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YBCルヴァン杯第3節 名古屋対徳島

2022.3.26(土) 14時 豊田スタジアム
観客 6932人 主審 小屋幸栄 副審 田中利幸岩崎創一

 名古屋グランパス 2(0-0)0 ヴォルティス徳島
           (2-0)

 得点 72分 名古屋・酒井
    75分 名古屋・柿谷

リアルタイムでは見れなくて、火曜朝のスポーツライブ+の録画中継を、さらに録画して水曜の夜に見た。その時点で2-0で勝ったことは知っていたし、意図的に情報を集めることはしていなかったけれど、何となく聞こえてくる気配からすると、割といい試合だったぽいと思っていた。

名古屋のスタメンは、GKランゲラック、DFが宮原、チアゴ、藤井、森下(中谷は代表戦に呼ばれたため欠場)。ボランチは稲垣とレオ シルバ。右サイドがマテウス、左サイド相馬、トップ下が仙頭、1トップが金崎。この試合の時点でのベストメンバー、というイメージだと思う。

立上り、相馬の左サイドの攻め上がりからいい形を作り、金崎のシュートまでつないだが、決めきれなかった。しかし、前半に関しては、いい場面はここ以外、あまり思い浮かばない。攻勢の場面はあっても得点出来そうな気配は薄く、むしろ中盤でのボールロストからのカウンターで、徳島に持ち込まれる場面の方にゴールの可能性を感じた。ただ徳島にも、決定的と言えるところまでは、ほとんど持ち込ませていなかったと思う。その辺は、今季J2降格した徳島との、単純なチーム力の差はあったんじゃないかな。
とはいえ、考えていたのとは違い、名古屋がいい試合しているとは、あまり思えない前半だった。

後半は一転して、名古屋の圧倒的な攻勢になった。前半と後半が全く違う展開になった理由はよくわからないけれど、後半は名古屋が風上だったということで、その辺の影響が結構あったのかもしれない。雨も強くなっていたようだけど、それ自体はイーブンの条件ではあるかな。まあ、ハーフタイムの修正がうまく行った、ということもあるのかもしれないけれど。ちなみに、後半から1トップは、金崎から酒井に交代したが、前半はそもそも金崎にいい形でボールが通る場面がほとんどなかったから、この交代が前後半の変化にそれほど影響したわけではないのでは、という気がする。
後半の名古屋は前掛かりな試合運びで、相手陣内でボールもよくつながり、迫力のある攻撃が見られた。ただ、相手GKスアレスの好セーブ連発などで、なかなかゴールを奪えない。
64分には相馬が柿谷に代り、柿谷がトップ下、仙頭が左サイドへシフト。

72分に、マテウスが起点で、仙頭のパスから酒井が決めて、ようやく名古屋が先制する。きれいにボールが回った、いい形のゴールだった。
3分後には、徳島GKがDFに送ったパスに、稲垣がプレッシャーを掛け、こぼれたボールを柿谷が拾って、GKをかわして2点目。名古屋の先制で、徳島に落ち着きがない時間帯に、うまく追加点を決めた。
その後は、選手の入替はあったものの、試合自体にはそれほど大きな動きはなく、すんなり2-0で終了した感じ。

なにせ名古屋は今季、ここまで一度しか勝てていないので、勝ったこと自体に意味があったと考えられるから、大きい勝ちではあったと思う。後半に関しては、いい形を作る場面が多かったし、ゴールも(少なくとも1点目は)いい崩しからの得点だし、そういういう意味でも、いい試合だった。リアルタイムで見ていたら、気分的に結構盛り上がったかもしれない。
ただ、こういう試合をリーグ戦で、(今季J2の)徳島ではなく、J1中位以上のチーム相手に出来るかどうかは、ちょっと話が違う気がする。それこそ、開幕戦で神戸に快勝した時、けっこういい感じかも思ったけれど、その後、いまひとつうまくいかない試合が続く一方、神戸は監督解任になるほどの不振で、開幕戦は相手に恵まれたんだ、と悟ったわけだから。この試合も、そういうことでなければいいんだけど、と思う。前半の出来の悪さも気になるわけで…。まあ、今週末のガンバ戦でどういう試合が出来るかで、見えてくるものはあるんじゃないかな。
結果を知っていて後から見る上では、ちょっと手放しで喜びにくい試合だった、という気がする。
(2022.3.31)

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感想「殺人は自策で」

「殺人は自策で」 レックス・スタウト 論創社
ネロ・ウルフもの。初訳だが、ペーパーバックでは読んでいて(「Plot It Yourself」)、悪くない印象は持っていた。ただ、だいぶ前のことなので、正直、細かい内容は忘れていたけれど、当時の感想を読み返してみると、今回の印象
とほとんど変わらなかった。
キャラクター小説としては、本当に面白いし、ネロ・ウルフものはそれで充分だとも思う。このシリーズは、推理や謎じゃなくて、登場人物を楽しむ小説だと思ってる。
ただ、それだけだとあえて感想として書くことがないし、後で読んだ時にどういう内容だったか分からなくなってしまうので、上記の感想でも、単純に楽しいということは特に書かずに、プロットの問題などに触れているわけだけど。
ちなみに本作は1959年の刊行だが、おおざっぱに言って、1950年代以降の作品で、キャラクター小説としての面白さが完成したというイメージがある。ただ、最終作になった1975年の「ネロ・ウルフ最後の事件」に近付くにつれて、憂鬱な雰囲気が忍び込んでくる気配があり、一番楽しいのは、この作品を含めた1960年前後の作品かな、と思っている。
ただし、内容的に傑作かどうかということになると、1930年代の初期作の方が上だろうと考えているが、それはまた別の話。

なお、本書については、相変わらず、訳者の翻訳にやや疑念があるけれど(正直、この邦題のセンスもどうかなあ、という感じではある)、個人的には、日本語で読める便利さ、有り難さの方が上回ると思う。
(2022.3.20)

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イースタンリーグ ヤクルト対楽天(3/21)

2022.3.21 (月祝) 13時 ヤクルト戸田球場
E 500100010 7
S 000000000 0
[敗]市川、[勝]松井友
[H]E:石原(市川)

