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「21世紀の資本」

6/13に見に行った映画。  公式サイト 

ベストセラーになった、経済的な格差の問題を扱ったトマ・ピケティの同名の本をベースに作られたドキュメンタリー映画。18世紀頃からの歴史をたどって、時代ごとの経済的な格差の構造を解説した上で、現代の急速に拡大しつつある経済格差の問題を論じている。
映画館が休止になる前の3月に、ちょっと興味を惹かれていた。映画館の再開後、まだ上映が継続されていたので、見に行ってみる気になった。

原著はかなり分厚いものだし、そもそもがデータを丁寧に集めて検証したところに、ピケティの功績があるということなので、しっかり内容を理解するには、多分、本で読んだ方がいいのだろうけど、結構大変そう。一方、この映画は、どこまできっちりピケティの主張が伝えられているのかは知らないが、かなりわかりやすかった。各時代の映像作品やポピュラー音楽などをふんだんに使っていることもあり、直感的にも頭に入りやすい作りになっていたと思う。

全体的には(もしかすると原著のダイジェスト的な内容になっていて、その影響もあるのかもしれないが)、主に英仏米の状況が論じられている印象で、アジアなどの諸国や、ヨーロッパ内でもドイツやスペインについては、あまり細かく取り上げられていないと感じた。ただし、少なくとも現在の状況についての解説は、今の日本の状況も的確に言い表していたという印象。
20世紀半ばに一旦は縮小に向かった格差が、現代では急速に拡大していることに対し、この映画は、そのメカニズムを解析しつつ、それは世界を破綻に導く方向だとして、富裕層への課税の強化など、政府による介入の必要性を主張する。非常に納得できる理屈なのだけど、(日本やアメリカは言うまでもなく)世界の多くの国の政府が、富裕層の便宜を図ることばかり考えている現在、それが実現に向かう可能性はあまり高くはなさそう。もちろん、民主主義国家であれば、国民がそういう状況を是正する行動を起こせばよいはずだけれど、少なくとも日本では、なぜかそういう動きに力強さが感じられない。もしかしたら、今のCOVID19流行による社会の変化が、今までと違った流れを生み出すかもしれないが、とりあえず動きを作り出すには、そういう風に考えている人たちが、しつこく言い続けて広げていくしかないだろうなと思う。

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