J1リーグ第38節 横浜対名古屋

2024.12.8(日) 14時 日産スタジアム
観客 42866人 主審 谷本涼 副審 渡辺康太、坊薗真琴

 横浜F・マリノス 0(0−1)2 名古屋グランパス
           (0−1)

 得点 24分 名古屋・和泉
    71分 名古屋・山岸

J1の今季最終戦。現地観戦。

ランゲラックのグランパスでのラストゲームになるはずだったが、急な腰痛とのことで欠場。GKは武田が起用されるという、思いがけない事態。そういうことって、起きるものなんだな、と思う。
他の先発メンバーはいつも通り。鳥栖戦で欠場した野上が戻って右サイドで、和泉が前に上がり、山岸は外れて控えになったが、むしろこっちの方が「いつも」ではある。

立ち上がりは名古屋が攻勢で押し込んだ。セットプレーなどから、惜しい場面を何度か作った。でも、こういうところで決めきれないと、流れが変わって守勢になって、やられちゃうのがパターンなんだよな、と思っていたが、マリノスはいっこうにペースが上がらない。マイボールにしても、そこから名古屋ゴールまで迫るような形が、ほとんど作れていなかった。名古屋が優勢のまま時間が進み、24分に、人数を掛けた厚みのある攻撃から、和泉のシュートが決まって先制。
流れは後半も変わらなかった。マリノスの攻撃は、連動性が欠けていて、迫力がなく、いつもの(特に前節の)名古屋みたいに見えた。
70分に永井に変わって山岸が入ると、直後にマリノスDFがGKへパスミス。こぼれたボールに、入ったばかりの山岸が詰めて2点目。こういう相手のミスを突くうまさというか、得点感覚というのは、山岸の独特なものだな。永井もうまいけれど、どちらかというと、自分でプレッシャーに行って、ミスを誘発するという感じ。山岸のめざとさは、少しタイプが違うかもしれない。
この後のマリノスは、どうしていいか、わからなくなってしまったような感じで、名古屋が無難に試合を進め、2-0での完勝。

ポゼッションの数字はマリノスの方が上回っていたようなのだけれど、ボールを持っているだけで、有効な形を作ることが出来ていなかったし、名古屋が終始優勢に運んだ試合だったことは間違いないと思う。
今季はマリノスと4戦して3勝1敗で、その1敗もルヴァンの第2戦の、得失点差だけが重要な試合だったから、実質的には勝ち試合みたいなもの。とても相性が良かった。今年のマリノスは、公式戦61試合という過酷な日程で戦っていたようなので、コンディションも整わなかったのだろうなとは思う。変なミスがたびたび起きて、この日のように、それが名古屋の得点につながったりもしていた。
ただ、マリノスが絶好調だった時期も、名古屋は案外、接戦に持ち込むことが多かったから、もともと相性はそんなに悪くないと思っている。
先週の鳥栖戦とこの試合を続けて見て、その理由は、マリノスが名古屋と似たタイプのチームだからじゃないか、という気がした。例年、マリノスの方が、名古屋よりも選手の連携が取れたチームという印象があるけれど、それは個々の選手のスペックの高さで、力づくで噛み合わせているだけなのかもしれない。選手のコンディションが整わなくて、力を発揮できない状況だと、成り立たなくなってしまう。鳥栖のように、選手一人一人の意識で、連携が成り立っているように見えるチームとは違う。
連携が崩れているマリノスであれば、個人の能力だけの戦いに持ち込めるから、個人技に長けた選手をそれなりに揃えている名古屋なら、十分勝ち目がある、という感じ。この日の試合も、実際、そういう勝ち方だったと思う。
名古屋の前節の試合との違いは、ランゲラックが欠場したことで、プレッシャーがかかる要素がなくなったこともあっただろうけれど、その辺も大きかったんじゃないかと思った。

今年の名古屋は、基本的に個人の能力に依存したチームだったと考えている。まあ、名古屋は伝統的にそうなんだけれども、今年は特にそんな感じ。以前から居た選手がほぼいなくなって、去年まで曲がりなりにも維持されていた、ヤヒロやマッシモが作ってきたチームとしての決まりごとも消滅して、長谷川が一からチームを作り直そうとしたらこうなった、というか、こんなふうにしか出来なかった。選手の故障が多かったり(それはそれで別の問題をはらんでそうな気はするが)、若手の育成というテーマがあったり、という事情はあったにしても、彼がチームを作り上げる能力には、正直、疑問を感じた。
だから、来季も続投というのはちょっと、と思っている。ルヴァン杯の優勝は、実力というより多分に成り行きだったと感じているし、リーグ戦の順位はこの3年で最低。曲がりなりにもタイトルを取った褒賞としての続投という感じ。チームからの評価の判断基準を下げてもらっている感じもするから、チームにとっては、使いやすい監督なのかもしれない。ルヴァン杯で優勝して、リーグ戦でも上位に食い込んでいたマッシモがクビになったことを思うと、長谷川に対してのチームの扱いには、納得できないものがある。
とはいえ、選手さえ揃えば、それなりの成績は残せるんだろうとは思う。結局は、来季に向けて、どういうメンバーを揃えられるか次第だろうな。そこで失敗すると、逆にまた今季みたいに、残留ラインに絡むことになるんじゃないか、という気もする。
来季はどういうシーズンになることか。

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名古屋のゴール裏のみなさん。
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J1リーグ第37節 名古屋対鳥栖

2024.11.30(土) 14時 岐阜メモリアルセンター長良川競技場
観客 14734人 主審 高崎航地 副審 梅田 智起、岩田浩義

 名古屋グランパス 0(0−2)3 サガン鳥栖
           (0−1)

 得点 8
分 鳥栖・ヴィキンタス スリヴカ
    10分 鳥栖・中原
    67分 鳥栖・中原

名古屋の今季ホーム最終戦。現地観戦。
去年2試合あった長良川開催の主催試合は、どちらも悪天候に見舞われたけれど、この日も試合の少し前まで雨。試合途中も少しぱらついた。よくよく巡り合わせが悪いとみえる。

名古屋の先発は、GKランゲラック、3バックが左から河面、三國、内田。2ボランチ椎橋と稲垣。右サイド和泉、左サイド徳元、前3人が森島、永井、山岸。
鹿島戦に比べると、野上が外れて、ベンチにも居ないのが違うだけで、特に意外性はない。野上の不在は気になったが、故障? 

