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J1リーグ第3節 FC東京対名古屋

2025.2.26(水) 19時 味の素スタジアム
観客 14971人 主審 御厨貴文 副審 武部陽介、亀川哲弘

 FC東京 3(1−0)1 名古屋グランパス
       (2−1)

 得点 31分 東京・山下
    59分 東京・佐藤
    66分 名古屋・椎橋
    90+6分 東京・安斎


2月の平日の夜に試合組むなよと思ってたが、直前の大寒波が引けて、多少、気温が上がって来たタイミングだったので、そういう意味では助かった。それでもさすがに夜は寒かったが。

名古屋の先発は、前節から中3日だし、いじってくるかなと思ったが、ほとんど変わらず。永井がマテウスに代わっただけだった。ちなみに東京は結構いじっていたみたい。

東京は引き気味で一見、5バック?とも見える布陣。左サイドの安斎が、かなり流動的に上がり下がりしたように見えた。
名古屋は、そういう相手を押し込む試合運びになった。持たされてる面もあったのだろうけど、結構うまくビルドアップが出来ていたと思うし、そこからシュートも打てていた。神戸戦の印象もあって、悪くないんじゃない?と思っていたんだが。
31分にカウンターを受ける。左サイドを白井が攻め上がってきて、そこからゴール前右サイドの佐藤へパスが通り、ゴール前の山下へ入ってシュートを打たれて失点。鮮やかなカウンターだった。元々、カウンター注意な気配はあったから、ああ、やられちゃったという感じではあった。
さらに35分過ぎに原が足を痛めて倒れる。一旦ピッチに戻ったが、やはり続行不能で浅野に交代。原の位置に内田が下がり、内田の位置に和泉、浅野は前に入った感じ。浅野はいい仕掛けを見せて、シュートも打ったが防がれてしまった。0-1で前半終了。

後半も試合の流れは大きくは変わってなかったと思うし、名古屋が押していたと思うけれど、14分にガウディ―ノに打たれたシュートのクリアボールが椎橋に当たってゴール前へ戻り、そこにいた佐藤に素早く決められ0-2。ここもカウンターだったけれど、少しアンラッキーだったとは思う。
しかし名古屋は、19分に浅野を起点にした流れから、椎橋が決めて1点を返した。今年初めての流れからのゴールで、厚みのある攻撃が実った感じ。いけそうな気配は出て来たと思う。とはいえ一進一退で同点ゴールは生まれない。
30分に椎橋と和泉が下がって、加藤と永井が入ったが、これはあまり効果がなかった印象。39分にマテウスに代わって森島が入ったが、これも目立った攻勢にはつながらず、むしろ東京に流れが行ってしまったようでもあった。
そしてロスタイムに、カウンターからの仲川のシュートを、武田がファインセーブするも、そのこぼれ球を安斎に押し込まれて1-3になり試合終了。

名古屋がそこまで悪い試合運びだった印象はないけれど、終ってみれば1-3なので、完敗というしかないのは確か。原の負傷や、2点目の失点など、名古屋にツキがなかった面はあったと思う。
ただ、東京のカウンターに対して、守備がうまく機能しなかったのは間違いない。DFだけの問題ではないだろうけど、新加入の宮は出場2試合目で、周囲との役割分担がまだ熟成していないんじゃないかなとか、2点目以降は、原の交代が効いてしまった面があるんじゃないかとか、思ったりする。
原の負傷の程度が気がかり。原が欠けて、また昨年のように内田がDFに下がるようだと、いい感じだった右サイドの組立てがに影響が出て来そう。もちろん、そういう布陣の組み替えになるとは限らないけれど。
3戦未勝利とはいえ、点は取れてるし、勝ち点1もあるし、去年よりはマシな出だしのはず。内容的にもそんなに悪くはないと思っているので、とりあえず一つ勝って、気分を変えて欲しいと思う。
それにしても、東京のカウンターが鮮やかだったと思う。カウンターでもファストブレイクでも、なんでもいいんだけど、近年、速攻を言う割に、名古屋が
ああいうふうに綺麗に決まる攻撃を、見せてくれた記憶はあんまりないなと思った。この試合とは別の問題だとは思うけど。

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名古屋ゴール裏のみなさん。
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J1リーグ第2節 名古屋対神戸

2025.2.22(土) 14時 豊田スタジアム
観客 31088人 主審 木村博之 副審 浜本祐介、中澤涼

 名古屋グランパス 2(0−0)2 ヴィッセル神戸
           (2−2)

