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感想「独裁国家に行ってきた」

「独裁国家に行ってきた」 MASAKI 彩図社
世界204カ国を旅行したという著者が、各地の独裁国家へ行った体験をまとめたもの。
あくまでも限られた時間と地域での著者の体験記なので、この本の記述だけで、この国はこうなのか、と考えてしまうのは危険だろうけれど、一般的なメディアでは、あまり伝えられない国のレポートが多いので、興味深い内容ではあった。コンゴとかサウジアラビアとかベネズエラとかの内情を伝えた記事って、なかなか見ないものな。

独裁国家と言っても中身は様々で、統治機構自体が腐敗している結果、危険きわまりない国もあれば、独裁によって安定が保たれている国もあり、ひとくくりでは考えられないというのがよくわかる内容だと思う。
独裁は、イコール悪ではなくて、本当に理想的な独裁政権なら、むしろ健全で効率的に国を運営出来るかも、とは思っている。
ただ、一方で「独裁」は、原理的に多様性とは相反するのでは、とも思う。そもそも、本当に理想的な独裁なんてものが、現実にありえるのか、ということもある。
そして最大の問題は、仮に良い「独裁」があったとしても、それが腐った時に、それを国民が排除するのがとても難しい、ということだと思う。うまく回っているように思えた独裁国家が、独裁者の変質でおかしくなったが、独裁を倒すことが出来ずに破綻に向かう例は、世界中にいくつもある。たとえば、本書に収録された国で言えば、ジンバブエがそうだったはず。
その点、民主主義は、腐った権力を民意で倒すことが、少なくとも原理的には可能なわけで、いろいろ欠点はあるにしても、民主主義が最善の選択ってのは、そういうことだと理解している。
とはいえ、民主主義の下でも、権力に対抗する勢力の力が十分でなかったり、権力に飼い慣らされた国民が多かったりしたら、それはうまく機能しないわけだけれど。今の日本はそういう状態だろう。

それはそれとして、リベリアやナウルは、必ずしも独裁体制が、その国の問題の本質ではない気がした。興味深くはあったけれど、この本で取り上げるのが適切なんだろうか、とは思った。
(2018.5.13)

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