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J1リーグ第37節 名古屋対鳥栖

2024.11.30(土) 14時 岐阜メモリアルセンター長良川競技場
観客 14734人 主審 高崎航地 副審 梅田 智起、岩田浩義

 名古屋グランパス 0(0−2)3 サガン鳥栖
           (0−1)

 得点 8
分 鳥栖・ヴィキンタス スリヴカ
    10分 鳥栖・中原
    67分 鳥栖・中原

名古屋の今季ホーム最終戦。現地観戦。
去年2試合あった長良川開催の主催試合は、どちらも悪天候に見舞われたけれど、この日も試合の少し前まで雨。試合途中も少しぱらついた。よくよく巡り合わせが悪いとみえる。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが左から河面、三國、内田。2ボランチ椎橋と稲垣。右サイド和泉、左サイド徳元、前3人が森島、永井、山岸。
鹿島戦に比べると、野上が外れて、ベンチにも居ないのが違うだけで、特に意外性はない。野上の不在は気になったが、故障? 

序盤、名古屋はロングボールやセットプレーでチャンスを作り、惜しい場面も2-3回あったが、鳥栖の、毎度のことながらの、GK朴一圭のファインセーブを中心とした、手堅い守りに阻まれて、得点出来なかった。
そうなると、勢いがどんどん鈍るのが今年の名古屋。選手の連動性が高い鳥栖のビルドアップに押し込まれ始めた。
7分頃、最終ラインで三國が河面へパスを出したが、方向が少しずれ、河面が抑えきれなかった。こぼれたボールを鳥栖が奪い、そこからパスを繋いで、最終的にヴィキンタス スリヴカのシュートで先制ゴール。見事な攻撃だったが、ボールを奪われた後の名古屋の選手の対応も鈍かったと思う。
さらに10分、自ゴール近くで稲垣から内田へのパスが少しずれ、詰めて来た鳥栖の選手にボールを奪われると、速攻で繋がれて中原に追加点を決められる。名古屋のディフェンスが、落ち着きを取り戻す間もなく0-2。
14分には、山岸が抜け出して決定的なシュートを打ったが、朴一圭のファインセーブに阻まれたし、そもそもオフサイドだった。
以降も鳥栖ペースで試合が進んで行った。鳥栖が、居るべきところに選手が居て、ビルドアップしていくのに比べて、名古屋は出す先が見つからずに、ただボールを回していたり、漠然とした放り込みでボールを相手に渡すだけだったり、攻撃の形がまるで作れなかった。
それでも前半の終盤になってくると、ようやく名古屋の攻撃が噛み合い始めた。そしてロスタイムに、森島の右からのクロスを起点に、ゴール前でボールが繋がり、最後は永井が決めた。さすがは永井のゴール感覚、と思ったが、長いVARの末、オフサイドでノーゴール。0-2で折返し。

後半は山岸がパトリックに交代し(脳震盪による交代とアナウンスされた)、内田が菊地に代わった。内田の位置に稲垣が下がり、森島がボランチに降りて、和泉が前で出て、その後に菊地が入った感じ。
和泉と菊地はいい働きを見せて、名古屋に勢いを付けたと思う。特に菊地は、積極的にゴールに向かっていたと思うけれど、得点には至らない。
17分に徳元に代えて山中と投入。いよいよ点を取りに行く態勢と思えたが、山中にいまひとつ切れがなかった。
そして22分に、鳥栖の分厚い攻撃に屈して、3点目を失う。一度はポストに当たって跳ね返ったシュートを、拾われて押し込まれた。
直後に永井をユンカーに交代。
しかし、この辺の時間帯になってくると、名古屋はそれなりにボールは保持するものの、選手たちが何をしていいのか、よくわからなくなってるようにも見え始めていて、期待できそうもない感じだった。
39分に和泉と椎橋を中山と吉田に交代。それでも状況は変わらない。
ロスタイム、CKから河面がシュートを打ったが、クロスバーに当たって跳ね返り、こぼれ球を稲垣がシュートしたが、枠を外れて得点にならない。
そのまま試合終了。名古屋は0-3の完敗。

