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J2リーグ第40節 大宮対甲府

2023.10.29(日) 14時 NACK5スタジアム大宮
観客 11827人 主審 松本大 副審 阿部将茂、竹長泰彦

 大宮アルディージャ 0(0-0)2 ヴァンフォーレ甲府
            (0-2)

 得点 74分 甲府・鳥海
    78分 甲府・中村

直前、いっとき雨がぱらついて、やばいかなと思ったけれど、試合前には上がったし、その後も問題はなかった。助かった。
スタジアムは1万人超えの観客で大入り。1万人超えは今季初だったのかな?

4連勝中ながら、J2残留のためにはまだ勝ち続ける必要のある大宮と、この試合に勝てば、J1昇格プレーオフ圏内に浮上できる甲府の対戦。

前半は大宮が優位に試合を運んだ。連勝で勢いに乗っていると、こういうふうになるんだな、と思わされた。以前であればただの苦し紛れのロングボールに見えたものが、しっかりターゲットに届いて、チャンスになるし、こぼれ球を競り合えば、以前なら9割方取られていたのが、高い確率でマイボールになる。当然、選手の意識も変わっているのだろうけど、それだけではここまで変わらないんじゃないかな。
ただ、甲府が鈍い感じだったのは否めない。パスが出ると、受け手があわてて貰いに走るような、連携がうまくいっていない気配を、あちこちに感じたし、あまり上位チームらしくなく見えた。ACLにも参戦しているから、スケジュールがキツイのかもしれないな、とは思った。
大宮はアンジェロッティや室井が何度も決定的な形になりかけ、シュートも撃った。また、左サイドで茂木がフリーでいることが多く、そこへ通ったボールから、チャンスが度々生まれた。決めきれずに前半を0-0で終えたものの、甲府がハーフタイムに立て直せなければ、後半に大宮が得点して勝ちそうだなと思っていた。

しかし後半、甲府はきっちり修正してきた。とりあえず前へ出て積極的に仕掛け、受け身になってしまっていた前半の鈍い動きがウソのように、主導権を握る展開に持ち込んだ。
さらにスコアレスのまま15分を過ぎると、甲府は前線の選手を入れ替え始め、20分過ぎには前線の3人が全員入れ替わり、フレッシュな交代選手(飯島、鳥海、ピーター・ウタカ)がよく動いて、好機を作り出していった。
29分に右からの飯島のクロスを、ウタカがゴール前に折返し、鳥海が詰めて甲府が先制。
さらに33分には、CKの流れから中村が2点目を決める。
2点差で、甲府が守りに入ったこともあり、これ以降、大宮も攻め込む場面を作ったが、決めきれない。終盤は甲府が逃げ切りの態勢をきっちり敷いて、そのまま試合を終えた。

後半の甲府のペースの上げ方が鮮やかで、最初から狙っていたんだろうか、と思うくらいだったけれど、前半はかなり危なかったから、必ずしも意図的ではなかったんだろうな。ただ、こういう風に勝ち切れるあたりは、さすがに上位チーム、という印象だった。
大宮は前半に先制出来なかったのが全てだと思う。後半途中に、甲府に押されている0-0の状況で泉澤や富山を入れて、流れを変える勝負に出た所で、逆に失点してしまったわけだから、賭けに敗れたという感じでもある。
これで大宮は、J2残留のためには、残り2試合の連勝が必須となった。相手は自動昇格争い渦中の清水とヴェルディ。連勝しても、ターゲットになる山口、いわき、栃木が勝ち点2を積んだ時点で終る、厳しい状況。どういうことになるか。

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甲府サポのみなさん。
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岐阜(10/28)

10/27の夜、長良川競技場へ試合を見に行って、そのまま岐阜で泊まり、翌日は観光。
岐阜に来たのは、記憶にある限り、これで5回目だったが、過去4回の2回はサッカー、1回は野球の観戦で、試合に合わせて来て、そのまま帰っていた。1回は観光だったけれど、この時もほぼ長良川温泉に泊っただけだったから、実質、初めての岐阜観光だったと思う。