イースタンリーグのヤクルトのホーム開幕戦。
パトリック・ユウが球場MCをやってたり、つばくろうやPassionが来ていて、それっぽい雰囲気作りをしていた。

先発投手はヤクルトが市川、楽天はルーキーの松井友。
初回、市川は2安打1四球で2死満塁のピンチを作り、辰己に2点タイムリーを打たれて先制される。さらに次の石原にレフトへホームランを打ち込まれ、いきなりの5失点。
それでも2回、3回は三者凡退に打ち取り、立ち直った気配を見せたが、4回にまた辰己にツーベースを打たれ、入江のタイムリーで失点。4回6失点で降板。しょっぱい今季初登板になった。
ヤクルト打線は、最速150kmを超える松井の速球に押し込まれ、4回まで1安打。しかし、4回あたりから松井の制球が乱れてきた気配で、5回にサード村林のエラーと四球2つで1死満塁のチャンスを貰った。しかし、後続が凡退して無得点。松井は5回まで。今日の投球を見る限り、球は速いし、その割に制球もいいし、いい投手のように見えたが、長い回持つのかな、という気はした。
ヤクルトの2番手投手の杉山は、まずまずの好投を見せて、5回から7回まで無失点。そして打線は、楽天2番手の釜田に6回は抑えられたが、7回はヒットと連続四球で無死満塁の大チャンスを迎えた。ここで打順は5回のチャンスで凡退した武岡だったが、今度も内野フライを打ち上げてしまう。続いて代打坂口が登場し盛上がったが、併殺打であっさり終了。
8回表のヤクルト3番手の投手は嘉手苅。去年のルーキーで、確か去年は見る機会がなかった。ようやく見れた。しかし、内田にスリーベースを打たれ、石原の内野ゴロで1点を失った。残念ながら、あまりいい印象は受けなかった。
8回裏は楽天3番手の高田萌が三者凡退。9回表はヤクルト4番手の木澤が登板。木澤は、去年のイースタンでしょっぱい投球を見ているので、あまり期待しなかったが、今日は1四球は出したが、無難にまとめた。
9回裏の楽天の投手は内。松井がヒットで出塁はしたが、後が続かず無得点。試合終了、ヤクルト完封負け。

初回の市川の5失点が全てという感じの試合になってしまった。あとは武岡が2度の得点機で、どちらも凡退してしまったのが痛かった。武岡の相方?の長岡は、上のオープン戦で、それなりにやっているのを見たから、ちょっと差がついてしまっているのかな、と思ったけれど、どうなんだろうな。
でも、初回の5失点を除けば、今日のヤクルトは実はそこまでやられたわけでもなかったので、まあ、こういう試合もあるさ、という感じではあったな、と思う。
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J1リーグ第5節 名古屋対柏

2022.3.20(日) 14時 豊田スタジアム
観客 11859人 主審 今村義朗 副審 渡辺康太、山際将史

 名古屋グランパス 1(1−1)1 柏レイソル
           (0−0)

 得点 6分 柏・細谷
    18分 名古屋・マテウス カストロ

DAZNで見ていた。

名古屋の先発はGKランゲラック、DFは宮原、チアゴ、中谷、森下。吉田豊が左SBから外れ、控えにも入っていなかったが、軽い肉離れとのこと。長期離脱にはならないらしいのは、まあ良かったけれど。ボランチは稲垣とレオ シルバ。左サイド相馬、右サイドがマテウスなのは、川崎戦の後半からと同じ。トップ下が仙頭、トップには金崎。
DFは右がチアゴで左が中谷と、今までの逆の並びになっていたし、金崎がトップに入ったのも今季初めて。だいぶいろいろと変えてきたな、という印象だった。

立上りから双方動きが多い試合で、ペースが速かった。開始6分、攻勢に入った所で、中盤でルーズボールを柏に拾われ、カウンターを食らい、細谷に決められて早々に失点。
しかし名古屋も、金崎がいい動きを見せたこともあり、結構噛み合った攻撃が出来ていた。ゴール前まで度々攻め込みつつ、なかなか押し込むことが出来ずにいたが、18分に左サイドから相馬がクロスを入れ、ゴール前で金崎が潰れながら繋いだボールを、宮原がマテウスに流し、マテウスがゴール隅を狙う見事なシュートを決めて、同点に追い付いた。
このゴールが、今季の名古屋が自力で決めた、開幕戦の稲垣以来、 ひと月ぶりの2点目。ようやく。
その後も、名古屋はいい形を何度か作ったが、きわどく決められない。一方で柏も、細谷と小屋松を中心に、スピードのあるカウンターでゴールを狙ってきていたから、気の抜けない展開だった。前半は1-1で終了。名古屋の方が好機が多くて優勢だった印象ではあったけど、拮抗した面白い試合展開だったと思う。

後半は柏が流れをつかんだ。前半から見られたカウンター攻撃が威力を増して、特に小屋松が決定的なシュートを次々放ったが、ランゲラックが大活躍で、ゴールを死守し続けた。
しかし、名古屋が流れを引き戻すのは難しかった。60分過ぎに金崎と仙頭を酒井と阿部に交代。65分過ぎには相馬を甲田に代え、チアゴを藤井に代えた(このタイミングでマテウスと中谷は、いつものサイドに戻った模様)。これらの交代が劇的な変化をもたらしたようには見えなかった。終盤に向かうにつれて、双方、ペースが落ちて、分厚く攻める形は作りにくくなり、決定機は作っても決めきれず、そのまま終了した。

後半のゴール前での手数の差を考えると、名古屋が負けなくて良かった、という印象の試合。ただ、前半、噛み合っていた時間帯の名古屋の攻撃はなかなか見事なものだったし、たとえば同点に追いついた直後の、仙頭のきわどくゴールを外れたシュートあたりが決まっていれば、勝機もあったんではと思ってしまう。そういう意味では残念感もある。
やはりまだチームを作りきれていないと思うのは、イメージが十分共有できていなくて、パスがどうしてもずれる場面が頻繁にあること。そういう所を調整して、精度を高めていければ、ずっと良くなるはず、とは思っている。問題はそれにどの程度の時間(と試合数)がかかるか、ということで、観客が辛抱できる範囲で、チームが致命的な勝ち点のロストをする前に成果が出てくれればいいんだが、と思う。マテウスと相馬のサイドを模索しているようでは、まだまだなのかなあ、という気もしないではないのだけど。また、この試合の前半は、鳥栖戦、川崎戦よりも良かったようには思ったけれど、それがチームが出来てきたという意味なのか、相性的にもチーム力的にも比較的楽な柏が相手だったからなのか、その辺もよくわからなかった。まあ、結果が出てくれるのなら、どっちでもいいんだが。

