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感想「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」

「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」 フランチェスカ・T・バルビニ+フランチェスコ・ヴァルソ・編 竹書房文庫
以前、やはり竹書房文庫から出た「シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選」を、かなり面白く読んだので、似たようなのが出たと思って、読んでみた。ところが、本書のあとがきに書かれている出版のいきさつを見ると、本書はまさに、「シオンズ・フィクション」が出たことによって、邦訳・出版が企画された本だったようで、思うツボにはめられたかな、という感じ。
とはいえ、本書も面白く読めたので、問題はない。

収録作は、ギリシャの近未来を描いた作品が多いが、そもそも本書は、それをテーマとして各作家に作品を書き下ろしてもらったアンソロジーがベースということなので、当り前ではあった。キリスト教圏とイスラム教圏の間に位置し、政治的には不安定な時期が多い国柄であることを反映してか、全てではないにしても、多くの作品でペシミスティックな社会が描かれているが、そういう社会と向き合って、何とか生き延びていこうとする人物を描く作品が多い。そういう意味でも、似たような傾向の作品が並んでいる印象。
そういう作品群なので、読み終わった後の印象は、内容の割には、あまり暗くない。なにがしかの救いや希望を残して終っている作品が多いように思うし、読んでいて、必要以上につらくならないのが有難かった。それがつまり、ギリシャ風ということなのかな。編者自身が、序文でそんな風なことを書いているけれど、読んでみての実感と重なった。
ただ、今の世界がこういう状況なだけに、「バグダット・スクエア」には、ひどく気持ちを揺さぶられた。ネットには、異なる世界が分かり合える可能性を持った世の中を、作り出せる可能性もあったはず、と思ってしまった。いや、現実にネットは、そういう機能も一部は果たしているのかもしれないけれど。

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