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感想「ファニーフィンガーズ」

「ファニーフィンガーズ」 R・A・ラファティ ハヤカワ文庫
「町かどの穴」に続く、ラファティ傑作集の2冊目。
だいたいの感想は、「町かどの穴」と同じなのだけど、あちらよりもこちらの方に、より好みの作品が集まっているように思った。編者によると、「町かどの穴」は「アヤシイ」作品、本書は「カワイイ」作品を集めるというコンセプトだそうなので、自分は「カワイイ」作品の方が好き、ということか。
この他に、解説にも書かれているけれど、青心社から出た2冊の短篇集があって、そちらに収録されている作品群は、今回の2冊の短篇集とは、また少し方向性が違っていた印象がある。今回の傑作集の作品群の方が、好みに近かった記憶はあるけれど、青心社版を編纂した訳者(井上央)による、未訳作品を収録した短篇集が、年明けに早川書房から出るそうなので、これも読んでみようと思ってる。
それはそれとして、本書の中で好きな短篇を選ぶとすると、「町かどの穴」の時以上に難しいのだけど(ちなみに、ラファティのベストを選ぶのは難しい、という話が解説に書いてあって、まさにその通りと思った)、「七日間の恐怖」かな。最後のオチがとても好きなので。
それから、「田園の女王」は、昔読んでいて、すごく好きというのとは少し違うのだけど、とても印象に残っている短篇だった。ラファティの作品だということも、これが収録されていたという「世界カーSF傑作選」を読んだことも忘れていた。今回巡り合って、久々に昔馴染みに出会ったような気分になった。
(2021.12.28)

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感想「ことばは国家を超える」

「ことばは国家を超える」 田中克彦 ちくま新書
この人は昔からファンなので、著書を見かけると、たいてい買ってしまう。モンゴル語がメインの言語学者だけれど、それ以外の言語についても詳しいし、言語に限定した領域にとどまらず、民族問題や社会問題などについても自在に切り込んでくる。知識の広さと、理路整然とした語り口が、読んでいて楽しいし、いろいろと考えさせられもする。

本書では、主にウラル・アルタイ語について論じている。ウラル・アルタイ語族というのは、おおむねユーラシア大陸の北側に広がる、印欧語族に含まれない言語をひっくるめたような概念で、今ではあまり信憑性がない的な扱われ方をしている、という印象があった。本書で著者は、ウラル・アルタイ語族について丁寧に説明するとともに、あまり正統的ではないものとして扱われている経緯についても細かく述べている。述べられている言葉や定義はおおざっぱには知っていたけれど、なるほどそういうことだったのかと、認識を深めた。もっとも、ウラル・アルタイ語族の是非について、これで判断しようとは思わない。そもそも自分は言語学に興味はあるけれど、あくまでも興味本位の素人なので、そこまで踏み込むつもりもない。そういう概念があって、それに対してこういう議論が戦わされているというところを、読んで楽しんだのと、いろいろな細々とした知識に触れて、感心しただけ。また、ウラル・アルタイ語族という概念が、方々で民族の問題と絡んでくるところを、興味深く読んだ。
著者の書き方も、特定の学説を主張するというよりは、ウラル・アルタイ語を軸にして、時々脱線しながら、思いつくままに文章を綴っているという感じなので、そんな読み方でいいんじゃないかなとも思う。一方で、とりとめない書き方をしていながら、時々、思いのたけを感じさせる強い表現が表れたりする。そういう部分にも、読んでいて感銘を受ける。

いろんなところに話が及ぶのは、広くて深い勉強・研究がバックボーンにあればこそで、うらやましくも感じる。学生の頃に、こういう世界に触れていたら、研究者を志したかもしれないな、と思ったりする。もっとも、研究者でも、こういう境地にたどり着ける人が、そうそういるわけではないだろうな。
(2021.12.26)

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全日本大学サッカー選手権決勝 阪南大対駒澤大

2021.12.25(土) 13時 NACK5スタジアム大宮
観客 3235人 主審 上村篤史 副審 塚田健太、中村光揮

 阪南大 2(1ー1)3 駒澤大
      (1-2)

 得点 12分 阪南大・松原
    36分 駒澤大・土信田
    48分 阪南大・藤原
    58分 駒澤大・宮嵜
    78分 駒澤大・島崎

インカレの決勝は、年末の試合観戦にちょうどいいので、この4年間で、確か一般客が入場できなかった昨年を除いて3度目の観戦。例によって、双方の力関係などは全然分かっていなかった。

