J1リーグ第34節 名古屋対柏

2023.12.3(日) 14時45分 岐阜メモリアルセンター長良川競技場
観客 18475人 主審 上田益也 副審 日比野真、岩崎創一

 名古屋グランパス 1(0−0)1 柏レイソル
           (1−1)

 得点 71分 柏・マテウス サヴィオ
    90+5分 名古屋・ユンカー(PK)

 退場 90+3分 柏・ジエゴ

スタジアムで発生したトラブルで開場が遅れ、キックオフが予定から45分遅れ。トラブルの内容は、結局、あまりおおっぴらにはなっていないみたいだな…。
小雨が降っていたこともあって、試合開始前の入場は大混乱。事情が分かるまでは、また運営がなにかやらかしたのか?、と思った。今回は純粋に不可抗力のトラブルで、運営に責任はなかったけれど(もう少し、やりようがあったんじゃ、とは思ったが)、日頃が日頃なもので…。日頃の行いって、大事だなと思う。

J1残留争いの渦中にいた柏は、既に実質残留を決めていたし、名古屋も賞金額が絡む細かい順位争いはあるにしても、大きな物は何もかかっていない試合で、多分に消化試合だったと思う。
それを反映してか、名古屋の先発は少し変化があり、3バックは中谷が外れて、この試合が名古屋でのラストゲームになる丸山が入り、右が野上、中が藤井、左が丸山。ボランチは米本と、警告累積で出場停止の稲垣に代えて内田。右サイド久保、左サイド和泉。前3人は森島、永井、ユンカー。

試合が始まる頃には、屋根の下だったので体感的には分からなかったけれど、雨はやんでいた感じ。開始少し前には、虹も出た。

積極的に攻め合う立上りで、双方が互角にチャンスを作っていた。柏は相変わらず綺麗な連携で、トリッキーな繋ぎもあり、見ていて面白かったが、なかなかシュートまで行けない。名古屋の方がカウンター主体でシンプルなので、決定機に持ち込みやすいようには見えた。ただ、次第に柏が持つ時間が長くなって、20分頃には柏に決定的な場面が続いた。名古屋が押され気味に見え始めた。森島が割と前目の位置取りで、いまひとつ効いていないように思えた。
しかし前半終了近く、ユンカーの裏への縦パスから永井が抜け出し、ゴールを決める。いかにも名古屋らしい得点、と思ったが、オフサイドでノーゴール。
前半は0対0で折返し。

後半に入ると、名古屋が流れを掴んだように見えた。前半の前半に較べると、森島が少し引いた位置から、うまく組み立てているような感じがした。
しかしなかなか決定機には至らない。
20分に永井と久保を、貴田と森下に代えた。久保はこの日も食らいつく動きが目立ち、よくやっていたと思うけれど、ぼちぼち目一杯かな、という気がしないでもなくて、いいタイミングでシーズン終了を迎えたような気がする。オフの間に、さらに上を目指す感じかなと思う。
しかし25分に名古屋のCKのクリアから柏のカウンター。マテウスサヴィオの抜け出しを許し、一気にゴールを決められた。結局柏も、綺麗な崩しからでなく、カウンターでゴールってのが、なんとも。
追い掛ける立場の名古屋は、31分に両ボランチを下げて、山田がボランチ(森島もボランチのイメージだったかもしれない)、ターレスを前目に投入し、攻勢を強めたが、なかなか決定機を作れない。38分に和泉に代えて前田。それでもゴールの気配は薄かった。ロスタイム寸前、貴田が左からゴール前へクロスを入れ、逆から入った前田が合わせたが際どく凌がれる。
しかしこれがVAR判定の末にPK(DFのクリアが手に当たっていた)。ユンカーが決めて、土壇場で同点に追い付く。そのまま終了で、名古屋は今季リーグ戦、ホームゲーム無敗を達成。もっとも、8月半ばからのホームゲーム勝利なしも継続のまま、来季に向かうわけだ(^-^;。

名古屋はこれで鹿島に抜かれて、リーグ戦6位でフィニッシュ。前半戦2位で折り返したことを思えば、物足りない結果には違いない。中心選手だったマテウスを抜かれたことによる低迷は仕方なかったと思うのだけど、それ以降、建て直しが出来ずに、ほとんど勝てずに終ったことは、問題なしとは思わない。かなり最後の方まで、一応優勝の可能性のある圏内にいたのは、神戸とマリノスも失速したからだし、それがなければ、とっくに可能性はなくなっていた。6位で終れたのも、前半の大量の貯金が効いたからで、後半の成績だけなら、残留争いに噛んでいてもおかしくはなかった。
まあ、それだけマテウスの存在が大き過ぎたし、そこに依存し過ぎたチームだった、ということではあると思う。結局終盤までチームを切り替えられなかったことについては、優勝の可能性がいつまでもちらついていたせいもあるのだろうな。そういう意味では、監督だけの責任と考えるのは、少し酷な気はする。
鳥栖戦あたりから、ようやく切替の雰囲気が出て来てはいたわけで、その流れで来年に向かうんだろうと思うけれど、中心選手の移籍話もあるようだから、どうなるかはわからんわな。もっとも、森島が来年も居るのは確実だろうから、終盤の試合で森島が見せ始めた存在感が、とりあえずチーム作りの基本になるのは間違いないんだろう。

成行きで、今年はホームに11試合も行ってしまった。過去にそこまでの回数行った年はないし、これからもないと思うんで、そういう年に何か結果を残して欲しかった、という気持ちはないではないけど、まあ、仕方ない(そこまでのこだわりもない)。
来年は、陣容が何も見えてない現時点では、何ともいいようがないが、それなりに可能性は見えていたとはいえ、今年の後半の流れのまま行ってしまうと、余裕で残留争いに絡む可能性もあると思う。陣容次第ではあるけれど、それこそ今度こそ、長谷川健太のお手並み拝見というところだな。

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雨がやんで、虹が掛かった試合前。
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柏サポのみなさん。
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試合後の最終戦セレモニー。日が出ている間は、そこそこ暖かかったのだけど、この頃になると、試合開始が遅れた影響もあり、すっかり日が暮れていて、寒かった。
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J1リーグ第33節 神戸対名古屋

2023.11.25(土) 14時 ノエビアスタジアム神戸
観客 25365人 主審 清水勇人 副審 三原純、道山悟至

 ヴィッセル神戸 2(2−1)1 名古屋グランパス
          (0−0)

