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「わたしは分断を許さない」

ジャーナリストの堀潤が監督した映画。
ちょっと見てみたいと思って上映館を確認したら、前から一度行ってみたかったポレポレ東中野だったし、他の条件もたまたま揃ったもので、見に行った。

世界中に広がる「分断」をテーマにしたドキュメンタリー。香港、福島の原発事故、日本の難民申請に対する冷淡な状況、沖縄の米軍基地、安田純平さんへのバッシング、ガザ、シリアなど、いろんな題材を扱っている。正直、盛り込みすぎな感があり、整理不足なようにも思えた。けれども、結論を提示するのではなく、今、こういういろんなことが世界で起きているのを見せる所に主眼があると考えれば、これはこれでありなのか、とも思いながら見ていた。
取り上げられた題材自体はどれも、自分にとっては、日頃、twitterのTLなどで見ている、馴染みのあるものだったのだけど、堀潤自身が現場で取材した映像という臨場感があるし、切り口も独自な部分があって、考えさせられた。
もちろん、こういうことを全然知らない人もいるのだろうし、そういう人たちに知ってもらいたいという意図も、製作者側にはあるんだろう。そういう人たちが、どの程度、この映画を眼にするのかどうかはともかく。そこに既に「分断」があるようにも思えるが。
ちなみに、「分断」というテーマ自体は、少しぼやけていたかな、という気がする。

映画の後、監督の舞台挨拶があり、その時の話から、盛り込みすぎ、整理不足と感じた部分について、なぜそうなったのかをうかがわせる背景が感じ取れた。特に、最初の構想では、これは福島の原発事故についての映画だったというところ。そう聞いてみれば、実際の映画の内容のバランスからも、それは感じ取れたように思う。現在のもろもろの状況を鑑みて、それだけで映画を作るのは難しいという制作サイドの意見を受けて、より広いテーマの映画にしたそうだけれど、それによって、いまひとつまとまりがなくなってしまったんだろう、と思う。オリジナルは6時間の長尺になってしまったのを、120分未満まで切り詰めたのだそうだし。やはりこれだけ多くの題材を扱って、この長さでは厳しい。
そのあたりのことがわかって、すっきり出来たのは良かった。映画の内容を書籍化もしているそうで、多分、そちらの方が監督の思いがより明確に描かれているのだろうし、読んでみようかという気がしている。

また、どことなく歯切れの悪さを感じた映画の中での語りよりも、ずっとストレートにメッセージを語ってもいたから、この挨拶は聴けてよかったと思った。

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