名古屋対ローマ

2022.11.25(金) 19時半 豊田スタジアム
観客 13383人 主審 今村 義朗 副審 武部陽介、赤坂修

 名古屋グランパス 0(0−0)0 ASローマ
           (0−0)

名古屋の今季最終戦。DAZNで見てた。
所詮親善試合だから、ガチで感想書くようなものでもないのだけど、ざっと書いておく。

名古屋は相馬がカタール出張、丸山と稲垣が勤続疲労ぽい故障、森下は直前の故障で欠席。レギュラー格が4人抜けていた。また、今季限りが決まっているチアゴとレオシルバはメンバー入りしたが、宮原は不在。だいぶ寂しいメンバーだった。その分、若手が入っていたけれど。
まあ、ローマも当然、ベストメンバーはなかったみたいだし、あくまでも親善試合。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックは中谷、チアゴ、藤井。中盤3枚は永木が引き気味、前目に重廣と仙頭。右サイド石田、左サイド内田。2トップは永井とマテウス。
見ている限り、序盤は全体的には、双方とも8割くらいの力でやってるのかな、という感じだった。多分、その影響もあって、名古屋はいつもよりもうまくパスが回って、見ていて面白い組立てにはなっていたと思う。個人で目立っていたのは、さすがのマテウス以外には、石田がよく動いて、気も利いていたと思う。まあ石田は、こういう所で張り切ってアピールしていかないと、将来が暗いものな。
ローマも、そこそこ上手さと強さを見せつつ、そんなに厳しくは仕掛けて来なかったから、気楽に見ていられる前半だった。
名古屋は、永井が絡んだ決定機に近い場面が2回あったと思うのだけど、どっちも決めきれず。そこはちょっともったいなかった。

名古屋はハーフタイムに、永井と重廣をレオナルドと長澤に入れ替えた。長澤は故障からの復帰戦で、なんとか年内に間に合った感じかな。もっとも、間に合ったからどうこう、という試合でもないと思うけど。
後半はローマが少し気合を入れ直してきたか、序盤は名古屋が一方的に攻められる時間帯になったが、名古屋の守備陣が、うまく対処してしのいだ。57分にミドルで危険なシュートを撃たれたが、ランゲラックがはじき返し、それを再度シュートされたが、これはクロスバーに当たって跳ね返り、救われた。
62分にランゲラックとマテウスと永木と仙頭が、武田、酒井、吉田温、甲田に交代。こうなってくると、試合そのものよりも、若手のパフォーマンスを見る場になってしまった感じ。76分には内田と長澤と石田が榊原とレオシルバと倍井に交代。長澤は途中で入って途中で出る形になったけれど、単純にメンバー入替の関係かな。あるいは、リハビリの一環? まだ完全じゃないのに無理した、みたいなことでなきゃいいけど。
79分にチアゴが相手FWと交錯して相手を倒してしまい、PK?と思ったが、主審は流した。PKが妥当だったんじゃないかなと思ったけれど、たまたま、その後、ちらっと見たカタールでやってる別のサッカーの試合でも、似たような場面でPKを取ってなかった感じだったので、まあいいのかな。
89分にはレオナルドとチアゴと武田が、豊田と行徳と東に交代し、名古屋のベンチ入りメンバーが全員出場。そこから少し試合をして終了。

初めて見た何人かを含め、若手は悪くない動きをしてたと思うけれど、所詮、こういう試合なんで、顔見せ以外の意味はないと思う。まあ、がっかりさせるような動きでなかっただけでもよし、という感じかな。
長谷川健太の顔が(中継で映った範囲では)緩みっぱなしだったのが印象的だった。気楽に楽しんでるな、という感じで、まあ、そういう試合だったよな、と思う。
個人的には、高い入場料に見合うとは思えないけれど、中継で見る分には、自分にとってものんびり楽しく見れた試合で、悪くなかったと思う。この顔触れのチームを見るのもこれが最後だな、という気持ちも少し。1年間、いろいろあったけど、いいことも悪いこともひっくるめて、今年も楽しませてもらったと思うよ。

| | コメント (0)

J1リーグ第34節 C大阪対名古屋

2022.11.5(土) 14時 ヨドコウ桜スタジアム
観客 16896人 主審 笠原寛貴 副審 川崎秋仁、桜井大介

 セレッソ大阪 0(0−0)1 名古屋グランパス
         (0−1)

 得点 90+7分 名古屋・相馬

今季J1最終戦。現地観戦。
名古屋の先発はGKランゲラック、3バックが藤井、中谷、丸山で、並びは前節と同じ。左サイド相馬、右サイド森下。中盤は3枚で稲垣、永木、重廣。2トップがマテウスとレオナルド。

中盤3枚と言っても、ここまでは、実質、前3人みたいに見える試合が多かったように思うのだけど、この試合は本当に2トップ3ボランチに見えた。マテウスとの2トップで、来季に向けて、レオナルドを試そうとしたのかな、という気がした。レオナルドは日頃の短い出場時間ではあまり見れない、いろんなプレーを見せてくれて、興味深かった。かなりいろいろなことがやれる選手じゃないかな、と思う。
ただ、人数の掛け方の比率からして、名古屋は日頃に比べてさらに前が薄い感じは否めなかった。元々攻撃力に難のあるチームが、さらに引き気味に構えた試合運びは、正直 物足りなかった。セレッソも優勢に運びつつも、引いた名古屋を崩し切るまでの攻撃は作れず、いまひとつ盛り上がりに欠けた試合になっていたと思う。
所詮、消化試合なのに、なんでここまで重い試合になるかな、という気はしたけれど、名古屋に関しては、レオナルドのテストみたいな面があったから、仕方なかったのかな。
雰囲気そのままに、0対0で折り返し。