序盤、名古屋はロングボールやセットプレーでチャンスを作り、惜しい場面も2-3回あったが、鳥栖の、毎度のことながらの、GK朴一圭のファインセーブを中心とした、手堅い守りに阻まれて、得点出来なかった。
そうなると、勢いがどんどん鈍るのが今年の名古屋。選手の連動性が高い鳥栖のビルドアップに押し込まれ始めた。
7分頃、最終ラインで三國が河面へパスを出したが、方向が少しずれ、河面が抑えきれなかった。こぼれたボールを鳥栖が奪い、そこからパスを繋いで、最終的にヴィキンタス スリヴカのシュートで先制ゴール。見事な攻撃だったが、ボールを奪われた後の名古屋の選手の対応も鈍かったと思う。
さらに10分、自ゴール近くで稲垣から内田へのパスが少しずれ、詰めて来た鳥栖の選手にボールを奪われると、速攻で繋がれて中原に追加点を決められる。名古屋のディフェンスが、落ち着きを取り戻す間もなく0-2。
14分には、山岸が抜け出して決定的なシュートを打ったが、朴一圭のファインセーブに阻まれたし、そもそもオフサイドだった。
以降も鳥栖ペースで試合が進んで行った。鳥栖が、居るべきところに選手が居て、ビルドアップしていくのに比べて、名古屋は出す先が見つからずに、ただボールを回していたり、漠然とした放り込みでボールを相手に渡すだけだったり、攻撃の形がまるで作れなかった。
それでも前半の終盤になってくると、ようやく名古屋の攻撃が噛み合い始めた。そしてロスタイムに、森島の右からのクロスを起点に、ゴール前でボールが繋がり、最後は永井が決めた。さすがは永井のゴール感覚、と思ったが、長いVARの末、オフサイドでノーゴール。0-2で折返し。

後半は山岸がパトリックに交代し(脳震盪による交代とアナウンスされた)、内田が菊地に代わった。内田の位置に稲垣が下がり、森島がボランチに降りて、和泉が前で出て、その後に菊地が入った感じ。
和泉と菊地はいい働きを見せて、名古屋に勢いを付けたと思う。特に菊地は、積極的にゴールに向かっていたと思うけれど、得点には至らない。
17分に徳元に代えて山中と投入。いよいよ点を取りに行く態勢と思えたが、山中にいまひとつ切れがなかった。
そして22分に、鳥栖の分厚い攻撃に屈して、3点目を失う。一度はポストに当たって跳ね返ったシュートを、拾われて押し込まれた。
直後に永井をユンカーに交代。
しかし、この辺の時間帯になってくると、名古屋はそれなりにボールは保持するものの、選手たちが何をしていいのか、よくわからなくなってるようにも見え始めていて、期待できそうもない感じだった。
39分に和泉と椎橋を中山と吉田に交代。それでも状況は変わらない。
ロスタイム、CKから河面がシュートを打ったが、クロスバーに当たって跳ね返り、こぼれ球を稲垣がシュートしたが、枠を外れて得点にならない。
そのまま試合終了。名古屋は0-3の完敗。

鳥栖は降格が決まった後、調子を上げていたし、元々、苦手の対戦相手でもあるから、勝敗に関しては、ありえる結果だったと思うけれど、このスコアはさすがにね。しかもスコア通りの内容だったし。
名古屋の選手の動きが総じて悪かったのは確かで、特にバックスの出来の悪さが目立ったように思う。日程的な厳しさとか、そういう問題は特になかったはずだから、単純に調整に失敗したのか。それとも、ランゲラックのホームでのラストゲームということで、絶対に勝たないと、というような意識が働いて、かえって動きが悪くなってしまったか。元々、ホーム最終戦では、毎度、あまりいい試合を出来ないチームだし、それに輪を掛けてしまった感じ。
個人的には、どうせ消化試合なんだから、こんな試合は若手でもどんどん起用すればいのに、と思っていたけれど、ホーム最終戦とか、ランゲラックのホームラストゲームとかいうことになると、なかなかそういうわけにもいかないのかも、とは思う。そこで割り切れないのが長谷川だな、とも思うけれど。

鳥栖は、名古屋の出来の悪さもあったにせよ、素晴らしい試合をしたと思う。早々と降格決定してしまったのが、不思議に思えるくらいの内容だった。試合後、引き上げていく鳥栖の選手たちに、メインスタンドのホームの観客から、盛大に拍手が送られた。降格するチームへの惜別・激励だったんだろうとは思うけれど、この日の鳥栖の試合ぶりへの賞賛の意味合いもあっただろうな。この日の試合を見ていると、鳥栖の降格は本当に残念に思えた。すぐに戻って来れればいいんだけど。

この日、鳥栖の試合ぶりを見ていると、選手一人一人が、パスを受けるためのポジション取りを考えて自主的に動いていたり、パスを出す側も、相手チームの動きを見た上で、どう出せばボールが通るかを判断しているのが感じられた。当り前のようには思えるけれど、この試合で比較して見ていると、名古屋の選手の場合は、自分がパスを出したい所へ出して、自分がパスを受けたい所に動いている度合いが高いように思えた。自分の意思だけでプレーしていて、パスの受け手や、対戦相手のことはあまり考慮に入っていないのではと。そして、選手の連動性の有無というのは、そういうことじゃないのかな、と思った。それでも選手に圧倒的に力があれば、自分のやりたいようにやるだけでも何とかなるのだろうけれど。今年の名古屋は連動性よりも、そういう個々の選手の能力で、力づくで(永井の足の速さとか)なんとかしようとしているチームだと思うし、歴史的にもそういう時期の方が長いチームだと思う。鳥栖のようなチームを苦手にしてる理由も、その辺にあるんじゃないかな。
今までも漠然と考えていたことだけれど、少しはっきり認識出来た気がした試合だった。

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試合中に現れた虹。
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鳥栖のゴール裏のみなさん。
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名古屋のホームゲーム観客数が過去最多だったそうだけれど、ほぼ全試合をキャパの大きい豊田スタジアムで開催していたんだから、そんなに不思議はない、とは思う。
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試合後の最終戦セレモニー。スタンドのリアクションに、惨敗の試合の後だけに、ブーイングを盛大にかましたいとこけど、ランゲラックのホームでの最後の顔見せだし、ルヴァン杯を獲得したシーズンでもあるので、そうもいかないなあ、という微妙さを感じた。
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最後は恒例の愛知トヨタの表彰式。最優秀選手は永井で、まあ、他にいないだろうな、という感じ。優秀選手に森島が入っているのが、いまひとつ納得がいかなかったけれど、フルシーズン出場していて、そこそこ活躍した選手となると、選ばれていないのは他に稲垣くらいしかいないことに気が付いた。数合わせ的な選出と考えればやむを得ないか、と思った。
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J1リーグ第36節 鹿島対名古屋