 得点 56分 名古屋・徳元(FK直接)
    70分 神戸・大迫
    75分 神戸・大迫
    85分 名古屋・稲垣(PK) 

今年初の現地での観戦。

名古屋の先発は大敗した開幕戦から4人入れ替え。GK武田はそのまま。3バックは三國と原はそのままで、左が河面から宮(新加入)に変った。2ボランチは稲垣と椎橋で、加藤が椎橋に変更。右サイドは野上が内田。左サイドは徳元がそのまま。前3人が和泉と永井はそのままで、マテウスが山岸に変った。
大敗の影響か、相手が神戸ということを考えての変更なのかはしらない。

開始20秒。神戸の左からのクロスにゴール前で大迫に合わされて、いきなり失点。
と思ったが、VARの結果、ゴール取消し。大迫のゴールがハンドを取られた。現地でビジョンの映像を見た感じでは、肩に当てていて、位置的には微妙だったかもしれないが、判定はハンド。神戸側も特に抗議はしなかった。
これで名古屋は命拾いしたと思う。
それでも、神戸の前線の連携は鮮やかなものがあって、ボールが速くきれいに回るし、危険な雰囲気だったが、名古屋のディフェンスはよく対応したし、うまくカウンターのチャンスも作れていた。特に左サイドの徳元が目立っていた印象。冒頭に3バックと書いたけれど、徳元が下がり目になると4バックのような形になったし、左サイドの外側を上がり下がりして、一人で広くカバーしていたように思う。惜しいシュートも2発くらいあったはず。
前半20分に神戸にアクシデントで、左SBの元名古屋の本多がケガで交代。代って入った日高が、すんなりとは試合に入れなかった感じで、やや神戸の勢いが鈍ったようには思えた。
とはいえ、双方が決定機を作って見せ場は多く、噛み合っていて面白い前半だったと思う。得点は入らず、スコアレスで折返し。

後半11分に試合が動いた。神戸ゴールの正面、ペナルティの外付近で山岸が倒され、FKを獲得。ちょうど入れ頃の距離で、徳元が低い弾道のボールで壁を突き抜け、ゴールを決めて、名古屋が先制。
これで名古屋優勢な雰囲気になってきて、追加点の気配もあったが、決めきれなかった。
そうすると今度は20分過ぎ、神戸の武藤が裏へ抜け出しかかった所を、宮がファールで止めて警告。ここからの流れで神戸がCKを得て、最終的に大迫がゴールを決めて同点。さらに30分に、カウンターから流れるような連携で大迫が決めて1-2。逆転された。
正直、これが力の差かなと思った。あとはやっぱり大迫は一枚うわてだなと。
名古屋は36分に永井をマテウス、内田を浅野に交代。
マテウスは、スピードやパワーは前節テレビで見た印象通り、いまひとつには見えたけれど、テクニックは健在だった。ドリブルで抜きまくって、チャンスを演出。38分に左からクロスを入れ、右から入って来た浅野が、クリアを拾ってペナルティ内に進入。ファールで倒されPK。稲垣が決めて2-2の同点。
こうなると展開的には五分で、攻め合いになり、どちらも好機は作ったが決めきれず、そのまま終了。引分け。

両チームが噛み合っていて、面白く見れた試合だった。大迫を頂点にした神戸の攻撃は迫力があって華々しかったけれど、名古屋もカウンターや速攻一辺倒でない攻撃で、よく対抗していたと思う。山岸が前線で巧みにポストをこなして、攻撃の核になっていたし、両サイドからの攻撃参加もよく噛み合っていた。
宮はアビスパで何度か見た時のイメージはあったけれど、昨日見ると、思っていた以上に身体がでかくて存在感があった。今年、三國がどこまでやれるか懸念を持ってるが、宮と二枚揃っていれば、そんなに心配はないのかも。
前節、ちょっと不安があるかもと思った原も、ポカっぽいのはあるにしても、広い範囲をよく動いていて、一所懸命さは伝わってきたし、いろいろなことが出来そうな感じ。その原が3バックの右に入ったことで、内田が右サイドに入って、適材適所な感じにもなっていた。
勝ったわけではないし、流れからのゴールもなかった割に、妙に期待が感じられる試合だった。今年は久しぶりにポジティヴな気分で試合が見れるかも知れない、という気がし始めた。

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神戸ゴール裏のみなさん。
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ハーフタイムの雪。ここまで激しかった時間はそれほど長くなかったし、全体としては晴れていた時間帯の方が長かったと思うけど、とにかく寒い日だった。
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J1リーグ第1節 川崎対名古屋