後半の名古屋は、重廣と永木を内田と仙頭に入れ替えてスタート。
選手の持ち味もあるだろうけど、内田も仙頭も前目に位置して、戦術的にも前半よりも積極的に仕掛けているように思えた。それに対抗して、セレッソも活性化したから、後半は前半よりも動きが多くなっていたと思う。そういうややあわただしい流れの中で22分、名古屋の自陣からのロングボールを相馬がセレッソディフェンスの裏へ抜け出して受け、相手GKキム ジンヒョンが出て来るのを見極めて、ゴールを狙って浮き球を蹴ると、キムが手ではじいた。しかしこれはペナルティの外。キムは退場。
そこからの名古屋は、数的優位を生かして、前に厚みを持たせた試合の進め方をした。28分にはレオナルドと森下を永井と酒井に交代。しかし、永井は何度もゴール前で決定的な場面を迎えたが、ことごとく決めきれない。セレッソの交代出場のGK清水の好守が続いたこともあり、だんだん名古屋の勝ちはなさそうな気分になってきた。
43分には内田が宮原に交代。特に攻撃を厚くする交代とも思えなかったし、最後に顔見せで出したのかな、みたいな感じ。
しかし攻め続けた名古屋は、ロスタイムに入って7分、左サイドからマテウスが入れたボールを酒井がゴール前で合わせ、DFがクリアしたこぼれ球を相馬がゴールにボールを押し込んで勝ち越し。なんとか数的優位を物にした。そのまま試合終了。
ちなみに、マテウスにボールが渡るまでの流れには、宮原も噛んでいたのだけど、そこまでが狙いに入っていたかどうかは…。

ともあれ、最終戦にふさわしい、劇的な幕切れだったと思う。名古屋のビジターゲームだったのは残念だったけれど。
後半の名古屋は、いい試合運びを見せたと思うし、半ば以降の数的優位を意識した試合というのも、あまりこのチームで見た記憶がないので、良かったと思う。ただ、最終戦なので、これがどの程度、来年まで引き継がれるのかな、とは思う。監督は長谷川健太の続投としても、レンタルの選手もいるし、選手層がどの程度、そのまま残るのか。いなくなりそうな選手も居るし、明らかに補強が必要と思えるポジションもあるし。まあ、来年のお楽しみということだろうな。まあ、長谷川健太としては、今年よりは余裕を持った、いい条件でスタート出来るのでは、とは思う。

ヨドコウ桜スタジアムは初めて行った。見た目は格好良かったけれど、とりあえずメインスタンドの客席は、かなりせまっ苦しかったし、逆サイドの手前が見えにくかった。ちょっと日立台を思わせた。行ってないからよくわからないが、見た感じでは、居住性はバックスタンドの方が良さそうだった。
20221105stadium1 20221105stadium2

20221105board 20221105pitch 20221105score
名古屋サポのみなさん。20221105sapo親子連れ。
20221105macotこういう横断幕がさりげなく出てるのは、いいなと思った。 20221105messe

| | コメント (0)

J1リーグ第33節 名古屋対東京

2022.10.29(土) 15時 豊田スタジアム
観客 28383人 主審 小屋幸栄 副審 唐紙学志、大川直也

 名古屋グランパス 2(1−0)1 FC東京
           (1−1)

 得点 10分 名古屋・酒井
    49分 東京・木本
    69分 名古屋・永井

3週間のインターバル明けでのホーム最終戦。現地観戦。
名古屋はJ1残留が確定していて、東京はACL出場権圏内の可能性も残して、というような状態だったようだけれど、自分としては気分的に消化試合だった。

名古屋の先発は、GKランゲラック。3バックが中谷、藤井、丸山。ただし、いつもと並びが違い、右が藤井、中央が中谷。藤井が来年居るかどうか分からないってことじゃない?、という意見を聞いたけど、どうなんだろうな。2ボランチ、稲垣と永木。右サイド森下、左サイド相馬。前3人はマテウス、酒井、永井。

立ち上がりから名古屋の出足の良さが目立った気がする。パスカットや競り合いでの優位が感じられ、3分には永井の枠内シュート。ただ、GKに惜しくも弾かれて、こういうのはここから尻すぼみになったりする、と思ったりしたが、10分にペナルティの左側で得たFKを永木がゴール前へ蹴り込むと、酒井が競り勝ってゴールへ押し込み、名古屋が先制。
その後も名古屋の中盤での優位は続いたが、リードした影響か、次第に消極的になった気がした。というか、中盤でマイボールにしても、そこからの組立が続かないチームなので、必然的にそうなったというか。逆に東京が流れをつかみ始め、そうなると攻撃の組立の完成度の違いを感じさせられた。しかし東京もそれほどの迫力はなく、1点リードのまま、前半は終了。

後半は名古屋が勢いを取り戻したいところだったが、49分に右サイドからゴール前にクロスを入れられ、前にクリアしたボールを、上がってきた木本にミドルで叩き込まれて同点。
かなりガッカリさせられる展開ではあったけれど、この影響もあってか、名古屋に前半の前半のような勢いが戻ってきた。56分に酒井に代わって、重廣が入って、よく動いたのも効果的だった気がする。東京もペースは上げていたから、1対1の枠内シュートをランゲラックがセーブするような、やや危ない場面はあったけれど、とりあえず同点のまま迎えた後半69分、ペナルティの右斜め手前あたりでファールを受けてFKを獲得。永木の素早いリスタートで、右サイド深い位置へ持ち込んだ森下が中へクロスを送り、GKに弾かれたボールを永井が拾ってゴールへ流し込み勝ち越し。鮮やかな勝ち越しゴールだった。
その後の名古屋は、目に見えてべた引きになり、そこまで引いてしまうのは早すぎじゃない?と思ったのだけど、71分に森下と永井に代わって入った宮原とレオナルドが、守備的にいい働きをした。うまく時間を使う試合運びも見せて、1点リードを守りきって試合を終えた。

