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「ニューヨーク1997」

1981年のジョン・カーペンターの映画。昨日、先週に引き続き、アップリンク吉祥寺でのジョン・カーペンター・レトロスペクティブ2022へ観に行った。

この映画は、今まで見た中で好きな映画を10本あげるとしたら、確実に入ると思っている。ただし、テレビやビデオは別として、映画館で見るのは、記憶がいまいちはっきりしないけど、これが2回目か3回目に過ぎないし、そんなに細かい所まで、中身をよくおぼえているわけでもないから、どうかなとは、少し思っていた。
今回見て、やっぱり10本に入ると思った。これは本当に自分が好きな映画。人物も、話の作りも、映像も、音楽も、スタイリッシュで全部好き。

今回感じたのは、作り込み過ぎていないのがいいんだな、というところ。先週、「ザ・フォッグ」を見て、同じような感想を持ったばかりなので、特にそう思った気がする。セットはそんなに凝っていないし、時期的に、まだCGとか高度なSFXとかが濫用されていないこともあって、画面がシンプル(でも、安っぽくは見えない)。登場人物などは、あまり細かい背景が描かれない。主人公のスネークも、軍人から転じた、裏の世界なら誰でも知ってる有名な犯罪者という以上のことは、はっきりわからない。多分、その辺の原因は、尺の関係とか、必ずしもポジティヴな理由ばかりではないんだろうけど、結果的には、それで話が締まっている。もちろん、説明が少なくても不足を感じさせない作り方がされているからこそ、ではある。

終盤、登場人物がバタバタと死んで行って、それが鮮やかな結末につながっていく。ここの流れは後で考えれば、なぜ彼らの死でスネークが気持ちを動かされるのか、筋が通らないようにも思えるのだけど、映画を見ている間は不自然に感じないし、むしろ逆に引き込まれていく不思議さがある。このくだりは見ていて、本当に心に響いてくる。スネークが自分の内面を語るわけではないから、そういう風には見えても、実際は気持ちを動かされたからああいう行動を取ったのではなくて、ただの面当てかもしれないんだけど(その方が筋は通る)、そこは説明されない。好きなように考えて、勝手にシンパシーを覚えるのは見る側の自由。いかにも力技だなと思う。娯楽映画なんだから、それでいいんだよ。

ちなみに、この映画は俳優がみんな格好いいけれど、そういう中でアーネスト・ボーグナインが絶妙。とても印象に残るキャラクターだし、彼がいることで、話の説得力が増していると思う。

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