鳥栖は降格が決まった後、調子を上げていたし、元々、苦手の対戦相手でもあるから、勝敗に関しては、ありえる結果だったと思うけれど、このスコアはさすがにね。しかもスコア通りの内容だったし。
名古屋の選手の動きが総じて悪かったのは確かで、特にバックスの出来の悪さが目立ったように思う。日程的な厳しさとか、そういう問題は特になかったはずだから、単純に調整に失敗したのか。それとも、ランゲラックのホームでのラストゲームということで、絶対に勝たないと、というような意識が働いて、かえって動きが悪くなってしまったか。元々、ホーム最終戦では、毎度、あまりいい試合を出来ないチームだし、それに輪を掛けてしまった感じ。
個人的には、どうせ消化試合なんだから、こんな試合は若手でもどんどん起用すればいのに、と思っていたけれど、ホーム最終戦とか、ランゲラックのホームラストゲームとかいうことになると、なかなかそういうわけにもいかないのかも、とは思う。そこで割り切れないのが長谷川だな、とも思うけれど。

鳥栖は、名古屋の出来の悪さもあったにせよ、素晴らしい試合をしたと思う。早々と降格決定してしまったのが、不思議に思えるくらいの内容だった。試合後、引き上げていく鳥栖の選手たちに、メインスタンドのホームの観客から、盛大に拍手が送られた。降格するチームへの惜別・激励だったんだろうとは思うけれど、この日の鳥栖の試合ぶりへの賞賛の意味合いもあっただろうな。この日の試合を見ていると、鳥栖の降格は本当に残念に思えた。すぐに戻って来れればいいんだけど。

この日、鳥栖の試合ぶりを見ていると、選手一人一人が、パスを受けるためのポジション取りを考えて自主的に動いていたり、パスを出す側も、相手チームの動きを見た上で、どう出せばボールが通るかを判断しているのが感じられた。当り前のようには思えるけれど、この試合で比較して見ていると、名古屋の選手の場合は、自分がパスを出したい所へ出して、自分がパスを受けたい所に動いている度合いが高いように思えた。自分の意思だけでプレーしていて、パスの受け手や、対戦相手のことはあまり考慮に入っていないのではと。そして、選手の連動性の有無というのは、そういうことじゃないのかな、と思った。それでも選手に圧倒的に力があれば、自分のやりたいようにやるだけでも何とかなるのだろうけれど。今年の名古屋は連動性よりも、そういう個々の選手の能力で、力づくで(永井の足の速さとか)なんとかしようとしているチームだと思うし、歴史的にもそういう時期の方が長いチームだと思う。鳥栖のようなチームを苦手にしてる理由も、その辺にあるんじゃないかな。
今までも漠然と考えていたことだけれど、少しはっきり認識出来た気がした試合だった。

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試合中に現れた虹。
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鳥栖のゴール裏のみなさん。
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名古屋のホームゲーム観客数が過去最多だったそうだけれど、ほぼ全試合をキャパの大きい豊田スタジアムで開催していたんだから、そんなに不思議はない、とは思う。
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試合後の最終戦セレモニー。スタンドのリアクションに、惨敗の試合の後だけに、ブーイングを盛大にかましたいとこけど、ランゲラックのホームでの最後の顔見せだし、ルヴァン杯を獲得したシーズンでもあるので、そうもいかないなあ、という微妙さを感じた。
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最後は恒例の愛知トヨタの表彰式。最優秀選手は永井で、まあ、他にいないだろうな、という感じ。優秀選手に森島が入っているのが、いまひとつ納得がいかなかったけれど、フルシーズン出場していて、そこそこ活躍した選手となると、選ばれていないのは他に稲垣くらいしかいないことに気が付いた。数合わせ的な選出と考えればやむを得ないか、と思った。
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WEリーグ第9節 浦和対大宮

2024.11.17(日) 14時 浦和駒場スタジアム
観客 4202人 主審 兼松春奈 副審 曽根未宇、水嶋優希

 三菱重工浦和レッズレディース 4(2-0)0 大宮アルディージャVENTUS
                 (2-0)

 得点 34分 浦和・栗島
    36分 浦和・OwnGoal
    48分 浦和・藤崎
    72分 浦和・藤崎

今季初のWEリーグ観戦。
体調の問題もあって、ここまで観戦してる余裕がなかったけれど、開幕が9/15だったのに、この試合は既に8試合目(大宮は。浦和はACLが絡んでいて、少し違う)。並行してカップ戦も全6試合のリーグ戦が終っていて、日程がハイペース過ぎない?、という感じ。

