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「白い暴動」

6/6に見に行った映画。映画館に行ったのは、3/15以来で、3ヶ月ぶり。もっとも、日頃から、それほど頻繁に映画館へ行ってるわけではないので、これくらいのインターバルは、それほど特別なことではない。
ただ、この映画に関しては、COVID19の影響で映画館が休館する可能性があるということで、4/8に見に行こうとしていたところ、ちょうどその日から休館になってしまって、見れなかったという経緯があった。先週、映画館が再開されてこれが続映になっていたのは有り難かったし、これは見に行かないと、と思った。

1970年代の後半、経済的に低迷していたイギリスで、NF(国民戦線)を中心にしたレイシズムが力を持ち、有名なロックスター(エリック・クラプトンとか、デヴィッド・ボウイとか、ロッド・スチュアートとか)までもが公然とレイシズム的な言動をするような状況になった。これに対抗して立ち上がったRock Against Racismの運動を、ドキュメンタリーとして描いた映画。
当時のRock Against Racismやパンクの事情に、自分が大して通じてるわけでもないので、内容に対する理解が追いつくのかという危惧もあったのだけれど、見に行ってよかった。当時のイギリスのレイシズムの状況がよくわかったし、アンチレイシズムの活動が結実した、結末のライヴのくだりは感動的だった。でも、映画の最後にテロップが出るように、レイシズムとの戦いは、まだ終わった話じゃない。そうであることは、まさに今起きている、Black Lives Matterの運動が物語っている。そういう意味では、見るのが2ヶ月遅れた結果、タイミングが、ぴったり合ってしまったわけだけど。
描かれている内容が、今の日本を思わせる場面があちこちにあって、暗い気分にもなったのだけれど、そこはやはり、この時、イギリスで行われたように、日本でも、レイシズムやいろんな差別的な動きと戦っていかないといけない、ということなんだろうと思う。

それにしても、自分自身が1970年代の後半にイギリスに抱いていたイメージでは、経済があまりうまくいっていないにしても、音楽に関しては、もっとポジティヴなものが発信されていると感じていた。パンクが社会の混迷と連動しているという話も、聞いていないわけではなかったけれど、なにぶん、実感がなさすぎた。
結局、同じ国の中でも、レイシズムのようなものに自覚的で、戦っている世界と、そういうものに気付かず、無縁に過ごしている世界が並存しているということなんだろうと思う。それは今の日本を見ていても、容易に分かる。というか、こうした分断は日本だけの現象ではない、というのがよくわかった気がする。この映画は、気付いていない問題意識のない層に、どうやって気付いてもらうかが第一段階だと言っているように感じた。

それはそうと、映画の中でインタビューを受けている人物(Redだったかな)の背後の棚に、アフロ犬のぬいぐるみらしいものが見えていて、ずっと気になっていた(^^;。あれは本当に、アフロ犬だったんだろうか。

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