2024.11.9(土) 14時 カシマスタジアム
観客 22945人 主審 上田益也 副審 野村修、眞鍋久大

 鹿島アントラーズ 0(0−0)0 名古屋グランパス
           (0−0)

 退場 58分 鹿島・鈴木

久々の現地観戦。

名古屋の先発は、3バックが左から河面、三國、野上。内田はベンチ。2ボランチは通常運行で稲垣と椎橋。左サイド徳元はいつも通りだが、右に和泉を使ってきた。前3人は永井、森島と山岸。

名古屋は立ち上がり、ロングボールを入れての仕掛けや、前でますまずうまく回せてもいて、そこから生まれた山岸のシュートもあった。一方で守備の意識も高くて、鹿島に自由にやらせていなかったから、序盤はむしろ押しぎみの展開のようにも見えていた。
試合が進むにつれて、攻撃は減速して、守勢の場面が増えていったけれど、決定機を作らせていなかったし、五分五分かなという感じ。
全体的に、スローペースだけど、噛み合った試合ではあるかな、という前半。
試合後の監督インタビューを見ると、布陣も名古屋の慎重な試合運びも、PK戦までもつれ込んだ、先週のルヴァン杯決勝の激戦の影響を考えてのものだったらしい。

後半、ペースが上がるかと思ったけれど、そうでもなかった。ただ、鹿島の方が上げてきた感じはあって、慎重な名古屋を崩しきれないことに、焦れていたかなと思う。その辺が58分の鈴木優磨の退場の引き金になったかも。サイドを抜け出そうとした鈴木を止めた椎橋のファールに対する、報復行為による一発退場。なお、椎橋も警告を貰ってるし、相応のプレーだったのは確かだが、鈴木は報復なので、それほど激しい行為ではなかったにしても、退場になってしまうのは仕方ないところ。
これである意味、試合の膠着が解けるかなと思った。実際、名古屋の攻撃に勢いは出た。ただ、数的優位をうまく生かすような攻撃の選択肢を、名古屋は元々、あまり持っていないし、相手もそこは鹿島なので(しかもいなくなったのは前線)、一気に名古屋が攻勢ということにはならなかった。
ベンチの動きも、必ずしも積極的に動いたという感じではなかった。66分に森島に代えて内田を入れて、右サイドから上げ気味にしていったようだけれど、決定的なものでなかった。終盤の85分には、徳元、永井、椎橋を、山中、パトリック、吉田に入れ替え、明らかに得点を狙いに行った交代と思えたけれど、これも不発。
むしろ人数が少ない鹿島のカウンターの方が、ゴールに迫っているようにも思えたけれど、こちらも決めきるほどの勢いはなく、双方ノーゴールのまま試合終了。

試合後の長谷川健太のインタビューを見ると、先週のルヴァン決勝の影響を考えて、最低限、勝ち点1を取りたかった、みたいなことを言っている。ルヴァン準々決勝で、広島とPK戦までもつれ込む試合をやった後の試合で、FC東京に大敗したことが念頭にあったとか。
一見、もっともらしいのだけど、ここまでシーズンの終了が近付いていて、名古屋は大した順位は望めなさそうな一方、J1残留についてはほとんど見えている状況で(この試合に引分けて残留を確定したのかな?)、そこまで勝ち点にこだわるポジションじゃないよね、と思う。それこそ新潟のように、明らかに残留争いの渦中にいるチームとは違うから、結構違和感があった。まあ、現場の人間の感覚ということなんだろう。
自分としては、この試合は消化試合的な感覚だったから、そこまで選手のコンディションを言って、中途半端な試合をやるくらいなら、それこそ、もっと思い切った選手の入替をすればよかったのでは、と思った。ビジターゲームだから、ホームのサポに失礼、みたいなこともなかったわけだし、チャンスの少ない選手にとっては、やる気にもつながっただろうし。
そこは考え方の違いとしても、後半の比較的早い時間に、鹿島の鈴木が退場して、数的優位になったにもかかわらず、名古屋は眼に見えて優勢に持ち込むことも出来なかった。
長谷川は鹿島が強いチーム、カシマスタジアムは難しい場所なので、慎重な試合運びを続けた、みたいなことを言うけれど、今の鹿島はそこまで強いチームではないし、カシマスタジアムに関しては、名古屋は近年はむしろ相性がいいくらい。イメージに依存した言い訳くらいにしか思えない。
単純に、数的優位になっても、それを生かせるようなチーム作りをして来なかった(出来なかった)、というだけのことじゃないかと思う。上にも書いたけれど、試合中、現場で見ていた時も、今の名古屋じゃ、数的優位でもこんな試合しか出来ないよなと思っていたし。
そもそも、ルヴァン杯に優勝したと言っても、今年の名古屋は決してそんなにいい試合をしてきたチームじゃないものね。リーグ戦と違って、カップ戦の勝ち抜きは、かなりの部分が巡り合わせだ。

試合そのものは、膠着気味とはいえ、それなりに噛み合った内容だったから、見ていてつまらなくはなかったけれど、名古屋の試合運びに物足りなさは感じたし、試合後の長谷川のコメントを見て、それが増幅された、という感じ。

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YBCルヴァン杯決勝 名古屋対新潟

2024.11.2(土) 13時 新国立競技場
観客 62517人 主審 福島孝一郎 副審 淺田武士、坂本晋悟

 名古屋グランパス 3(2−0)3 アルビレックス新潟
           (0−2)
           (1−0)
           (0−1)
           (5PK4)

 得点 31分 名古屋・永井
    42分 名古屋・永井
    71分 新潟・谷口
    90+11分 新潟・小見(PK)
    93分 名古屋・中山
    111分 新潟・小見

 PK戦 新潟  秋山 〇 長倉 ×     デン 〇 星    〇 小見 〇
     名古屋 稲垣 〇 ランゲラック 〇 山中 〇 ユンカー 〇 山岸 〇

フジテレビの中継で見てた。
名古屋を応援はしていたけれど、どうしても優勝して欲しいとまでは思ってなかった。ルヴァン杯は名古屋はもう優勝経験があるし、新潟は決勝まで来る機会が、そうそうあるとも思えないから、新潟の優勝でも別に構わない、という感じ。まあ、自分は出身地のよしみで、新潟の後援会員でもあるので…。とはいえ、日頃は別に、新潟を応援してないが。

名古屋の先発は、このところ故障で離脱していた河面も、直前のガンバ戦で途中で負傷交代した野上も戻って、いつものメンバー。GKランゲラック、DF3人は左から河面、三國、内田。2ボランチが椎橋と稲垣。左サイド徳元、右サイド野上。前3人が森島、和泉、永井。