 得点 12分 神戸・井出
    14分 神戸・武藤
    30分 名古屋・ユンカー

名古屋が負ければ(神戸が勝てば)、神戸の優勝が決まる試合だった。
所用でリアルタイムでは見れなかったので、夜、帰宅してからDAZNで見た。神戸の優勝が決まったら、さすがに日頃とは違うレベルでニュースに流れるだろうから、事前に結果を知ってしまわないように、最新の注意を払っていた(^^;。

名古屋の先発は、このところ2試合と同じ。

開始直後は、名古屋も積極的に攻めていたけれど、次第に神戸の分厚い攻撃陣に押し込まれるようになった。そして12分に、スローインからの流れで、速い展開で大迫がゴール前へ入れたボールを井出に決められる。ワンタッチで、ポストに当てながら、よく決めたな、と思ったのだけど、これが勢いというものなんだろう。
2分後には、佐々木→大迫→武藤の流れで、早々に追加点。これもそう簡単な得点ではなかったと思うし、神戸の勢いに飲み込まれたような、立て続けの失点だった。この時点では、惨敗での優勝献上を覚悟した。
その後も、神戸ペースの試合が続いた。名古屋は23分に、早々と久保を森島に代えて、和泉をサイドに下げ、森島をトップ下的なポジションに置いた感じ。流れを変えようというイメージだったのかな。ちなみに久保は、頑張ってはいたけれど、武藤あたりとのマッチアップで、かなりいっぱいいっぱいな感じに見えていたから、これはこれで悪くない交代だった気はする。
しかしその後も神戸の優勢は続き、決定機も作られていた。29分にはDFのこぼれ球を拾われて、佐々木にGKと一対一まで持ち込まれる決定的な場面を迎えたが、シュートがわずかに逸れてくれた。ここで0-3になっていたら、完全に決まっていたと思う。そして、ここが転機になった感じ。
直後の30分、神戸GK前川のゴールキックを、名古屋陣内で藤井が跳ね返したボールが神戸陣内に落ちた所へ、ユンカーがいちはやく到達してゴールへ疾走。DFに寄せられながらも、うまくかわしてアクロバティックなシュートを放ち、得点を決める。事故っぽい状況を生かして、ゴールを決める技術の確かさを見せる、いかにもユンカーらしいゴールで1-2。まだわからないかな、という気配が出て来た。
森島のボール捌きが、名古屋の攻勢を呼び起こしたとも思う。この後、前半終了までの時間は、名古屋の方に流れがあった。きわどいシュートが何本もあったが、紙一重で追加点には至らず。

後半も名古屋に勢いがあったけれど、神戸も決定機に持ち込む場面を度々作った。しかし神戸は、最初の2得点以降はシュートに精度を欠いて、枠になかなか飛ばなかった。
66分に名古屋は、米本と稲垣を山田と前田に交代。前田を前線に入れて、森島と山田がボランチ。そして、76分に前田が、永井のクロスを頭で合わせ、クロスバーを叩くきわどいシュート。
80分には永井が中島に交代。
攻め合う展開だったけれど、この後、得点は動かず、1-2で名古屋が敗れ、神戸の優勝が決まった。

立上りの神戸の気迫に屈したのが全てだった、という感じがする。神戸は度々シュートチャンスを作りつつ、結局、最初の2ゴールのような決定力を、その後は見せることはなかったから、あの時間帯さえ耐え切れていれば、と思えるのだけど、まあ、その時はまた別の流れがあったかもしれないし、言っても詮無いことではある。
それにしても、前半の後半以降は、名古屋が五分、もしくはやや優勢な試合展開に見えたし、内容も決して悪くはなかった。確かに優勝に値すると思える神戸と、ここまでいい試合が出来たんだから、名古屋も決して悪いチームではないということだよな。
森島投入が効いたのは確かだったと思う。前の湘南戦も森島はかなり良く見えていたから、この試合で先発で起用しても良かったのでは、と思うのだけど、まあ、長谷川健太には、何か考える所があるのかもしれない。とはいえ、来年は、とりあえずは、森島を軸にチームを作っていくことになるんだろうな。

神戸に関しては、今年のホームでの試合は現地で見たけれど、その時も、勢いだけではなく、本当に強さを感じた。補強で人材が揃ったこともあるにしても、10年以上もこのチームに関わり続けて、知り尽くした吉田孝行が作り上げたチームという感じがする。何かと話題の多い、このチームのことだから、雑音など、いろいろ面倒なことも多かっただろうけど、よくここまで持ってきたと思うし、素直に敬意を表したい気持ち。

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J1リーグ第32節 湘南対名古屋

2023.11.11(土) 14時 レモンガススタジアム平塚
観客 11227人 主審 西村雄一 副審 五十嵐泰之、穴井千雅

 湘南ベルマーレ 2(2−0)1 名古屋グランパス
          (0−1)

 得点 15分 湘南・大橋
    23分 湘南・大橋
    63分 名古屋・久保

現地観戦。一面の曇り空で、雨がぱらついて来ないか、少し気になっていたけれど、それは問題なかった。
名古屋は、ACL絡みの順位の可能性を残しているとはいえ、消化試合に近い状況だったし、湘南はJ1残留がかかっていたから、モチベーションが違う。そもそも名古屋は、このところ、ほとんど勝てていないし、楽な試合にはならんだろうなとは思っていた。

名古屋の先発は2週前の前節と同じ。

両チームが積極的に攻め合う試合の入りになった。名古屋は前節の鳥栖戦も、こういう試合の入り方をして、優勢な展開に持ち込んでいたと思う。ただ、前節では明らかに押し気味になっていたけれど、この試合は攻める一方、度々攻め込まれていて、五分五分な印象だった。決定機も双方に同じくらい生まれていた。そして、先に決定機を物にしたのは、湘南の方。
15分に、中盤から阿部が左サイドゴール前へロングパスを送り、走り込んだ平岡が受けて大橋につないで、その大橋に決められた。守備を完全に崩された失点だった。
ただ、湘南は先制しても逃げ切れてない試合をしてるイメージがあったので、まあ、何とかなるんじゃないかとは思った。実際、この後も名古屋の決定機が生まれたが、相手GK(ソン ポムグン)が好守連発したこともあり、得点に至らない。
逆に23分に、名古屋が湘南のゴール前に人数を掛けて攻め込んで、自陣に選手がほぼ残っていない状況で、クリアされたボールを阿部に拾われ、そこからパスを受けた大橋にゴールまで独走された。大橋のループシュートは、ランゲラックが辛うじて触って、一旦は阻止したものの、ボールは大橋の方へこぼれ、再度シュートされて0-2。
さすがに2点差はキツイな、というのが、この時点での正直な感想。
この後も双方が攻め合う展開だったが、どちらも得点は出来ないまま、前半終了。