序盤から、駒澤の方がフィジカルで優位に立っているようには見えていた。全体的に身体は大きく見えたし、当りも強かった。やってるサッカーもそれが生きそうな、前線やゴール前へ、とにかくボールを入れて行って、そこで競り勝ってなんとかする、みたいなイメージに見えた。しかし阪南も、それで簡単に崩されるほど甘くはなく、逆に12分には、CKの流れから左サイドからシュート、駒澤GKが跳ね返したボールを10番(松原)がボレーで打ち返して、鮮やかな先制ゴールを決めた。
阪南は、丁寧につないでくるサッカーで、つなぎ方にも時々面白いアイディアが見られた。守備も粘り強く、駒澤の攻勢をしのいでいたが、35分過ぎに中盤でのミスから駒澤の7番(荒木)に右サイドに持ち込まれ、そこから入ったクロスをゴール前の10番(土信田)に決められた。前半は1-1の同点で終了。
後半の立ち上がりは阪南が攻勢に出た。開始3分、ゴール前での波状攻撃から、ゴール右斜め前にこぼれたボールを31番(藤原)がミドルシュート。これが見事に決まって阪南が再度勝ち越し。
しかし13分、駒澤が7番のCKからゴール前で12番(宮嵜)が頭で合わせて、また同点。この辺からペースを握るようになり、23分には左からのゴール前への長いクロスを、途中出場の14番(島崎)が押し込んで勝ち越し。
阪南は終盤、度々チャンスを作ったし、セットプレーでのGKの積極的な攻撃参加などでスタンドを沸かせたが、ゴールに押し込み切れず、駒澤が逃げ切った。

駒澤が強いサッカーをした、という印象。ただ、阪南の試合運びも楽しめたし、スコア的に接戦でもあった。タイプの違うチームの戦いを、面白く見られる試合だったと思う。

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なお、入場券の一般売りは上限1250枚で、メインスタンドのみの全席指定。COVID19感染対策で席配置は市松(ゴール裏とバックスタンドは学生席だったが、そこも市松だったみたい)。チケットは手首に巻く仕様だった。再入場とかで見せる時、いちいち探さなくて済むから便利、と思ったけれど、簡単に引っかけて破っちゃったりしてしまいそうではあった。

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感想「手/ヴァランダーの世界」

「手/ヴァランダーの世界」 ヘニング・マンケル 創元推理文庫
クルト・ヴァランダーものの最終巻。中篇「手」と、著者自身の手になるシリーズ全作品の登場人物や地名などをリストアップした索引「ヴァランダーの世界」から成る。

「手」は、シリーズ最終作の「苦悩する男」よりも前に書かれたものとのことで、内容も時系列的に、その辺の時期になっている。田舎に家を買いたいと思っているヴァランダーが、中古の家を見に行って、庭から人の手が出ているのに気付く。そこから50年以上前の殺人事件の追求が始まるという話。
趣向としては面白いけれど、作品中でも言われる通り、確実に時効にかかっていると思われる事件に、警察がここまで注力することがありえるのか、という違和感がけっこう大きかった。このシリーズは結構そういうところがある。警察が多忙を極めていると書かれていても、ヴァランダーにしても、他の警官にしても、ずいぶんのんきな捜査をしているように見えることが多い。著者が捜査活動の描写にリアリズムを重視していないのか、日本(だけではなくて、英米などのミステリでも、もっとシビアだと思うが)とスウェーデンの文化の差なのか。古い所でマルティン・ベックとか、北欧のミステリを読んで、似たような違和感を感じたことは割とあるので、後者の方が正解に近いのかも、とは思ってはいる。
それから、テーマとして、移民の問題なども含んでいる気配があるのだけど、尺が短いこともあってか、あまり掘り下げられていないし、事件そのものは、テーマ性とは直接あまり関係なさそうな形で決着してしまう。まあ、ブックフェア向けに書かれたものということなので、そこまで腰を据えた作品ではなかったのかもしれない。

「ヴァランダーの世界」は、基本的にはリストなので、シリーズの熱心なファンが読めば(使えば?)いい、という感じ。ただ、著者がこのシリーズや各作品を構想した背景などが書かれている部分があるので、作品を理解する上では参考になる。スウェーデンや世界全体の社会的な問題を論じるのがこのシリーズの特徴だけれど、著者の意図としても、ミステリを書くというよりは、そうした小説を書くことの方に力点があったことがよくわかる。

