感想「うしろにご用心!」
「うしろにご用心!」 ドナルド・E・ウエストレイク 新潮文庫
ドートマンダーもので、原著は2005年刊行。今年、邦訳が出た。
いつも通りの、ドートマンダーと泥棒仲間のコミカルな犯罪小説。彼らの馴染みのバーが、ギャングの一味に狙われて存続危機を迎える話と、馴染みの故買屋が持ち込んで来た情報に基づいて、彼らがニューヨークの大金持ちの家を荒らす計画を立てる話が、絡み合って進む。見た感じ、かなり分厚かったので、一時期のウエストレイクの小説のように、間延びしていないか懸念したけれど、読んでみると、そんなことはなかった。多彩な登場人物がそれぞれに持っているエピソードが、かわるがわる語られるので分量は多いが、手際よくまとめられているので、ごちゃつかずに読めるし、楽しい。
ちなみに、これの2作前が2006年に邦訳された「バッド・ニュース」で、その時の自分の感想を見ると、今回とだいたい同じようなことを書いていた。シリーズものとして、安定の面白さの領域に入っている、ということかもしれない。
初期のコンパクトな作品群の方が、単独作品としては完成度が高かった気がするけれど、これはこれで、お馴染みの登場人物の活躍を楽しく読めるんだから、悪くはないと思う。





































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