とりあえず金華山へ向かった。
途中にあったのが、長良川温泉に来た時に、唯一、周辺で見物した岐阜大仏のある正法寺。ただし、ここは以前来ているので、今回は通り過ぎただけ。
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金華山は、過去に来た時は毎回、ふもとまで行って、山の上の岐阜城を見上げて、時間がなくて引き上げていた。5回目にして、ついに(^^;。
山頂まで行こうとしてあたりを歩いていると、百曲り登山道の登り口が見つかって、降りて来た人がいたので、どれくらいで登れるかを聞いたら、速い人なら30分くらいと教えてくれたので、行ってみることにした。
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登山道と書いてはあったけれど、勝手に遊歩道的なものをイメージしていたが、入ってみると、確かに登山道だった(^^;。遊歩道的な整備をされている場所もあったけれど、手を使わないと登れないだろ、みたいな箇所も結構あったし。
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それでもどうにか頂上にたどりついた。約20分で登り切ったけれど、さすがにかなりハード。
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そこから岐阜城に向かい、周辺を一回りした後、中にも入ってみた。
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天守閣から下を見下ろすと、広い濃尾平野が見渡せて、ここで一帯を見渡していたら、全部を支配してみたいという気分になってもおかしくないなと思った。織田信長の気持ちが分かったような気がした。
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下りはロープウェイを使った。下った後で見上げてみると、改めて、よくあんな所まで歩いて登ったなと思ったよ。
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もう少し、あちこち観光して回る気でいたのだけど、さすがに金華山登山で体力・気力を消耗したので、早々に引き上げることにして、岐阜駅に向かった。
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ただ、そこからすんなり帰るのもつまらない、と思ったので、岐阜駅の南側にあるという、中山道・加納宿は見ていくことにした。
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こちらはかすれてて、何が書いてあるのか、いまいちよくわからない。
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名鉄の加納駅のそばまで行ったが、そこですんなり乗ってしまうのも、少しつまらない気がして、結局、岐南駅まで歩いて、そこから名古屋経由で帰ってきた。
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J1リーグ第31節 名古屋対鳥栖

2023.10.27(金) 19時 岐阜メモリアルセンター長良川競技場
観客 11736人 主審 清水勇人 副審 西橋勲、眞鍋久大

 名古屋グランパス 1(0−0)1 サガン鳥栖
           (1−1)

 得点 65分 名古屋・ユンカー
    89分 鳥栖・富樫

 退場 50分 鳥栖・山崎(一発)

豊田スタジアムを、トヨタのラリーで使われてしまったので、24年ぶりに長良川で開催された名古屋のホームゲーム。
現地観戦。自分の長良川での観戦は25年ぶり。バックスタンドの芝生席で見た覚えがあるけれど、今回はメインスタンドの椅子席。
試合開始前に雷雨があり、入場開始時間が遅れたりしたが、試合開始時点では雨は霧雨程度になっていたし、試合開催自体には影響はなかった。ただ、試合中も、遠くで雷が光っているのは見えていた。試合半ばにそれなりの雨が降った時間帯もあった。屋根がかかる席だったので、助かった。

名古屋の先発の前節からの変更は、3バックは、前の試合の途中で河面が負傷交代した後のメンツで、左から、藤井、中谷、野上。2ボランチ(稲垣と米本)と右サイド(久保)はそのままで、左サイドに出場停止明けの森下。前3人は、森下の復帰に伴い、和泉が1列前に出て、ユンカー・永井と組んだ。ただ、和泉はおおむね、トップ下ぽい位置取りだったと思う。中島が先発を外れた。

立上りから、前節勝利の流れを受けて、名古屋が優勢に試合を進めた。
ガンバ戦の前だったら、鳥栖のような動きの速さと当りの強さが売りのチームには、自陣から出ることもままならないような試合運びになっていたと思うが、この試合では互角以上に渡り合っていた感じ。やはり目を引いたのは、ガンバ戦に引き続いての先発だった米本で、寄せの速さと、確実に競り勝つ強さで、鳥栖の流れをきっちり止めるのを度々見せてくれた。中盤で勝てる試合運びが出来ていたのは、間違いなく米本の貢献あってのことだと思う。それから久保も、ガンバ戦同様に、よく動いて攻守双方に効いていた。
優勢に試合を進めていたにもかかわらず、10分に鳥栖のバックラインからの放り込みから一気に攻め込まれ、ゴールに蹴り込まれたが、VARの介入とオンフィールドレビューの結果、後方から蹴り込まれたボールのトラップでハンドが認定され、ノーゴール。
そこからは、ほぼ名古屋が攻め続ける展開になったが、鳥栖戦では毎度のことながら、GK朴一圭の守備を破り切れない。決定的とも思えるシュートを次々阻止された。
それでも41分に、ランゲラックの放り込みを、前に出て処理しようとした朴一圭がボールの処理をミス。詰めた永井が拾ってゴールに蹴り込んだ。ついに先制かと思ったが、これもVARが介入し、オンフィールドレビューで、永井にハンドがあったとの判定でノーゴール。その後も名古屋はチャンスを作りつつ、得点出来ないまま、前半終了。
とはいえ、明らかに名古屋が優勢な試合運びだったので、後半にはなんとかなるんじゃないかという期待は持てる内容だった。