小屋松の活躍は、なにげにうれしかった気がする。もっとも、ゴールを決められていたら、少し気持ちが違ったかもしれない。

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「ホペイロの憂鬱」

3/18にtvkで放送されてて観た2017年の映画。そんなにちゃんと観てたわけでもなかったけど、いくつか引きがあったもので、その辺の絡みの感想を少し書いておく。

J2昇格寸前のJ3のチームが舞台。そういう立ち位置のチームにしては、描かれるチーム運営の状況が、ずいぶん貧弱じゃないかなという気がした。地域リーグあたりならともかく、と思ったが、実情もこんなものなのかな。当時J3だったSC相模原が全面的に協力していたようなので、そんなにリアリティのない内容でもないんだろう、とは思いつつ。試合風景も、引きではJリーグぽいスタンドが映ってたが、アップになると、いかにもJFL然とした風景だったと思う。
原作は東京創元社から出た小説で、ミステリ風味の連作と聞いた覚えがあった(読んではいない)。その辺については、日常の風景にミステリぽい味付けを入れて行くみたいな雰囲気で、予想通りではあったけど、ミステリ色はだいぶ軽い感じ。原作も、ここまで軽いんだろうか。なお、原作は2009年刊行で、小説では舞台のチームはJFL所属だったようだから、チーム運営が貧弱に感じられるのも、その時期でJFLだったら確かにこんなものかもしれない、という気はした。
主演が「仮面ライダーウィザード」で主役の晴人/仮面ライダーウィザードを演じていた白石隼也。華やかさの薄い地味なキャラだった。「ウィザード」の後に出たテレビドラマで、たまたま見た時も、わりとどんくさい感じの役まわりだったから、こういうのの方が似合ってる俳優さんだったのかな、ウィザードではだいぶ無理をして、かっこいい役をやってたのかなと思った。

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オープン戦ヤクルト対DeNA(3/15)

2022.3.15 (火) 13時 神宮球場
B 000120001 4
S 020000000 2
[敗]金久保、[勝]ロメロ、[S] 三嶋
[H]B:楠本(金久保)

オープン戦を見に行ったのは4年ぶり。

先発投手はヤクルトがサイスニード、DeNAはロメロ。
サイスニードは去年、下で何試合も見ていて、いいイニングと悪いイニングがかわるがわる来るというイメージがある。その通りのピッチングで、初回は見事な三者凡退だったが、2回は2死取った後、連打を喰らい、DeNAの走塁ミスでピンチは免れたが、ちょっと怪しかった。軽い慣らし程度の登板だったようで、この2イニングだけで交代し、3回からは金久保。
一方のロメロはノーコン。ヤクルトは初回、2四球などで2死満塁にしながら攻めきれなかったが、2回はヒットと四球でランナー2人を置いて、長岡がセンターオーバーのツーベースを打ち、2点先制。ただ、その後もチャンスは作ったが攻めきれず。ロメロは4回までで交代。
ヤクルト2番手の金久保は、4回に2安打で1死2−3塁にされた後、暴投で1点を失った。5回にはヒットのランナーを置いて、楠本にツーランを喰らい逆転。まだ仕上がっていないのかな、という感じだったけれども、去年、下で見た金久保は、こんなものだったような気もする。まあ、まだそんなにいい状態まで来てないのは確かだろう。もっとも、7回まで投げたが、それ以上の失点はなかった。8回はマクガフが三者凡退で終え、こちらは好投。
ヤクルト打線はDeNAが5回から送り込んだ三浦、7回の砂田に対し、チャンスは作ったけれどやはり攻めきれず、8回のエスコバーからも1四球は得たものの、得点機まではランナーを送れなかった。
9回表のヤクルトの投手は田口。2安打1四球で1点を失い、点差を2点を広げられた。その裏、ヤクルトは三嶋に三者凡退に打ち取られ、試合終了。

ヤクルトが負けた試合ではあるけれど、DeNAの方に不安感がある試合だったと思う。ロメロの出来の悪さ、あちこちに感じられた守備の不安定さ、走塁のミスもあったし、全体的に雑だった印象は拭えない。このままだと、今年も昨年のようなことになりゃしないかな。
ヤクルトに関しては、金久保・田口の出来がいまひとつではあったけれど、守備は結構安定していたし、まとまりのある試合をしていた感じ。チームとしての仕上がりは、そんなに悪くないんじゃないかという気がする。個人的には、去年、下でずっと見ていたこともあり、打点を挙げて守備も手堅さを見せた長岡を推したいところだけど、セカンドとサードが中心選手で埋まっていると思われる上で、彼が食い込める内野のポジションがあるのかどうか。

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「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」

「仮面ライダーオーズ」のTVシリーズ終了から約10年目のVシネ。先週土曜の、映画館での特別上映初日に観に行ってきた。

オリジナルキャストが総結集したこともあって、ファンの期待値もかなり高かった模様。初日の朝イチの回とはいえ、見た限り、劇場内は満杯だったし、映画館も混乱状態で、本編上映開始までに観客が入りきれたかどうかなくらいだった。
もちろん、メインの客層は大きなお友だちで、子供は一握り。