チームの現状を考えたら、十分満足のいくホーム最終戦だったと思う。
クイックスタートでの得点とか、終盤のCKからのコーナーでのボールキープとか、日頃あまりない(相手にやられて、悔しい思いばかりしている)したたかな試合運びも見られたし、決定的な場面で外してばかりいた酒井の先制ゴールとかも含めて、こういうプレーを今までもしていれば、ここまでチームが苦しむこともなかったのに、とは思った。やれば出来るんじゃん、という感じ。
まあ、そうは言っても、総じて楽しく見れた試合だったから、良かったと思う。東京のゴールも、うちから行った木本だったし(^^;。

残念ながら、カメラで失敗して、いつもほどクリアな写真が撮れなかった。
20221029board 20221029pitch 20221029score1 20221029score2
東京サポのみなさん。20221029tokyo
試合後のセレモニー。中位程度の成績を反映した、社長も長谷川健太も淡々とした挨拶だった感じ。最後に長谷川健太が東京サポに挨拶したくだりは、個人的には悪くなかったと思うけれど、その時点で東京のゴール裏が、だいぶ人影が薄くなっていたのは、少し残念だった気がする。
20221029ceremony
多分、今年最後の豊スタだった。また来年。
20221029toyosta

| | コメント (0)

J1リーグ第32節 京都対名古屋

2022.10.8(土) 14時 サンガスタジアム by KYOCERA
観客 16281人 主審 福島孝一郎 副審 五十嵐泰之、赤阪修

 京都サンガ 1(0−1)1 名古屋グランパス
        (1−0)

 得点 45分 名古屋・藤井
    59分 京都・井上

昼間は用事があったので、夜、DAZNの見逃しで見た。

名古屋の先発は、GKランゲラック、DFが中谷、藤井、丸山。2ボランチが稲垣、レオシルバ。左サイド相馬、右サイド森下。トップがマテウス、内田、永井。このところ、中盤から後ろの編成が割と流動的だったが、久々に、いつものメンバーという感じ。
しかし、名古屋は立上りから、全く精彩のない試合ぶりだった印象。京都は水曜に天皇杯を延長まで戦っていて、この試合の先発はベストメンバーで組めていなかったようだし、連続出場になった選手は疲労もあっただろうから、名古屋にアドバンテージがあったはずにもかかわらず。
早々に京都に主導権を握られ、防戦一方。それでも、京都の前線にいまひとつ迫力がなかったこともあって(その辺も水曜の天皇杯の影響かなと。ピーター・ウタカもベンチスタートだった)、何とかしのいでいた。24分にはペナルティ内で、藤井のタックルが相手選手の足に掛かって倒してしまい、VAR判定でPKを取られたが、これもランゲラックが止めた。キッカーの武富が、だいぶ自信なさそうだったので、止められそうな気がする、とは思ったけれど。実際、蹴ったコースも結構甘かった。
36分には本多にミドルを撃たれたが、ゴールポストに跳ね返って助かる。
そして45分、マテウスのCKを藤井は頭で合わせ、流れたボールが相手選手に当たってゴール。名古屋がまんまと先制。これでいい雰囲気で後半に進めるかと思ったが…。

後半はレオシルバを永木に代えてスタート。
で、後半も結局、京都が主導権を握った。しかも前半よりも決定的なシュートが枠内に飛び始め、名古屋はランゲラックのセーブで持ちこたえる流れ。しかし59分に、後方から送られたボールを、ペナルティエリア内で折り返され、ゴール前で井上に頭で合わされて失点。同点になる。
63分にマテウスがFKから直接ゴールを狙うが、ポストに当たって決まらない。その後は、ほぼ京都に攻められ続けて、ランゲラックが一所懸命、シュートを防いでいた感じ。
それでも、77分に内田が仙頭に代わると、仙頭が相手陣内で面白い動きをする場面があったりもしたが、決定機にはつながらなかった。京都は終盤、メンデスやウタカを投入してきたが、名古屋も守りを固めていたから、簡単にゴール前に持ち込まれることはなく、1-1のまま試合終了を迎えた。

名古屋はアドバンテージがありながらこの内容なので、しょっぱい試合だったと言われても仕方ない。まあ、降格の危険を抱えている京都の必死さがまさったということなんだろうし、引分けで済んだんだからOKじゃないかと、個人的には思っているけれど。ある意味、アドバンテージのおかげで引分けられたとも言えそうだし。
シーズン終了間際の現時点で、いまさら名古屋が素晴らしい試合をするとは思っていない。もちろん、名古屋も降格の可能性を、残してはいるけれど、かなり薄い所まで来てはいるし、京都に比べれば、その分、必死さも薄いだろうし。そういう中で勝ち点1を積めたし、あと勝ち点1があれば完全に抜け出せる所まで来た。もっとも、残り2試合で、その勝ち点1が取れない可能性は、結構ありそうだが(^^;。
マテウスは、いまいち迫力不足に見えた、故障からの復帰戦だった前節のマリノス戦に比べると、だいぶ状態が戻ってきてるかなという感じがしたけれど、孤軍奮闘感が否めなかった。というか、その前のマテウス不在の川崎戦・広島戦で、名古屋が割と期待感のある試合をしたことを評価するなら(多分、この試合について厳しい見方をしてる人たちはそれが念頭にありそう)、マテウスの功罪について、やっぱり考えないわけにはいかないんじゃないかな。もちろんマテウスがいなかったら、名古屋はもっと厳しい状況に居た可能性が高いから、不要論はあり得ないのだけど、戦術=マテウスの結果が、今の閉塞状況を作り出したのも確かなので。特に終盤の仙頭のプレーを見ていると、ああいうのを生かすチーム作りが出来なかったのは、やはり、なんでも一人でやってしまいがちなマテウスが原因の一部じゃないかな、と思ってしまう。まあ、そうでなければうまくいったか、というのも分からないんだけど。
何はともあれ、残り2試合も、ランゲラックとマテウスにおんぶにだっこでやるしかないだろうね。現時点で、今年を無事に締めくくる以外のことを考えても、あまり意味はないと思う。

| | コメント (0)

J1リーグ第31節 名古屋対横浜

2022.10.1(土) 16時 豊田スタジアム
観客 24906人 主審 松尾一 副審 中野卓、田尻智計

 名古屋グランパス 0(0−1)4 横浜F・マリノス
           (0−3)