そして後半序盤の50分、ユンカーが左サイドでボールを持ち、抜け出しかかった所を、鳥栖の山崎に倒される。山崎は一発退場で、名古屋は数的優位になった。
これでいよいよ名古屋が攻勢を強めた。ただ、数的不利になった鳥栖が守備に徹して、得点するのが難しくなるのでは、という懸念は感じたし、実際、攻め込みながらも、なかなか得点は出来なかった。
61分には永井が中島に交代。
そして65分、左サイドで森下との連携で攻めあがった藤井が、ゴール前を横切る浮き球のクロスを入れ、逆サイドから久保が詰めてゴール前へ折返し、ユンカーが詰めてついにゴール。
正直、これで、勝ったと思った。
その後も、名古屋は優位に試合を進めた。77分に和泉を森島に交代。試合終了が見えて来た86分には、ユンカーと米本を、前田と内田に交代した。米本の交代は、警告を1枚貰っていたからかな。故障明けということも、意識していたのかもしれない。いずれにしても、後は守り切って勝つ、という意図だったと思うんだけど。
89分、右サイドを横山に突破され、中に入ったクロスを富樫に合わされて、あっけなく失点。1-1の同点になる。
さすがにバタバタになった名古屋に対し、鳥栖は猛攻を掛けてきた。残り少ない時間の中でも、決定的なシュートも撃たれたが、ランゲラックが好セーブで持ちこたえ、さすがに勝ち越されることはなかったが、引分け終了。

1人少ない相手に追い付かれる残念な試合。鳥栖の決定機らしい決定機は、序盤の取消しになったゴールシーン以外は、89分の得点の場面までなかったわけで、勝負弱いにもほどがあるというか。
自分は基本的に、勝ち負けにはそんなにこだわらないで試合を見ているし、相手チームの方が面白いと感じると、向こうが勝つ方が正義だよな、と思ってしまうこともあるくらいだけど、さすがにこの試合は、これはないよと思った。
たった一度の相手の決定機で、守り切れない守備が悪いのか、数的優位も含め、あそこまで相手を圧倒していながら、1点しか取れなかった攻撃が悪いのか。
米本を下げたあたりで、ほぼ勝った気になってしまったのが、結局効いてしまったのかもしれない、とも思う。
ガンバ戦で久々に勝って、いい雰囲気になりかけた所に、水をぶっかけたような試合になってしまった感じ。これで優勝の可能性も完全消滅した(個人的には既に、もうないよ、とは思っていたが)。
救いは次の試合まで2週間空くことかもしれない。それが建て直しのための冷却期間になる。それとも、今度こそ本当に腹を括って、完全に来年を見据えた戦い方に切り替えてくるか。自分としては、中途半端に今季の成績にこだわるより(まだACL枠は可能性がある)、後者の方がいいんじゃないかと思っている。

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鳥栖サポのみなさん。
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感想「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」

「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」 フランチェスカ・T・バルビニ+フランチェスコ・ヴァルソ・編 竹書房文庫
以前、やはり竹書房文庫から出た「シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選」を、かなり面白く読んだので、似たようなのが出たと思って、読んでみた。ところが、本書のあとがきに書かれている出版のいきさつを見ると、本書はまさに、「シオンズ・フィクション」が出たことによって、邦訳・出版が企画された本だったようで、思うツボにはめられたかな、という感じ。
とはいえ、本書も面白く読めたので、問題はない。

