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感想「「帰ってきたウルトラマン」の復活」

「帰ってきたウルトラマン」の復活 白石雅彦 双葉社
「帰ってきたウルトラマン」の企画から放送終了までの製作サイドの動きを、細かく資料や当時の関係者に当たって検証した本。昨年の刊行で、夏ごろ、書店で見て買ったが、すっかり忘れていて、今年になって読んだ。

「帰ってきたウルトラマン」の背景にあったものが、とてもよくわかった。本放送時は子供だったから、多分、放送されたものを、そのまま素直に受け止めていたけれど、ある程度、年齢が上がってから見直した時には(本放送の後、いろんな年齢の時に、見返す機会は何度かあった)、なんでこうなるんだろうと違和感を感じたりした部分が、丁寧に分析されている。見ていた時には、あまり気付かなかった部分も含めて、本放送当時に作品が持っていた意味が、よく見えて来て、そういうことだったのか、と思うことだらけだった。また、作品を見て、当時、自分がどんなことを考えていたかというのも、いろいろ思い返すことが出来た。とても興味深かった。

「帰ってきたウルトラマン」は、70年代の特撮ヒーローものに、どっぷりつかって育った自分にとっても、特に思い入れがある作品で、見返した回数が多く、内容もかなりよく覚えている。当時の特撮ヒーローについての本は、以前はよく読んでいたものの、近年はあまり読んでいなかったが、そういうこともあって、本書は店頭にあるのを見て、つい買ってしまった。
あとがきで本書の著者が、「帰ってきたウルトラマン」を、自分にとって特別な作品と位置付けているというようなことを書いているのだけど、多分、その気持ちと自分の感覚はかなり似ている。著者は自分よりも少し年上だけれど、まあ、同世代といっても通るくらいだし、「帰ってきたウルトラマン」の本放送当時の周囲の状況(地方在住で、民放テレビ局の局数が少なかったり、ヒーローものはガキのものという、周囲の感覚が強かったり)もかなり似ていて、そういうところから似たような感情が生まれているんだろうなと思う。とても興味深く読めたのも、そういう共感があったからなんだろう、という気がする。

こういう本を読むのは、ただのノスタルジーのように思えてきたのが、あまり読まなくなってきた理由の一部なのだけど、本書に関しては、自分のバックグラウンドを振り返るものと思えた。当時の特撮ヒーローものは、自分の中の深い所に密接に結びついていて、「帰ってきたウルトラマン」のように、特に強い印象を受けた作品からは、自分のものの考え方とか生き方とかに、ものすごく影響を受けていたりする。いまさら、そんな振り返りから何かが生まれる、というようなことはなさそうではあるけれど、本書に関しては、自分の根っ子を再確認したという点で、読んだことに、それなりに意味はあったように思える。
ただまあ、この著者が出している、他のウルトラシリーズについての本を読もうとまでは思わないけれど。「帰ってきたウルトラマン」ほど、自分にとって特別な重みがある作品は、他にはないし。

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