今季の両チームについて、自分が持ってる情報としては、昨季のメンバーから、浦和は清家が抜け、大宮は鮫島を始め、主力クラスが何人か抜けたこと。双方、補強がどうなってたかは、ほぼ知らないが、この試合のスタメンを見る限り、大宮の方が厳しい構成なんじゃないかな、という気はした。
ただ、この日の浦和は、昨季見たような、立上りから猛攻を仕掛けて来る感じではなくて、優勢ではあるけれど、そこまでの迫力は感じなかった。清家一人が居ないだけで、そんなに変わるのかな、という感じ。それ以外は、だいたい昨季も見たような顔触れだったので。
ただ、20分過ぎくらいから、浦和のエンジンがかかり始めたように思えた。
そして浦和が押し込む時間帯が続く中、34分に、スローイン起点で右SBの遠藤がゴール前にクロスを入れ、逆サイドから入って来た左SBの栗島が決めて浦和が先制。さらに2分後、また遠藤が右サイドから仕掛け、中へ送ったボールを大宮のDFがクリアに行ったが、これがオウンゴール。あっという間に2-0。
後半、浦和はFWに藤崎を投入。すると48分に、中盤からのパスを受けた藤崎が、持ち込んで、そのままシュート。決まって3-0。
浦和は60分に、点差が開いたこともあってか(ACL絡みで強行日程なこともあるんだろう)、主力を3人交代した。多分、その影響もあって、大宮が浦和陣内で試合を進める場面もぽつぽつ生まれたのだけど、長続きせず、72分には藤崎の2点目のゴールが決まり、4-0。
浦和の圧勝で試合終了。

浦和は、現時点の成績を見る限り、去年ほどの圧倒的な強さは発揮できていないようなのだけど、この試合を見ていると、十分戦力はある、という感じ。敵は強行日程というところなんだろうか。
大宮は、抜けた選手の分の補強が出来ていないように思えた。選手個々のレベルで、明らかに負けている感じがする場面もあったし、それをチームとして、戦術でサポートするのも追い付いていない感じ。大宮は昨季も、浦和に大敗し続けていたことを考えれば、必ずしも悪化したわけではないのかもしれないが。
ただ、大宮は春先から夏にかけて、親会社の交代という重大な出来事があったから、開幕前の準備が行き届かなかった面はあっても不思議ではない。今までの(あまりやる気が感じられない)NTTとは違う、チーム強化に力を入れて来そうな親会社・レッドブルに変ったことで、むしろ、これから大きな補強があるのかもしれない。サポではない立場から大宮を見ている自分にとって、そういうチームに好感が持てるのかどうかは別問題として、可能性はいかにもありそうだし、関心はそそられる。

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浦和ゴール裏のみなさん。
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大宮ゴール裏のみなさん。
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J1リーグ第36節 鹿島対名古屋

2024.11.9(土) 14時 カシマスタジアム
観客 22945人 主審 上田益也 副審 野村修、眞鍋久大

 鹿島アントラーズ 0(0−0)0 名古屋グランパス
           (0−0)

 退場 58分 鹿島・鈴木

久々の現地観戦。

名古屋の先発は、3バックが左から河面、三國、野上。内田はベンチ。2ボランチは通常運行で稲垣と椎橋。左サイド徳元はいつも通りだが、右に和泉を使ってきた。前3人は永井、森島と山岸。

名古屋は立ち上がり、ロングボールを入れての仕掛けや、前でますまずうまく回せてもいて、そこから生まれた山岸のシュートもあった。一方で守備の意識も高くて、鹿島に自由にやらせていなかったから、序盤はむしろ押しぎみの展開のようにも見えていた。
試合が進むにつれて、攻撃は減速して、守勢の場面が増えていったけれど、決定機を作らせていなかったし、五分五分かなという感じ。
全体的に、スローペースだけど、噛み合った試合ではあるかな、という前半。
試合後の監督インタビューを見ると、布陣も名古屋の慎重な試合運びも、PK戦までもつれ込んだ、先週のルヴァン杯決勝の激戦の影響を考えてのものだったらしい。