死んだはずのアンクがなぜか甦った世界は、復活した古代のオーズの侵略によって荒廃してしていて、姿を見せた映司も謎めいた言葉を残して消えてしまい、アンクは戸惑いながら比奈ちゃんたちの居るレジスタンスのアジトへ向かうという筋立て。
あらかじめ、ある程度は知ってはいたけれど、冒頭からオリジナルキャストが総登場で、おおっという感じ。もっとも、映司とアンクのコンビは、TVシリーズ終了後も映画で2回くらい復活したし、映司と比奈ちゃんのコンビはジオウに出てきたから、そこまでの久しぶり感はないのだけど、鴻上会長にバースのコンビに、里中くんやクスクシエの店主、4人のグリードまで出てくるとなると、さすがにイベント感は満載。
まあ、荒廃した世界とかレジスタンスとか言っても、現実のウクライナで現在進行形で起きていることがどうしても頭をよぎるし、それに比べてしまえば、仮面ライダーのVシネの規模で描けることはたかが知れている。そういう残念感はないわけではなかった。
でも、懐かしい登場人物たちが、昔のままに活躍するドラマは楽しく見られたし、それはそれでいいんだろうと思う。「オーズ」のメインテーマの映司とアンクの交流はじっくり描かれるし、泣かせの場面も十分。まあ、これだけのメンツをせっかく揃えたんだから、映司とアンクと比奈ちゃん以外の見せ場も、もう少し作ってやって欲しかったな、とは思ったけれど。特に(一応見せ場?があった)ウヴァ以外の3人のグリード(個人的にはカザリ)。そういう意味では、もっと尺が欲しかったが(58分しかなかった)。
最後に、TVシリーズの時からの重要な場面に対応した締めくくりがあり、これは完結編ということを意味しているのかな、と思った。もう次はないという意思表示? もっとも、必要とあれば、どんな理屈を付けてでも、完結したはずの作品にも続きが作られるのが、今の仮面ライダーの世界ではあるけれどね。
内容的に傑作とは思わないけれど、昔のTVシリーズからオーズを観てきたファンの期待には、十分応えている作品と思った。楽しめた。

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「ロールスロイスに銀の銃」

原作小説の感想を書いたので、映画化版の感想も残しておく。1970年の映画で、ザ・シネマで放送された2019年の4/30に見ていたが、当時、メモ的な簡単な感想以外は、書き残していなかった。

当時の残していた感想は、面白かったけれど、原作からの印象で、 もうちょっとドロっとした映画かと思ってた割に、けっこう爽やかでスッキリした、いかにも70年前後ぽいアクション映画だった、というもの。
そこをもう少し丁寧に書いてみる。

ちなみに、この放送では、映画の前後に町山智浩さんによる詳細な解説があって、この解説のおかげで、相当理解が深まった。
解説自体は、今もこちらで見れる → 町山智浩のVIDEO SHOP UFO『ロールスロイスに銀の銃』前解説(洋画専門チャンネル ザ・シネマより) - YouTube

解説を聞いて知ったのは、この映画はコンビの刑事が登場する、近頃の言い方だとバディものの映画で、今では珍しくもないタイプの映像作品だが、こうした映画はこれが最初だったということ。さらに、ハードなアクション映画とコメディ映画の要素を混ぜ合わせた、最初の映画でもあったのだそう。この映画が当たったことで、この後、似たようなタイプの作品が次々作られるようになったのだとか。
それを知ってみると、「いかにも70年前後ぽいアクション映画」という言い方は話が逆で、むしろこちらの方が原型だったんだろうか、と思えてくる。
また、原作のドロドロした要素をかなり刈り込んでいて、あまり攻めた内容にはなっていないということも感じていたのだけれど、その時点で、映画の作り自体が画期的なものだったんだとしたら、そこにさらに攻めた内容を盛り込むというのは、なかなか難しかったのではないかな、とも思った。当時の観客にとっては、これでも十分に、今では感じ取れないような画期的な新しさがあったのかもしれない、と思う。


もうひとつ、解説の中での特に大きなポイントは、これは黒人監督(オシー・デイヴィス)が作って、主に黒人の俳優が出演した、黒人街を舞台にした、黒人がメインになった映画の先駆けだということ。音楽もソウルを多用している。この映画のヒットによって、同様な黒人映画(ブラックスプロイテーションと言うらしい)が次々作られるようになったけれど、ステロタイプで大量に作られた影響で、やがて下火になってしまったのだとか。しかし、先日見た「ドゥ・ザ・ライト・シング」を撮ったスパイク・リーが、オシー・デイヴィスを師として仰いでいるなど、この時代の黒人映画が残した影響は非常に大きいそうで、実際、先日「ドゥ・ザ・ライト・シング」を見ていて、「ロールスロイスに銀の銃」を思わせる場面があちこちにあった。ちなみに、オシー・デイヴィス は、「ドゥ・ザ・ライト・シング」に「メイヤー」として出演している。
思えば、そもそも、「ドゥ・ザ・ライト・シング」は、一度見ておいた方がいいんだろうと思っていたのは、この映画の解説を聞いた影響が大きかった。双方を観たことで、それぞれの映画が理解しやすくなった気がしているから、両方見ることが出来たのは良かったと思っている。

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感想「ロールスロイスに銀の銃」

「ロールスロイスに銀の銃」 チェスター・ハイムズ 角川文庫
1965年の小説で、角川文庫での邦訳刊行は1971年。古書店で買って読んだのは、多分、1990年頃じゃないかと思う。それ以来の再読。
ニューヨークのハーレムが舞台の、「墓掘り」ジョーンズと「棺桶」エドという黒人刑事2人組を主人公にしたシリーズの一作。このシリーズは、邦訳をぽつぽつ買い集めて、その都度読んでいたのだけど、全体を通して読んだことがなかったので、一度通しで再読してみたいという気持ちを、以前から持っていた。
2019年の4月に洋画専門チャンネルのザ・シネマで、本書が映画化されたものが放送されるのを見つけて観て、そこで改めて再読する気になったが、なんとなく手が付かないうちにだいぶ日が経ってしまっていた。ようやく読んだ。

ハーレムで「アフリカに帰ろう」というキャンペーンをしている(偽)牧師の集会で、集まった8万ドルの募金が強奪される話。墓掘りと棺桶が事件の調査に当たる一方で、消えた金の争奪戦が繰り広げられる。

映画の感想は、これに続いて、(見た当時、書いていなかったので)別途書いておくことにするが、小説は映画に比べると重い感じがする。コメディ的な面もあるのだけど、そういう部分も、黒人が置かれている現実を踏まえた上で描かれていることで、ブラックユーモア的な雰囲気が付きまとっている。描かれる事件そのものも、かなり暴力的で血なまぐさい。そういうふうに、どぎつい場面やディテールが描き込まれることで、他のミステリで描かれるニューヨークとは異質な空気感が感じられるようになっている。それが、この小説(シリーズ)の最大の特徴だと思う。
ただ、黒人差別の問題や、そのことに対する怒りなどは、小説の中のあちこちに表れてくるし、重要なテーマではあるのだろうけれど、それらは、こういう舞台でこういう小説を書けば、自然に浮かび上がる要素なのではないかという気がする(それくらい本質的な要素だとは、言えるかもしれないが)。基本的にはこの小説は 、社会派小説というよりは娯楽小説だろうと思う。だから、日本で翻訳でこの小説を読む分には、他の小説と違う独特な雰囲気の中で描かれる、派手なアクションシーンや、コミカルなやりとりを、素直に面白がって読んでいればいいんじゃないか、とも思う。背景に黒人問題が背景にあることを忘れさえしなければ。忘れられないだろうとは思うけれど。

