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3地域社会人リーグ順位決定戦決勝 ヤクルト対セコム

2024.1.21(日) 13:00 ヤクルト戸田グランド

 ヤクルトレビンズ 7(0-20)20 セコムラガッツ
           (7-0)

トップイースト、トップウエスト、トップキュウシュウという、社会人ラグビーの3つの地域リーグの優勝チームが対戦して、順位を決める大会。ただ、自分が馴染みがあった頃とは、大会の位置付けやレギュレーションが結構変わっているはずで(早い話、トップイーストは優勝チームのヤクルトの他に、2位だったセコムも出場していて、その2チームが決勝を戦っている)、細かい所はよくわかっていない。
基本的には、自分が特に思い入れのある2チームが対戦するのを、久々に現地に見に行った試合、というだけ。

前日から降っていた雨が、おおむねおさまった中でのキックオフだったが、グランドは水たまりもあるような状態で、ドロドロだった。時折、小雨が落ちて来る程度には雨も残っていた。当然、試合には影響していたと思う。足は取られるし、手元は滑るしで、双方、思うような試合運びが出来ていなかったと思われる。20分近くまで、どちらのチームも相手陣内の22mを越えることが、ほぼ出来ていなかった。
10分にセコムにシンビンがあり、ここでヤクルトは、ハーフウェイライン付近ながら、PGを狙ったが失敗。先手を取り損ねたし、この後、数的優位をうまく生かせていた感じもなかった。
セコムは17分頃、ラインアウトからモールで一気に押し込んで、多分、この試合初めて、22mラインを越えた攻撃になった。モールが止まった後は、左右に展開しながら攻め続け、トライ寸前までは持ち込んだものの決めきれない。しかし、セコムが主導権を握った状態は続き、22分にヤクルトが自陣から前方へ蹴り出そうとしたボールを(ダニエル ウェイトが)キックチャージし、そこから一気にトライに持ち込んで、先制する。コンバージョンも決まって、セコムが0-7とした。
29分に相手陣内で得たPKを(ダニエル ウェイトが)決めて3点追加。
30分にはヤクルトのパスが乱れ、セコムが奪って攻撃に転じた所でヤクルトが反則を犯し、シンビン。このPKも決まって、0-13。
この少し前の時間帯あたりから、ヤクルトはミスが目立ち始め、思うように試合を作れていない苛立ちが伝わってくるようだった。
そして前半終了近く、ヤクルト陣内に攻め込んだセコムは、ライン際で粘った末に、押し込んで(高島が)トライを決め、コンバージョンも決まって、0-20での折返し。

なにせしばらく見ていないから、あんまり分かったようなことも言えないのだけど、ヤクルトの昔のスタイルは、速いパス回しでグランドを広く使い、快速のバックスがディフェンスの穴を突いてトライに持ち込むというものだった。少し聞いたところでは、今のスタイルもそう変わってはいないようだし、だとすると、雨の影響による、ぬかるんだグランド、手から滑りやすいボールというのは、不利な条件だったはず。

後半も、セコムの優勢は変わっていないように見えたが、10分にヤクルト陣内でのセコムのスクラムで、出したボールをセコムがつなごうとしたパスを、ヤクルトが素早し出足でインターセプトし、一気に相手陣内へ突っ走った。セコムの懸命のディフェンスに追い付かれ、トライまで走り切ることは出来なかったが、ゴール前でもみあいを続けた末に、14分に(野崎が)トライに持ち込み、コンバージョンも決めて7-20。
これで流れがヤクルトに来るかと思ったし、実際、セコムの優勢がある程度失われた感じはしたのだけれど、ヤクルトが押し込む展開はなかなか作れなかった。
それでも35分くらいからは、ヤクルトらしさを感じる、両サイドに広く展開しつつ、スピード感のある攻撃の気配が見えてきたように思えたし、トライ寸前まで持ち込む場面もあったけれど、セコムにぎりぎりでしのがれた。その後も優勢続けたが、攻めきれないまま終了。セコムが優勝を決めた。

セコムの優勝は、一時、トップイーストの2部まで沈んでいたチームが、よくここまで戻って来たなあ、と言ってあげたい気分だった。まあ、強化が再開されて、選手が揃うようになったんだから、当り前ではあるのかもしれないけれど、地元(狭山)には結構熱心なファンがそれなりに付いていたはずだし(以前、セコムグランドに試合を見に行った時の印象)、そういう人たちは喜んでいるんじゃないかなあ。
ヤクルトは、自分たちのスタイルには不利なコンディションが災いして、力を発揮しきれなかったのかな、という感じがした。

なお、選手名を()でくくって書いてあるのは、後でチームのサイト等で確認したから。どちらのチームも久々に見たので、選手の名前はほぼ知らないし、見分けもつくわけがないので…(しかも、土手上からの観戦では距離もあり過ぎる)。

