« 2017年11月 | トップページ

感想「キリング・ゲーム」

「キリング・ゲーム」 ジャック・カーリイ 文春文庫
カーソン・ライダーもの。前回翻訳された「髑髏の檻」の次々作で1冊飛ばされたらしい。理由は特に書かれてない。ちなみに「髑髏の檻」の前作も未訳で、ここも前々作「イン・ザ・ブラッド」から1冊飛ばし。飛ばされた作品は、出版社が売りたい方向性ではなかったりしたのかな、と邪推。このシリーズは、作品の持ち味からすると、かなり偏ったイメージで宣伝されていると感じているので、そんなことを考えてしまう。

モビール市警に恨みを持った男が、ライダーを市警を代表するスター捜査官と思い込み、次々人を殺して、その責任をライダーになすりつけていく。連続殺人の犠牲者は、犯人によって無差別に選ばれた人たち、と思わせて、実は?、という話。
ここでのミッシング・リンクの設定の仕方は、割と気が利いていると思うが、そんなに都合よく、条件に合ったターゲットがいるもんだろうか、という気はした。かなり不安定な人格の犯人が、そこまで正確に被害者の情報を調べ出せたのも、いまひとつ信じがたいように思える。
エンディングも、伏線は張られているとはいえ、むりやりなひねりだな、という気がする。ここまで手の込んだことをする必然性が感じられない。

それから、本書にはチャウセスク時代のルーマニアでの犠牲者が複数登場するが、かれらをこのように描いたことで、実際のそういう人たちから抗議が来たりはしなかったんだろうか、と思った。当時のルーマニアで、これほど酷いことが行われていたという事実を広める効果はあるだろうけれど、それにしても、この描き方は、在米ルーマニア人の信用を落としそうに思えた。

主人公のライダーは、元々、悲惨な生い立ちや、公に出来ない特殊な状況の兄が居ることで、有能だが屈折しているキャラクターの持ち主という設定だったはずだが、そういうネガティヴな要素は、ここまでのシリーズ作品で、ほぼクリアにされてしまっているので、本書を読んでいると、(本書の犯人が勘違いした通りの)単なるスター捜査官に見えてしまう。そうなってしまうと、結構調子のいい所もある人物だから、追い詰められた状況に陥っても、あまり同情を感じないし、別にどうでもいいやと思ってしまった。犯人に、同情を誘う背景があるのが、早い段階から見えていることもあって、必ずしもライダーの側に、肩入れ出来なかった。

巻末で、シリーズが大きく方向転換する予兆が描かれているのは、その辺の行き詰まりを著者も感じていて、変える必要性に迫られたからかもしれないな。

シリーズの1作として、それなりに面白くは読めたけれど、特に感銘は受けなかった。
(2017.12.8)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

J1昇格プレーオフ決勝 名古屋対福岡

2017.12.3(日) 16時 豊田スタジアム
観客 37959人 主審 木村博之 副審 越智新次、聳城巧

 名古屋グランパス 0(0−0)0 アビスパ福岡
           (0-0)

現地観戦。プレーオフファイナル。引き分け以上で名古屋がJ1昇格。

名古屋の先発は前節から変わらず。
福岡とは今季1勝1敗だったが、負けた試合も、押谷の無駄なファールでの退場がなければ勝ってたと思ってるんで、相性は悪くなかったはず。
ただ、勝率の悪いトヨスタ開催なのと、プレッシャーには滅法弱いチーム体質が気がかりだった。

福岡の攻撃は縦にどんどん放り込み、守備は厳しく当たってくるというもので、41節の名古屋対千葉を研究した結果だったかもしれない。ただホームの福岡戦も、放り込みが目立つ試合運びだった覚えがある。あまり機能してなかったが。
今日も、放り込みのターゲットのウェリントンにはかなり競り勝たれたが、そこからの展開が薄く、あまりうまくいってなかった感じ。名古屋のバックラインが守備の集中を切らさず、危ない場面は割り切ってセーフティにプレーした(この辺はいつもより目立った気がする)効果もあったかなと思う。
とはいえ、松田力がサイドからガツガツ攻め込んで来たり、19分にはこぼれ球からのミドルにクロスバーを叩かれたり、序盤は福岡の勢いに押され気味だった。13分の名古屋のCKからのゴールは、ファールで認められなかったし。
それでも福岡は次第にペースダウンしたから、前半の後半は、名古屋が福岡陣内でプレー出来ている時間が長くなっていた気がする。しかしスコアは入らず、0対0で折り返し。

後半、8分にヒサトに代わって玉田が入り、前半はあまり見られなかった細かいパスワークの中心になって、チャンスを次々作った。決定的な場面も何度かあったが、もうひとつ決められない。
一方で13分に、ゴール前へのクロスから押し込まれる、という場面が…。オフサイドでゴールにはならなかったが。
今年の実績から、0対0で試合が終るとはあまり思えなかったので、気が気じゃなかった。40分を過ぎて、このまま逃げ切りの態勢に入ったらしく、足のつったシモビッチに代えてイムを入れたり、玉田とシャビエルで相手陣内で細かい球廻しをして時間を稼いだりしてるのに、田口がリスキーな攻撃的なパスを出してカットされ、そこからカウンターを食らったり。
しかし、なんとか持ちこたえた。スコアレスドローで終了。名古屋がJ1昇格。

いろいろあった1年だったけど、最後はギリギリで帳尻が合ったなと。

感無量ってやつ。今まで、優勝決定試合は全部目の前で見てるけど、今回はスリリングな決着だったから、決まった瞬間は優勝したみたいな感激だったよ。冷静に考えると3位に過ぎないんだけど(^^;)。

でもまあ、今回は本当にいろんなドラマのあったシーズンだったから、思い入れも強くなった。今まで、名古屋のほとんどのシーズンは、真ん中付近の順位を漂いながら、試合を淡々と消化してくだけ、みたいな所があった。シーズン中の劇的な出来事は、大抵悪いことだったし。
そういう「日常」的なシーズンも悪くはないし、正直、今年は刺激が多すぎて疲れたとも思うけれど。

来年はもっと楽なシーズンがいいなと思うけど、難しいんだろうな(^^;)。
20171203board
20171203stadium
20171203home
20171203nyuujousha
20171203winner
20171203j1
20171203mascot
20171203toyosta

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年11月 | トップページ