感想「マイケル・シェーン登場」
「マイケル・シェーン登場」 ブレット・ハリデイ ハヤカワポケミス
ブレット・ハリディが書いた、マイアミの私立探偵、マイケル・シェーンが主人公のシリーズ。1950年の刊行で、邦訳は1961年。
マイケル・シェーンものは、ハヤカワミステリ文庫の初期に、「死の配当」「死体が転がり込んできた」の2作がポケミスから文庫に入っていて、それは読んでいる。正直、それほどいいとは思った記憶はないけれど、古書店でカーター・ブラウンのポケミスを集めていた時期に、並んで頻繁に目にしたので(出た時期はカーター・ブラウンの方が遅いが、同じような私立探偵もので、厚さ(薄さ)も似たようなものなので、本棚で一見、区別がつかなかったりした)、なんとなく買っていたらしく、しばらく前に数冊持っているのに気が付いた(正直忘れていた)。なので、せっかく持っているんだからと思って、少し読んでみることにした。
マイケル・シェーンの所に、マイアミに滞在中の女性記者から助けを求める知らせが入り、駆け付けてみると、記者が殺されているのを発見して、犯人捜しに乗り出す。背景には、この記者にゆすられていた地元の名士やヤクザ者が絡んでいるらしい、という話。
アリバイトリックぽい仕掛けや、入り乱れる人間関係とか、それなりにミステリ的な仕掛けはあるのだけど、謎解きそのものよりも、シェーンがどうやってうまく警察を出し抜くか、みたいな所に焦点が合ってしまっている感じで、どうも散漫な印象。登場人物もステロタイプで、あまり魅力を感じない。シェーン自体もそういう感じ。クラシック過ぎるのかな、と思う。
ただ、実際には、カーター・ブラウンだって、内容はそんなようなものなのだけど、もっと戯画化が進んでいて、コミカルなミステリとしてとりあえず面白く読める。マイケル・シェーンは、娯楽小説ではあっても、コメディではないんだよな。
カーター・ブラウンも、マイケル・シェーンと同じような時期にハヤカワミステリ文庫で読んだのが始まりで(カーター・ブラウンも2冊だけ出た)、ポケミスを全冊揃えるくらいにはまった。今回、本書を読んでいて、この違いはその辺が理由かな、と思った。
それほど引き込まれるものは感じなかったし、結末にもあまり意外性を感じなかった。多分、既読の作品も似たような印象だった気がする(上記したミステリ文庫の2冊以外にも、1冊くらいはポケミスで読んでいたような覚えはある)。
そういうわけで、この先、持っている他の作品を読むべきなのかどうかも、考えてしまう。
なお、「マイケル・シェーン登場」というタイトルの割に、本書はこのシリーズの第1作ではないし(むしろ中期作に近い)、最初の邦訳でもない(初期の方ではある)。原題が"This is it,Michael Shane"なので、その直訳のタイトルなのだけど、なんでこんなタイトルなんだろうな。
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