新潟とは9/18に対戦したばかりで、その時の新潟は、かなりひどい内容だった。ここまでひどいはずはないんじゃないか、暑さにやられたんじゃないか、と思ってたが、やっぱりそうだったのかなと思わせるだけの試合運びを、序盤の新潟は見せていたと思う。名古屋の放り込みはきっちりケアして、容易には崩せない雰囲気だったし、攻撃でも、パスをつないだビルドアップがしっかり機能していて、好機を作った。ただ、名古屋が攻め込んだ時には、無駄に後ろでつなぎ過ぎてない?という感じはあって、それが失点の前兆だったような気はする。
31分に、DFからパスを受けたGKからの前方へのフィードがずれ、ルーズボールになった所に、永井が突っ込んで拾い、そのままシュートに持ち込み、あっさり先制点。
正直、つまんないゴールだなと思ったし、試合への興味も削がれた気がした(^^;。
これで勢いづいた名古屋が、42分に永井が追加点を決めてしまったから、なおさら。もっとも2点目は、複数の選手が絡んだ速いパス連携で、きっちり崩したゴールだったから、1点目と違って爽快感はあった。
そのまま前半が終り、まあ、このまま名古屋が順当勝ちで、優勝するんだろうな、と思った。
ちなみに前半の名古屋リードの立役者は間違いなく永井で、1点目は永井らしい走り込みだったし、2点目も上手いシュートだった。それ以外にも新潟のボールに精力的に寄せては、隙があれば奪い取る、積極的なディフェンスも度々見せていて、この試合に賭けているような感じにすら見えた。

後半は、当然、新潟がペースを上げて来た。それに対して名古屋は手堅い守備で応えて、新潟に決定的な形までは、ほとんど持ち込ませていなかったのだけど、次第に防戦一方になり始めた。足が止まり始めたという感じ。
20分に新潟が投入したダニーロ ゴメスが、その流れを加速したと思う。決定的な場面も生まれ始め、26分についに、ダニーロ ゴメスの左からのクロスに、ゴール前で谷口に合わされて失点。でもまあ、これで試合としては面白くなった、というのが正直な気持ちではあったけど(^^;。
名古屋は30分に和泉を山岸に代え、それでも流れが変わらないと見てか、35分には永井と野上を菊地と中山に代えた。これで少し、名古屋に勢いが戻ったようにも思えたけれど、試合が最終盤になってくると、さすがに名古屋は引いて守り切る態勢になったように思える。
90分が経過してロスタイムも終りに近づき、逃げ切ったかな、と思った矢先の90+5分、新潟の小見が右サイドからペナルティ内に仕掛けてきて、中山と競り合い、小見が倒れた。主審は一旦はノーファールとしたが、VARが介入。その結果、中山のファールと認定されPK。ランゲラックがPK阻止して優勝決定という、申し分のないお膳立てが出来た?、と思ったが、小見のPKをランゲラックは止められなかった。土壇場で同点になって、まさかの延長突入。

延長戦は名古屋は徳元と森島を下げて、山中とユンカーを入れ、当然のことながら、攻撃的布陣で点を取りに行く構え。
前半3分、左から山中が入れたクロスから、中でユンカーが競ってこぼれたボールを、山岸が右サイドへ流し、入って来た中山がゴールへ蹴り込んで、早々と勝ち越し。
延長にもつれ込むPKを献上した中山だったから、このゴールは本当に良かったと思った。
しかしここからは、また新潟の猛攻。
延長後半は椎橋を吉田に代えて、逃切りを図ったが、6分に長倉のパスから小見に決められ、また同点。
そこからスコアは動かないまま、とうとうPK戦。

PK戦ならランゲラックが優位だろうから、結局、やっぱりランゲラックがPK阻止して優勝決定という筋書きか、と思ったんだが…。
先攻は新潟で秋山が成功。後攻の名古屋は稲垣が成功。2人目、新潟の長倉が失敗。ただ、狙い過ぎて枠外という感じの外し方で、ランゲラックの阻止ではなかった。飛んでた方向は合ってたから、枠内ならセーブだったかもしれないが。名古屋はランゲラックが自分で蹴って成功。その後は、新潟・トマスデン、名古屋・山中、新潟・星、名古屋・ユンカー、新潟・小見が全員成功。名古屋の5人目は山岸。で、山岸はきっちり決めて、名古屋が優勝を決めた。
ランゲラックの阻止はなかった(^^;。

なにはともあれ、優勝できてよかったね、という感じ>名古屋。二度も食い下がられて、最後はうっちゃりでは悲しすぎるものな。むしろ、こういうきわどい試合になったことで、名古屋のファン・サポも気合が入ったんじゃないのかな。見に行った甲斐を感じられる試合だったんじゃないかと。中継で見ていても、後半以降は面白い試合だったと思う。
もっとも、ああいう展開なら、せっかくだから新潟に勝たせてやりたかった気もする、というのがホンネ(^^;。試合運び自体は、新潟の方が面白かったしねえ。
とはいえ、河面が優勝決定のピッチに居られたのは良かったな、とも思ったし、名古屋の優勝を祝う気持ちも、もちろんある。


それはそれとして、Jリーグが始まってから、名古屋が出場した天皇杯・ルヴァン杯の決勝は、全部現地に行ってたし、1996年のサントリー杯決勝や、スーパーカップの類も、全部現地で見てた。優勝決定試合という意味では、リーグ優勝の平塚も行っていたし。そういう試合に行かなかったのは今回が初めて。新国立開催なので、信条に基づいて、行かなかったわけだけど(2023.5.4の新国立開催だった鹿島対名古屋の試合感想の末尾で書いている→J1リーグ第13節 鹿島対名古屋) 、カップ戦決勝とかになったら、さすがに悩むかも知れないなと思ってたが、新国立開催の試合を3回パスした後なので、もうほとんど気にならなかった。新国立が建設された状況を、個人的に改めて思い返す、いい機会にもなった気がする。

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J1リーグ第35節 G大阪対名古屋

2024.10.23(水) 19時 パナソニックスタジアム吹田
観客 16021人 主審 岡部拓人 副審 堀越雅弘、長谷川雅

 ガンバ大阪 3(2−1)2 名古屋グランパス
        (1−1)

 得点 9分 名古屋・ハ チャンレ
    22分 大阪・坂本
    28分 大阪・坂本
    56分 名古屋・吉田
    78分 大阪・福田

DAZNの見逃し配信で札幌戦を見終った時点で、この試合がほぼリアルタイムで始まっていたので、そのまま雪崩れ込もうと思っていたのだけど、札幌戦に行けなかったトラブルの影響で、疲れていて気力が続かなかった。無理しても仕方ないと思い、繰り越して翌日の晩に見た。結果を知らずに見ることは出来た。