 得点 16分 横浜・水沼
    46分 横浜・水沼
    90分 横浜・レオ セアラ
    90+6分 横浜・藤田

現地観戦。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが中谷、藤井、丸山。2ボランチ永木と稲垣。右サイド森下、左サイド内田。前3人は仙頭、永井、マテウス。
故障離脱していたマテウスが復帰。レオシルバが先発でないのは、前節の反映だったかな。左サイドが相馬でなかったのは、代表戦帰りの疲労を考慮したか。

立ち上がりこそ、攻守の切換の速い試合で、見ていて楽しめたけれど、次第にマリノスが明らかに優位になっていった。ルーズボールはほぼマリノスのものになるし、そこからスイスイ繋がれる。名古屋がパスカットされてボールを失うのも頻繁。マリノスのプレスが厳しいとか、そういうのではなく、完全に見切られてるという感じがした。
基本的にスピード感が違いすぎるし、選手の連携の完成度もレベルが違う(というか、後者については、そもそも名古屋は今季のJ1チームの中でも下の方のレベルだと思っているが)。
前半16分に、右サイドからきれいな連携で崩されて、あっけなく失点。以降も押し込まれ続けた。
マリノスは攻撃をパスワークできっちり組み立てるチームで、力づくでゴリゴリ押し込んでくるわけではないから、名古屋にゴール前に釘付け感はあまりなかったし、パスカットからカウンターに持ち込みかけることもないではなかったけれど、中盤から前で組み立てることはほとんど出来てなかったし、得点の可能性を感じさせる所まで行く場面はなかったと思う。
それでも、完敗ペースながらも0対1で折り返し。まあ、1点なら事故ででも得点して追い付けば、あとは何とかなる可能性もないでもないかもな、とは思った。

しかし後半1分に、いきなり右サイドから崩されて失点。前半の繰返しのようになり始めた。
たまらず、52分に3人を交代。丸山、永木、仙頭を、チアゴ、レオシルバ、相馬。相馬が左サイドに入って、内田がポジションを少し上げた感じ。
その相馬が左サイドでスピードを生かした攻め上がりを見せ、そこだけはとりあえず威力を感じる攻撃が出来始めた。マテウスとも割とうまく連携して、形が作れるようになっていた感じ。ただ、ゴール前の決定機までは持ち込めなかった。
それでも、63分にCKからの流れで、永井が角度のない所からシュートして、クロスバーに跳ね返されたが、これは名古屋が相手ゴールに迫った、この試合で唯一の場面だった気がする。
74分に内田が酒井に交代。79分にはマテウスが甲田に交代。酒井も甲田もいい場面は作ったし、甲田はゴール前でGKと1対1のチャンスを迎える場面もあったが、強いシュートを打ち切れず、セーブされてしまった。
一方で後半は、マリノスに決定的なシュートを何本も打たれ、ランゲラックがスーパーセーブ連発で止めていたのだけど、とうとう90分に、マリノスのバックラインからのロングボールが前線でつながり、レオセアラに決められて0-3。さらにロスタイムに藤田にも決められ0-4で終了。

チームの力の差がはっきり見えた試合。年数を掛けて積み上げて来て、結果が出ているチームと、今年、ゼロからやり直してるチームで、大きな差が出来るのは当り前。まあ、そういう背景はあっても、劣勢なはずのチームが勝ってしまうこともあるのがサッカーだから、どういう結果になるかはわからない、と思ってはいたけれど、そういう番狂わせ的なことは起きずに、順当な結果になっちゃったという感じ。
というか、名古屋の方も、休み明けでどこまでやれるかわからないマテウスの起用は、やっぱり無理があったんだと思う。万全には見えなかったし、いつもの迫力もなかった。まあ、相馬を外して、その代わりに攻撃的に期待できる選手ということを考えると、この選択しかなかったか、という気もするけれど。
その相馬が、後半に入って、一人だけ存在感を見せた働きをしたのは、皮肉ではあるかな。
完敗というか、惨敗だけれど、今のチームの立ち位置を確認する上では、ちょうどいい試合だったという気がしている。この試合結果だけに、殊更に反応しても仕方ないんじゃないかなとも思う。
20221001board 20221001pitch 20221001score

マリノスサポのみなさん。
20221001marinos

| | コメント (0)

J1リーグ第30節 名古屋対広島

2022.9.17(土) 19時 豊田スタジアム
観客 17082人 主審 佐藤隆治 副審 渡辺康太、森川浩次

 名古屋グランパス 0(0−0)0 サンフレッチェ広島
           (0−0)

DAZNで見ていた。

名古屋の先発は、3バックが中谷、チアゴ、藤井。中盤に稲垣、永木、内田。右サイド森下、左サイド相馬。2トップが仙頭と永井。
中盤の永木と内田は前節の後半から引き続いての出場で、前節、前半出場して途中交代した重廣とレオシルバは、やはりコンディションの問題があったようだから、その影響もあったかな。3バックの一角が、丸山ではなくチアゴだったのは、相手FWのメンツを考えて、というところか。