なお、ひとつうっかりしていたことがあった。本書は、この邦訳が刊行された時点でのシリーズの最新作だが(映画公開に合わせたものと思う)、なんとなく、シリーズ第1作と勘違いしていて、そういう意識で読んでいた。その影響で、内容の受け取り方に、多少の誤解があったかもしれない。まあ、この先、シリーズの他の作品も再読していくつもりなので、その辺は追々ということで。

[追記(3/27)] 本書がシリーズの「最新作」というのは、ハヤカワポケミスの「狂った殺し」の巻末にある、小鷹信光による詳細なシリーズ解説がを見ると、少し違うらしい。フランス版とアメリカ版があり、その間で異同があったりするので、ちょっとややこしい。ただ、いずれにしても第1作ではないので、自分の受け取り方にとっては、それほど大きな違いではなさそう。

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J1リーグ第4節 川崎対名古屋

2022.3.12(土) 17時 等々力陸上競技場
観客 18114人 主審 飯田淳平 副審 五十嵐泰之、川崎秋仁

 川崎フロンターレ 1(1−0)0 名古屋グランパス
           (0−0)

 得点 25分 川崎・マルシーニョ

今年初めての名古屋の試合現地観戦。延長されたCOVID19に対する蔓延防止措置が出ている状況だが、今回はビジター席が設定されていることでもあるし、もろもろ考えて割り切った。
ただ、以前の等々力の販売状況や、今回は上限2万人で制限が掛かっていたことを考えて、チケットを取るのは難しいのでは、と思っていた。特にビジター席は、等々力で設定されるのは3年ぶりなので、なおさらそう思ったのだけど、意外に相当余裕があった。中止になったけれど、2節の味スタもそんな感じだった。COVID19に対する警戒心の強さの表れなのか、観戦が面倒な状況が続いたことでスタジアム離れが起きているのか、それ以外に理由があるのか。

名古屋の先発は、GKランゲラック、DFが宮原、中谷、藤井、吉田。前節で負傷退場したチアゴが欠場で、代わりに藤井。ボランチが稲垣とレオシルバ。右サイド相馬、左がマテウス。トップ下が仙頭、トップが酒井。ここまで見てきた感じだと、藤井は別にして、どうやら現時点ではこれが、健太のファーストチョイスの先発メンバーらしい。

試合は立ち上がりは穏やかに見えたが、15分頃からペースが上がり始めた。
名古屋は相馬が右からの仕掛けが起点になる場面が多いように感じた。中央では仙頭が結構面白い捌き方をしているようにも見えたけれど、連携がまだ未熟な中では、なかなか難しいのかな、という印象。
川崎は3トップが名古屋のバックラインの裏を執拗に狙っている感じで、連携も取れていて、怖さはあったけれど、以前のような圧倒してくる迫力は薄かった気がする。
しかし結局、25分にそういう形から失点してしまった。
そこから後の前半、名古屋の試合ぶりはかなり悪かったと思う。川崎の執拗な攻めに耐えるだけで、ボールを中盤から前へ、ほとんどつないでいけてなかった。まだチームが出来てない感がありありで、そのまま0対1で折り返し。それでも1点差で持ちこたえれば、 相馬の突破などの個人技で、何とかできる可能性もないではないかな、とは考えていた。

後半になると、相馬とマテウスのサイドが入れ替わっていた。ここは健太がかなりこだわっていたポイントと感じていたから、少し妥協してきたのかなと思った。
また、レオシルバが前半よりも前目で仕掛ける場面が、目立ち始めた気がする。全体的に形にこだわらずに、積極的に仕掛けようという意識が感じられたように思う。
それによって、ゴールに近付く場面は増えた。ただ、完全に崩しきるほどの攻撃はなかなか作れなかったし、惜しい場面はあっても、シュートが枠へ飛ばなかった。
後半半ば以降は攻撃陣のメンバーを次々入れ換え、最終的に前4人は森下、齋藤、阿部、金崎という構成になり、激しく攻め込んで、40分以降は立て続けにCKを得たものの、ゴールには至らず。結局逃げ切られた。

内容から見て、名古屋はリーグ戦連覇しているチームを脅かすほどのチーム状態には、(まだ)なっていないと感じた。ただ、得点機自体は何度もあったし、攻められる時間は長かったけれど、失点は1で止めていることを考えるなら、現時点でそれほど悲観した内容でもないのではと思う。
ここ2試合、苦手な鳥栖に苦戦して、強豪の川崎に負けたわけだけど、チームの準備が十分でないことが分かっている以上、これはある程度、想定できた結果だったんじゃないかな。この後は、戦力が中位クラスと思われる相手との対戦が多くなるし、チームの力を測るなら、そこでどういう試合を見せるかというところを基準にするべきだと思う。早くも、戦術批判とか監督批判みたいな声が出て来ているようだけど、それはいくらなんでも時期尚早だな。

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[参考]
2020年以降の等々力開催の川崎対名古屋 COVID19の影響
2020.3.4 ルヴァン杯 中止
2020.5.23 リーグ戦 延期
2020.10.28 リーグ戦 ビジター席無し、観客上限1万2千人での開催
2021.5.4 リーグ戦 ビジター席無し、観客上限5千人での開催
2022.3.12 リーグ戦 ビジター席有り、観客上限2万人での開催

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「勝手にしやがれ」

ジャン=リュック・ゴダールが監督した1960年の映画。ゴダールの初めての長編映画だそう。漠然と、監督デビュー作と思ってたが、厳密にはそういうことらしい。
だいぶ昔に一度、テレビかレンタルビデオで見ているはず。当時、頻繁に言及されている映画なので、見といたほうがいいだろうなと思って見たけれど、それほど感銘は受けなかった覚えがある。しかし先日見た「フレンチ・ディスパッチ」の一部に、ゴダールっぽい雰囲気があり、直後のタイミングでザ・シネマで放送されたので、見返してみる気になった。