名古屋の先発は、3バックが、三國の出場停止の影響を受けて、左から野上、ハチャンレ、内田。ボランチはいつもの椎橋と稲垣。左サイド徳元、右サイド菊地も札幌戦と同じ。前3人は、山岸が外れて和泉が復帰。

名古屋は前節の反省もあってか、立上りからどんどん前へ入れていった。よくわかないけれど、もしかすると、山岸よりも和泉の方がそういう攻撃にはフィットするのかもしれない。少なくとも、そういう戦術での戦い方には、和泉の方が慣れていそう。
ガンバのディフェンスが不安定だったこともあり、9分に菊地のCKからハチャンレが決めて、早々と名古屋が先制。お馴染みの勝ちパターンだなと思った。
実際、この後も名古屋優位に試合が進み、15分過ぎには相手ゴール前にカウンター気味に攻め込んで、追加点のビッグチャンスを作ったが、決めきれなかった。
ただ、この攻撃が始まる直前、左サイドで野上が変な転び方をした。他の場所で、芝の状態があんまりよくないのかな、と思えた場面があったから、そういうことだったのかもしれない。足を痛めた気配があり、その後、プレーは続行したけれど、明らかに動きが悪くなっていた。そしてそこを突かれるような形で左サイドから起点を作られ、21分にゴール前で分厚く仕掛けられて、最後は坂本に同点ゴールを決められた。
試合後の監督インタビューを見ると、野上がやれると言ったので続けさせたということらしいけれど、ここで野上をすぐに代えていれば、という風には見えた。
結局、25分に野上を吉田に代えたけれど、ガンバに行ってしまった流れはそのままで、28分にゴール前で繋がれて、坂本に決められ逆転された。
その後もガンバのペースがしばらく続き、危ない場面もあったが、ランゲラックの奮闘もあって、持ちこたえているうちに、また名古屋に流れが戻って来た。ガンバは、なんでこんなにディフェンスラインが低いんだろうとか、どうしてこんなに簡単に競り負けるんだろうとか、かなり疑問を感じるような試合運びで、前半終盤には名古屋が複数回、決定機を作ることも出来たが、相手GK一森が好セーブを連発して、崩し切ることは出来なかった。

ハーフタイムに和泉が山岸に交代。
後半も前半終盤の流れを引き継いで、名古屋が優勢に試合を進めていたと思う。山岸が攻撃の核になっていた。一森の好セーブに阻まれて、簡単には得点に至らなかったが、56分についに、CKが逆サイドに流れた所へ走り込んだ吉田が決めて同点。
吉田は割と、こういうおいしい所を拾っていくな、と思う。何か持ってるものがあるんだろう。そうやってチャンスは手にするから、うまく生かせればいいんだけど、いまの所は、まだ出来てない感じ。
しかしそれで名古屋が一気に行くかというと、そうはならなかった。追い付かれたガンバが反撃に出てきて、60分にはボスト直撃のきわどいシュートも撃たれた。そのすぐ後に、天敵感のある宇佐美が投入。ガンバはチームとしての動きはなかなか改善しなかったけれど、宇佐美が一人で前線をかき回し始めると、元々不安感のある名古屋のバックラインが乱れ始めた。
名古屋はボールを持ちながら、なかなかフィニッシュまで行けなくて、69分には永井をユンカーに交代したが、攻め切れないことが続いた。一方で宇佐美に呼応すろように、ガンバのカウンターは噛み合い始め、名古屋ゴール前に迫るようになっていった。
そして78分、74分に投入されていた福田が、宇佐美からのパスを流れるようにゴールに押し込んで、ガンバが勝越し。ガンバはあとは逃げ切るのみで手堅い運びを見せ、名古屋は79分に森島に代えて倍井を送り込んだけれど、効果ないまま試合終了。

野上のアクシデントに泣かされた試合だと思うけれど、そこから一度は追い付いたし、優勢な試合展開も作れてはいた。ガンバの試合運びのまずさも考えたら、仕方ない負けとは言い切れない気はする。
とはいえ、相次ぐ選手の負傷で、ここにきて、ディフェンスの層の薄さが、いよいよはっきりしてきた。野上のケガが、ルヴァン杯決勝に影響するようなものでなければいいけどね。
それと、今日の野上は純粋にアクシデントかもしれないけれど、故障の多さは、やっぱり何か根本的な理由がチームにはあるのではないの、と思ってしまう。
(2024.10.25)

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J1リーグ第34節 名古屋対札幌

2024.10.19(土) 14時 豊田スタジアム
観客 33587人 主審 上村篤史 副審 浜本祐介、西村幹也

 名古屋グランパス 0(0−1)2 北海道コンサドーレ札幌
           (0−1)

 得点 35
分 札幌・駒井
    88分 札幌・鈴木

今年最後の豊田スタジアムでの名古屋のホームゲーム。見に行くつもりだったが、個人的なトラブルで見送った。現地観戦どころか、DAZNでライブで見るのも厳しい状態で、水曜になってから、次のガンバ戦の直前に、DAZNの見逃し配信でやっと見た。名古屋が0-2で負けたことは知ってたが、詳細は知らなかった。

名古屋の先発は、やはり河面が離脱で、3バックは左から野上、三國、内田。ボランチが椎橋と稲垣はいつも通り。左サイド徳元、右は野上がバックスに回ったので、代りに菊地。前3人が森島、永井に加えて、前の試合の和泉ではなく山岸。理由は知らない(後追いでいまさらなので、特に調べてもいない(^^;)。

札幌が引いてきたし、前の方に山岸と菊地が入った影響もあったのでは、と思うのだけど、名古屋の序盤の進め方は、いつものような縦への放り込みではなく、パスワークでつないでビルドアップしていく感じに見えた。自分はそういう運び方の方が好きだし、結構、いい感じにボールも回っていたから、いいんじゃないと思ってた。4分にはCKを得て、そこから野上がきわどいシュートを打つが、相手GK菅野に防がれた。ここで決められなかったのは大きかったな。
その後も名古屋がボールを支配して試合は進んだけれど、なかなかシュートまで持ち込むことが出来なくなり、次第に守備的な札幌の術中にはまっていた感じ。
ただ、札幌も降格回避のためには勝たないといけないわけで、次第に攻勢を強め始めた。前線での鈴木武蔵の存在感、右サイドで近藤の動きが目立つようになっていたと思う。
そういう風に試合展開が変わっても、名古屋は縦に速く攻めるか、つないでいくかが中途半端で、うまく攻められていなかったように思えた。
そして34分に、徳元が近藤に競り負ける形で突破を許し、中へクロスを上げられる。ゴール前で鈴木がつぶれた先へ走り込んで来た駒井に合わされて、札幌に先制された。
この後は札幌に勢いが出て来た感じだったけれど、追加点は許さず、0-1で折返し。