序盤は広島の厳しいプレスに押し込まれ気味で、名古屋が耐える展開だった。15分くらいまで、それが続いたと思う。しかし徐々に名古屋もペースをつかみ始めた。相馬が異常とも見えるくらいの運動量で、左サイドを駆け回り、チャンスを演出し始めた。惜しいシュートの形が前半に数回あったが、ほとんどが相馬が左サイドを駆け上がるカウンターが起点になっていた。結局、どれも得点にはならなかったが。
広島も手堅くつないで、悪くない試合運びは続けていたけれど、名古屋のディフェンスが決定的なシュートに持ち込ませなかった。
後半も立上りは広島が押し込んで、名古屋は守備を固める感じだったが、しばらくすると、前半と同じような展開になっていった。
51分に相馬が左から仕掛けてゴール前にクロスを入れ、永木が決定的なシュートを打つが、GK大迫に阻まれる。64分に、永井が広島DFに競り勝ってボールを奪い、大迫と1対1に持ち込むが、シュートは大迫に阻まれ、こぼれ球を森下がシュートしたが、これも大迫のセーブに遭う。
65分、永井、仙頭、永木を、レオナルド、甲田、レオシルバに交代。しかし76分に、レオシルバは早々に宮原に交代。やはりコンディションの問題があったらしい。ベンチが選手の状態を見極められずに投入してしまったのは、不手際な感じがする。
試合のペースは、この後も大きく変わることはなかった気がするけれど、名古屋は決定的な所まで持ち込む形は作れなかった感じ。広島は89分にクロスに対して、ゴール前でソティリウがきわどい形で入ったけれど、こちらも物に出来ず、スコアレスで試合終了。

広島戦は割とガチガチな試合になって、あまり面白い試合にならないことが多い印象があるけれど、この試合は流れが良くて、展開も速くて、見ていて楽しめた。
連携に関しては、流れるようなパスワークを度々見せていた広島の方が、一枚うわてだなと思ったけれど、相馬を中心にした名古屋のカウンターに迫力があり、決定機の数は名古屋の方が上回っていたと思うから、勝ち切れなかったのは少し残念。もっとも、現状のチームの順位や残り試合を考えたら、広島相手なら勝ち点1でも十分な結果ではあると思う。
広島のGK大迫のセービングが素晴らしかった。勝ち切れなかった最大の理由は、そこだろうな。
永木と内田は前節に引き続いて、いいプレーを見せていたと思うので、インターバル後のマリノス戦で、どういう布陣になるか、興味深い。
マテウスの不在は、今まで出来ていなかった、連携によるチームの攻撃の形を作っていくきっかけになっているように思える。マテウスが離脱した時点で、そういう方向に向かう可能性はあるかな、と思ってはいたし、逆に攻撃が崩壊する方向へ行かなくてよかったと思う。ただ、マテウスが元気だったら、こういう風にはならなかったとも思うわけで、難しい所。
とはいえ、得点が取れていないという意味では、まだ結果は伴っているとは言えないけれど。

| | コメント (0)

J1リーグ第22節 名古屋対川崎

2022.9.14(水) 19時半 豊田スタジアム
観客 10691人 主審 荒木友輔 副審 山内宏志、坂本晋悟

 名古屋グランパス 1(0−0)1 川崎フロンターレ
           (1−1)

 得点 61分 川崎・橘田
    74分 名古屋・稲垣

現地観戦。

7月半ばの開催予定が、名古屋のチーム内のCOVID19蔓延の影響で延期になり、ただ、名古屋からJリーグへの、延期を申請した申告内容に誤りがあって、虚偽申告ということで問題になり、名古屋に200万円の制裁金が課せられたが、処分が甘過ぎる、没収試合にすべきでは、とかなんとかで、もめている試合。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが中谷、藤井、丸山。2ボランチレオシルバと稲垣。右サイド森下、左サイド相馬。前3人は仙頭、重廣、永井。お馴染みのメンバー。まあ、他にやりようもないか、という感じ。
マテウスがいなくて、点が取れる気がしないし、今の川崎が相手じゃあ、勝てる気がしないなと思っていた。

前半はゆっくりしたペース。3連戦半ばのミッドウィークの試合ということもあってか、立ち上がりからフルパワーで、ガチガチ当たり合うような展開にはならなかった。双方、細かいミスも多かったから、身体が付いてこないという、コンディション面の要素もあったのかもしれない。蒸し暑さもあったし。
おかげで名古屋は助かったのかな?、という気はした。選手の位置取りを調整しつつ、川崎の攻撃に対応することも出来ていた。特に重廣は、途中からいつもと違うサイドで引き気味の位置に入って、周囲を気にしながら苦労してプレーしているように見えたけれど、ああいうことが出来たのも(それで持ちこたえられたのも)、ペースが緩かったおかげかな。
ただそれでも、前半終了間際の41分に、橘田にゴール前に抜けられて決定的なシュートを撃たれたし(枠外へふかしてくれたが)、全体としてはやはり押され気味か、という印象だった。

後半は、さすがに川崎がペースを上げてくるだろうなと思ったが、案外そうでもなかった。むしろ先に動いて、ハーフタイムに選手を換えた名古屋が攻勢に出た感じ。レオシルバと重廣が下がって、永木と内田が入った。交代の理由はコンディション的なものだったらしいけれど、前半を見ていても、交代した2人は少し苦しそうに見えていたから、それほど意外でもなかった。

この交代はかなり効いた感じ。名古屋のバランスが良くなって、勢いが出て来た。ただ、立上りから名古屋優勢で進んだが、得点には至らないまま、56分にマルシーニョにGKと1対1のシュートを打たれ、これは枠を外してくれたものの、61分にCKからのこぼれ球を橘田に押し込まれて失点。内容は良く見えても、やっぱりやられちゃうかあ、という感じ。川崎戦では、そういう試合を度々見ている気がする。
ただ、そこから大きく試合の流れが変わることはなく、名古屋のペースも変わらなかった。
73分に永井と仙頭がレオナルドと甲田に交代。ただ、この交代の影響がはっきり見えてくる前の74分、右CKからのこぼれ球を、稲垣がミドルシュートして、ゴールが決まった。去年、何度となく決まったのに、今年は全く決まらなかった形での同点ゴールで、一気に行けるという雰囲気になった。レオナルドのキープ力や、甲田のドリブルなどの見せ場も生まれた。
ただ、以降は名古屋の押せ押せな感じには見えたけれど、結局、追加点は生まれず、1対1の引き分けで終了。