決定機の数自体は同じくらいだったと思うが、湘南は複数の選手が意思疎通しながら、厚みのある攻撃を仕掛けていたように思えた。一方の名古屋は、絡む人数が少なく、単発な攻撃で終ってしまうことが多いように感じられた。
また、2点目の失点は、改めて見直すと、あまりにも無防備だったと思う。ビハインドを背負った試合終盤のようなノーガードでの攻撃で、あの時間帯にそこまでやるか、という感じはした。

名古屋は後半、永井に代えて森島を投入。
この試合の森島は、今まで見た中では一番良かったように思った。トップからは少し下がり目な位置取りで、うまく攻撃に作っていた。
63分、相手ゴール前への縦パスを和泉が受け、久保に繋いで、さらに森島が受けてシュート。相手DFに当たったこぼれ球を、久保が拾ってシュート。決まって名古屋が1点を返した。
名古屋がなかなか出来ない連動した攻撃が、この場面では出来た。こういう場面をコンスタントに作れるようになれば、来季につながるのかなと思う。ただ、ここは、ボールが主審に当たって、ドロップボールでリスタートした流れで、一旦リセットしたところからだったので、セットプレー的にやりやすかったのかな、という気はしないでもない。
あとは、やっぱり1点差なら追い付けたんだよな、と思ったのだけれど、時間が早かったこともあり、この時点では、まだ追い付けるかもしれん、とも思った。
しかし、これ以降、名古屋が優勢な気配にはなったものの、一方的な展開には持ち込めなかったし、逆に湘南に攻め込まれる場面もあった。
75分に稲垣を貴田に交代。87分に和泉を中島に交代。ロスタイムには米本を吉田に交代。吉田は時間が少な過ぎたし、正直、貴田はほとんど印象にないが、中島は前線でポストとして、それなりに効いていた気がする。終了間際には、中島の走り込みでCKを獲得。
ラストプレーと思われたこのCKで、ランゲラックが前線に上がり、こぼれて来たボールをランゲラックがヘディングでシュート。しかしソン ポムグンに抑えられ、奇跡の同点ゴールとはならず。そのまま試合終了。

2週間、間が空いていたので、直後はあまりピンと来なかったけれど、あとで考えてみると、鳥栖戦を思わせる試合だったような気はする。選手の使い方がよく似ていたし、その結果か、攻撃が活性化していた。
キーマンは米本という感じがしたり、久保がよくやっていたところなども、鳥栖戦の印象に重なった。
それでもやっぱり勝てないんだけど、この形を発展させていけば、活路は見えるのかもしれない。もっとも、最終的には来年の話になるだろうし、選手の顔触れも含め、そうやって見えた形を、どの程度、来年に引き継けるかわからないけれど。
それから、ここへ来て、毎試合、あまりにもあっさり失点してしまっているのは、解決しないといけないもうひとつの問題だろう。シーズン終盤での選手の疲れてるというのも、原因の一部ではあるんだろうけど、全てではないよね。ただこれも結局、来年の陣容が決まらないと、どうしようもないだろうな。

湘南GKのソン ボムグンは、8月に故障離脱してから、久々の復帰戦だったようで、気合が違ったのかもしれない(試合終了後に場内で流れたインタビューでは、感極まっている場面もあった)。決定的なシュートをあそこまで止められては、やはり厳しい。そういう意味では、この試合は、鳥栖戦の朴一圭や福岡戦の永石の大当たりとも、通じるものがあったかもしれない。GKの能力、巡り合わせというのはあるにしても、なぜそういう試合ばかりになってしまうのかという理由を、考えてみる値打ちはあると思うな。名古屋の攻め方に、そういうものを呼び込む要素があるのでは、というような。

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J1リーグ第31節 名古屋対鳥栖

2023.10.27(金) 19時 岐阜メモリアルセンター長良川競技場
観客 11736人 主審 清水勇人 副審 西橋勲、眞鍋久大

 名古屋グランパス 1(0−0)1 サガン鳥栖
           (1−1)

 得点 65分 名古屋・ユンカー
    89分 鳥栖・富樫

 退場 50分 鳥栖・山崎(一発)

豊田スタジアムを、トヨタのラリーで使われてしまったので、24年ぶりに長良川で開催された名古屋のホームゲーム。
現地観戦。自分の長良川での観戦は25年ぶり。バックスタンドの芝生席で見た覚えがあるけれど、今回はメインスタンドの椅子席。
試合開始前に雷雨があり、入場開始時間が遅れたりしたが、試合開始時点では雨は霧雨程度になっていたし、試合開催自体には影響はなかった。ただ、試合中も、遠くで雷が光っているのは見えていた。試合半ばにそれなりの雨が降った時間帯もあった。屋根がかかる席だったので、助かった。

名古屋の先発の前節からの変更は、3バックは、前の試合の途中で河面が負傷交代した後のメンツで、左から、藤井、中谷、野上。2ボランチ(稲垣と米本)と右サイド(久保)はそのままで、左サイドに出場停止明けの森下。前3人は、森下の復帰に伴い、和泉が1列前に出て、ユンカー・永井と組んだ。ただ、和泉はおおむね、トップ下ぽい位置取りだったと思う。中島が先発を外れた。

立上りから、前節勝利の流れを受けて、名古屋が優勢に試合を進めた。
ガンバ戦の前だったら、鳥栖のような動きの速さと当りの強さが売りのチームには、自陣から出ることもままならないような試合運びになっていたと思うが、この試合では互角以上に渡り合っていた感じ。やはり目を引いたのは、ガンバ戦に引き続いての先発だった米本で、寄せの速さと、確実に競り勝つ強さで、鳥栖の流れをきっちり止めるのを度々見せてくれた。中盤で勝てる試合運びが出来ていたのは、間違いなく米本の貢献あってのことだと思う。それから久保も、ガンバ戦同様に、よく動いて攻守双方に効いていた。
優勢に試合を進めていたにもかかわらず、10分に鳥栖のバックラインからの放り込みから一気に攻め込まれ、ゴールに蹴り込まれたが、VARの介入とオンフィールドレビューの結果、後方から蹴り込まれたボールのトラップでハンドが認定され、ノーゴール。
そこからは、ほぼ名古屋が攻め続ける展開になったが、鳥栖戦では毎度のことながら、GK朴一圭の守備を破り切れない。決定的とも思えるシュートを次々阻止された。
それでも41分に、ランゲラックの放り込みを、前に出て処理しようとした朴一圭がボールの処理をミス。詰めた永井が拾ってゴールに蹴り込んだ。ついに先制かと思ったが、これもVARが介入し、オンフィールドレビューで、永井にハンドがあったとの判定でノーゴール。その後も名古屋はチャンスを作りつつ、得点出来ないまま、前半終了。
とはいえ、明らかに名古屋が優勢な試合運びだったので、後半にはなんとかなるんじゃないかという期待は持てる内容だった。