今年の名古屋の勝ち試合は、縦に放り込んで裏へ抜けて決めるか、放り込みから得たセットプレーでゴール前へ放り込んで決めるかで先制して、ペースを握るというパターンが大半という印象で(あくまでも個人的な印象なので、細かく詰めれば間違っているかもしれないけど)、5分のCKの決定機で決められなくて、逆に先制されてしまった時点で、ああこういう流れで敗けたのか、いかにもだなと思った。
失点に関しては、徳元が近藤に競り負け続けていたから、しょうがないだろう、という感じ。徳元は基本、いい選手だと思うけど、そりゃ、一対一で勝てない時だってあるだろうし、逆に、そんなことは
ないというようなレベルの選手なら、レンタルで名古屋に来てないだろう。
そんなわけで、前半が終った時点では、負けもやむなしの試合かと思った。

後半は永井をユンカーに交代してスタート。相手が守備的に来て、永井のスピードでは裏が取れないんなら、という意図かな、と思った。
でも後半の、少なくとも前半は、思ったような試合ではなかった感じ。札幌は前の試合で1-0で勝ってて、ロスタイムに2点取られて負けてたせいか、露骨に守りには入らなかった。
6分に山岸が縦パスで裏を取ってシュート。しかし枠に当たってしまう(ただこれはオフサイドになった)。13分には菊地が裏へ抜けて、ゴール右斜め前からきわどいシュート。ポストに跳ね返った所で山岸が詰めたが、決めきれず。21分に特も徳元のクロスから稲垣が決定的なシュートを打つが、DFにブロックされる。得点にはならないにせよ、名古屋の決定的なチャンスが結構続いて、押せ押せな感じだった。
21分に徳元が山中に交代。
さらに山中のCKなどからチャンスが続き、25分には裏へ抜けたユンカーが決定的なシュート。しかしこれもポストに当たる。
28分に椎橋を中山に交代して、右サイドに中山を入れたが、これはむしろ逆効果で、札幌の攻勢を招いてしまった感じ。ここが分かれ目だったかもしれない。
37分に山岸と内田に代えて、パトリックと重廣を入れ、いよいよ攻勢に出ようとしたが、その直後の38分に、三國が左サイドに食い込んで来ようとした近藤を倒してしまい、2回目の警告で退場。
そして43分に、ディフェンスが弱体化してる中、右サイドを崩され、パクミンギュのクロスを鈴木武蔵に決められて0-2。
そのまま終了。

前半が終った時点の印象とは異なり、後半序盤にはかなり同点機があったし、そこで決めてれば勝てた試合だったんじゃ、という気がした。決められなかったのは、いろいろ理屈は付けられると思うけど、基本的には運じゃないかな。
ただ、ここで決められなかったことで、選手交代とか、いろいろ手を打ったけれど、それが全てうまくいかなかった感じ。うまくいかないので、より攻撃的にシフトしたことが、三國の退場や2点目の失点につながったのは間違いないと思う。
まあ、こういう試合もあるよね、と思うけれど、三國が次の試合に出られなくなったのは大きいんじゃないかな(もう次の試合を見ていて、結果も知ってるけど、とりあえず、この試合を見た後の印象はそうだった)。
ランゲラックの豊スタ最後の試合ということで、力が入り過ぎた? まあ、そもそも例年も豊スタ最終戦って、あんまり勝った記憶がない。そこに輪を掛けてしまったかもしれないね。
(2024.10.25)

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YBCルヴァン杯プライムR準決勝第2戦 名古屋対横浜

2024.10.13(日) 15時 豊田スタジアム
観客 29081人 主審 西村雄一 副審 五十嵐泰之、坊薗真琴

 名古屋グランパス 1(0−1)2 横浜F・マリノス
           (1−1)

 得点 33分 横浜・西村
    46分 名古屋・山岸
    82分 横浜・植中

現地観戦。

名古屋の先発は、第1戦と同じ。
マリノスは頭から、当然攻勢を掛けてきたが、名古屋は2点リードを生かした、手堅い試合運びが出来ていたと思う。
引き気味に構えて、マリノスの攻撃を受け止めつつ、機を見て前へ送ってカウンター。
名古屋の受けが効いている影響もあるのか、マリノスの攻撃は、スピードも精度もいまひとつに感じられ、それほど迫力はなかったように思う。それでも10分を過ぎるときわどいシュートがぽつぽつ生まれてきたけれど、余裕を持って対処出来ていたレベルに思えた。
状況が急変したのが26分。河面が突然交代になった。自分が現場で見ていた分には、特に前兆があったようにも感じられなかったのだけど、それはよくあることなので…(^_^;)。ただ、試合後にleminoの中継を簡単に見直した範囲では、交代のしばらく前から準備が始まっていたようではあるけれど、中継スタッフの反応も、あれれ?という感じだったぽい。
ともあれ、これで3バックの左に野上が移動し、右サイドは中山に代わったが、試合の流れは一変した。野上の抑えが効かなくなった分、エウベルのプレー範囲が広がっていった印象。
33分にエウベル起点で右から仕掛けられ、名古屋のディフェンスが止まって、ランゲラックが飛び出す状況を作られてしまい、ゴール前に通されたボールを西村に蹴り込まれた。
これで準決勝としての名古屋のリードは1点。余裕がなくなってきたが、前半は凌ぎきって、リードを守って終えた。

後半の名古屋は、中山を下げて、その位置に和泉を入れ、前に山岸を投入した。これは守備的には効果的な交代だろうと思ったけれど、それが功を奏する前に、後半開始早々、左サイドからの徳元のロングスローからの流れに、マリノスのディフェンスが後手に回り、ボールがゴール前に出た所へ山岸が詰めてゴール。第1戦に引続き、山岸の得点感覚が生きた感じ。後半が始まったばかりで、マリノスはまだふわっとした状態だったのかもしれない。
再び2点リードになった名古屋は余裕を取り戻し、マリノスの攻勢を跳ね返していった。これでこのまま、名古屋が準決勝勝ち抜けだなと思った。
しかし終盤の82分、名古屋が攻めかけてラインを上げた所で、マリノスがボールを奪ってカウンター。名古屋のディフェンスが戻る前に、植中がゴール。名古屋が攻めるか守るか、曖昧になっていた隙を突かれた感じ。
これでまた1点差となったが、名古屋は残り時間を守りきって、準決勝突破を決めた。