収録作は、ギリシャの近未来を描いた作品が多いが、そもそも本書は、それをテーマとして各作家に作品を書き下ろしてもらったアンソロジーがベースということなので、当り前ではあった。キリスト教圏とイスラム教圏の間に位置し、政治的には不安定な時期が多い国柄であることを反映してか、全てではないにしても、多くの作品でペシミスティックな社会が描かれているが、そういう社会と向き合って、何とか生き延びていこうとする人物を描く作品が多い。そういう意味でも、似たような傾向の作品が並んでいる印象。
そういう作品群なので、読み終わった後の印象は、内容の割には、あまり暗くない。なにがしかの救いや希望を残して終っている作品が多いように思うし、読んでいて、必要以上につらくならないのが有難かった。それがつまり、ギリシャ風ということなのかな。編者自身が、序文でそんな風なことを書いているけれど、読んでみての実感と重なった。
ただ、今の世界がこういう状況なだけに、「バグダット・スクエア」には、ひどく気持ちを揺さぶられた。ネットには、異なる世界が分かり合える可能性を持った世の中を、作り出せる可能性もあったはず、と思ってしまった。いや、現実にネットは、そういう機能も一部は果たしているのかもしれないけれど。

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J1リーグ第30節 G大阪対名古屋

2023.10.21(土) 14時 パナソニックスタジアム吹田
観客 23153人 主審 岡部拓人 副審 淺田武士、岩崎創一

 ガンバ大阪 0(0−1)1 名古屋グランパス
        (0−0)

 得点 26分 名古屋・藤井

所用でライヴでは見られず、夜に帰宅してから、DAZNの見逃しで見た。

名古屋の先発は、先週のルヴァン準決勝の福岡戦から、結構変わった。
3バックは左が丸山から河面に交代。ただ、ここは元々、リーグ戦は河面で来ていたから、戻しただけのようではあったけど、丸山に代えても、結局、失点は抑えられなかったしな、とは思った。
ボランチが稲垣と米本の組み合わせで、先週はU21枠で吉田を使ったのを、米本に入れ替えた。米本は、故障明けなのに、あんなずるずるのピッチで使っていいのかと思ったけれど、大丈夫だったみたい。
左サイドは内田が和泉に交代で、これは順当。右サイドは森下が出場停止で、代りに久保。
前3人がユンカーと中島と永井で、和泉が1列下がった分、中島が入った。ただ、前3人と言っても、ユンカーと中島が2トップという感じで、永井は1列下がり目。米本や稲垣が上がり目になると、中盤上がり目を二人で構成するような形。
中島と久保の先発起用は、やはり割り切ってきたかな、という印象。そういうわけではない的なことを、試合後のインタビューで長谷川健太は言っているけれど。でも、森島は使わないんだな、とも思った。

試合は立上りから五分五分な感じに見えた。ガンバは割ときれいに形を作って、崩して来ていたけれど、そういう攻め方には、名古屋は比較的楽に対応出来ているように感じた。リーグ戦前節の広島戦の前半も、そういう印象だった。ただ、あの試合は後半、広島が強力なFW陣を投入すると、一気に崩壊しちゃったのだけど。
26分に名古屋は左CKを獲得し、和泉がショートコーナーを蹴って、戻りをゴール前へクロスを入れ、藤井が合わせて先制。
先手を取って、この後の名古屋は、勢い付いたように思えた。しかし38分に河面が接触プレーの後で座り込み、一度は復帰したものの、結局交代。今日は丸山が控えにもいなかったので、3バックは左が藤井で、右に野上が入った。ただまあ、これも実績のある形ではあるから、そんなに不安感はなかったと思う。前半終了間際に、ゴール前に攻め込まれたが、ランゲラックの好守で守り切った。

名古屋が1-0とリードしたまま、後半に入り、やや引き気味に守りながら、カウンターで追加点を狙うという展開だったと思う。ただ、ユンカーが度々ボールを持つものの、やはり厳しくマークされていて、そこから先へはなかなか進めなかった。ファールでFKを貰うことも多かったが、生かし切れなかった。
77分に永井が森島に交代。
そのすぐ後、森島のCKからゴール前でチャンスになるが、こぼれ球をユンカーが押し込み切れず。ああいうのを決めるのがユンカーだったがな、と思ったけれど、厳しいマークを受け続けることで、調子が狂っているのかもしれないな。
このあたりから、いよいよガンバの攻勢が強まって来たが、そこで存在感を発揮したのが久保。ガンバの、主に黒川が度々サイドで仕掛けて来るのに対し、粘り強く競り勝つことを繰り返した。このところ、サイドから簡単にクロスを入れられて、中で競り負けて失点というパターンが目立っていただけに、久保の奮闘は心強かった。
結局、1-0のまま逃げ切った。8月以来のリーグ戦の勝ち試合で、ビジターでの勝利に至っては5月以来という、本当に久々の勝ちだった。