後半、ペースが上がるかと思ったけれど、そうでもなかった。ただ、鹿島の方が上げてきた感じはあって、慎重な名古屋を崩しきれないことに、焦れていたかなと思う。その辺が58分の鈴木優磨の退場の引き金になったかも。サイドを抜け出そうとした鈴木を止めた椎橋のファールに対する、報復行為による一発退場。なお、椎橋も警告を貰ってるし、相応のプレーだったのは確かだが、鈴木は報復なので、それほど激しい行為ではなかったにしても、退場になってしまうのは仕方ないところ。
これである意味、試合の膠着が解けるかなと思った。実際、名古屋の攻撃に勢いは出た。ただ、数的優位をうまく生かすような攻撃の選択肢を、名古屋は元々、あまり持っていないし、相手もそこは鹿島なので(しかもいなくなったのは前線)、一気に名古屋が攻勢ということにはならなかった。
ベンチの動きも、必ずしも積極的に動いたという感じではなかった。66分に森島に代えて内田を入れて、右サイドから上げ気味にしていったようだけれど、決定的なものでなかった。終盤の85分には、徳元、永井、椎橋を、山中、パトリック、吉田に入れ替え、明らかに得点を狙いに行った交代と思えたけれど、これも不発。
むしろ人数が少ない鹿島のカウンターの方が、ゴールに迫っているようにも思えたけれど、こちらも決めきるほどの勢いはなく、双方ノーゴールのまま試合終了。

試合後の長谷川健太のインタビューを見ると、先週のルヴァン決勝の影響を考えて、最低限、勝ち点1を取りたかった、みたいなことを言っている。ルヴァン準々決勝で、広島とPK戦までもつれ込む試合をやった後の試合で、FC東京に大敗したことが念頭にあったとか。
一見、もっともらしいのだけど、ここまでシーズンの終了が近付いていて、名古屋は大した順位は望めなさそうな一方、J1残留についてはほとんど見えている状況で(この試合に引分けて残留を確定したのかな?)、そこまで勝ち点にこだわるポジションじゃないよね、と思う。それこそ新潟のように、明らかに残留争いの渦中にいるチームとは違うから、結構違和感があった。まあ、現場の人間の感覚ということなんだろう。
自分としては、この試合は消化試合的な感覚だったから、そこまで選手のコンディションを言って、中途半端な試合をやるくらいなら、それこそ、もっと思い切った選手の入替をすればよかったのでは、と思った。ビジターゲームだから、ホームのサポに失礼、みたいなこともなかったわけだし、チャンスの少ない選手にとっては、やる気にもつながっただろうし。
そこは考え方の違いとしても、後半の比較的早い時間に、鹿島の鈴木が退場して、数的優位になったにもかかわらず、名古屋は眼に見えて優勢に持ち込むことも出来なかった。
長谷川は鹿島が強いチーム、カシマスタジアムは難しい場所なので、慎重な試合運びを続けた、みたいなことを言うけれど、今の鹿島はそこまで強いチームではないし、カシマスタジアムに関しては、名古屋は近年はむしろ相性がいいくらい。イメージに依存した言い訳くらいにしか思えない。
単純に、数的優位になっても、それを生かせるようなチーム作りをして来なかった(出来なかった)、というだけのことじゃないかと思う。上にも書いたけれど、試合中、現場で見ていた時も、今の名古屋じゃ、数的優位でもこんな試合しか出来ないよなと思っていたし。
そもそも、ルヴァン杯に優勝したと言っても、今年の名古屋は決してそんなにいい試合をしてきたチームじゃないものね。リーグ戦と違って、カップ戦の勝ち抜きは、かなりの部分が巡り合わせだ。

試合そのものは、膠着気味とはいえ、それなりに噛み合った内容だったから、見ていてつまらなくはなかったけれど、名古屋の試合運びに物足りなさは感じたし、試合後の長谷川のコメントを見て、それが増幅された、という感じ。

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感想「美しき血」

「美しき血」 ルーシャス・シェパード 竹書房文庫
「竜のグリオールに絵を描いた男」「タポリンの鱗」と続いたグリオール物の最終作とのこと(著者が2014年に亡くなっているので)。解説によると、原著の出版には少し複雑な経緯があるようで、先にフランス語の訳書が出て、その後、英語版が出版されたらしい。本書のcopyright表記は、英語版が出た2014年になっている。邦訳は昨年の11月刊行。だいぶ前に入手はしていたが、なかなか手が付かずにいた。