久々の観戦だったけれど、楽しめた。セコムの優勢がかなりはっきりしてはいたけれど、大量点差で壊れた試合ではなかったし、緊張感も持続していたので。いろいろ理由があって、ここ数年、めったに行かなくなっているけれど、やっぱりラグビーの観戦は楽しいと思った。
(とはいえ、だからこれからはもっと見に行こうと思った、と言うほど、単純な背景ではないんだけど)

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最終スコア
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試合後の表彰式
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感想「はじめて話すけど……」

「はじめて話すけど……」 小森収 創元推理文庫
昨年末に出たインタビュー集。
書店で見掛けて、冒頭のインタビューの相手が、近頃名前を見掛けない気がしていた各務三郎だったことで、興味を感じて、買ってみた。他にも興味深い名前が入っていたこともあり。
ただしこれは文庫化で、元版は2002年出版とのこと。従って、収録されているインタビューも、新版に向けて追加された北村薫を除けば、全部それ以前のものだった。「近頃名前を見掛けない」ことには、何も関係なかった(^^;。
あとはまあ、新しい本を読まずに、昔話を読むというのも、いかにも年寄りくさい、後ろ向きな読書だなあ、という気もしつつ…。

ちなみに、書店で見た時に興味を引かれたインタビュー相手(元々、ある程度の関心のある人物)は、各務三郎の他では、石上三登志、和田誠あたり。法月綸太郎、北村薫もよく知っている名前だけれど、逆にどういう方向の話になりそうか想像はついたし、あまり期待が出来ないのではと思った。

各務三郎や石上三登志については、彼らが関わっていた(以前から自分が興味を持っている)界隈の昔話の面白さだけでなく、彼らの興味の持ち方、面白がり方という部分に共感を覚えた。この二人の文章は、今まで随分読んだけれど、少し鼻持ちならないと感じることが時々あって、無条件にフォローしていたわけではなかった。でも、このインタビューから見える彼らの考え方を知ると、そういう文章の背景が見えてくるような気がしたし、好感度も上がった気がする。いまさらではあるけど。
和田誠の昔話も、この二人と近い所にあるかな。
三谷幸喜が「作戦」映画について語るインタビューは、「作戦」映画の楽しさというのが感覚的に分かる気がするので、楽しかった。皆川博子の、太平洋戦争前後の本好き少女の読書履歴も興味深かった。太平洋戦争前の日本にも、実は、ある程度開明的な文化が育っていたのだけど、軍国主義とそれが引き起こした戦争によって抑圧されていったということが、近頃、結構語られるようになって、ドラマや映画にも描かれたりしているようなのだけど(ほぼ見てないが)、それを連想させるような部分があると感じた。戯曲の翻訳について語る松岡和子のインタビューは、役を演じる俳優の実感によって、翻訳がブラッシュアップされていくという話に、とても興味を引かれた。
面白く読めなかったのは、やはり法月綸太郎で、アントニー・バークリーの作品を中心にした本格ミステリ論なので、バークリーをほとんど読んでいない(読んだものも内容を忘れている)自分にとっては、全然見えてこない話だった。まあ、これは仕方ない。
北村薫のインタビューは、自分とは嗜好の方向性が違う人だなというのが、改めてよく分かったと思う(ある意味、各務三郎、石上三登志と逆のパターン)。

面白く読めなかったものもあるけれど、それでも総じて、読んでよかったと思う。小説や映画といったものに対する自分の嗜好や立ち位置的なものも、改めて確認出来たような気がする。

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WEリーグ第7節 浦和対大宮

2024.1.7(日) 14時 浦和駒場スタジアム
観客 3050人 主審 小泉朝香 副審 一木千広、稲葉里美

 三菱重工浦和レッズレディース 3(1-0)1 大宮アルディージャVENTUS
                 (2-1)

 得点 7分 浦和・安藤
    59分 浦和・安藤
    88分 浦和・伊藤
    90+2分 大宮・田嶋

今年初の試合初観戦。
さいたま市ダービーで、双方とも年末に見ているチームなので、ある程度事情は分かっていたから、そういう意味での面白さもあった。

浦和は安藤が前目のポジションに入っていて、年末の試合ではDFだったから、どっちもやるんだなと思ったけど、試合後のインタビューでは久しぶりに前をやったと言っていた。近頃では珍しいものが見れたということか。
大宮は、鮫島が左サイドバックから1列前に上がっていたのが目についた。年末に見た大宮の2試合を見る限り、大宮の効果的な攻撃は、ほとんど鮫島が上がって、起点になって生まれていたように見えていたから、妥当なポジション変更だなという感じ。