3点とも、双方、ディフェンスがうまくいかなかった結果の得点だった印象。ただ、最初の西村のゴールは河面の交代がなければなかったように思えるし、これがなければ、おそらく山岸のゴールもなかった。そういう意味では、河面のアクシデントが試合の流れを演出してしまったのかもしれない。あれがなければ、淡々と名古屋が勝ち抜けたのでは、という気がするわけで、逆に試合としては面白くなって、名古屋の勝ち抜けも盛り上がったのでは、と思う。
とはいえ、河面の状態は心配だけれど。第1戦では河面のロングボールが序盤の名古屋のペースを作った印象があるし、守備でも効いていたように感じていたので、ここでしばらく離脱ということになるど、気の毒だなと思う。

なにはともあれ、名古屋が決勝進出。おめでとう。

とはいえ、自分は決勝は現地には行かない。
毎度繰り返しているけれど、新国立開催なので、信条に基づいて、現地開催はボイコット(2023.5.4の新国立開催だった鹿島対名古屋の試合感想の末尾で書いている→J1リーグ第13節 鹿島対名古屋) 。最初の頃は、リーグ戦はともかく、カップ戦の決勝とかになったら行かないわけにはいかないのでは、とか迷ってもいたけれど、もう踏ん切りはついている。自分にとっては、それくらい重みのあること、ということで。

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横浜ゴール裏のみなさん。
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YBCルヴァン杯プライムR準決勝第1戦 横浜対名古屋

2024.10.9(水) 19時半 日産スタジアム
観客 10529人 主審 中村太 副審 聳城巧、赤阪修

 横浜F・マリノス 1(1−2)3 名古屋グランパス
           (0−1)

 得点 3分 名古屋・椎橋
    14分 名古屋・三國
    31分 横浜・アンデルソン ロペス
    76分 名古屋・山岸

現地観戦。

名古屋の先発は、予想してた通りホーム3連戦3連勝の顔触れ。
その顔触れから想像した通り、名古屋は後ろからマリノスの守備陣の裏へ、どんどん蹴っていった。そうするとマリノスは、思いの外うろたえて、バタバタなディフェンス。甘いクリアが続いてCKになり、徳元がゴール前に蹴り込んで、椎橋が合わせたら入っちゃった(^_^;)。開始3分で名古屋が先制。以降もそんな流れ。14分にはまたもや同じような形から、徳元がCKをゴール前に蹴り込むと、今度は三國が合わせて追加点。ずいぶんあっさりと2対0になり、名古屋にはすっかり楽な試合になった。
こうなると名古屋は、無理に攻める必要もないので(もっとも、この試合の勝敗はともかく、2試合トータルスコアで勝ち抜けが決まる以上は、必ずしもそうではないが…)、引き気味に構えて、機を見て前に送っては、永井や和泉を走らせる。先日の新潟戦、川崎戦のような試合運び。
しかし31分に自ゴール前に攻め込まれる中、徳元のクリアが中途半端になったボールを拾われ、ゴール前へ入れられて、アンデルソン・ロペスに押し込まれた。これで1対2。さすがにミスが絡むとこうなるか、という感じ。
とはいえ、マリノスの前半の決定的な場面はこれくらいだったかな。

後半も基本的には前半の流れだったと思うが、得点が欲しいマリノスに勢いはあって、名古屋は押され気味。1点差になって、やや余裕もなくなっていたかもしれない。それでも引き気味のディフェンス相手に、マリノスはなかなか攻め手を見いだせない感じだった。
名古屋は18分に、永井に代えて山岸を投入。ペースを変えたというよりは、永井が少し前に突っかけて相手を倒して警告を貰ったからじゃないかと思うけど、次戦に備えて、早目に上がらせたという面もあったのかな。
30分には和泉を菊地に交代。このタイミングでマリノスも選手交代したので、少し間合いが開いた感じがあった。そしてそこからのリスタート直後の31分に、左サイドから徳元が入れたクロスを、ゴール前で山岸がフリーで頭で合わせてきれいなゴール。これで名古屋は再度2点リードとした。
さすがにその後は、マリノスの猛攻ペースになったものの、逃切りモードに入った名古屋の守備は手堅く、それでも作られた決定機も、いつものようにランゲラックが好セーブで阻み、名古屋が3-1で初戦を物にした。

名古屋にとっては、ルヴァン杯準決勝としても2点差リードで折返しなので、かなり有利な状況。この試合のマリノスを見る限り、ディフェンスには相当課題があるし、このところのマリノスには、大量失点で敗けている試合がいくつかあることを考えると、ここは根本的にそう簡単には解決できないのでは、という気がする。そういう意味で、名古屋が日曜の豊スタでの試合で、準決勝を勝ち抜ける可能性はかなり高くなってるんじゃないかな、と思ってる。

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試合前の客席のライトでの演出。
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名古屋ゴール裏のみなさん。
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J1リーグ第33節 福岡対名古屋

2024.10.4(金) 19時 ベスト電器スタジアム
観客 7670人 主審 清水勇人 副審 大塚晴弘、阿部将茂

 アビスパ福岡 1(0−0)0 名古屋グランパス
         (1−0)

 得点 88分 福岡・小田


DAZNでライヴで見ていた。

名古屋の先発は、直前のホーム3連戦から大きく変わった。GKランゲラックはそのままだが、3バックはハチャンレが中央に入り、左が河面、右が三國で、内田が外れた。ボランチは椎橋が警告累積で出場停止だったのに伴い、稲垣と菊地。右サイドは野上から中山、左サイドは徳元から山中。前3人は森島はそのままだけれど、残り2人はユンカーと山岸。山岸は故障からの復帰戦。

名古屋は立上りから、噛み合ったパスサッカーを見せた。菊地が中盤で、ボールを拾って前へ供給する役割を、うまく果たしていたのが大きかったと思う。山岸も、故障した試合でも見せていたようなユンカーとのコンビネーションの良さなど、前線でうまく核になっていた。多分、この辺の影響もあって、日頃、噛み合わなさが目立つ山中や森島も、周囲と連携した動きが出来ていたと思う。いつもよりも見ていて面白い攻撃が作れていた。しかし、決定機を何度も作ったが、相手GK永石が好セーブを連発したこともあって、得点にならない。
守備に関しては、正直、ハチャンレに危なっかしい場面が目立ち、現状、3バックの中央に三國使っているのもやむなしか、と思った。うっかりファールを取られる/取られそうになるプレーが多過ぎると思う。先発出場していた頃から、そういう雰囲気はあったけれど。
ただ、名古屋が試合を優位に進めていた関係もあってか、福岡の攻撃に、いまひとつ鋭さが欠けていた。ここまで11試合勝ち無しと聞いて、そうだろうなと思えるような迫力の無さだった。それもあって、名古屋が大きなピンチを迎えることはなかったと思う。