そして後半序盤の50分、ユンカーが左サイドでボールを持ち、抜け出しかかった所を、鳥栖の山崎に倒される。山崎は一発退場で、名古屋は数的優位になった。
これでいよいよ名古屋が攻勢を強めた。ただ、数的不利になった鳥栖が守備に徹して、得点するのが難しくなるのでは、という懸念は感じたし、実際、攻め込みながらも、なかなか得点は出来なかった。
61分には永井が中島に交代。
そして65分、左サイドで森下との連携で攻めあがった藤井が、ゴール前を横切る浮き球のクロスを入れ、逆サイドから久保が詰めてゴール前へ折返し、ユンカーが詰めてついにゴール。
正直、これで、勝ったと思った。
その後も、名古屋は優位に試合を進めた。77分に和泉を森島に交代。試合終了が見えて来た86分には、ユンカーと米本を、前田と内田に交代した。米本の交代は、警告を1枚貰っていたからかな。故障明けということも、意識していたのかもしれない。いずれにしても、後は守り切って勝つ、という意図だったと思うんだけど。
89分、右サイドを横山に突破され、中に入ったクロスを富樫に合わされて、あっけなく失点。1-1の同点になる。
さすがにバタバタになった名古屋に対し、鳥栖は猛攻を掛けてきた。残り少ない時間の中でも、決定的なシュートも撃たれたが、ランゲラックが好セーブで持ちこたえ、さすがに勝ち越されることはなかったが、引分け終了。

1人少ない相手に追い付かれる残念な試合。鳥栖の決定機らしい決定機は、序盤の取消しになったゴールシーン以外は、89分の得点の場面までなかったわけで、勝負弱いにもほどがあるというか。
自分は基本的に、勝ち負けにはそんなにこだわらないで試合を見ているし、相手チームの方が面白いと感じると、向こうが勝つ方が正義だよな、と思ってしまうこともあるくらいだけど、さすがにこの試合は、これはないよと思った。
たった一度の相手の決定機で、守り切れない守備が悪いのか、数的優位も含め、あそこまで相手を圧倒していながら、1点しか取れなかった攻撃が悪いのか。
米本を下げたあたりで、ほぼ勝った気になってしまったのが、結局効いてしまったのかもしれない、とも思う。
ガンバ戦で久々に勝って、いい雰囲気になりかけた所に、水をぶっかけたような試合になってしまった感じ。これで優勝の可能性も完全消滅した(個人的には既に、もうないよ、とは思っていたが)。
救いは次の試合まで2週間空くことかもしれない。それが建て直しのための冷却期間になる。それとも、今度こそ本当に腹を括って、完全に来年を見据えた戦い方に切り替えてくるか。自分としては、中途半端に今季の成績にこだわるより(まだACL枠は可能性がある)、後者の方がいいんじゃないかと思っている。

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鳥栖サポのみなさん。
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J1リーグ第30節 G大阪対名古屋

2023.10.21(土) 14時 パナソニックスタジアム吹田
観客 23153人 主審 岡部拓人 副審 淺田武士、岩崎創一

 ガンバ大阪 0(0−1)1 名古屋グランパス
        (0−0)

 得点 26分 名古屋・藤井

所用でライヴでは見られず、夜に帰宅してから、DAZNの見逃しで見た。

名古屋の先発は、先週のルヴァン準決勝の福岡戦から、結構変わった。
3バックは左が丸山から河面に交代。ただ、ここは元々、リーグ戦は河面で来ていたから、戻しただけのようではあったけど、丸山に代えても、結局、失点は抑えられなかったしな、とは思った。
ボランチが稲垣と米本の組み合わせで、先週はU21枠で吉田を使ったのを、米本に入れ替えた。米本は、故障明けなのに、あんなずるずるのピッチで使っていいのかと思ったけれど、大丈夫だったみたい。
左サイドは内田が和泉に交代で、これは順当。右サイドは森下が出場停止で、代りに久保。
前3人がユンカーと中島と永井で、和泉が1列下がった分、中島が入った。ただ、前3人と言っても、ユンカーと中島が2トップという感じで、永井は1列下がり目。米本や稲垣が上がり目になると、中盤上がり目を二人で構成するような形。
中島と久保の先発起用は、やはり割り切ってきたかな、という印象。そういうわけではない的なことを、試合後のインタビューで長谷川健太は言っているけれど。でも、森島は使わないんだな、とも思った。

試合は立上りから五分五分な感じに見えた。ガンバは割ときれいに形を作って、崩して来ていたけれど、そういう攻め方には、名古屋は比較的楽に対応出来ているように感じた。リーグ戦前節の広島戦の前半も、そういう印象だった。ただ、あの試合は後半、広島が強力なFW陣を投入すると、一気に崩壊しちゃったのだけど。
26分に名古屋は左CKを獲得し、和泉がショートコーナーを蹴って、戻りをゴール前へクロスを入れ、藤井が合わせて先制。
先手を取って、この後の名古屋は、勢い付いたように思えた。しかし38分に河面が接触プレーの後で座り込み、一度は復帰したものの、結局交代。今日は丸山が控えにもいなかったので、3バックは左が藤井で、右に野上が入った。ただまあ、これも実績のある形ではあるから、そんなに不安感はなかったと思う。前半終了間際に、ゴール前に攻め込まれたが、ランゲラックの好守で守り切った。

名古屋が1-0とリードしたまま、後半に入り、やや引き気味に守りながら、カウンターで追加点を狙うという展開だったと思う。ただ、ユンカーが度々ボールを持つものの、やはり厳しくマークされていて、そこから先へはなかなか進めなかった。ファールでFKを貰うことも多かったが、生かし切れなかった。
77分に永井が森島に交代。
そのすぐ後、森島のCKからゴール前でチャンスになるが、こぼれ球をユンカーが押し込み切れず。ああいうのを決めるのがユンカーだったがな、と思ったけれど、厳しいマークを受け続けることで、調子が狂っているのかもしれないな。
このあたりから、いよいよガンバの攻勢が強まって来たが、そこで存在感を発揮したのが久保。ガンバの、主に黒川が度々サイドで仕掛けて来るのに対し、粘り強く競り勝つことを繰り返した。このところ、サイドから簡単にクロスを入れられて、中で競り負けて失点というパターンが目立っていただけに、久保の奮闘は心強かった。
結局、1-0のまま逃げ切った。8月以来のリーグ戦の勝ち試合で、ビジターでの勝利に至っては5月以来という、本当に久々の勝ちだった。

