« イースタンリーグ ヤクルト対DeNA(9/3) | トップページ | イースタンリーグ ヤクルト対ロッテ(9/8) »

感想「「野球」の誕生」

「「野球」の誕生」 小関順二 草思社文庫
先月の新刊。2013年に別題(「野球を歩く」)で刊行された本の文庫化とのこと。

渡来から1950年代頃までの日本の野球の有り様について、球場(練習グランド的なものも含む)を切り口にして語った本。
取り上げられている球場は、なくなって50年以上経つような昔のものが多く、近年増えてきた、昔の球場について書いた本でもある。著者は、2015年に旧新橋停車場で行われた「野球と鉄道」展の監修者でもあるとのこと。
各球場についてのエピソードは興味深いものが多いが、野球自体が日本の中でどういう風に受け入れられてきたかというのが概観出来る所もいい。何ヵ所かに出てくる正岡子規の野球好きのエピソードは特にいいな。
あとは大宮公園球場のくだりが、身近な球場なので(という割に入ったことは一度しかないが)、書かれている内容に実感があった。

それから、時節柄、特に強い印象が残ったのは、主に後楽園球場のくだりで語られる、太平洋戦争で戦没した野球人のエピソードだった。日本の野球の歴史を遡っていくと、戦争で無駄に死ななきゃいけなかった野球人や、野球そのものが敵性スポーツとして国から白眼視された時代という所を、必ず通ることになる。そういう意味では、今でもこれだけの規模の人気や影響力を保っている野球を通して、戦争を語るというのは、かなり有効な手段のように思える。また、野球に関わる人間(必ずしもプレイヤーに限らない)が、過去にそういう理不尽な時代があったことを意識し続けるというのも、意味があることなんじゃないだろうか。
(2017.9.4)

|

« イースタンリーグ ヤクルト対DeNA(9/3) | トップページ | イースタンリーグ ヤクルト対ロッテ(9/8) »

「小説以外の本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3787/65763197

この記事へのトラックバック一覧です: 感想「「野球」の誕生」:

« イースタンリーグ ヤクルト対DeNA(9/3) | トップページ | イースタンリーグ ヤクルト対ロッテ(9/8) »