ガンバが、戦術的にやりやすい相手だったというのと、強力なFWが居なかったのが、勝てた理由の一部と思うので、次の鳥栖戦は、また違うことになるのでは、とは思うのだけど、とりあえずひとつ勝てたのは、名古屋にとって心理的に大きいだろうな。
もちろん、相手だけではなく、名古屋にもここしばらくの試合とは違う要素があった。米本の復帰は大きかっただろうけど、一番印象に残ったのは、やはり久保。フルタイムでもこれだけやれるし、守備でも貢献できるというのを見せてもらった。彼はほぼ間違いなく、来年も居るだろうし、先々に向けていい材料だったと思う。次節は森下が戻って来るけれど、どういう起用になるんだろうか。
中島もフルタイム出場で、今まで見た中では一番、前線のポイントとして機能していたようには思った。
河面の状態が気になる。次節も野上を入れての3バック、ということになるのかどうか。

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ルヴァン杯準決勝第2戦 名古屋対福岡

2023.10.15(日) 15時 豊田スタジアム
観客 24876人 主審 今村義朗 副審 武部陽介、森川浩次

 名古屋グランパス 0(0−1)1 アビスパ福岡
           (0−0)

 得点 5分 ウェリントン

現地観戦。
第1戦を福岡が1-0で勝って、迎えた準決勝第2戦。名古屋が決勝へ進むには、2点差以上で勝つか、1点差で勝って、PK戦で勝つ必要があった。

名古屋の先発は、第1戦のメンバーとの比較で、前線3人からは中島を外して和泉。その結果、U21枠がいなくなったので?、ボランチに吉田温が入り、稲垣と組む形。和泉が1列上がったので、左サイドには内田が入った。あとは第1戦と同じ。
前3人がこの構成の方が、点は取れそうな気がする、とは思った。とにかく90分で、最低でも1点取らないといけない試合だったわけで、妥当なメンバーかなという感じ。
一方の福岡は、ある程度、選手の入替はしつつも、ウェリントンが第1戦に引き続いて先発するなど、第1戦のいい流れを維持していこうとするメンバーかなと感じた。

試合が始まってみると、芝の状態が相当悪いらしく、選手が滑りまくっていて、こんな所で試合をやっていいのか?、と思うほどだった。この試合の後は、ラリーのためにはがしてしまう予定の芝だから、十分な整備がされていなかったのかもしれない。それだけでも気持ちがだいぶ下がった。せっかくホームに戻って来たのに、この状態で、選手のモチベーションに、影響がなかったんならいいんだけど。

そして、名古屋は開始直後にチャンスを作りはしたものの、5分に先制したのは福岡の方。CKからゴール前に入ったボールがルーズになった所を、ウェリントンに押し込まれた。これで名古屋は2点を取らないといけなくなった。
もっとも、やや福岡優勢かなという流れながら、永井、ユンカーという飛び道具があるから、チャンスはあるはずと思っていた。その通りになったように思えたのは21分。森下の右からのクロスを、ユンカーが触って流し、永井が押し込みゴール。
しかしここでVARが入り、結構あっさり、オフサイドでノーゴールの判定が出てしまった。現場では分からなかったけど、後で映像で見ると、森下のボールが出たタイミングでは、永井が確かに、オフサイドを取られて仕方ない位置にいた感じ。
とはいえ、これで福岡にプレッシャーがいくらかかかって、やりやすくなるかも、という期待はあったし、名古屋にいくらか流れが来たようにも思えた。40分前後には福岡ゴール前に押し込んでの猛攻もあったが、GK永石の好守もあり、ゴールは決められなかった。
前半0-1で終了し、折返し。