過去の2冊は中短篇集だったけれど、これは長篇。ストーリーは、過去の中短篇の内容を踏まえて進んで行く。竜のグリオールに絵を描くプロジェクトが始まった所から、グリオールの絶命後までを、グリオールに併走させられるように生きて来た主人公を軸に描いていく。過去の作品を読んで(覚えて)いれば、そちらで起きた出来事を、別の角度から見られるという面白さもある。
自分はそこまではちゃんと覚えていないので、たどりきれてない部分が、だいぶあったはずだけれど、気持ちは伝わった、という感じ(^^;。
かなり特異な設定の作品ではあるけれど、馴染みがあるので、すんなり入って楽しめるというのは、シリーズものの良さだな。
中短篇が、作品ごとにテーマを掘り下げていた印象があるのに対して、本書は大河小説的な物語性の方に力点があるように思えた。そういう面白さだったと思う。また、著者が過去の作品で見せたいろいろな側面を、次々に繰り出して見せているようにも感じた。そういう意味でも、シリーズの総集編的な作品と言えるのだろうな。

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YBCルヴァン杯決勝 名古屋対新潟

2024.11.2(土) 13時 新国立競技場
観客 62517人 主審 福島孝一郎 副審 淺田武士、坂本晋悟

 名古屋グランパス 3(2−0)3 アルビレックス新潟
           (0−2)
           (1−0)
           (0−1)
           (5PK4)

 得点 31分 名古屋・永井
    42分 名古屋・永井
    71分 新潟・谷口
    90+11分 新潟・小見(PK)
    93分 名古屋・中山
    111分 新潟・小見

 PK戦 新潟  秋山 〇 長倉 ×     デン 〇 星    〇 小見 〇
     名古屋 稲垣 〇 ランゲラック 〇 山中 〇 ユンカー 〇 山岸 〇

フジテレビの中継で見てた。
名古屋を応援はしていたけれど、どうしても優勝して欲しいとまでは思ってなかった。ルヴァン杯は名古屋はもう優勝経験があるし、新潟は決勝まで来る機会が、そうそうあるとも思えないから、新潟の優勝でも別に構わない、という感じ。まあ、自分は出身地のよしみで、新潟の後援会員でもあるので…。とはいえ、日頃は別に、新潟を応援してないが。

名古屋の先発は、このところ故障で離脱していた河面も、直前のガンバ戦で途中で負傷交代した野上も戻って、いつものメンバー。GKランゲラック、DF3人は左から河面、三國、内田。2ボランチが椎橋と稲垣。左サイド徳元、右サイド野上。前3人が森島、和泉、永井。

新潟とは9/18に対戦したばかりで、その時の新潟は、かなりひどい内容だった。ここまでひどいはずはないんじゃないか、暑さにやられたんじゃないか、と思ってたが、やっぱりそうだったのかなと思わせるだけの試合運びを、序盤の新潟は見せていたと思う。名古屋の放り込みはきっちりケアして、容易には崩せない雰囲気だったし、攻撃でも、パスをつないだビルドアップがしっかり機能していて、好機を作った。ただ、名古屋が攻め込んだ時には、無駄に後ろでつなぎ過ぎてない?という感じはあって、それが失点の前兆だったような気はする。
31分に、DFからパスを受けたGKからの前方へのフィードがずれ、ルーズボールになった所に、永井が突っ込んで拾い、そのままシュートに持ち込み、あっさり先制点。
正直、つまんないゴールだなと思ったし、試合への興味も削がれた気がした(^^;。
これで勢いづいた名古屋が、42分に永井が追加点を決めてしまったから、なおさら。もっとも2点目は、複数の選手が絡んだ速いパス連携で、きっちり崩したゴールだったから、1点目と違って爽快感はあった。
そのまま前半が終り、まあ、このまま名古屋が順当勝ちで、優勝するんだろうな、と思った。
ちなみに前半の名古屋リードの立役者は間違いなく永井で、1点目は永井らしい走り込みだったし、2点目も上手いシュートだった。それ以外にも新潟のボールに精力的に寄せては、隙があれば奪い取る、積極的なディフェンスも度々見せていて、この試合に賭けているような感じにすら見えた。

