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感想「日本の地霊(ゲニウス・ロキ)」

「日本の地霊(ゲニウス・ロキ)」 鈴木博之 角川ソフィア文庫
1999年に刊行された本の文庫化で、今年3月の刊行。

「地霊」というと、禍々しい感じがするが、その土地の成り立ち・来歴などの蓄積を指す言葉だそう。ただし、「霊」のような不合理な要素も排除しているわけではなく、そうしたすべてをひっくるめたもの、という概念らしい。本書は建築史家の著者によって、その土地の「地霊」を無視しては、建築は成り立たない(建築するべきではない)という観点から書かれたもの。
ただし、開発的な行為そのものを否定的に捉えているわけではない。あくまでも、「地霊」を顧みない、画一的な開発や場当たり的な開発を批判している、と感じる。

本書の内容自体は、あちこちの土地や建物の来歴を、見てきて語る、というものだから、思想的な部分を除くと、全体的な印象は、より専門的なブラタモリ?、みたいに思える。もっとも、タモリにも、似たような思想は、多分あるような気はする。テレビ番組の中では、尺が短いこともあるので、それを露骨に見せることはないけれど。

今まで、あまり考えたことのなかった建築の思想ということについて、考えさせられる内容ではあった。たとえば、身近な所で、国立競技場の建替えの考え方などにも絡んでくる話だと思う(解説を隈研吾が書いているので、容易にそういう連想が働く)。ただ、「地霊」という言葉に引きずられて、もう少し、あやしい内容を期待していた所はあったので、やや期待外れだった感はある。
とはいえ、行ったことのある場所、馴染みのある場所がいくつか取り上げられていて、興味深かったし、特に広島については、これを読んでから現地に行っていれば、色々考えることがあったかもしれないな、と思った。まあ、また行けばいいのか。いつかはマツダスタジアムに行くつもりだし。そういえば、広島市民球場というのも、こういう建築思想的なものを考える必要性が高い場所だったのだろうな、と思った。
(2017.7.25)

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