後半立上り、名古屋が攻勢に出て攻め込むが、やはりなかなかゴールに迫れない。ようやく8分にユンカーが、ペナルティ内でドリブルを仕掛けて行こうとして、グローリと接触して転倒。主審がPKを指示。
しかしこれがまたVAR。今度はかなり時間がかかり、あまりよろしくない雰囲気だなと思っていると、オンフィールドレビューの末、やはり取消し。
これも現場ではよく分からなかったけれど、後で映像を見ると、グローリが倒したというより、ユンカーがたまたま引っ掛かっただけのように見えて、PK取消しも仕方ないか、という感じ。ちなみに、ユンカーにもシミュレーションの警告は出ず、ドロップボールでの再開になった。単なるアクシデントという判定に変わった、ということらしい。
このあたりで名古屋の勢いはほぼ失われてしまった感じ。
64分に名古屋は、内田、永井、吉田を、前田、中島、森島に交代。入った選手一人一人は、それなりの動きは見せたと思うけれど、チームとしては形にならず、むしろ福岡の方に好機が生まれていた感じ。
74分に和泉が米本に交代。これは正直どうかと思った。故障明けの米本を、こんな不安定なピッチで使うのは、再度故障するリスクのある交代と思ったので。故障はともかくとしても、ダメージは残らなかったのかどうか。
さらに83分に、稲垣が久保に交代。
久保は良かったと思う。とにかく攻めるしかない状況で、引いて守ってくる相手に対して、積極的によく動いて突っ込んで行った。ルヴァン杯準決勝のホームの鹿島戦の時同様、こういう状況に向いている選手だと思う。久保が入った効果もあり、試合終盤の10分くらいになってからは、名古屋がゴールを攻め立てる時間が続いた。しかし福岡のGK永石が、立て続けのファインセーブを見せて、得点に至らず、名古屋はこの第2戦も0-1で敗れ、ルヴァン杯は準決勝での敗退となった。

福岡が、決勝進出にふさわしい、いい試合をしたと思う。特に2試合フルタイム走り回った上に、ゴールを決めたウェリントンと、ファインセーブ連発の永石が素晴らしかったけれど、全体的にも選手が意思疎通がしっかりしていて、チームとしても機能していたと思う。
逆に名古屋は、一人一人の出来も素晴らしいと言えるほどのものではなくて、簡単に競り負けてボールを奪われる場面や、ミスパスなども目立ったけれど、それ以上に、チームとしての連動性がほとんど失われていた。順当負けとしかいいようのない試合だったという感じ。
名古屋は、ルヴァン杯はこれで終了だけれど、この後に残ったリーグ戦を、どう戦っていくのか。まだ上位に食い込む可能性は残しているけれど、個人的には、あまりそれにはこだわらずに、来年を考えた試合をしていった方がいいのでは、と思っている。ただ、来年、誰が残るのかも、よく分からないのだけど。

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福岡サポのみなさん。
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試合後、豊田スタジアムから見た豊田のたそがれ。
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帰る時、豊田市駅から見えた花火。この日は豊田は挙母祭りだった。
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ルヴァン杯準決勝第1戦 福岡対名古屋

2023.10.11(水) 19時 ベスト電器スタジアム
観客 6980人 主審 飯田淳平 副審 聳城巧、坊薗真琴

 アビスパ福岡 1(1−0)0 名古屋グランパス
         (0−0)

 得点 45+3分 福岡・鶴野

スポーツライブプラスで見ていた。

名古屋の先発は、前の試合(リーグ戦のビジターの広島戦で、1-3で完敗した)から大きく変えてきた。まあ、そもそも、その広島戦の先発自体、そこまでの試合からかなりいじっていたのだけど、それはともかく。
3バックは左が河面から丸山に変更。ボランチは前の試合が稲垣の1ボランチでスタートしたのを、稲垣と山田の2人。2人で組んだ試合では、このところ、稲垣の相方は内田が定番だったのを変えてきた。左サイドが森下から和泉、右サイドが野上から森下に変更。前3人は前田、永井、中島で、中島はU-21対応で必要な起用だけど、ここのところ、前田と組む先発のFWはユンカーだったのを永井に変えてきた。

意図が想像できる所もあれば、そうなの?と思う部分もあったが、まあ、見てみようかという感じ。
ちなみに福岡も、日曜に天皇杯の準決勝をやったばかりで、その試合から先発を10人入れ替えていたそう。天皇杯の先発は、先日リーグ戦でやった時のメンバーが揃っていたようだったから(そんなにちゃんと確認はしてないが)、ある意味、控え主体のメンバーなのかな、という気はした。結局、決着がつくのは第2戦だから、第1戦は引分け狙いくらいのつもりかもしれない、とか、ウェリントンが先発ということで、少し戦い方を変えてくるのかも、とか、漠然と思っていた。