スコアレスで迎えた後半も、序盤は前半の流れのまま。
12分に、福岡DFの連携の乱れから、ユンカーが裏へ抜け出して、左サイドの厳しめな角度からGKを抜いたシュートを打ち、きわどいコースに飛んだが、ポストに当たって弾かれた。ユンカーは、前半も惜しいシュートをいくつか打っていたが、決めきれなかった。やはり去年の好調時の、どんなシュートでも決めてしまうユンカーではないなあ、という感じ。
16分にユンカー、山岸、山中を、パトリック、永井、徳元に交代。これで名古屋の攻撃陣は、前節までの顔触れに戻った感。しかし、前節と違って、今節は切替が機能せず、主導権が福岡に移って行った。前節までの攻撃の形は、福岡が事前に想定していたと思えるし、それに対してはむしろ十分対策が考えられていたかも、という気がする。今節に関しては、切替前の方が、福岡にとっては想定外でやりにくかったのではないかなあ。
ここまで、いまひとつ噛み合っていなかった福岡の攻撃も、うまくパスがつながるようになり始めた。後半の序盤に、ザヘディが強さのあるウェリントンに交代していた影響もあったのかもしれない。
26分に名古屋は森島を和泉に代えたが、流れは変わらない。
名古屋は攻め込まれて、次第にきわどい場面も生まれるようになりつつ、なんとか持ちこたえて、終盤まで来たが、43分、名古屋ゴール近くのスローインからの流れで、左サイドから入って来た小田が、パスを受けて素晴らしいシュートを決め、福岡が先制。
そのまま逃げ切られて、名古屋は敗戦。

名古屋は内容的には悪くない、というか、むしろいつもよりも、少なくとも面白い試合をしていたと思うのだけど、決定機を物にしきれなかったのが祟った。そういう試合は、結構よくあるけれどね。運もなかったと思う。
逆に言えば、小田の素晴らしいシュートが(あんなシュートは、なかなか決められない)、あの場面で出たという意味で、福岡にはツキがあった。それが勝敗の分かれ目だった、と思う。
正直、自分が見たいのは、勝敗は別にして、前半のような試合運びの名古屋だと思う。この試合自体は楽しく見れたので、個人的には不満はない。
勝敗にこだわるなら、実績的には、直前の3連戦3連勝の時の形なのかもしれない。でもあれも、少なくとも新潟戦と川崎戦に関しては、相手のコンディションや相性の関係があったと思うし、磐田戦前半でうまく行かなかったことを考えれば、一概には言えない気がする。磐田戦の後半は、切替えてうまくはまったけれど。
でも、次のマリノスとのルヴァン杯準決勝第1戦は、前節までの形で行くんじゃないかな。

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J1リーグ第32節 名古屋対磐田

2024.9.28(土) 16時 豊田スタジアム
観客 30529人 主審 先立圭吾 副審 淺田武士、岩崎創一

 名古屋グランパス 2(0−0)0 ジュビロ磐田
           (2−0)

 得点 52
分 名古屋・稲垣
    90+4分 名古屋・森島

豊田スタジアム3連戦のトリ。3試合続けて現地観戦。

名古屋の先発はここ2試合と一緒。連勝(しかも快勝)してるんだから、変える理由もない。
ただ、対戦相手のタイプがここ2試合とは違うようなので、同じようにうまくいくかは未知数かな、とは思っていた。

立ち上がり、名古屋の裏狙いのボールが通りかける場面が複数あって、やはり同じような展開になるか?と思ったが、磐田が修正してきた感じで、そういう隙は、以降見られなくなり、名古屋は攻撃の起点を抑えられて、チャンス自体、満足に作れなくなった。
一方の磐田は、トップへの放り込みとビルドアップを、うまく使い分けていたと思う。新潟のような噛み合わないミスもあまり見られなかったし、名古屋のゴールによく迫っていた。そして28分には、渡邉がゴール前へ切れ込もうとして、椎橋と交錯して倒れた。椎橋がファールを取られPKの判定。しかしPKはVARの結果、取り消され、エリアぎりぎり外からのFKとなって、失点にはならなかった。
実際のところ、名古屋は、磐田に攻め込まれてはいたけれど、三國を中心としたディフェンスで余裕を持って対処出来ていたし、打たれたシュートもランゲラックが問題なく対処出来るレベルに見えていた。
磐田の方が手数は多いにしても五分五分かな、という印象のスコアレスで折り返し。

ハーフタイムに名古屋は椎橋を下げてパトリックを投入。前半と変わって、名古屋がパトリックをターゲットに放り込む攻め方になったことで、磐田の守備がすぐには対処出来ず混乱していた感じ。
そういう流れの中で、名古屋が相手陣内でボールを持ち続け、7分にはパスの連続から、最後は永井が左からゴール前へ入れると、稲垣が飛び込んできて合わせ、先制ゴール。
これで名古屋がはっきり主導権を握った。さらに優位な試合展開を生かして、柔軟に選手を入れ替えていき、内田をボランチ、野上をDFへ移動するなど、状況に応じて、ポジションをこまめに動かしていたように思う。しかもそれがはまっていた。
35分には、永井を菊地に交代。
終盤、磐田は攻勢に出て、名古屋ゴール前に押し込んで来た。きわどい場面もないではなかったけれど、事故がなければ大丈夫、という感じだったと思う。そしてロスタイム、攻め込んで来た磐田のシュートを止めたランゲラックが、前線の左サイドへフィード。これを菊地がうまく捌くと、裏へパスを出していき、走り込んだ森島が納めて、GKと一対一を決めて2-0。
ここは菊地のパスが見事だったと思う。森島も、個人的にはこういう場面では失敗するイメージが強いので、よく決めたな、という感じだった。
これで試合は決まった。

名古屋は3連戦3連勝。しかも全試合複数得点で完封勝ちという完勝(かなり久々だったらしい)。前の2試合は永井大作戦が機能したものだったけれど、それがうまくいかなかったこの試合は、後半で軌道修正して、きっちり結果につなげた。相手が残留争い渦中の磐田だったことを考えれば、ある程度割り引いて考えるべきとは思うけれど、いい試合をしたのは間違いない。長谷川健太がいい指揮を見せたと思う。
あとは、この勢いが続くかどうか。とりあえずは次節の福岡。この3連勝の前までは、福岡の方が順位は上だったし、この3連戦の相手チームよりも手強いと考えた方がいいんじゃないかな、とは思う。

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磐田ゴール裏のみなさん。
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