ちなみに訳者あとがきが、「ヴァランダーの世界」でレイシズムについて述べられているのに引きずられてか、「手」の解説に絡めて、スウェーデンの移民の問題について詳細に論じているのだけれど、「手」にはそこまでのことが書かれているようには思えなかったので、少し違和感があった。訳者の問題意識は十分理解できるのだけど。

最後に、シリーズ完結ということなので、全体を簡単に振りかえっておこうと思う。なお、現時点での印象なので、読んだ直後の感想とは、ずれているかもしれない。

最初の頃の印象は、ずっこけ警部物という感じ。ヴァランダーは何かとポカをする、抜けたところのあるキャラで、話のシリアスさにそぐわないようにも思えたけれど、ある意味、そこでバランスが取れていた気もする。社会問題に絡んだ深刻な事件の内容を、ヴァランダーの抜けたキャラで中和している分、とっつきやすくなっていた気がする。すごく気に入ったというわけでもなかったけれど、読み続ける気になったのは、多分、その辺の効果があった。また、「ヴァランダーの世界」を読むと、最初の2冊くらいは、著者としても、シリーズとして長く続けていくという考えが固まっていなかったようなので、その辺の緩さもあったのかもしれない。
著者が本腰を入れて書き始めたからか、その後は深刻な内容に見合って、小説の重厚さが増していったように思える。それとともにヴァランダーも間抜け感が薄れて、有能さが表に出て来るようになった感じ。スウェーデンのローカルな警察の話にしては、やたらと世界規模の事件に発展しがちな所に違和感はあったけれど、この時期は秀作と感じる作品が続いていた。テーマの重さにも、かなり感銘を受けながら読んでいた。
終盤に近付いてくると、ミステリとテーマ性が分離し始めた印象。著者が書きたいテーマと、事件の解決が必ずしもリンクせず、解決によって小説のテーマ性がより浮き上がってくるというような、効果的な構成ではなくなっていたように感じる。「手」もそんな印象。世界が進んでいる方向について、おそらく強い問題意識を持っていた著者が、テーマを描くことにより注力した結果、ミステリの部分が浮いてしまったのではないかと思っている。また、ヴァランダーが歳を取ったこともあって、不安定さが増してきて、めんどくさいオヤジにしか見えなくなってきたこともあり、終盤の作品は、いまひとつ物足りなさがあった。

そういう意味ではシリーズの終了は頃合いだったと思えるし、著者もそれを認識しながら、ヴァランダーに歳を取らせて、書いてきたようにも思える。こういう風に律儀に登場人物が歳を取って、引退していくという人気シリーズは、あまり思い当たらないが、マルティン・ベックもそうだったことを考えると、この辺も北欧流儀ということなのかな。サンプル数が少なすぎる推測だけれど。

「北欧」という点については、北欧のミステリの独自性というのを考えながら読んできた部分もある。事件がやたらと猟奇的だったり、警察が妙にのんびりしていたりというのを、シリーズの特徴と感じていたが、このシリーズが始まったあたりから、北欧ミステリが流行ってきて、この作家以外でもいくつか読んで、やはり似たような印象を受けた。北欧のミステリというのは、こういうものなのかなと、今では思っている。ただ、これもそれほどサンプル数は多くないので、誤解かも知れない。

近年、刊行時にリアルタイムで追いかけてきたシリーズ作品というのが、ほとんどなくなってきているので、このシリーズは個人的に、そういう意味で貴重でもあった。長い間、楽しませてもらった、とは思っている。

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感想「町かどの穴」

「町かどの穴」 R・A・ラファティ ハヤカワ文庫
多分、かなり久々に刊行されたラファティの新刊。ただし日本で編纂された短篇傑作選で、全篇既訳らしい。2冊組の1巻目で、2巻目「ファニーフィンガーズ」も、もう出ている。
久々にラファティを読んだ感じで、読んだ覚えのある短篇も多いけれど、どれも楽しんで読めた。この人ならではの、アイディアの突飛さ・濃さと、ひねった言い回しだらけのコミカルな語り口は、何度読んでも面白い。まあ、結構刺激は強いので、あまり立て続けに読むと、食傷気味にはなるが…。
収録作中で、どの辺が好きか考えてみたが、大量にある短篇から選ばれた傑作選だけあって、レベルが揃っていて、かなり難しい。迷った結果として、「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」「いなかった男」「その町の名は?」あたりかなという結論。あまりSF的な要素が濃くない方が、自分の好みかもしれない。
(2012.12.12)