試合の立上りは、最初からやられ放しだった印象のあるリーグ戦の時よりは、五分に近かったように感じられ、やはり控え主体のメンバーなのかなと思ったのだけど、結局は、次第に福岡が主導権を握る展開になっていったように思う。それでも、ゴール前を崩し切って来るほどの攻勢ではなかったし、30分頃から、名古屋の攻勢が目立ち始めた。34分に永井のパスを中島が捌いて、ゴール前に右から入って来た前田が受けて鋭いシュート。GKに阻まれたが、名古屋にいい流れを呼び込みかけたと思う。
しかし37分に福岡は、足を痛めた平塚を紺野に交代。ここが分かれ目になった感がある。これ以降、紺野に左サイドから崩されて、危ない場面が続き、ロスタイムに、ついに紺野の入れたクロスを、逆から入って来た鶴野に合わされて失点。ディフェンスの人数は揃っていたのに、ゴール正面にいるウェリントンに気を取られて、鶴野はノーマークだったし、そもそも紺野の動きに誰もついていけていなかった。完全にやられてしまった失点。

後半は中島がユンカーに交代してスタート。立上りは名古屋が攻め込む場面が続き、前田が惜しい場面を作ったが、得点には至らず、また流れが福岡に行き始める。
それでも後半は、福岡が慎重な試合運びに転じた気配があり、前半よりは名古屋がボールを持つ時間は増えていたと思う。しかし攻めきれない。選手同士の連携が機能しないし、1対1で名古屋の選手が競り負けることも多く、ボールを奪われて反攻される場面がやたらと目立った。
74分に山田、前田、永井を内田、森島、貴田に交代。
山田を内田に代えるのはともかく、点を取りに行かないといけない状況で、2人のFWを森島と貴田に代えるのはどうなんだろうと思ったし(とはいえ、他に誰かいるかといえば、居ないのも確かだな)、ここから名古屋が攻勢に転じた気配もあまり感じられなかった。
最終盤はさすがに名古屋が福岡のゴール近くで攻め立てたものの、決定的な場面を作ることなく試合は終了。終盤に、警告を受けている選手を交代させる余裕も見せて、手堅く守った福岡が、1-0で第1戦を物にした。

もっとも、名古屋は第1戦を失ったとはいえ、実質、180分1本勝負みたいな試合なので、それほど大きなダメージではないんじゃないだろうか。後半90分をホームで戦うわけで、1点のビハインドはそれほど重くないのではと思う。チーム状態は決して良くないけれど、広島戦や札幌戦のように、ユンカーが個人技でどさくさで得点するというのは十分期待できるし、前田が次第に調子を上げている気配も感じられる。得点さえできればなんとかなるわけで、勝機はあると思う。

ただ、チーム状態の悪さは、それとは別問題として、深刻に思える。まだリーグ戦を5試合残している現状で、それなりの結果も期待できないようだと、さすがにいろいろと雑音が出てきそうな気がする。タイトルを取ってしまえば、そんなものはどうでもよくなるのかもしれないが(マッシモの時は、そうはならなかったが…)。
もっとも、長谷川健太の来季の続投は決まったようだし、チームとしては、今年のこの先の結果は気にしないという方向なんだろうから、実際に何かが起きる可能性は、ほぼないだろうが。
ちなみに、個人的には、マテウス離脱後にチームが低迷し始めたのは仕方ないと考えているので、長谷川健太とチームが、今年はここまでと割り切っているとしても、やむを得ないと思っているし、特に苦情を言いたいとは思わない。だからといって、来年に過大な期待を持ってもいないけど。

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感想「バッタを倒しにアフリカへ」

「バッタを倒しにアフリカへ」 前野ウルド浩太郎 光文社新書
2017年に出版された本で、2018年の新書大賞を取ったとか。本屋でもかなり目立つ表紙で、刊行当初からなんとなく気にはなっていた。今年の初めにたまたま手に入れて、しばらく寝かせてたが、ようやく読んでみた。

子供の頃に「ファーブル昆虫記」を読んだことなどをきっかけに、バッタを研究する昆虫学者を志した著者が、バッタの大量発生に悩まされているモーリタニアに渡って、バッタ研究で悪戦苦闘するいきさつを語るノンフィクション。
また、バッタ研究、舞台はモーリタニアというだけでなく、著者がポスドクで、研究者としての仕事の場を得るために苦闘する姿も描かれている。その三つの要素が絶妙に絡まり合っているし、著者の語り口の楽しさもあって、読みやすいし、引き込まれる内容だった。相当しんどい思いもしていることは、読んでいれば分かるけれど、語りのうまさで、辛い話にはなっていない。それだけでいいのか?という気もしないではないが、読み物としては正解だと思う。