とはいえ、試合前、厳しい試合だなと思っていたことを考えれば、勝ち点1を取れたのは、十分な結果だったと思う。しかも、内容的にも、決して悪くなかった。見ていて、ここまで期待感のある試合は、久々だった気がする。
特に後半の選手交代で入った、永木と内田がよい出来だったと思う。この辺は、前半の試合の流れを見て、それをきっちり反映した使い方だったように感じたので、先に動いた所も含めて、長谷川健太の采配が的中したんだろうと思う。もっとも、結果が出る前に先制されてしまったのは、予定外だったかもしれないが。
内田に関しては、近頃の試合ではチームにだいぶ馴染んで、サイドで結構うまくプレーしてるという印象はあったけれど、この試合では、状況に応じてポジションを変えて、前目に出たり、ボランチに下がってプレーしたり、随分器用だなと思った。こんなに巧くやれる選手とは知らなかったよ、という感じで、とても良かったと思う。

あとは、どうしてもゴールが決まらなかった稲垣がああいうゴールを決めて、この後に向けてのいいきっかけになってくれればと思う。彼が得点を取れるようになれば、残留争いから抜け出すのはたやすいはずだし、厳しい対戦相手が続く今後に向けて、希望を見せてくれたかなと思う。まあ、残留争いに関しては、名古屋は現時点で、そこまで追い詰められてもいないけれどね。

20220914board1 20220914board2 20220914pitch 20220914score1 20220914score2
最後に、この試合に関する「虚偽申告」のもめごとについて、思ったことを書いておく。
正直、自分は名古屋の運営のやることを全く信用してないので、また適当な仕事をしてたんだろうと思うだけだし、一部で言われてるらしい、COVID19による戦力ダウンを危惧した意図的な不正だとは思ってない。もろもろ考えたら、試合延期による損失の方が、チームにとってははるかにでかいはずだし、そんなのは現実的でもないとも思う(もっとも、適当な仕事をする運営、という意味では、ありえなくもないのかもしれないが…)。
あちこちからいろいろ叩かれて(叩かれてるのを見聞きして)、ダメージを受けてしまった名古屋のサポやファンは結構いるみたいなので、チームはそれなりのフォローをするべきじゃないかなと思うけど(何をすればいいのかはわからないけど)、無理だろうなとも思ったり。
なにはともあれ、名古屋の運営なんて、そんなレベル、というのが自分の認識。
昔よりはだいぶマシになって来た気はするけれど、たくさんのチーム同士が近い距離にあって、他のチームの運営を目の当たりにしやすい関東あたりのチームに比べると、やっぱりいろんな点がぬるいんだろうな、と思う。

川崎サポのみなさん。
20220914kawasaki
試合後、こんな横断幕を出しておられた。
20220914maku

| | コメント (0)

J1リーグ第29節 神戸対名古屋

2022.9.10(土) 19時 ノエビアスタジアム神戸
観客 14223人 主審 清水勇人 副審 中野卓、松井健太郎

 ヴィッセル神戸 0(0−0)0 名古屋グランパス
          (0−0)

DAZNで見ていた。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが中谷、藤井、丸山。2ボランチレオシルバと稲垣。右サイド森下、左サイド相馬。前3人は仙頭、重廣、永井。前節の福岡戦からチアゴが外れて丸山が入り、むしろ、本来のメンバーに戻ったという感じ。

前半は何も起きなかった。どちらかというと神戸の方が、うまく組み立ててゴールに近付いて、シュートも打っていた印象だけど、「迫る」というほどの迫力はなく、ランゲラックの見せ場もなかった。一方で名古屋は、ほとんどそこまで行きもしなかったように思う。
後半になるとさすがに試合が動き始め、結構きわどいシュートが見られるようになった。相変わらず、どちらかというと、神戸の方がゴールに近い雰囲気だったが。
60分に仙頭に代わって内田。マテウスの不在は、攻撃の中心になれる分、 仙頭にとっては、むしろいい方向に働くかもと思ってたが、やはり周囲との連携が機能しないと、そう簡単にはいかなそう。そこを作っていくには時間も足りない。
ただ、この辺の時間帯から、試合がオーブンになってきた結果として、永井の縦のスピードの威力が感じられるようになってきた印象がある。ゴール前まではなかなか行けないまでも、期待を持たせる流れになってきたかなと思ったんだけど、75分にレオナルドに交代。そろそろ限界という判断だった?
80分にはレオシルバと重廣を永木と柿谷に交代。
この辺の時間帯、流れは神戸にあって、何度となくCKを与えていたが、名古屋はゴール前で競り勝ち続けていた。しかし86分、ついにCKの流れから決定的シュートを許す。きわどくポストに当たった跳ね返りをさらにシュートされたが、ランゲラックが跳ね返し、なんとか逃れた。
名古屋の本当に決定的な場面は、結局、ロスタイムまで来なかった気がする。
ロスタイム、相馬からのゴール前へのクロスをレオナルドが捌き、右から入ったきた森下がシュート。わずかに外れてしまった。終了直前、さらに柿谷、レオナルドが決定的なシュートを立て続けにブロックされて決め切れず、スコアレスドローに終わった。

神戸は後半、汰木や武藤のきわどいシュートもあったし、名古屋より明らかにゴールに近かったと思う。それでいて、結局得点出来ないというあたりが、いかにも残留争いの渦中にいるチームなんだけど。こういうチームが、降格に関しては、やっぱり危険なんだろうな。まあ、名古屋もまだ、完全にクリアになってるわけではないが。
名古屋は、マテウスが居ないと点が取れないということを、再確認させられた感じ。そうでない点の取り方を作っておかないといけなかったんだけど、ついに出来ないまま、ここまで来てしまったと思う。それだけマテウスが劇薬ということなんだよな。
とはいえ、いまさらそれを考えても手遅れなわけで、後はとにかく失点しないこと、負けないことを目標にして、やっていくしかないんじゃないのかな。そういう意味では、この試合はそれが出来ていたと言えなくはない、という気がする。
レオナルドの良さが見えて来たとか、ポジティヴな要素もないわけではないけれど、なにせ、新しい試みを始めるには、残り試合が少なすぎる。降格圏から比較的遠いポジションに居るのが救いだと思う。

| | コメント (0)