今回も、あまり感銘は受けなかった。小悪党がうっかり警官を殺してしまって、追われる身になるが、やばい状況をあまり真剣に受け取らず、好きな女と一緒にいることばかり考えているというストーリーの犯罪映画。1960年にこれが作られた時は、演出や映像がすごく新鮮だったというのは、容易に想像が付くのだけど、直接影響を受けているかどうかはともかく、この映画に似た雰囲気の映像作品は、その後、大量に作られるようになったし、先にそっちの方を見て育った人間にとって、この映画にあまり衝撃がないのは当たり前な話。ここから始まったんだな、という気持ちはあるけれど、この映画自体を特別なものと感じるかどうかは別。
格好良く作っているなあ(特にラスト)、とは思うけれど、やはり時代が古いし、後継的な作品の方が、自分が過ごしてきた時代背景の中で、その時代の格好良さを反映して作られているから、そういう作品に比べると、やはりどうしても見劣りしてしまう。それも仕方ない。
「フレンチ・ディスパッチ」で感じたらしさというのは、主に男女の会話の掛け合いの部分だったのだけれど、そこも参照するのであれば、同じゴダールの作品にしても、これよりもう少し後の映画の方が良かったのかな、という気がした。「勝手にしやがれ」は、スタイルが、まだそこまで確立していないように思える。
それなりに楽しめたとはいえ、少し残念ではあったけれど、こんなものかもな、と思ってはいたし、予想の範囲内だった気がする。

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J1リーグ第3節 名古屋対鳥栖

2022.3.6(日) 14時 豊田スタジアム
観客 11055人 主審 上田益也 副審 聳城巧、鈴木規志

 名古屋グランパス 1(1−1)1 サガン鳥栖
           (0−0)

 得点 2分 名古屋・OwnGoal
    30分 鳥栖・福田

DAZNで見ていた。

名古屋の先発は、DFが宮原、中谷、チアゴ、吉田。ボランチは稲垣とレオ シルバ。右サイド相馬、左がマテウス、トップ下が仙頭で、トップが酒井。

開始早々、相馬が右サイドから仕掛け、CKを得ると、マテウスがゴール前の酒井をターゲットに蹴り込んだボールを、酒井と競ったDFがゴールに叩き込んで、オウンゴールで名古屋が先制。
その後も立て続けにCKを獲得するなど、名古屋が攻め立てるいい流れだった。鳥栖戦は苦戦するイメージがあったから、ちょっと安心した。
しかし11分にチアゴで負傷で藤井に交代。藤井のプレーそのものは、特に悪くはなかったと思うが、この辺から流れが変わり始めた気がする。試合がそろそろ落ち着いてくる頃合い、というのもあったんだろう。
一旦落ち着き始めると、鳥栖のプレスや連携の良さが目立ち始める。それでも、名古屋は調子の良さを感じさせる相馬やマテウスが仕掛けることは出来ていて、そこから決定機も作ったが、鳥栖GK朴一圭の好守にも阻まれ、追加点が得られない。一方で、連携の良さで、ポゼッションでは名古屋を大きく上回る鳥栖に攻め続けられ、30分に左サイドから入ったクロスを藤井がクリアしたこぼれ球を、福田に押し込まれて同点にされた。その後も鳥栖優勢のまま、前半は1対1で終了。

後半も、ポゼッションは鳥栖が上回っていた印象。ただ、さすがに少し動きが落ちて、つながらない場面が増えてきたようには思ったけれど、そこで名古屋が押し込むという所までは、なかなか行けなかった。
72分にレオ シルバと仙頭を長澤と阿部に交代。81分には相馬とマテウスを甲田と柿谷に交代。メンバー交代でいろいろ攻め方を変えていったが、あまりめざましい展開は作れなかった。
とはいえ、一方で鳥栖にも、それほど危ない決定機は作らせず、結局、1-1のまま、ドローで試合終了。

全体としては、負けなくてよかったというほど押された内容ではなかったと思うので、物足りなさが残る結果だった。ただ、広島戦を考えれば、こういう試合運びになる可能性は予想できたし、まだチームが十分、形になっていないことを考えれば、仕方ないとも思う。開幕戦の神戸戦よりも、こちらの方が、チームの現状をよく表した試合だったんじゃないかな。神戸戦は、相手の出来の悪さにも助けられた、幸運な快勝だった気がする。
もっとも、相馬やマテウスなど、個人としては好調に見える選手が居るし、そこから得点機を作ることは出来てはいる。当面はそういう形でしのぎながら、チーム内の連携を高めていくしかないと思う。長谷川健太もこの試合の後のインタビューで言ってたが、チームを作っていくのには、それなりに時間がかかるはずだし、その間をどうつないでいくかも大切だと思う。

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感想「独ソ戦」

「独ソ戦」 大木毅 岩波新書
第二次世界大戦でのドイツとソ連の間で戦われた戦争(独ソ戦)の全体像を、新書サイズでまとめた本。本書は2020年の新書大賞というのを獲得している。その時に読んだ紹介記事が興味深かったので、読もうかと思ったが、ちょっと手が出切らなかった。しかし、今起きているロシアのウクライナ侵略の動きが始まったところで、また注目されるようになっているという話を聞いて、やはり読んでみることにした。
元々、自分は戦記的なものにはほとんど関心がないし(それが最初のタイミングで読まなかった主な理由)、戦記以外でも、自分の日頃の興味の範囲からすると、ヨーロッパの第二次世界大戦に関しては引っかかってくるのは、主に英米仏あたりが絡んでいる部分なので、独ソ戦については、ほぼ知識がなかった。ただ、本書はそういうシロートの入門書的なものも意識して作られた本だったので、馴染みのない読者が読むには適した本だったように思える。読んでいて、すんなり内容が入って来て、おおざっぱに全体像も把握できた気分になった。

最初の方を読んでいると、ヒトラーとスターリンという、二人の頭のおかしい独裁者がおっぱじめた、陰惨な戦争という感じがしたし、そのイメージは今のロシアのプーチンの姿とも重なった。彼らの病的な思い込みと雑な展望が、大量に人命を損なう事態を招いたという感じだったから、独裁者ってのが、いかに危険な存在かということが、読み取れるように思えた。そもそも独ソ戦以前に、ヒトラーもスターリンも、自分と相容れない人間は殺して構わないと思っているような連中だったわけで、そういう人物が誰にも止められない独裁者という立場に就くことが、どれだけ危険かと、改めて感じた。(じゃあ、そうでない人間なら独裁者になってもいいのか、というのは、また別の話)
ソ連に関しては、その理解は当たっているように思える。ヒトラーに吹っ掛けられた戦争に対する、独裁者の稚拙な対応が悲惨さを拡大した、という構図に見えるし、愚かさは今のプーチンによるロシアのウクライナ侵攻にかなりかぶって見える。今回のロシアは戦争を吹っ掛けた側、という違いはあるが。ただ、「劣等民族」の排除を掲げるようなドイツに対したことで、ソ連の人々の間にも、民族の殺し合い的な要素が強まっていくんだな。