ガンバが、戦術的にやりやすい相手だったというのと、強力なFWが居なかったのが、勝てた理由の一部と思うので、次の鳥栖戦は、また違うことになるのでは、とは思うのだけど、とりあえずひとつ勝てたのは、名古屋にとって心理的に大きいだろうな。
もちろん、相手だけではなく、名古屋にもここしばらくの試合とは違う要素があった。米本の復帰は大きかっただろうけど、一番印象に残ったのは、やはり久保。フルタイムでもこれだけやれるし、守備でも貢献できるというのを見せてもらった。彼はほぼ間違いなく、来年も居るだろうし、先々に向けていい材料だったと思う。次節は森下が戻って来るけれど、どういう起用になるんだろうか。
中島もフルタイム出場で、今まで見た中では一番、前線のポイントとして機能していたようには思った。
河面の状態が気になる。次節も野上を入れての3バック、ということになるのかどうか。

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ルヴァン杯準決勝第2戦 名古屋対福岡

2023.10.15(日) 15時 豊田スタジアム
観客 24876人 主審 今村義朗 副審 武部陽介、森川浩次

 名古屋グランパス 0(0−1)1 アビスパ福岡
           (0−0)

 得点 5分 ウェリントン

現地観戦。
第1戦を福岡が1-0で勝って、迎えた準決勝第2戦。名古屋が決勝へ進むには、2点差以上で勝つか、1点差で勝って、PK戦で勝つ必要があった。

名古屋の先発は、第1戦のメンバーとの比較で、前線3人からは中島を外して和泉。その結果、U21枠がいなくなったので?、ボランチに吉田温が入り、稲垣と組む形。和泉が1列上がったので、左サイドには内田が入った。あとは第1戦と同じ。
前3人がこの構成の方が、点は取れそうな気がする、とは思った。とにかく90分で、最低でも1点取らないといけない試合だったわけで、妥当なメンバーかなという感じ。
一方の福岡は、ある程度、選手の入替はしつつも、ウェリントンが第1戦に引き続いて先発するなど、第1戦のいい流れを維持していこうとするメンバーかなと感じた。

試合が始まってみると、芝の状態が相当悪いらしく、選手が滑りまくっていて、こんな所で試合をやっていいのか?、と思うほどだった。この試合の後は、ラリーのためにはがしてしまう予定の芝だから、十分な整備がされていなかったのかもしれない。それだけでも気持ちがだいぶ下がった。せっかくホームに戻って来たのに、この状態で、選手のモチベーションに、影響がなかったんならいいんだけど。

そして、名古屋は開始直後にチャンスを作りはしたものの、5分に先制したのは福岡の方。CKからゴール前に入ったボールがルーズになった所を、ウェリントンに押し込まれた。これで名古屋は2点を取らないといけなくなった。
もっとも、やや福岡優勢かなという流れながら、永井、ユンカーという飛び道具があるから、チャンスはあるはずと思っていた。その通りになったように思えたのは21分。森下の右からのクロスを、ユンカーが触って流し、永井が押し込みゴール。
しかしここでVARが入り、結構あっさり、オフサイドでノーゴールの判定が出てしまった。現場では分からなかったけど、後で映像で見ると、森下のボールが出たタイミングでは、永井が確かに、オフサイドを取られて仕方ない位置にいた感じ。
とはいえ、これで福岡にプレッシャーがいくらかかかって、やりやすくなるかも、という期待はあったし、名古屋にいくらか流れが来たようにも思えた。40分前後には福岡ゴール前に押し込んでの猛攻もあったが、GK永石の好守もあり、ゴールは決められなかった。
前半0-1で終了し、折返し。

後半立上り、名古屋が攻勢に出て攻め込むが、やはりなかなかゴールに迫れない。ようやく8分にユンカーが、ペナルティ内でドリブルを仕掛けて行こうとして、グローリと接触して転倒。主審がPKを指示。
しかしこれがまたVAR。今度はかなり時間がかかり、あまりよろしくない雰囲気だなと思っていると、オンフィールドレビューの末、やはり取消し。
これも現場ではよく分からなかったけれど、後で映像を見ると、グローリが倒したというより、ユンカーがたまたま引っ掛かっただけのように見えて、PK取消しも仕方ないか、という感じ。ちなみに、ユンカーにもシミュレーションの警告は出ず、ドロップボールでの再開になった。単なるアクシデントという判定に変わった、ということらしい。
このあたりで名古屋の勢いはほぼ失われてしまった感じ。
64分に名古屋は、内田、永井、吉田を、前田、中島、森島に交代。入った選手一人一人は、それなりの動きは見せたと思うけれど、チームとしては形にならず、むしろ福岡の方に好機が生まれていた感じ。
74分に和泉が米本に交代。これは正直どうかと思った。故障明けの米本を、こんな不安定なピッチで使うのは、再度故障するリスクのある交代と思ったので。故障はともかくとしても、ダメージは残らなかったのかどうか。
さらに83分に、稲垣が久保に交代。
久保は良かったと思う。とにかく攻めるしかない状況で、引いて守ってくる相手に対して、積極的によく動いて突っ込んで行った。ルヴァン杯準決勝のホームの鹿島戦の時同様、こういう状況に向いている選手だと思う。久保が入った効果もあり、試合終盤の10分くらいになってからは、名古屋がゴールを攻め立てる時間が続いた。しかし福岡のGK永石が、立て続けのファインセーブを見せて、得点に至らず、名古屋はこの第2戦も0-1で敗れ、ルヴァン杯は準決勝での敗退となった。

福岡が、決勝進出にふさわしい、いい試合をしたと思う。特に2試合フルタイム走り回った上に、ゴールを決めたウェリントンと、ファインセーブ連発の永石が素晴らしかったけれど、全体的にも選手が意思疎通がしっかりしていて、チームとしても機能していたと思う。
逆に名古屋は、一人一人の出来も素晴らしいと言えるほどのものではなくて、簡単に競り負けてボールを奪われる場面や、ミスパスなども目立ったけれど、それ以上に、チームとしての連動性がほとんど失われていた。順当負けとしかいいようのない試合だったという感じ。
名古屋は、ルヴァン杯はこれで終了だけれど、この後に残ったリーグ戦を、どう戦っていくのか。まだ上位に食い込む可能性は残しているけれど、個人的には、あまりそれにはこだわらずに、来年を考えた試合をしていった方がいいのでは、と思っている。ただ、来年、誰が残るのかも、よく分からないのだけど。

