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感想「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」

「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」 ブレイディみかこ 新潮社
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の続編、というか、雑誌連載をまとめたもののはずなので、単純に続きだと思う。
なので、感想と言っても、前作と大きくは変わらない。当時の感想を読み返してみたら、感想もほんとに変わらないので、改めて書くこともないな、という気がしてしまった(^^;。時間が少し進んで、少年が成長して、ということになるのだけど、そこで極端に何かが変わっているわけでもない。
それにしても、中学生レベルの「一般的な」子供たちが、そうではない人たちのことを、これだけ考える世の中ってのは偉いと思う。主人公格の著者の息子は、「一般的」というよりは、少し特殊な立ち位置かもしれないけれど、彼が通う学校の同級生たちの大半は、その社会の中では多数派を占める「一般的な」子供たちだと思うし、彼らも主人公と同じレベルで考えたり、悩んでいたりするわけだから。
考えざるを得ない環境に居る、という捉え方をするなら、考えなくて済んでる(ように思われる)日本の方が、環境としては気楽なのかもしれないけれど、日本だって、実際には、そうではない人たちがたくさん居て、そのことを考えなくちゃいけない状況は存在している。それなのに、考えない方が自分のため、というような形で、関わらないように誘導されている、というふうに思える。しかも、子供だけじゃなくて、大人も。そんな世の中は望ましくないと思う。

本書の中で特に印象に残ったのは、「ノンバイナリー」という言葉。この言葉が出て来る章の最後で、著者の配偶者が、元々は男・女のどちらにも規定しないという意味で使われているこの言葉を、ジェンダーだけじゃなく、特定の民族や宗教に属さないという意味でも使えるんじゃないの、という場面がある。そういう使い方をするなら、この言葉は、自分の属性に縛られない、依存しないという意味で、自分が日頃、そうありたいと考えてる立ち位置を示す言葉になるんじゃないんだろうか、と思った。

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