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感想「ボニーとアボリジニの伝説」

「ボニーとアボリジニの伝説」 アーサー・アップフィールド 論創社
オーストラリアを舞台にした、アボリジニと白人の混血の警官・ナポレオン・ボナパルト(ボニー)を主人公にしたシリーズで、久々(38年ぶりとのこと)の邦訳刊行。この時にハヤカワミステリ文庫から3作出たのを、10年くらい後に読んで、印象的だったのを覚えていたので、読んでみた。原著の刊行は1962年。なお、シリーズ第1作の刊行は1929年と、かなり古い。

オーストラリアの砂漠の中で、ミステリ的に魅力的な、非常に謎めいた状況で死体が発見され、その謎を解明するために主人公が派遣されてくる体裁。ただ、謎の解明そのものは、それほど魅力的なものではなくて、そういう部分に期待して読むと、多分肩透かしになる。
興味深いのは、特異な風景や、アボリジニと白人の関係といった、オーストラリア独特の特殊な要素の描写。他の作品もそうだったかどうかは、読んでからかなり日が経っているので、もう覚えていないが。
ちなみに事件の真相は、そういう特殊性と密接に結び付いているので、そちらの観点から見た方が、話の構造や仕掛けがはっきり見えて、興味深く読めるように思った。

アボリジニと白人の関係性については、読んでいて、いろいろ考えさせられる。オーストラリアでは、最近にも首相が、白人側からアボリジニに対して、過去の歴史について謝罪したというニュースが流れていたはずで、今も生々しさのあるテーマと思われる。
本書が書かれたのは60年も前(シリーズの開始に至っては、さらに約30年遡る)だから、この問題についての作者の認識は、現代の状況とは相当乖離があるだろうと思う。でも、テーマについて観念的に考える材料としては古びていないように思えるし、おそらく著者の意識が反映されている作中のボニーの言動も、フェアなものを感じる。こうしたテーマに関しては当事者ではない、日本在住者だから、気楽に言えることかもしれないが。
まあ、考えようによっては、19世紀以降に欧化した日本人は、どっちかといえば、アボリジニの側の立場といえなくもないのかも、みたいなことも思った。

他には、当時のオーストラリアのアジアへの目線(というか、警戒心)が見えるのが興味深かった。元々は黄禍小説を書いていたという著者の一面を感じさせるし、当時のオーストラリアにはそういう感覚があったのか、という発見でもあった。多分、白豪主義ともつながっているんだろう。こういう感覚は今も、薄れてはいるかもしれないが、消えてはいないんだろうね。
(2021.12.4)

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「テン・ゴーカイジャー」

11/23に観に行った映画。Vシネの特別上映。
「ゴーカイジャー」のオリジナルキャスト勢揃いで製作された、放映10周年記念作。ゴーカイジャーの6人が10年後の姿で登場するほか、バスコが別キャラの「益子田さん」として登場するが、ちゃんと猿を連れていた。そのほかの出演者も、戦隊ものや仮面ライダーでお馴染みの人だらけ。
話の内容もネタ満載で、元ネタを知っていれば知っているほど楽しいと思う。自分はそこまで深くは知らないし、「ゴーカイジャー」自体、もう10年も前だから、そこまで細かく覚えてなかったけれど、ゴーカイジャー6人のキャラや話の枠組は覚えていたし、それだけでも十分楽しめた。
(ただ、出演者の座談会で、「ゴーカイジャー」を初めて見る人でも楽しめると言ってたが、それはさすがにどうかな、と思うけど)
話の中身はあえて書くほどのものでもないけれど、いかにも東映の特撮ものらしい要素を、さりげなく盛り込もうとはしていたな、とは思った。被害者が力を手に入れて、加害者に変じようとする構図とか、「この星に守る価値はあるのか?」なんて煽り文句とか。もっとも、それはテーマというほどのものでもない。これはあくまでも10周年記念の娯楽作。 
演技が達者な俳優が揃っているので、安心して見ていられた。中ではピンクが結構キャラ変していた印象。以前はもっとキャピキャピした感じだったと思うんだけど、年相応に大人びて、いい感じだった。
ただ、この10年の間に、少なくともレッドとピンクは特別篇に出たことがあるはずだし、戦隊ものはこのところ、リバイバル的なのをやり過ぎてるきらいがあるから、やや食傷気味だけれど(今の「ゼンカイジャー」は、そういう理由で、あまり見る気がしない)、「ゴーカイジャー」自体がそもそもリバイバルものだし、ここまで徹底的に作り込んでくれればOKかな、とは思った。