J1リーグ第28節 福岡対名古屋

2022.9.3(土) 19時 ベスト電器スタジアム
観客 5556人 主審 中村太 副審 五十嵐泰之、田中利幸

 アビスパ福岡 2(1−3)3 名古屋グランパス
         (1−0)

 得点 2分 名古屋・森下
    21分 福岡・クルークス
    24分 名古屋・永井
    38分 名古屋・永井
    57分 福岡・平塚

 退場 67分 福岡・宮(一発)

DAZNで見ていた。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが中谷、チアゴ、藤井。ボランチがレオシルバと稲垣。右サイド森下、左サイド相馬。3トップが重廣、永井、仙頭。
マテウスはガンバ戦の負傷が靭帯損傷とのことで、少なくともある程度の長期離脱は覚悟しないといけない状況。恐れていた事態。
3バックで丸山を外してチアゴを入れたのは、福岡のゴツい外国人選手によるパワープレイへの対策だったんだろう。

立上り、いきなり福岡に攻め込まれ、ランゲラックが好セーブ。そこから名古屋が攻めて、前線へロングボールを入れて行くと、福岡のGK(永石)とDF(宮)が共にボールを追って激突し、2人とも倒れ込んで動けない状況になった。ただ、試合は止まらず、名古屋は試合を続行。稲垣のシュートはポストを叩いたが、最終的にGKのいないゴールに森下が蹴り込んだ。持ち味ではあるけれど、森下はよく詰めてたと思う。
福岡のGKは脳震盪でしばらく起き上がれず、結局交代。かなりひどい激突だったので、無理のないところ。一方、森下のゴールはそのまま認められ、名古屋が先制。

しかし、当然、もやっとした気持ちは残る。激突自体は、同じチームの選手同士だから、ファールにもならないし、もっと軽い衝突なら、単なるチョンボとして簡単に済まされたはず。
ゴールに迫っていたあの速い流れの中で、名古屋が自分からプレーを切ることは考えられなかっただろうし(中継でリアクションを見る限り、少なくとも森下は、福岡の選手2人が深刻な気配で倒れていることを、認識していなかったようにも思える)、主審もあの短時間で、どこまでの事態か、見極めることは出来なかったはず。
まあ、結果的に脳震盪だけで済むのであれば、緊急で試合を止める必要はなかった、ということにもなるんだろうけど、最終的にどうなのかもまだわからないし、あの場にいた福岡の選手からしたら、そこまでは考えられないよな。

この影響で、試合は変な雰囲気になってしまい、やたらと選手が倒れるし、何か起きてしまいそうな気配が濃厚になる。
20分、福岡のクルークスが接触で倒れ、レオシルバがタッチ外に蹴り出す。クルークスはしばらくして立上り、試合は再開。そこで福岡は、前嶋が名古屋にボールを返す意図でスローインを投げ込んだが、ルキアンが、このボールを拾い、中へ送ると、クルークスがシュートを打って、ゴールになってしまう。同点。
ルール上は問題ないけれど、フェアプレー的にはダメなプレーなわけで、いよいよ荒れた雰囲気になる。ただ、福岡側から見ると、そもそも最初の名古屋のゴールが、試合を止めるのが適当とも見える中で、プレーが続行されての失点とも見えるわけで(上述の通り、自分は止めるのは無理だったろうと思うが)、その不満が表れたプレーだったんだろうと思う。
状況を収拾するために、福岡の監督の長谷部が、名古屋に1点取らせることを指示して、永井がディフェンスが来ない状態でゴールを決め、異常な状況ながら、再び名古屋が1点リード。
福岡の得点に関しては、スローインの時点で、名古屋のディフェンスがあまりにも無警戒だった点を指摘する意見もあって、それは同感。少しでもケアしておけば、防げるトラブルだったはず。ボールを返してもらえるつもりで、完全に緩んでいた。でも、ルール上はルキアンのプレーは反則でもなんでもない以上、こういう事態への最低限のケアはしていてしかるべきだったよな。

とはいえ、もやもやした気分は残るにせよ、一応これで、試合は落ち着いたのかもしれない。そういう中で、名古屋が試合の主導権を握った雰囲気になり、38分に相馬と仙頭の連携からゴール前に出たボールを、永井がうまく受けて運んでシュート。この日初めてのキレイな、文句のつけどころのないゴールが決まり、名古屋が3-1とリードする。こういう形で追加点が取れたことで、後味の悪さもある程度払拭した形で、名古屋が勝てるかなと思ったんだけど、甘かった。

後半序盤は一進一退だったが、福岡には決めきれる選手が居なそうな感じでもあったので、2点差でもあることだし、割と気楽に観ていた。しかし57分に左からのクロスを、後方から上がってきた平塚にシュートされ、おそらくは枠を外れると判断してランゲラックが反応しなかったグラウンダのボールが、急激に変化してゴールに入ってしまう。これで1点差。ここから福岡が勢いに乗る。
劣勢の名古屋は、59分に永井と仙頭をレオナルドと内田に交代。
64分、重廣と福岡の宮がボールの競り合いでの接触で倒れる。そしてこのプレーが、VARでの確認を経て、宮の危険なプレーと判定され、宮は退場。この退場はルールに即して考えれば妥当とは思えるものの、微妙さがあるのは否めなかった。
そうした、この試合の一連の流れを受けてか、数的優位ながら、名古屋は守勢気味になってしまった。79分に重廣とレオシルバが柿谷と宮原に交代したが、攻勢を強めるというよりは、守りの手堅さが目立つ試合運びになっていった。
80分過ぎ、名古屋のゴール前のペナルティ内で、福岡の選手と競り合った稲垣が、ボールを手に当てる。しかしこれはVARが行われ、意図的な手の使用ではないと見なされて、ハンドとならない。この流れの福岡のCKから、今度はチアゴの手がボールに当たるが、これもVARを経て、ハンドにならない。どっちとも取れる状況で、ハンドを取られてPKでも仕方ない場面と感じたから、どちらも不問に付されたのはラッキーだったけれど、これもまたもやもや。
以降は福岡の押せ押せになり、決まっていてもおかしくないシュートも打たれたが、名古屋は持ちこたえた。後半のロスタイムは10分もあったが、ロスタイムに入ってからの名古屋は、相馬に代わって入った吉田豊も含め、逃げ切りを意識した手堅いプレーでしのぎ、1点差での逃げ切りを果たした。