試合が始まってみると、大宮もそれなりに対抗はしていたし、やはり鮫島の左からの仕掛けが目立ってはいたものの、浦和の優位を感じないわけにはいかなかった。パスの精度や球際の強さが歴然として違っていた。
7分にはその球際の差が出た感じで、浦和がビルドアップして前へ出ていくのに対して、大宮が食い下がっていくものの、クリアボールは拾われ、競っては競り負けてで、最後は安藤に蹴り込んで、浦和が先制。
その後も浦和の優勢が続いたが、早々と先制した分、少し緩めたのかなという感じもあり、チャンスは作りつつ、なかなか追加点は生まれなかった。浦和のディフェンスは、チームが攻撃重視の布陣を敷いている影響もあってか、やや不安定感があったから、大宮がそこを突いてチャンスを作りかける場面もあった。30分過ぎには相手ボールを奪った五嶋から井上が貰って、抜け出しかけた。しかし浦和DFと競り合って倒れ、ここで船木に負傷交代。さらに大宮は厳しい状況。
後半に入ると、浦和がまたペースを上げて来たような感じ。チャンスを度々作り、GK望月の奮闘などで、大宮は何とか持ちこたえていたけれど、59分に大宮が、中盤でのパスカットから攻め上げようとしたところを、浦和の水谷がカットして前に送り、ゴール前で混戦気味になった中で安藤が押し込んで、浦和が追加点。
88分には大宮のCKを浦和GK池田がキャッチして前方へフィード。清家が俊足で追い付いて、中へ折返し、伊藤が受けて、一旦はトラップ失敗で流れたものの、大宮のクリアミスに詰めて、ゴールに蹴り込み3-0。
その後はロスタイム、大宮がゴール前に猛攻を掛け、クリアボールを田嶋が拾ってミドルを決め、一矢は報いたものの、そこまで。

点差だけでなく、内容的にも浦和の完勝だったと思う。大宮は年末に見た2試合同様、どうしちゃったのかな、という感じだった。相手が強かったというのはあるにしても、連携の悪さが目立ち、試合をうまく組み立てられていなかった。
浦和は最後の失点は余計だったけれど、長野戦よりもいい試合をしたと思う。ここでWEリーグにブレイクに入るのは残念なくらいじゃないのかな。もっとも、浦和はまだ皇后杯があるから、休みではないし、いい流れでそっちに臨めるのかもしれない。

それにしても、「さいたま市ダービー」でも観客3000人か、という感じ。少し寒かったとはいえ、もう少し入ってくれないかな、というところじゃないかと思う。

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浦和のゴール裏
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大宮のゴール裏
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「恐竜・怪鳥の伝説」

去年の6月にMXTVで放送してたのを録画してあった。やっと見た。
見ている最中に能登の大地震が起きて、一旦中断したが、ある程度状況が見えた所で続きを見始めて、最後まで見た。まあ、その程度の見方でも、そんなに問題ない映画ではあった。

1977年の東映の特撮映画。富士の樹海で怪生物が目撃され、恐竜の生き残りが居るという説を唱えながら、認められることなく亡くなった古生物学者を父に持つ主人公が、調査に乗り出すという話。
公開当時から存在は知ってたけれど、あまり知名度の高い映画でもないし、見る機会がここまでなかった。今回見て、理由は分かった。珍作の部類に入る映画だと思う。
怪獣映画かと思っていたが、どちらかというとパニック映画。映画の作り的に、「ジョーズ」やその系統の映画によく似ている(それこそ「ピラニア」とか)。ショッキングな場面の入れ方とかが特にそんな感じ。
登場人物や話の作りが、いかにも東映らしく、出演者も主演の渡瀬恒彦を始め、東映のヤクザ映画で見るような感じの人物だらけ(知識がないのでよく知らなかったが、実際にそうらしい)。ただ、見慣れた東宝の怪獣映画にない新鮮さがあって、お高く止まっていない日常感があったと思う。その辺が東映らしさかな。そういうわけで、それなりに楽しんでは見たけれど、ストーリーや特撮部分が、チャチで雑な所は、さすがに目をつぶれないレベルだった。この先、どうなるんだろうと思わせる所で、あっさり話が終ってしまうのも、尻切れトンボ感。
まあ、正月にだらだら見るのに、ちょうどいいくらいかもしれない。
テーマ曲が結構格好いいと思ったけど、歌っているのは「紫」のメンバーだった人のようで、なるほどという感じ。もっとも、紫って、バンド名は知ってるけど、聴いたことはないんだが(^^;。聴いてみようか。
ちなみに、この音楽が内容に合ってないという感想を見掛けたけれど、こういう内容でこういうテイストの音楽を付けるのが70年代だったと思うし、そういうところも含めて、自分は70年代特撮の子なのでね。

しかし、これは自然災害を題材にした映画でもある(実際には、その部分は、ほとんど描かれないが)。能登で大地震が起きた時、これを見ていたということは、忘れることはないんじゃないか、という気がする。

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