J1リーグ第21節 C大阪対名古屋
2024.6.30(日) 18時 ヨドコウ桜スタジアム
観客 16400人 主審 山本雄大 副審 西橋勲、船橋昭次
セレッソ大阪 2(1−0)1 名古屋グランパス
(1−1)
得点 26分 大阪・レオ セアラ
65分 大阪・ルーカス フェルナンデス
76分 名古屋・久保
DAZNで見ていた。
名古屋の先発は、3バックが左から三國、ハチャンレ、野上。2ボランチは稲垣と椎橋。右サイド久保、左サイド中山。前3人が森島、永井、山岸。
前節の試合後の長谷川健太のインタビューからは、後半戦は森島をボランチで使う、みたいなニュアンスを感じていたのだけど、単純に受け取り過ぎていたようで、この試合の構成は前々節に戻したような感じ。
3バックの右は、前節に失敗した吉田を外して野上。ボランチに椎橋を戻し、森島は前。中山を右サイドから左サイドへ移し(前節左サイドの内田は、退場で出場停止なので)、右サイドに久保。
大雑把に言えば、やはり前々節までの形に戻したか、という感じ。内田が居ないので、あまりややこしいことはしない、というのもあったのかもしれない。ただ、両サイドの人選は、少し考えてきたのかな、という感じはした。
試合の序盤は五分に攻め合って、名古屋も悪くなかったと思う。双方が代わるがわる、決定機を作りつつ決めきれない、どちらかというと試合の終盤のような、オープンな展開に見えた。
しかし26分、名古屋が相手陣内に入って攻める中、セレッソのディフェンスが、自陣からロングボールで蹴り出した。これに対して、ハチャンレが目測を誤って落下点に入り損ね、レオセアラに拾われて持ち込まれる。ハチャンレも追いすがって、ゴール前でディフェンスに入ったが、レオセアラが一枚上手で、ハチャンレとランゲラックが構える間を通してシュートを決め、セレッソが先制。
長谷川健太は試合後のインタビューでミスからの失点と言っているのだけど、レオセアラがボールを拾って、そのまま突っ込んできたわけでもなく、ディフェンスと駆け引きした上でシュートを決めている。レオセアラが一枚うわてだった、くらいで考えておいた方がいいんじゃないんだろうか。落下点に入れなかったと言っても、強風も吹いていたようだし、ミスというより事故レベルなのでは、と思った。なんでもかんでもミスを理由にするのには、ちょっと違和感がある。
とはいえ、この失点で名古屋は明らかに気落ちして、セレッソに試合のペースを握られてしまった。五分でやれていた印象だったが、失点後はすっかり受け身になってしまったように思う。そのまま、前半は0-1で終了。
後半の選手交代はなく、ただ、3バックは三國が右で野上が左に入った。三國の攻め上がりに期待してのことだったのかな。とはいえ、そこの部分で大きな戦況の変化は感じなかったが、チーム全体の前半の気落ちした状態が、いくらかリセットされたような雰囲気はあり、攻め込むことも出来ていた。59分には椎橋が惜しい枠内シュートを放ったりもした。
そのすぐ後の60分に、三國を吉田、山岸をパトリック、永井を榊原に代える選手交代。パトリックの前線での存在感に、期待を感じたが。
65分、三國に代って右サイドのDFに入っていた吉田が、カピシャーバに競り負けてボールを奪われ、中へクロスを入れられると、飛び込んで来たルーカス フェルナンデスに合わされて失点。
2試合続けて、自分のミス(これはミスと言っていいと思う)が失点の起点となってしまった吉田には動揺が感じられ、68分に速攻で倍井に交代。
ただ、0-2になったことで、名古屋はある程度、開き直れたのでは、という気もする。吉田に代って入った倍井は攻撃の選手でもあり、陣形も変わって、ここからはとにかく攻める試合運びになった。76分にそれがついに実を結ぶ。倍井のCKのこぼれ球を、ペナルティぎりぎりのあたりから久保がシュートすると、セレッソの選手に当たってコースが変わった影響もあり、ゴールに決まった。
さらに勢いに乗って、名古屋は攻め続け、惜しい場面も作ったが、押し込むことは出来ず、2-1で終了。
最初の失点は、原因をどう考えるにしろ、レオ セアラが最終的に決めきれるFWだったという点が大きいと思うので、そういう選手が居るかどうかが、試合のポイントだったかなと思っている。正直、レオ セアラと同じ状況になったとしても、永井や山岸が決め切れたとは、あまり思えないので…。
でもまあ、そういう選手が、現時点で使える選手の中に居ないんだから、それを言っても仕方ない。
ただ、点が取れないことが問題、というのは、割と共通認識だと思うのだけど、その割に、長谷川健太はそこに、あまり有効な手立てを打って来てない印象がある。なんとなく漠然と、森島や若手に期待して起用するけれど、効果が上がらない感じ。個人の能力に期待してるだけで、チームとして攻撃力を向上させようという意識が、あまり感じられない気がするのだけど。
久保のゴールにしても、2点負けていて、開き直ったから出来た攻勢と思える。試合が動く前、失点を気にしている局面で、久保がああいう場面を作れたかどうか。
そういう意味で、長谷川健太の限界が見え始めて来たんじゃないだろうか、という気はしている。まあ、困ったら内田、というやり方をしてきた監督だから、この試合は出場停止で内田を欠いていたというのも、大きかったのかもしれない。次節は内田は帰って来るだろうし。もっとも、今度は三國が出場停止なのだけど。
次節の相手は首位・町田だし、かなり厳しい試合になりそう。名古屋は案外、そういう時になんとかなってしまうことも、あったりはするけれど、今回はどうだろうな。
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