後半は、当然、新潟がペースを上げて来た。それに対して名古屋は手堅い守備で応えて、新潟に決定的な形までは、ほとんど持ち込ませていなかったのだけど、次第に防戦一方になり始めた。足が止まり始めたという感じ。
20分に新潟が投入したダニーロ ゴメスが、その流れを加速したと思う。決定的な場面も生まれ始め、26分についに、ダニーロ ゴメスの左からのクロスに、ゴール前で谷口に合わされて失点。でもまあ、これで試合としては面白くなった、というのが正直な気持ちではあったけど(^^;。
名古屋は30分に和泉を山岸に代え、それでも流れが変わらないと見てか、35分には永井と野上を菊地と中山に代えた。これで少し、名古屋に勢いが戻ったようにも思えたけれど、試合が最終盤になってくると、さすがに名古屋は引いて守り切る態勢になったように思える。
90分が経過してロスタイムも終りに近づき、逃げ切ったかな、と思った矢先の90+5分、新潟の小見が右サイドからペナルティ内に仕掛けてきて、中山と競り合い、小見が倒れた。主審は一旦はノーファールとしたが、VARが介入。その結果、中山のファールと認定されPK。ランゲラックがPK阻止して優勝決定という、申し分のないお膳立てが出来た?、と思ったが、小見のPKをランゲラックは止められなかった。土壇場で同点になって、まさかの延長突入。

延長戦は名古屋は徳元と森島を下げて、山中とユンカーを入れ、当然のことながら、攻撃的布陣で点を取りに行く構え。
前半3分、左から山中が入れたクロスから、中でユンカーが競ってこぼれたボールを、山岸が右サイドへ流し、入って来た中山がゴールへ蹴り込んで、早々と勝ち越し。
延長にもつれ込むPKを献上した中山だったから、このゴールは本当に良かったと思った。
しかしここからは、また新潟の猛攻。
延長後半は椎橋を吉田に代えて、逃切りを図ったが、6分に長倉のパスから小見に決められ、また同点。
そこからスコアは動かないまま、とうとうPK戦。

PK戦ならランゲラックが優位だろうから、結局、やっぱりランゲラックがPK阻止して優勝決定という筋書きか、と思ったんだが…。
先攻は新潟で秋山が成功。後攻の名古屋は稲垣が成功。2人目、新潟の長倉が失敗。ただ、狙い過ぎて枠外という感じの外し方で、ランゲラックの阻止ではなかった。飛んでた方向は合ってたから、枠内ならセーブだったかもしれないが。名古屋はランゲラックが自分で蹴って成功。その後は、新潟・トマスデン、名古屋・山中、新潟・星、名古屋・ユンカー、新潟・小見が全員成功。名古屋の5人目は山岸。で、山岸はきっちり決めて、名古屋が優勝を決めた。
ランゲラックの阻止はなかった(^^;。

なにはともあれ、優勝できてよかったね、という感じ>名古屋。二度も食い下がられて、最後はうっちゃりでは悲しすぎるものな。むしろ、こういうきわどい試合になったことで、名古屋のファン・サポも気合が入ったんじゃないのかな。見に行った甲斐を感じられる試合だったんじゃないかと。中継で見ていても、後半以降は面白い試合だったと思う。
もっとも、ああいう展開なら、せっかくだから新潟に勝たせてやりたかった気もする、というのがホンネ(^^;。試合運び自体は、新潟の方が面白かったしねえ。
とはいえ、河面が優勝決定のピッチに居られたのは良かったな、とも思ったし、名古屋の優勝を祝う気持ちも、もちろんある。


それはそれとして、Jリーグが始まってから、名古屋が出場した天皇杯・ルヴァン杯の決勝は、全部現地に行ってたし、1996年のサントリー杯決勝や、スーパーカップの類も、全部現地で見てた。優勝決定試合という意味では、リーグ優勝の平塚も行っていたし。そういう試合に行かなかったのは今回が初めて。新国立開催なので、信条に基づいて、行かなかったわけだけど(2023.5.4の新国立開催だった鹿島対名古屋の試合感想の末尾で書いている→J1リーグ第13節 鹿島対名古屋) 、カップ戦決勝とかになったら、さすがに悩むかも知れないなと思ってたが、新国立開催の試合を3回パスした後なので、もうほとんど気にならなかった。新国立が建設された状況を、個人的に改めて思い返す、いい機会にもなった気がする。

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