「ストップ・メイキング・センス 4Kレストア」
トーキング・ヘッズの1983年のライヴを映画化した1984年の作品が、今回4Kレストアされて公開されたもの。
トーキング・ヘッズはリアルタイムだった当時、興味の対象外だったし、1984年版の映画も、存在は知ってたが見てないのだけど、近年、1980年代のMTVとかを見ていたりするうちに、いまさらトーキング・ヘッズやデイヴィッド・バーンに関心が出て来た。2021年に公開された、デイヴィッド・バーンのステージを映画化した「アメリカン・ユートピア」も見に行ったことだし、と思って、これも見に行った。
格好いいライヴ映画だった、と思う。最初はほとんど何もない所に、デイヴィッド・バーンが一人で出て来て、「サイコ・キラー」を歌うとこから始まって、そこから次第にセットが増えて、メンバーも増えていくという構成とか、そういう舞台の趣向も面白かったけれど、格好のいい音楽が、とにかく楽しかった。IMAXで観たこともあって、実際のライヴを見るのに近い音を聞くことも出来たんだろうと思う。とりあえず音量はでかいし。
こういう形で聴いてみると、家でテレビなどで聴いてるのとは、だいぶイメージが違った気がする。でかい音と強いリズムで、ずっとアグレッシヴな印象を受けた。もう少し飄々としてるイメージだった。全然分かってなかったんだなと思った。こういう方向性の音楽なら、むしろなおさら好きかもしれない。
「アメリカン・ユートピア」は、かなり思想性の強い、考えさせる映画だったけれど、こちらは単純に音楽を体感する映画と考えていいんだろう。なにせ「ストップ・メイキング・センス」なんだから。意味を考えるのをやめろ、みたいなニュアンスのはずだし。
(ちなみに映画の中での字幕では、この言葉は「意味はない」みたいな訳し方をされていて、それはちょっと意味合いが違うのでは、と思ったが…。映画の字幕なので、短い文章にしないといけないし、仕方ないんだろうけど)
とはいえ、そもそもがだいぶ抽象的な歌詞の上に、字幕は内容に省略が多いこともあって、より分かりにくくなっているから、見ていて、どうしても意味などをいろいろ考えてしまったけれど、初心者でもあることだし、それはそれでいいんだろう。
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