バッタの生態は、それなりに興味深いし、モーリタニアという国は、名前も場所も昔から知っているけれど、それ以上のことはほぼ知らなかったから、そういう地域・土地柄なんだなあという知識が得られて良かった。
大学院を出て博士号を貰ったが、就職先がなくて、生活苦に陥っている人が多いという話は、近年、よく聞くようになっているけれど、具体的な実例を見せてもらった感じ。この著者は、最終的にはうまく立ち回れたわけだけれど、背後には、うまく行かなかった人たちが、たくさんいるんだろうなと思う。まあ、分野にもよるんだろうけど。
技術系の就職で、大卒なんか当り前で、これからは大学院を出て修士以上でないとダメ、みたいなことが言われ始めてた時期ががあったことを覚えてるけど、今はどうなんだろうな。

それにしても、モーリタニアに対する日本の援助が現地の役に立っていることが描かれている部分とか、著者の助けになる基礎研究者のための国内のいろいろな制度が書かれている部分とかを読んでいると、目先の損得勘定だけでは測れないものを、次々切り捨てていこうとしてる今のこの国のやり方の中で、こうしたことが、この先、継続していくんだろうかというのが不安になる。
(2023.10.3)

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J2リーグ第38節 大宮対山口

2023.10.7(土) 14時 NACK5スタジアム大宮
観客 7820人 主審 柿沼亨 副審 船橋昭次、小出貴彦

 大宮アルディージャ 2(1-0)1 レノファ山口
            (1-1)

 得点 15分 大宮・室井
    56分 大宮・アンジェロッティ
    88分 山口・矢島

 退場 90+7分 山口・ヘナン(警告2回)

最下位の大宮とJ2残留圏内最下位の山口の、残留目指した直接対決。勝ち点差は9で残り試合は5だから、大宮にとっては、間違いなく絶対勝たないといけない試合だった。
大宮は3試合前に熊本に惨敗した後、夏の終りに補強した選手を、徐々に先発から外しはじめていて、何か諦め始めたのかな、と思ったんだけど、皮肉なことにそこから徳島・大分に連勝してきた。開き直りが功を奏したのかどうなのか。

この試合も、飯田、カイケはベンチ。シュヴィルツォクと黒川はメンバー外。ベンチにもいない選手に関しては、もしかしたら、コンディションの問題か何かが、あるのかもしれないが。
ただ、大宮は立上りから、危機感が感じられる積極的な試合運びを見せていた。どんどん前へボールを送り、オフサイドにかかりまくりながらも、攻め続けた。山口もゴール前まで持ち込む惜しい場面は作ったけれど、大宮の勢いの方が大きくまさっていた。
15分に、右サイドから岡庭が入れたクロスを、逆サイドで室井がフリーで受けてシュートを決め、大宮が先制。
その後も大宮は攻勢を続けた。特にアンジェロッティが、前線でよくボールに絡み、きわどい場面を何度も演出していたと思う。チャンスを度々作りながら、追加点が取れないのは、あまりいい展開ではないな、とは思ったけれど、とにかく1-0で大宮がリードして折返し。

後半立ち上がりは、少し山口が流れをつかんだ気配があったけれど、50分過ぎに大宮がFKから、山口ゴール前で猛攻。ここは押し込み切れなかったが、55分過ぎ、アンジェロッティがボールを持つと、ドリブルで仕掛けて、自力でゴールへ持ち込み追加点。
この後も基本的には大宮優位で試合は進んだ。山口も、たまにゴール前に攻め込む場面は作るものの、決めきれないし続かなかった。
しかし、このまま終わるかと思ったら、88分に山口が、ゴール前への浮き球を(去年は大宮に居た)矢島が決めて2-1。怪しい雰囲気になりかけたが、山口には残り時間がなさ過ぎた感じ。焦ってのミスもあり、うまく攻めきれなかった上に、CKからの攻撃の時に、CBヘナンが2回目の警告で退場するおまけ付きで、得点出来ないまま終了。大宮が逃げ切った。

順位的にも、試合を見ていた感じでも、両チームに力の差はそんなにないという感じだったので、勝たないといけないという大宮の危機感が、この結果に結びついたかな、という気はする。焦って空回りする可能性もあったと思うけれど、この2試合連勝していたことが、いい方向に働いた面もあったのかもしれない。
これで大宮には、いくらか希望が見えてきたかもしれない。山口は少し余裕がなくなってきたと思う。ヘナンの退場も、次節、ダメージになるかもしれないし、その辺が焦りにつながるようなら、大宮には有利に働きそうだ。

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山口サポのみなさん。
20231007yamaguchi

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