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福岡サポのみなさん。
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試合後、豊田スタジアムから見た豊田のたそがれ。
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帰る時、豊田市駅から見えた花火。この日は豊田は挙母祭りだった。
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ルヴァン杯準決勝第1戦 福岡対名古屋

2023.10.11(水) 19時 ベスト電器スタジアム
観客 6980人 主審 飯田淳平 副審 聳城巧、坊薗真琴

 アビスパ福岡 1(1−0)0 名古屋グランパス
         (0−0)

 得点 45+3分 福岡・鶴野

スポーツライブプラスで見ていた。

名古屋の先発は、前の試合(リーグ戦のビジターの広島戦で、1-3で完敗した)から大きく変えてきた。まあ、そもそも、その広島戦の先発自体、そこまでの試合からかなりいじっていたのだけど、それはともかく。
3バックは左が河面から丸山に変更。ボランチは前の試合が稲垣の1ボランチでスタートしたのを、稲垣と山田の2人。2人で組んだ試合では、このところ、稲垣の相方は内田が定番だったのを変えてきた。左サイドが森下から和泉、右サイドが野上から森下に変更。前3人は前田、永井、中島で、中島はU-21対応で必要な起用だけど、ここのところ、前田と組む先発のFWはユンカーだったのを永井に変えてきた。

意図が想像できる所もあれば、そうなの?と思う部分もあったが、まあ、見てみようかという感じ。
ちなみに福岡も、日曜に天皇杯の準決勝をやったばかりで、その試合から先発を10人入れ替えていたそう。天皇杯の先発は、先日リーグ戦でやった時のメンバーが揃っていたようだったから(そんなにちゃんと確認はしてないが)、ある意味、控え主体のメンバーなのかな、という気はした。結局、決着がつくのは第2戦だから、第1戦は引分け狙いくらいのつもりかもしれない、とか、ウェリントンが先発ということで、少し戦い方を変えてくるのかも、とか、漠然と思っていた。

試合の立上りは、最初からやられ放しだった印象のあるリーグ戦の時よりは、五分に近かったように感じられ、やはり控え主体のメンバーなのかなと思ったのだけど、結局は、次第に福岡が主導権を握る展開になっていったように思う。それでも、ゴール前を崩し切って来るほどの攻勢ではなかったし、30分頃から、名古屋の攻勢が目立ち始めた。34分に永井のパスを中島が捌いて、ゴール前に右から入って来た前田が受けて鋭いシュート。GKに阻まれたが、名古屋にいい流れを呼び込みかけたと思う。
しかし37分に福岡は、足を痛めた平塚を紺野に交代。ここが分かれ目になった感がある。これ以降、紺野に左サイドから崩されて、危ない場面が続き、ロスタイムに、ついに紺野の入れたクロスを、逆から入って来た鶴野に合わされて失点。ディフェンスの人数は揃っていたのに、ゴール正面にいるウェリントンに気を取られて、鶴野はノーマークだったし、そもそも紺野の動きに誰もついていけていなかった。完全にやられてしまった失点。

後半は中島がユンカーに交代してスタート。立上りは名古屋が攻め込む場面が続き、前田が惜しい場面を作ったが、得点には至らず、また流れが福岡に行き始める。
それでも後半は、福岡が慎重な試合運びに転じた気配があり、前半よりは名古屋がボールを持つ時間は増えていたと思う。しかし攻めきれない。選手同士の連携が機能しないし、1対1で名古屋の選手が競り負けることも多く、ボールを奪われて反攻される場面がやたらと目立った。
74分に山田、前田、永井を内田、森島、貴田に交代。
山田を内田に代えるのはともかく、点を取りに行かないといけない状況で、2人のFWを森島と貴田に代えるのはどうなんだろうと思ったし(とはいえ、他に誰かいるかといえば、居ないのも確かだな)、ここから名古屋が攻勢に転じた気配もあまり感じられなかった。
最終盤はさすがに名古屋が福岡のゴール近くで攻め立てたものの、決定的な場面を作ることなく試合は終了。終盤に、警告を受けている選手を交代させる余裕も見せて、手堅く守った福岡が、1-0で第1戦を物にした。

もっとも、名古屋は第1戦を失ったとはいえ、実質、180分1本勝負みたいな試合なので、それほど大きなダメージではないんじゃないだろうか。後半90分をホームで戦うわけで、1点のビハインドはそれほど重くないのではと思う。チーム状態は決して良くないけれど、広島戦や札幌戦のように、ユンカーが個人技でどさくさで得点するというのは十分期待できるし、前田が次第に調子を上げている気配も感じられる。得点さえできればなんとかなるわけで、勝機はあると思う。

ただ、チーム状態の悪さは、それとは別問題として、深刻に思える。まだリーグ戦を5試合残している現状で、それなりの結果も期待できないようだと、さすがにいろいろと雑音が出てきそうな気がする。タイトルを取ってしまえば、そんなものはどうでもよくなるのかもしれないが(マッシモの時は、そうはならなかったが…)。
もっとも、長谷川健太の来季の続投は決まったようだし、チームとしては、今年のこの先の結果は気にしないという方向なんだろうから、実際に何かが起きる可能性は、ほぼないだろうが。
ちなみに、個人的には、マテウス離脱後にチームが低迷し始めたのは仕方ないと考えているので、長谷川健太とチームが、今年はここまでと割り切っているとしても、やむを得ないと思っているし、特に苦情を言いたいとは思わない。だからといって、来年に過大な期待を持ってもいないけど。

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J1リーグ第29節 広島対名古屋

2023.9.30(土) 19時 エディオンスタジアム広島
観客 17728人 主審 上田益也 副審 浜本祐介、岩田浩義

 サンフレッチェ広島 3(0−0)1 名古屋グランパス
            (3−1)

 得点 57分 名古屋・ユンカー
    72分 広島・加藤
    81分 広島・ドゥグラス ヴィエイラ
    85分 広島・エゼキエウ

神宮球場へ行っていて、リアルタイムでは見れなかったので、帰宅してからDAZNで見た。

名古屋の先発は、GKとDFはいつも通りだったが、中盤は前節から大きく変えた。稲垣を1人ボランチに置いて、中盤左サイドが森下、右が野上。中盤前目の内側に和泉と森島。2トップがユンカーと前田なのは、前節と同じ。
前半の前半は五分っぽく見えていて、序盤にユンカーが左サイドから入れたクロスがポストを叩いたり、ユンカーのパスを受けた前田が、決定的ぽいシュートを打ったり(GKにセーブされた)という場面もあった。
広島は、このところ、リーグ戦の対戦相手として見て来た、横浜FC、福岡、札幌のどのチームよりも洗練された攻撃を仕掛けていたと思う。アイディアの感じられるビルドアップとか、正確に繋ぐ技術の高さとか。ただ、それに対しては案外、名古屋は対応できていた気がする。愚直にひたすら押し込んでくる相手よりも、むしろやりやすいのかな、という感じ。
しかし試合が進むにつれて、次第に広島に主導権を握られてしまうと、いつ得点されてもおかしくないような流れになってきた。ゴールにも2回ボールを打ち込まれた。どちらもオフサイドで救われたけれど。どうにか持ちこたえて、前半終了。