勝ってよかったとは思いつつ、正直、もやもやとした気分が残った試合。名古屋は、特に申し開きが必要なことは何もしていないんだけど(敢えて言えば、最初の得点の場面だけど、あそこで名古屋が自発的に試合を止めるのはかなり無理だったと思うのは、上記した通り)、一連の成り行きを思い返すと、素直に勝ちを喜べなかった。残留争いに巻き込まれる可能性が相当低くなったという意味で、この勝ち点3は名古屋にとって、とても値打ちがあったということが分かった上でもそう。まあ、自分が元々、あんまり勝ち負けにこだわって試合を見てない、というのもあるけれど。
ただ、3点目の流れからのゴールは見事な崩しだったし、後半に投入されたレオナルドは、フィジカルの強さや判断の良さを見せてくれたと思うし、後半(特に数的優位後)の試合の進め方にはかなり疑問符が付くにしても、名古屋の良い部分も、いくつか見ることは出来た試合だった、とは思う。
まあ、福岡にまるっきり運がない試合だったんだなと、割り切るしかないのかもしれない。その相手が、たまたま名古屋だったというだけで。そういう試合は、名古屋を含め、どんなチームにもあるんだし。
でも、この敗戦が原因で福岡が降格、みたいな結果になったら、寝覚めが悪いだろうなあ、とは思う。
それにしても、審判団に同情したくなる試合だった。ここまで判断が微妙な場面が次々起きる試合も、そうはないだろう。そういう試合を、ルールに則って捌き切った主審の中村さんを始めとする審判団には、敬意を表したい。

| | コメント (0)

J1リーグ第27節 名古屋対G大阪

2022.8.27(土) 19時 豊田スタジアム
観客 31214人 主審 笠原寛貴 副審 堀越雅弘、鈴木規志

 名古屋グランパス 0(0−1)2 ガンバ大阪
           (0−1)

 得点 3分 大阪・パトリック
    87分 大阪・鈴木

DAZNで見ていた。

名古屋の先発はGKランゲラック、3バックが中谷、藤井、丸山、2ボランチがレオシルバと稲垣、右サイド森下、左サイド相馬、3トップに重廣、マテウス、永井。前週の磐田戦と同じ。まあ、これが現時点でのベストメンバーだと、長谷川健太が考えているんだろう。

試合が始まった直後は、双方のゴール前を行ったり来たりするせわしない展開。それがまだ落ち着かない3分に、ゴール前でガンバの攻撃陣にうまくボールを繋がれ、名古屋があっさり、パトリックにゴールを割られてしまった。
その後、試合はガンバペースで進み、ゴールに迫られる場面も度々。12分にはゴール前でうまく繋がれて、レアンドロ ペレイラにゴールを割られるが、その前のタイミングでパトリックがわずかにオフサイドラインから出ていて、ノーゴールになって助かる。
やがて、前半の飲水タイム付近を境に、ガンバが早々と引き気味に守りを固めてくると、ようやく名古屋が攻勢に出られるようになってきたが、今度は手厚い守りに手こずり、決定的なチャンスに持ち込むことがなかなか出来ない。そのまま前半が終了。

後半立ち上がりは、ガンバもいくらか前に出て来たので、名古屋も攻め込むチャンスは生まれてきたが、相変わらず決定機まで持ち込めない。53分にレオシルバと重廣を、仙頭と内田に代え、布陣もマテウスと永井の2トップに変えて、ペースを変えようとしたが、いまひとつ噛み合わない。逆に60分に、ガンバのCKから、レアンドロ ペレイラにゴールに押し込まれるが、オフサイドでゴールにならず。ただこれは、オフサイドポジションに居たガンバの選手が、ボールに対してプレーしたかどうかを問われる判断で、かなり微妙だった。個人的にはオフサイドを取らなくてもいいんじゃない?という感じで、名古屋的には助かったけれど、ちょっと気の毒な気がした。
この後のタイミングで、マテウスがレオナルドに交代。CKの少し前の57分、マテウスが自分が蹴ったボールがタッチを割りそうなのを追いかけて、無理な体勢からピッチ内に蹴り返した時にひざ?を痛めたらしい。
しかしレオナルドは、マテウスがやってきたような、走り回ってチャンスを作り出し、攻撃の起点になる感じではなく、名古屋の失速感は否めなかった。
84分には相馬と稲垣を宮原と永木に交代。
そして87分に、ガンバが途中交代で出した鈴木武蔵が、GKからのロングボールをペナルティの近くで納めて豪快なミドルシュートを撃ち、決まってとうとう0-2になる。
残り時間、名古屋はチャンスらしいチャンスも作れず、そのまま敗戦。

オフサイドで取り消されたガンバの2つのゴールも、明らかに名古屋がやられていて、個人的には正直言って、ゴールで良かったんじゃない、と思っている。名古屋は試合を通じて、決定的な場面をほぼ作れていなかったし、気分的には0-4の惨敗。それが0-2で済んだんだから、まあよかったんじゃ、くらいの感覚。
しかし、降格圏とはまだ差があるとはいえ、大丈夫なのか?、と思う。特にマテウスの状態が心配。万一、彼が離脱するようなことになると、戦術=マテウスでやってきた、今の名古屋は一気にガタガタになりかねない。レオナルドは、この試合での動きを見る限り、いいシュートもあったし、決して悪い選手ではないと思うけれど、タイプが全然違うから代役は務まらないだろう。かといって、戦術=マテウス以外の選択肢を、現状、チームで用意できるとも思えない。マテウスの無事を願うしかない。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