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J1リーグ第38節 名古屋対浦和

2021.12.4(土) 14時 豊田スタジアム
観客 27079人 主審 村上伸次 副審 大川直也、日比野真

 名古屋グランパス 0(0−0)0 浦和レッズ
           (0−0)

今季最終戦。現地観戦。
シャビエルの名古屋での最後の試合。

名古屋の先発は、DFが宮原、中谷、キムミンテ、吉田。ボランチは稲垣と木本。ちなみに長澤は警告累積で出場停止。前4人は相馬、柿谷、マテウス、前田。

前半の名古屋は守備的な試合運び。相馬がおもに吉田との連携から、左サイドを攻め上がる場面は結構目についたけれど、ゴール前が薄くて、そこからゴールを脅かす展開にはほとんどならなかった。右からのマテウスや、前で前田や柿谷がボールを持った場合も同様。前半、ほぼ唯一の決定機は、半ばにマテウスがミドルで撃ち込んだシュート。浦和GK西川にファインセーブされたが。
守備は浦和の整った攻めをよく防いでいたとは思う。浦和は今年ビジターで見た試合よりもしっかりチームが出来ていて、複数のベテランが今季限りでチームを離れるのも無理はないかという感じ。ただ、ゴール前でいまひとつ迫力がないのは名古屋と一緒で、惜しい場面は作るものの、決定機までは至っていなかった。そこは名古屋の守備の手堅さも発揮されていたかな。
名古屋が前半守備的なのはよくあることだし、後半はペースを上げてくるかと思ったが、システムを4バックから3バックに変えた影響もあってか、いくらか前に向かう積極性が出てきた気配はあった。とはいえ、ゴール前の薄さは解消せず。57分に前田に代え、トップに山崎が投入されても、状況に大きな変化は見えなかった。
69分に森下とシャビエルが入る。すぐ後にシャビエルが、ゴール正面でボールを受けてミドルシュート。しかし枠をわずかに外れてしまった。決まっていれば劇的だったんだが。
そして71分に、CKから浦和にゴールにボールを押し込まれる。しかしこれは、浦和の選手のポジショニングの問題で、VAR判定の結果、オフサイドになり、ノーゴール判定で救われた。かなりラッキーだった。ただ、後半は割と名古屋が攻める試合展開だったと思うけれど、このあたりからまた浦和が優勢になってきた印象。
そこから後、名古屋がきわどい場面を作ることはなかった。どちらかといえば、浦和の方がゴールに迫っていて、87分にはCKからボールがゴールに入る場面もあったが、これは明らかなオフサイドでノーゴール。
結局、スコアレスドローで終了。いかにもシーズン最終戦の消化試合らしい、盛り上がりを欠いた試合だったと思う。

正直、シャビエルの退団セレモニーや、今季限りでJリーグの審判から勇退するので、これがラストゲームだった主審の村上さんを送るイベントの方が、ずっと印象に残った。
名古屋は、ルヴァン杯優勝のあと、急速に失速してしまった感がある。ハードスケジュールの中で、無理を重ねてやってきた反動と思えば、仕方ない面はある。来季はACLがない分、楽になりそうには思えるが、その分、だいぶ大所帯になっている今の戦力がどこまで維持されるんだろうという気もする。

と思っていたら、戦力どころか監督が交代になることが発表された(12/9)。
監督交代のいきさつに思うことは山ほどあるけれど、ここには書かない。ただ、さすがに来年は心配ないだろうと思っていた降格戦線への参入も、十分ありえるような気がする。いやな感じがする。取り越し苦労ならいいんだが。
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浦和のゴール裏。試合中の発声などで、場がかなり荒れた感じ。
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Jリーグでの最後のレフェリングだった村上さん。試合後は両チームの選手による胴上げも。
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名古屋での最後の試合だったシャビエル。2017年は本当に世話になったし、チームに長く居てくれて、うれしかった。
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試合後の記念撮影。マッシモも居る。これが見納めになるとは、この時は知らなかった。
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