しかし、ドイツについては、ヒトラー(とその一味)が(自分たちに忠実な)ドイツ国民に対して、好待遇を持って接していたこと、それによって生まれた国民の支持が、ドイツの戦争遂行を助けたという部分に触れて、それだけではないと思えてきた。ドイツ国民が、自分たちの豊かな生活が、他国からの収奪によるもので、ヒトラーの戦争がそれと一体であることを知った上で(知ったからこそ)、戦争を支持していたというなら、陰惨な戦争は、ヒトラー一味だけの責任ではなくて、それを支持した多くのドイツ人の責任でもあることになる。
この構図は、第二次世界大戦の前夜から、日本が大陸に侵攻して、満州国を設立するなどの侵略活動を行い、それを日本国民の多くが支持していたことに、とてもよく似ている。本書の終章にも、それに類したことが書かれていて、確かにその通りと思った。
つまり、独裁者だから危険という話ではないのだな、と思った。真に危険なのは、自分たちの利益のために、他国や他民族の犠牲を全く顧みない感覚にある、と思えてきたし、独裁者ばかりがそれを誘導するわけではなく、排外的な空気の中では、民主主義下でも起こりうることだな。ただ、民主主義では多様な意見が尊重されなくてはいけないし、そうした環境であれば、悲惨な状況に陥った後からでも、軌道修正は可能なはず。独裁者の思い込みで突っ走っていくだけの体制よりは、はるかにマシ。それが民主主義の意味だと思う。(そして、反対意見が権力側から抑圧されたり、権力側への忖度で自主規制されるような状況になったら、それはもはや民主主義の機能を失っている)

戦争がこういう構図で起こされることがあるというのを知っておくことは、この国が無駄に陰惨な戦争に向かわないように警戒するために、必要だろうと思う。今のこの国で権力を握っている人々は、第二次世界大戦の時と同様に、現実を見ようとせず、思い込みのみで動くような人々に見えるし、それはとても危険な状況だと感じている。

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J2リーグ第3節 大宮対熊本

2022.3.5(土) 13時 NACK5スタジアム大宮
観客 4531人 主審 窪田陽輔 副審 蒲澤淳一大矢充

 大宮アルディージャ 1(1-1)2 ロアッソ熊本
            (0-1)

 得点 13分 大宮・河田
    73分 熊本・菅田
    86分 熊本・粟飯原

現地観戦。熊本を見るのは、多分、2017年のえがおスタジアムでの、熊本対名古屋以来。選手はほとんど入れ替わっていた感じだけれど、この間にJ3に降格して戻って来たんだから、チームが大きく変貌していても無理はないか。
そういうわけで、熊本は今季昇格チームなので、大宮にとっては楽な相手なんじゃないかと思ったが、考えてみると、降格すれすれでJ2残留した大宮にとって、順位的には大差ないとも言えるんだった。まあ、昨年のJ2上位チームに比べれば、楽は楽かもしれないが。

実際、立上りはそんな感じで、大宮が優勢な試合運びに見えた。もっとも熊本は、前節の新潟ほどは、バタついていた感じはなかったが(それだけ新潟の立上りはひどかった)、13分に大宮の左サイドから柴山がクロスを入れ、ゴール正面、ペナルティの外側で受けた河田が、思い切りよくシュートを撃つと、あっさりゴールが決まった。あとで確認したら、DFに当たってコースが変わった影響もあったらしいが、河田らしい、いいゴールだったと思う。
しかしそこから大宮はペースダウン。熊本がボールを持って攻める時間が長くなっていった。熊本は、30分頃からは一方的に攻めていた印象で、ボールや相手チームの選手への寄りの良さ、連携の良さが目立った。そうはいっても、パス精度などはいまひとつで、人の壁で守る大宮から得点機を作るところまでは、なかなか至らなかったけれど、優勢な流れで前半を終えた。

後半、大宮はCBの西村を新里、中盤の三幸を大山に代えてきた。西村に関しては、前半の無失点にかなり貢献していた印象だったので、不思議に思ったのだけど、何かアクシデントがあったのかどうか。それでも大宮は、相変わらず人の壁でゴールを守り続けたが、73分、ついに熊本がCKから得点し、同点に追い付く。
80分、大宮は先発したCBのもう片方の田代が吉永に交代。少し前の時間に、田代が足を痛めたように見える場面があったから、足がつったか何かだったか。
それが影響したのかどうかはわからないけれど、86分に熊本は、左サイドから中へ入ったクロスに、中央で粟飯原が合わせて逆転ゴールを決めた。CKでの失点はともかく、流れの中では粘り強く守っていた大宮だったが、ついに破られた。そのまま試合終了。

熊本はいい試合をしたと思う。パスの精度などに、いまひとつ物足りなさはあったけれど、チーム内の連携の基礎は出来ているように見えたし、精度を高めていければ、もっと安定した試合が出来るようになって、今年は昇格チームとしては悪くないシーズンになる見込みがあると思う。
大宮は3試合続けて守れない試合をしてしまった。先発のCB2人が両方交代してしまった影響かなと思うのだけど、まあ、それ以前に、これだけ守勢に立っている時間が長ければ、失点するリスクも当然増える、とも思う。河田は調子が良さそうだし、センスの良さも感じるのだけど、そこへつないでいく有効な攻め手が、今のところ、柴山のクロスくらいしか見当たらない。去年、目を引いた目立っていた攻撃的な選手が、軒並み移籍してしまった影響が出ているんじゃないかな、という気がする。それでいて、3試合で5点取れているから、得点欠乏症という感じではないのも、少し不思議ではある。まあ、まだ始まったばかりなので、いろいろ模索している部分はあるのだろうな。
20220305board 20220305pitch 20220305score1 20220305score2
熊本サポのみなさん。
20220305roasso