2025.2.15(土) 15時 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
観客 23005人 主審 高崎航地 副審 野村修、岩崎創一

 川崎フロンターレ 4(0−0)0 名古屋グランパス
           (4−0)

 得点 55分 川崎・高井
    67分 川崎・山田
    79
分 川崎・山内
    88分 川崎・宮城

開幕戦。
現地へ行くつもりで、チケットも確保してたが、よんどころない事情で急に行けなくなり、ライヴでDAZNを見ることも出来なかった。夜になってから
、DAZNの見逃し配信で見た。

名古屋の先発はGK武田、3バックが左から河面、三國、原(移籍加入)。2ボランチは稲垣と加藤(ルーキー)。右サイド野上、左サイド徳元。前3人がマテウス(復帰)、和泉、永井。
システムとしても、メンバーとしても、去年からそんなに変わり映えはしてないかな、という感じ。3バックの右は、内田ではなく本職の原になったけれど、原がどの程度のDFかは分からない、というのと、いきなりルーキーがボランチの先発か、というのが、とりあえずの感想。あとは故障明けのマテウスがどんな程度なのか、というところ。

前半は熟成した連携からビルドアップする川崎に対して、去年同様、カウンター・速攻主体の名古屋という、去年と同じような印象。ただ、川崎は一時期の低迷を脱したかのような、鮮やかな連携を見せて、これは強いんじゃない?と思った。対する名古屋も、決定機はカウンターの速攻やセットプレーからという、去年同様のパターンながら、去年よりも連携が良くなっているかも、と思った。25分に永井のミドルがポストを叩いて、これが名古屋の前半最大の決定機だった。コース的には枠に飛んでたらGKにはじかれてたかも(ビッグセーブだったとは思うが)?、という感じはなくもなかったけど、いいシュートだったのは確か。
派手さはあまりないけれど、噛み合ったいい試合じゃない?、という感じの前半だった。

後半も序盤は前半の続きで、拮抗した試合が続いていたと思う。
転機は57分。タッチを割りそうなボールをマテウスが追いかけて、タッチの外へ出たと思ったマテウスが手でキャッチしたが、出てないという判定でハンドでFK。既に交代が出ていたようで、このタイミングでマテウスと加藤が森島と椎橋に交代。
そのFKからフロンターレの高井がゴールに叩き込んで先制。
ただ、このゴールは、DAZNの映像を見る限り、FKを蹴った瞬間に、高井を始め、フロンターレの選手が何人かオフサイドポジションに居たように見え、オフサイドで取消しじゃないかな、という感じだった。中継のアナウンサーも解説者もそういうスタンスで話していた。
しかしオフサイドにはならず、ゴールが認められた。そこの部分の詳細な説明は、現時点では見ていない。VARで5分以上かけての判定なので、異議を唱える気はないが、違和感はある。
とはいえ、事故的な失点だし、そこまでの試合の流れを考えれば、これで試合が決まったというようなものではなかったと思うのだけど、この後の名古屋は一気にガタガタになった。現地で見ていたわけではないので、全体的な雰囲気はよくわからないのだけど、川崎の連携がきれいに決まり始め、名古屋はボールを奪って反撃することが、ほとんど出来なくなっていった。
67分に川崎は鮮やかな繋ぎから、山田が追加点。
73分に名古屋は徳元を山中、和泉を山岸に交代。
一方で77分に川崎も橘田と山内を投入。そしてこの2人が絡んで79分に川崎が3点目。どうにも手が付けられない感じになりつつあった。
82分に川崎はエリソンと宮城を投入。83分に名古屋は野上を浅野に代え、より攻撃的な攻勢にしたようだが、そもそもろくに前にボールが通らない。
88分に宮城に決められ0-4。以降の長いロスタイムも、名古屋はほとんど好機も作れず完敗。