後半は前田に代えて永井、森島に代えて内田。これに伴い、中盤の構成も変わり、内田と稲垣の2ボランチで、前目に和泉という感じ。
この中盤の構成の方が、シンプルにカウンターを狙う名古屋にとっては、向いているんじゃないかな、という気がした。前半は中盤の前目がごちゃついていたように思えた。分厚く攻めることが出来ていたのならいいのだけど、単純に人の整理がついていなかったようにも見えたので。
そして、57分にユンカーが、永井からのパスを受けてDFと入れ替わるようにして抜け出し、ゴールへ向かって決めてしまう。今回もいかにもユンカーらしい見事なゴールだったけれど、こういう得点を狙うなら(もしくは、こういう形でしか得点が決められないなら)、やはり中盤の前目は、そんなに重くない方
がいいように思える。
ともあれ、この得点で、勝てるかな、という気がしてきたのだけど、72分に、広島が途中投入してきたばかりの越道に、あっさり左サイドを破られてクロスを上げられ、中で加藤に合わされて失点。守備陣が、広島のスピード感に後れを取っていた感じ。こういうあっさりした失点が、しばらく前から、本当に目立つようになった。DFが疲れているんだろうな、という気がするのだけど。
この辺から後は、完全に広島ペース。
74分に野上とユンカーと、ターレスと中島に代えたが、それで何かがうまく回り始めたという感じは、ほとんどなかった。
逆に広島は、後半途中投入してきた前線の2人、エゼキエウとドウグラス ヴィエイラが、次第に効果を上げ始めた。
76分、エゼキエウからのパスを受けたヴィエイラが、ペナルティ内でDFの裏へ抜け出す決定的な形。これを河面が阻止に行ったが、ヴィエイラを倒してしまいPK。さすがのランゲラックも、このPKは止められず、2-1と逆転された。
そして81分にも、ゴール前を崩されて、もう1失点。
直後に和泉を山田に代えたが、これで流れが変わることもなく、そのまま試合終了。

現状での両チームの力の差をはっきりと感じる、順当な結果だったと思う。名古屋の出来の悪さは、前節の札幌戦で感じたことが、この試合でも当てはまる。交代選手で中島やターレスが入って来ても、可能性をあまり感じられないのは残念だったけれど、これも前節同様、既に来年をにらんでの若手起用なのかなと思えば、これはこれで仕方ないとも思う。
問題は次の試合が、リーグ戦のような割り切りが難しい(長谷川健太が、本当に割り切っているのかどうかは知らないけれどね)、ルヴァン杯準決勝だということ。10日ほど空くので、そこで立て直して臨む、という形だろうけど、うまくいくかどうか。今の福岡は、このところの戦績を見る限り、前々節で対戦して敗けたことは別にしても、どうやらそんなにたやすい相手ではなさそうだし。

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J1リーグ第28節 名古屋対札幌

2023.9.23(土祝) 16時 豊田スタジアム
観客 36950人 主審 小屋幸栄 副審 淺田武士、阿部将茂

 名古屋グランパス 1(0−0)1 北海道コンサドーレ札幌
           (1−1)

 得点 50分 名古屋・ユンカー
    66分 札幌・小林

現地観戦。この後、豊田スタジアムがラリー会場になってしまうため、この試合が早くも、今年最後の豊田スタジアム開催のリーグ戦。ただし、来月、ルヴァン杯準決勝の開催は予定されていて、それがほんとの今年最後の豊田スタジアム開催になる。

名古屋の先発は、前節からの変更は、永井を外して前田、森下は戻ったが右サイドで、外れたのは野上という布陣。野上はともかく永井は、現状打開のために何か変えていこうという、長谷川健太の判断だろうと受け取った。

それが実際に効果を上げたかというと、かなり微妙。少なくとも前半に関しては、前田にいい場面はほとんどなかった。というより、決定機という意味では、名古屋全体にいい場面はほとんどなかった。
札幌は選手が頻繁に選手がポジションを変えながら、的確にパスを繋ぐ、相当難度が高そうな試合運びで、名古屋を翻弄した。ただ、前節の対戦相手の福岡に比べれば、難度が高い分、ミスがそこそこあったし、名古屋がセカンドボールを拾うことも、ある程度出来ていたと思う。ただ、選手の動きが鈍く、連携も良くない今の名古屋のチーム状態では、そこから好機を組み立てていくのは難しかった。
前半、札幌は少なくとも3回、名古屋の守備を崩した決定機を作り、そのうち2回はランゲラックのファインセーブで何とか防いだ。それとは別に、一度、シュートをゴールに決められたが、これはオフサイド。
一方、名古屋の前半の決定機は0で、辛うじて持ちこたえたという感じ。
とはいえ、札幌のミスに付け込むチャンスはあるように思えたし、札幌の守備は、名古屋の選手がボールを持って抜けかかると、躊躇なく倒すという荒っぽさで、前半だけで警告3つ。後半、一人くらい欠けてもおかしくない気配もあったから、何とか出来る可能性もありそう、と思ってはいた。

後半立ち上がり、また札幌の決定機をランゲラックが防ぐ。
そのすぐ後、中盤でのルーズボールをユンカーが納めて、裏にするっと抜け出し、ゴールへ一直線。ゴール前で追いすがるDFとGKに挟まれる形になったが、うまくかわしてシュートを決め、名古屋が先制。久々に見る、さすがユンカーな得点だった。
この後しばらく、名古屋が攻勢な時間帯が続き、前田がペナルティの外からいいシュートを撃つ場面もあったけれど、きわどく枠の外。
しかし、次第に札幌が盛り返し、前半のような試合展開になり始めると、66分にゴール前できっちり繋がれて、小林にシュートを決められ同点。
69分にユンカーと前田を、永井と倍井に交代。しかしこれで大きく名古屋が勢いを取り戻した感じはなかった。逆に75分に、CKからポスト直撃のシュート打たれるなど、札幌の方に得点の気配があった感じ。
82分に、内田と森島を山田と貴田に交代。この辺の交代を見ていて、長谷川健太は、この試合は勝ちにこだわるというより、来年を見据えた試合運びに切り替えたか、という気がしてきた。試合展開としても、交代を契機に、名古屋が優位に試合を運び始めたという雰囲気はなく、90分に和泉に代えて野上が入ったが、そのまま試合は終了で引分け。