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YBCルヴァン杯第2節 広島対名古屋

2022.3.2(水) 19時 エディオンスタジアム広島
観客 1870人 主審 吉田哲朗 副審 武田光晴熊谷幸剛

 サンフレッチェ広島 2(1-0)0 名古屋グランパス
            (1-0)

 得点 44分 広島・満田
    87分 広島・ジュニオール サントス

リアルタイムでは見られず、金曜の晩にスポーツライブ+で流してた録画中継を録画して観た。敗戦という結果は知っていた。

名古屋の先発は、GKランゲラック、DFが成瀬、中谷、チアゴ、吉田。ボランチが長澤と稲垣。右サイド甲田、左サイドがマテウス。トップ下仙頭、トップが柿谷。前節途中出場だった、期待のルーキー甲田が先発。
リーグ開幕戦と、そこから大きくターンオーバーした前節のルヴァン杯のメンバーを混成したような感じ。先週末のリーグ戦が、FC東京でのCOVID19発生で飛んだ影響もあっての編成だったかな。

ビジターの広島戦でよく見る展開の試合だったと思う。広島に厳しくプレスされて、思うように試合を運ぶことが出来ない。ただ、広島が優位に見えてはいても、やられまくってるという感じでもなく、その辺の膠着ぶりも、いかにもいつもの流れ。いまひとつ見どころに乏しい試合だった。
広島は前半に二人の負傷者を出し、ゲームプランが狂った苦しい状況だったとは思う。
甲田はこの試合でも存在感があり、(中継が意識的にクローズアップしてる分を差し引いても)可能性を感じさせるプレーをしていたように見えた。ただ、広島にもそれが分かっていて、容赦なく潰しにきていたので、彼を絡めて流れのある攻撃をすることが、なかなか難しかった。名古屋がペースをつかめなかった一因だと思う。広島がうまくやったということでもあるかな。
それでも30分を過ぎたあたりから、ようやく名古屋が相手ゴールに迫り始めた。35分過ぎ、右サイドからの甲田のシュート性のクロスを、広島のGKがきわどく弾き出し、それで得たCKから、甲田がシュートを放ったが、これはポストに跳ね返された。
40分過ぎには吉田が左サイドから、前線へ上がった長澤へパスを出し、長澤がゴール前に送ったところへ稲垣が飛び込んでシュートするも、枠をわずかに外す。
この試合で名古屋が目に見えて攻勢だったのは、この時間帯だけだった。しかも、稲垣がゴールを決めきれなかったのは、パターン的に悪い兆候だったなと思う。
直後の44分、右サイドから攻め込まれ、満田にうまくコントロールしたシュートを撃たれ、あっさり決められてしまう。満田は、東の負傷で交代出場した選手。広島の左サイドに入り、同じサイドでずっと甲田とやりあっていた選手でもあった。結果的には、彼がこの試合のキーパーソンだった感じ。

後半は、仙頭を酒井、甲田を相馬に代えてスタート。酒井がトップに入り、柿谷がトップ下へ。しかし、名古屋は勢いが出て来ない。60分には長澤をレオ シルバ、成瀬を宮原に代え、80分にはマテウスを齋藤に交代。それでも、どうにも得点の気配がしない。
87分にバックラインでプレッシャーを受けた吉田が、ランゲラックへパスすると、そこをジュニオール サントスに詰められ、ランゲラックのトラップが少し大きくなったところを押し込まれて2点目を失う。
その後にも、ランゲラックの前方へのキックがカットされて、あわやというシュートを撃たれる場面があった。なんとかしのいだけれど。
そのまま、0-2で敗戦。内容的にも完敗だったと思う。

攻守とも、チームがうまく回ってない感が満載の試合。苦手なスタジアムと相手だったということだけで済むならいいんだけど、変則的なスケジュールになっていることとか、開幕戦勝ったことで、なんとなくうやむやになっているが、元々、チームとしての調整がそれほどうまく行っていない状況でのシーズンインだったことを考え合わせると、だいぶ不安を感じる内容だったと思う。今日の鳥栖戦がどういう試合になるかで、その辺は見極められるかもしれないが、かなり心配。
(2022.3.6)

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「ロング・グッドバイ」

2/24にザ・シネマでやっていた1973年の映画。久々に見た。多分、前世紀にテレビ(レンタルビデオかも?)で見て以来。

レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」(というか、今では、早川書房から出ている村上春樹訳のタイトルも「ロング・グッドバイ」だから、こんな注釈は要らないかもしれないけれど)をロバート・アルトマンが映画化したもの。脚本はリー・ブラケット。原作からはかなり離れた内容なので、原作のファンには一般的にかなり評判が悪いらしい。というか、むしろ、マーロウ(チャンドラー)の鼻持ちならない所をバカにしているようにも思える映画なので、そりゃ、ファンは好きでないだろう。逆に自分のような、原作のそういう所があまり好きではない人間には楽しめるよな、とも思う。漠然とそういうイメージはあったけれど、今回改めて痛感した。
原作は、「ハードボイルド」のイメージとは裏腹に、マーロウのウェットな心情で湿っぽいのだけど、この映画はマーロウを演じるエリオット・グールドが、飄々とした演技なので、それを感じさせない。むしろ、マーロウのレノックスへの思い入れがあまり感じられないので、彼の死にこだわる理由も大してない気がしてしまうくらいなのだけど、そこはうまく話を作っていて、マーロウにこだわりが薄くても、事件の方から彼を巻き込みに来る。
グールドの持ち味と、それを軸にしたコミカルな部分の多い演出が楽しめる映画だった。画面や音楽に感じられる洒落たセンスもいい。

なお、以前見た時に気付いていたかどうか覚えていないけれど、松田優作の「探偵物語」(テレビドラマの方)は、基本設定でこの映画の影響を相当受けているんだな。どっちも好きな作品のつもりでいたけれど、双方を見た時期がだいぶ違うので、いまいち結びついていなかった。
それから、原作とは全く関係なく、猫が重要な役割を占める映画なので(ちなみに、犬もけっこういっぱい出て来る)、2/22に放送すればよかったのにと思った(これはどうでもいい話)。ただ、字幕がかなりはしょった文面になっていて、猫に関わる、重要でちょっと気の利いた台詞が、適当な言葉で置き換えられてしまっていたのは残念だった。
(2022.2.25)

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