最初の失点前と後で、全く別の試合になってしまった感じ。失点後の名古屋は、無残としかいいようのない内容だったと思う。
成行きを考えれば、選手交代が全くうまくいかなかった感じ。ボランチの加藤は、身体の強さは感じられたし、やや粗い感じながらも、守備的には効いていたように見えたから、失点直前に彼が交代していたのは、ポイントのひとつだったかもしれない。椎橋を差し置いて、スタメンに抜擢されただけのことはあったかな、と思っていた。あとは、山中に守備を期待するのは間違ってると思うけど、玉砕覚悟で点を取りに行ったと考えれば、そこは仕方ないんだろう。
まあ、失点前までのそれなりに良かった内容を思えば、川崎の出来の良さを考えたら、この試合の結果だけで、名古屋がそこまで悲観的になることはないと思う。
ただ、三國に去年ほどの存在感が見えなかったことは、少し懸念材料のようには思える。去年1年、出来すぎといってもいいくらいの活躍をした反動が、今年は出てもおかしくないと思うし、彼の個人的な奮闘が、去年の名古屋の守備の大きなポイントだったのは間違いないので。
もうひとつの大きなポイントは、もちろんランゲラックの不在。武田は決して悪いGKじゃないのだけど、ランゲラックは体格も含めて、普通なら止められないシュートも止めるスーパーな存在だったし、それは普通に良いGKでカバーできる穴ではないと思う。移籍加入していきなり故障中のシュミット ダニエルが、どの程度やれるのかは知らないが、GKが止められないシュートの割合は昨年よりも増えるのは、多分、間違いない。それをカバーできるような、GK以外の守備を整備出来ているかというと、今日の試合を見る限り、疑問は感じる。
あとは、マテウスが現時点で、昔のようなスーパーな状態じゃないことはよくわかった。ここから調子は上がって来るかもしれないが。原はそんなに一対一で勝てるDFではないんじゃないかな、という印象。

この試合だけでダメだと思うような内容ではなかったと思うけど、安心材料もなかった気がする。立上りの数試合を見てみないと、今季のチームがどうなのかは、まだなんとも言えないだろうな。

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感想「母親探し」

「母親探し」 レックス・スタウト 論創社

1963年刊行のネロ・ウルフものの長篇。昨年の3月に邦訳が出て、入手していたが、なかなか手がつかないままだった。ようやく読み終わった。ちなみに、次のウルフものの邦訳が論創社から先日出ていて、周回遅れ的なことになっている。
なお、必ずしもそれが手がつかなかった理由ではないけれど、本書は2004年に原文で読んでいる(その時の感想)。ただし、20年も昔なので、内容はほぼ忘れていたから、今回読む上で、大きな影響はなかった。

1960年を挟んだ10年間くらいのウルフものは、シリーズものとしての楽しさが充実してる作品が多くて、本書もそのひとつとして記憶していたが、それを再認識した。アーチ―、ウルフを始めとしたレギュラーの登場人物が生き生きと動き回るし、彼らを取り巻くゲスト(という言い方が妥当かどうかは分からないが)の登場人物も、キャラクターとして面白く描かれている。リアリティのある人物造形というよりは、あくまでもユーモアの強いミステリの登場人物としての描かれ方で
、多分に類型的ではあるけれど、読んでいて楽しい。スタウトも、そういう風に割り切って書いているはず。
特に、事件の依頼人のルーシーとアーチ―のロマンチックな関係性が楽しめた。こういうタイプの女性キャラは、ウルフものにはしばしば出て来るけれど、ルーシーの魅力的な描かれ方は、中でもトップクラスじゃないかと思う。
プロットは、ウルフとアーチ―が、いろいろやってみてうまくいかずに、最後に気付いた手がかりをたぐって、ようやく解決にたどりつくというもので(その手掛かり自体は、最初の方に伏線として出て来てはいるけれど、その時点ではウルフは気付いていない)、推理ものとして論じられるような解決ではないけれど、そこはこの作品の売りではないから。

というような、今回読んでいて持った感想は、上にリンクを張った20年前の感想とまるっきり一緒(^^;。ということは、20年前に、原文でちゃんと読めていたということなんだろう。
ただ、原文ではうまく読み取れなかったと思う、細かい言い回しの面白さも、今回の邦訳では楽しめたんじゃないかな。この訳者の訳文は、時々引っ掛かる部分はあるにしても、ウルフものの軽妙な楽しさをうまく生かしていると、以前から思っている。

ただし、訳者あとがきで、本書と対をなすタイトルのThe Father Huntに言及していて、そのうちご紹介したいとか書いているのだけど、これは30年くらい前に「EQ」で訳載されて、邦訳済だし、「EQ」は雑誌だから今では容易に入手できないにしても、検索してみると、どうやら電子書籍で復刻したものが、今では読めるらしい。その辺への言及が全くないあたりが、これまでにいろいろな人たちがウルフものを紹介して来た努力に対する敬意を、この訳者はあまり持っていないんじゃないかという、以前からの疑念にそのままつながる。まあ、本書に関しては、1年前の刊行だし、その時点で指摘は受けているんじゃないかと思うけれど。

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