順位争いという点で、勝ちたい試合だったはずだけれど、双方の試合運びを見ていると、引分けが妥当という感じだった。というか、むしろ負けなくて良かった、というくらい。
名古屋は、戦術面で結局埋まらないマテウスの穴、ということもあるけれど、彼が居なくなった後、選手がどんどん動けなくなっていて、場当たり的なプレーも増えている感じ。もちろんマテウスの不在は影響しているだろうけど(マテウスが驚異的な運動量でカバーしていた部分が空いてしまった)、日程の厳しさにやられている部分も、かなりあると思う。みんな疲れているように見える。これらの相乗効果で、すっかりチームの勢いが失われている。
それはある意味、仕方ないことだとは思う。同様に神戸やマリノスも勢いを失っていて、それで上位争いが混沌としてきているわけだから。
それに、マテウスのような、あそこまで絶対的なチームの中心選手を抜かれて、問題なく好調を維持できるチームなんてない、とも思う。だから、(本当にそうかどうかは知らないが)長谷川健太が今季の成績に執着せずに、来季を見据えた試合運びに移行し始めたのも、理にかなっていると思う。むしろ早めに始めた方がいいのは間違いない。個人的には、ここまで来たら、その副産物で今年の成績も付いて来るなら儲け物、くらいの考え方でいいと思う。
もっとも、来年のチームがどういう編成になって、どの辺が狙えるのかチーム力になるのかは、本当の所は分からないのだけど。ただ、教訓として言えるのは、特定の選手に依存し過ぎたチーム作りは、やっぱりリスキーだ、ということだろうな。当り前ではあるし、その一方で、なかなか対応が難しいのも分かるけど、安定的に高い順位を維持できるチームを作るなら、必須条件だなと思う。

なお、この引分けで、今年の豊田スタジアムではリーグ戦無敗を達成。ただ、今の順位・成績を考えれば、あまりインパクトのない成果には違いないな。

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札幌サポのみなさん。
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J1リーグ第27節 福岡対名古屋

2023.9.16(土) 19時 ベスト電器スタジアム
観客 7647人 主審 御厨貴文 副審 大塚晴弘、西村幹也

 アビスパ福岡 1(0−0)0 名古屋グランパス
         (1−0)

 得点 84分 福岡・ウェリントン


NACK5大宮に行っていて、リアルタイムでは見れなかった。帰宅してから、DAZNの見逃し配信で見た。

名古屋の先発は、先週のルヴァン杯からの変化は、前3人から中島が外れてユンカーが入ったこと。中島が入ってたのはU-21枠だったので、順当な変更。先週は、ドイツへ行ってて留守だった森下は、戻っていたがベンチスタート。疲れが残っているということだったのかもしれないし、そもそもドイツへ行く前の試合では、コンディションが落ちているらしく、かなり出来が悪かったから、先発を外れたとも考えられる(というか、そんな状態なのに、なんでドイツへ連れてかれたのか、というのも、よくわからない。まあ、関心外のことなんで、正直、どうでもいいけど)。

試合は立上りから福岡ペース。丹念なプレスと的確なパス回しで、ボールの支配率で名古屋を上回っていたと思う。もっとも、支配率で上回られるのは、名古屋には珍しくないし、それが必ずしも劣勢を示すわけでもないが。
ただ、福岡もそこから決定的なシュートに持ち込むことは、なかなか出来ずにいた。むしろ前半23分頃に名古屋が、CKからゴール前に押し込んだ場面が、前半で一番得点の可能性を感じさせたくらいだと思うが、これも決まらず。
スコアレスで後半へ。

後半の立上り、名古屋は永井とユンカーのコンビネーションで、カウンターからチャンスを作り、永井がGKと1対1の決定機を迎えたが、GKに止められてしまう。そして結果的には、これがこの試合の名古屋の最大のチャンスだった。
後半序盤は、名古屋に勢いがあるように思えたが、次第に前半と似たような、福岡が主導権を握った試合になっていったように思う。60分には、グローリのミドルから、福岡にゴール前に押し込まれたが、ここは名古屋がしのいだ。
63分に永井と森島が、前田と森下に交代。森下が左サイドに入り、そこに居た和泉が1列前に上がった感じになった。しかし、これで大きく試合の流れが変わることはなかった。
76分にはユンカーが中島に交代。中島は先週の鹿島戦で得点して、いい動きも見せたとはいえ、どうなのかなと思ったけれど、やはりあまり効いたようには見えなかった。
81分には、さらに和泉と野上が、吉田温と久保に交代。これもルヴァン杯鹿島戦での得点に報いる形での起用だったらしい。そういう起用自体は悪くないと思うのだけど、この試合に勝つという意味ではどうだったか。もっとも、他に確実に効く控え選手が居るかと言えば、そもそもいないものな。
そして84分に、右サイドから前島にゴール前に入れられたロングボールを、途中出場のウェリントンに押し込まれて失点。
点を取る目的で入れられる選手は、既に全部入れていた名古屋は、新たな手を打つことも出来ず、終盤、攻勢は見せたものの、得点には至らず、そのまま試合終了。福岡に0-1で敗れた。

正直、名古屋が福岡に敗けるイメージはなかったのだけど、確かにJ1での対戦では、最後に敗けたのは2000年の8月だったそうで、23年ぶり。もっとも、福岡がJ2に居たシーズンが結構あるので、試合としては14試合ぶりだし、名古屋がJ2で対戦した時には、ビジターで敗けている(ちなみに見に行っていた)。
しかしこの試合に関しては、内容的にも福岡の方が上回っていたと思う。あれだけ丹念にプレスされて、動きで上回られていたら、そう言うしかない。というか、そもそもそういうタイプにチームには、名古屋は弱い。そこを個人的な能力で問答無用でぶち破るのがマテウスだったわけだけど、彼がいない以上、こういう試合になるのは仕方なかった、という面もある気もする(それに近い効果が期待出来るのが、ある意味、森下のサイドの強引な突破だったと思うのだけど、調子はまだ戻っていなかったらしい)。
このところの恒例で、上位チームも順調に勝ち点を伸ばすことは出来なかったので、優勝争いという意味では、放されずには済んだのだけど、一方で4位以下グループが上がってきて、名古屋は優勝争いどころか、現時点で順位は5位まで下がってしまった。7位くらいまでは僅差で続いており、この先の成績いかんでは、さらに順位を下げる可能性もある。仕方ない状況とはいえ、正念場だと思う。



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