覚えがあったので、ダメかなと思っていたが、別件で本を掘り返していたら出てきたので、読んでみた。ちなみに前回読んだのは、多分、1980年代の後半で、本文庫版が出た1986年から、それほど離れていない時期だったはず。内容に、それほど強い印象は受けなかった覚えがある。

今回は、短篇集で語られていたエピソードの総集編+エピローグのような感じを受けた。本書と短篇群は同時期に書かれていたようなので、実際には必ずしもそうではないと思うが。
短篇は、作品ごとに、個々のアイディアを細かく掘り下げていたり、テーマ性が強く出ていたりした印象があったが、本書はあまりそういう感じがしない。短篇で使われていたいろいろなアイディアがあちこち使われている点にオリジナルなものはあるけれど、内容そのものは一般的なSF冒険小説のように思えた。SFに対する思い入れが低く、それほど知識も深くない自分に、あまりアピールして来なかった最大の理由は、このあたりだったのかもしれない。
世界観的なものを、いちいち説明せずに話の中で使ってくる作風で、それが良さでもあるわけだけど、作品についての知識を全然共有してない人間にとっては、やはりとっつきにくい。説明不足で、個々のアイディアの面白さを感じ取るのも難しかったように思える。ストーリーラインだけでは、それほど特別なものはないように感じたから、なんだか普通だな、と思ってしまったかも。
そういう意味では、今回は短篇を一通り読んでから間がなくて、準備は十分だった。おかげで、すんなり入れた気がする。

もう一点、当時、結構抵抗感があったと思うのは、人体改変が大きな要素になっている部分で、この辺は自分には生理的にかなり抵抗感がある題材。ただ、近年は、いろいろなものを読んできた影響で、だいぶ慣れてきてはいるかなとは思う。だから先日の短篇集も、それほど違和感なく読めていた。

そういうわけで、昔読んだ時よりも、だいぶ面白く読めたような気はするが(30年も前のことなので、よくわからないが)、短篇集の方が、個々の作品の内容が濃くて面白かったかな、とは思わないでもない。インベーダーやホットラインについての詳細が語られているので、短篇集を読んでいた時に、経緯を思い出せずに、もどかしい思いをしていたのがスッキリしたのは良かったけれど。

ところで、設定をいちいち説明せずに話に直接使ってくるとか、人体改変とか、最初に読んだ時にネックになったと思われる要素というのは、サイバーパンクにも共通して言えてたことだと思う。でも、サイバーパンクを読んでいた時は、なんだか格好いい、というだけで、そこはクリア出来ていたような気がするわけで、要はヴァーリィは、当時の自分にとって、そこまで引きが強くなかった、というだけのことなのかもしれない。

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